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海流のなかの島々



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海流のなかの島々の評価: 4.50/5点 レビュー 30件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.50pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全26件 21~26 2/2ページ
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No.6:
(5pt)

人類で一番イケテイル男、ヘミングウェイ!

最も敬愛する人物、ヘミングウェイ。小説は特段、感動するわけでもなし。でも、媚びず、語らず、ただひたすらにドライ。海〜キューバ、トローリング、セイルフィッシュ。渓流〜フライフィッシング。アフリカ大陸〜ハンティング。酒〜フローズンダイキリ。闘牛、そして戦争。自然と死にとりつかれながら、8人の女性と離婚し、最後には猟銃自殺。こんなカッコイイ男はヘミングウェイだけだろう。この作品は、ヘミングウェイの生き様が凝縮されている。
海流のなかの島々 上巻 (新潮文庫 ヘ 2-8)Amazon書評・レビュー:海流のなかの島々 上巻 (新潮文庫 ヘ 2-8)より
4102100083
No.5:
(5pt)

知られざる傑作

この本を読む前に初期の作品「日はまた昇る」を読んでいましたのでこれとの対比で見ると、まずヘミングウェイが手をあまり加えていないせいか、らしくない長めの表現が所々に見られます(多分ヘミングウェイが生きていて出版する気であったなら大分削っただろうなと思うところがいっぱいあります)。そういう意味でも余計な表現を削り取る前の「素のヘミングウェイ」を楽しめる気がします。主人公のハドソンはそっくりそのままヘミングウェイに置き換えてもいいです(ジョイスやパウンドまで会話に出てきます)。カクテルの描写や、釣りなどさまざまな描写はやはりさすがという気がします。
海流のなかの島々 上巻 (新潮文庫 ヘ 2-8)Amazon書評・レビュー:海流のなかの島々 上巻 (新潮文庫 ヘ 2-8)より
4102100083
No.4:
(5pt)

暴力と動機付けの仮説検証

上巻とは全く趣が異なります。
見かけ上は例によって、絵の無いブラックホークダウンとかプライベートライアンです。挿絵も写真も無しで良くここまで殺し合いの詳細記述ができるなあと感心!マングローブ林に隠れながら、逃亡ナチスの生き残りの兵隊を汐の干満を利用しながら執拗に追跡してともかく殺しまくるというお話。
民間人として狩猟用のアマチュアの武器と手作りの消火器爆弾で武装して、プロの殺し屋のナチスの重武装したエリート兵隊たちと白兵戦を繰り返す。読んでるうちは気付かないけど、何でド素人集団がプロの殺し屋と渡り合わなければならないのか後で気が付く不思議なポイントもあり。
インテリにとっての殺し合いの合理的解釈として読むと面白い。
例えば、
1) ナチスは邪悪な悪鬼だから命を賭けても殲滅する義務がある
2) 息子を殺したナチの仲間だから殺してやる
3) 無辜の島民を殺した凶悪なテロリストだからリンチで殺してやる
4) 自由と平和と民主主義を脅かすナチ野郎は皆殺しだ!
5) もう生きるのが嫌になった自分としては、弱虫としての自殺はしたくないから、擬似的戦闘で戦死して死にたい
自殺して死ぬための手段としての戦いと読むか、生きることを印象付けるための戦いで止むを得ず結果として死んでいくと読むか、どちらかは非常に曖昧のまま。多分、そこいら辺を問いかけるための論題なのでしょう。
読み方とか読む時の心境とかで全く別のお話に様変わりするから、だから巨匠の傑作なんでしょう。読まないと一生損しますよ!
海流のなかの島々 (下巻) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:海流のなかの島々 (下巻) (新潮文庫)より
4102100091
No.3:
(5pt)

生前は秘匿されていた大作

アメリカ人のヘミングウェイファンでも知らない人の多い隠れた名作です。生前は発表されずに原稿のまま放置されていたのを最後の奥さんのメアリーと版元が最小限の加工で ー 校正と本人でも切り落としたに違いない部分をカットしたものです。ヘミングウェイの勇ましくて男らしいという先入観をあまりにも強烈に塗り替えるので、勇猛果敢なパパが好きなファンは読む前に覚悟が必要。偶像破壊を畏れない人には絶対お勧め。
前半の日中は老人と海のような海洋冒険と男の命がけの勝負というおなじみのパターンですが、日没と同時に孤独感と後悔に押し潰されて鬱の奈落に沈み込んで行く神経症的な初老の男の独白となります。
日中の冒険だけ拾い読みという読み方もアリだと思います。丸っきり絵の無い海洋冒険映画です。ただし、熱帯の海や海洋生物、釣りの知識を持ち合わせていないと沢山の訳注がうるさくて本当に楽しむのは難しいでしょう。「陽の当たっている砂底の浅瀬は安全だ。遠くから鮫の影がはっきりと見えるから。」このセリフが何を言っているか実感できればたっぷりと楽しめます。
夜のシーン、社交界の話、酒場の会話はスキップもありかも。当時の風俗を知らなければピンとこないし、パパのイメージを大きく破壊する部分が多く含まれています。
構成と展開は凄い。予測を許さない。ビミニ島での子供達との楽しい宝石のような夏休みの直後にいきなり「息子が死んだ。」ですよ!しかも戦死と自動車事故で相次いで! でもご安心、この作品は自伝ではなくて創作ですから。ヘミングウェイの息子は戦死も事故死もしていません。
読み切るのに気力と体力が要ります。短い文章で多くを表現しているので、斜め読みとかさらりと読み流せませんから。下巻では更に読破への道のりは険しくなります。
海流のなかの島々 上巻 (新潮文庫 ヘ 2-8)Amazon書評・レビュー:海流のなかの島々 上巻 (新潮文庫 ヘ 2-8)より
4102100083
No.2:
(5pt)

人生を感じます

上巻の明るさは微塵も感じられない展開に、これが続きなの?別な話であってほしいと思ってしまうほど、悲しみが胸にしんしんとしみます。人生について考えさせてくれる、心に残る小説だと思います。
海流のなかの島々 (下巻) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:海流のなかの島々 (下巻) (新潮文庫)より
4102100091
No.1:
(5pt)

何度読んでも新鮮です

ヘミングウェイの「表現」はすばらしい、これに尽きると思います。小説の登場人物たちの体験を、自分が五感で感じているような錯覚にとらわれます。擦り切れるまで読みかえしても、まだ読みたいと思える一冊です。
海流のなかの島々 上巻 (新潮文庫 ヘ 2-8)Amazon書評・レビュー:海流のなかの島々 上巻 (新潮文庫 ヘ 2-8)より
4102100083

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