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武田家滅亡



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【この小説が収録されている参考書籍】
武田家滅亡
武田家滅亡 (角川文庫)

武田家滅亡の評価: 4.13/5点 レビュー 45件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.13pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全34件 21~34 2/2ページ
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No.14:
(5pt)

「武田家滅亡」の過程の人間模様を見事に描き出した力作

北条・徳川・織田・上杉といった四方の近隣諸大名との駆け引き、金山の枯渇による財政逼迫、信玄時代の武断派重臣と新興の文治派重臣の根深い対立、親族間の勢力争い…信玄亡き後の勝頼率いる武田家はまさに「内憂外患」のオンパレードで、そうした状況下で広がりきった国境線を守ることは非常に困難であったであろう。いったん崩壊し始めてからの家臣の相次ぐ離散も世の常である。そうした状況が、北条から嫁いだ妻・桂姫を中心に様々な視点から重層的に余すところなく描かれている。
長篠の戦いから武田家滅亡に至るまでの数年間に、これほどドラマチックで濃厚なストーリーと登場人物がうずもれていたことに驚く。それを掘り起こし細かく描き出し力作に仕上げた著者の苦労に感銘と敬意を表したい。
欲を言えば、パラレルストーリーが多い気がする。もう少し本編とその周辺に絞っても良かったのではないだろうか。
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No.13:
(4pt)

引き込まれました

この本はたまたま新田次郎の「武田勝頼」を読んでいる時に見つけ、違う観点での武田家の最後を読んでみたいということで購入しました。

物語の展開から言うと「武田勝頼」の空の巻(第3巻)に大体対応するのですが、桂姫(勝頼の妻)の観点で書かれている部分が脈々と流れています。史実という枠組みを脱することができないという歴史小説の縛りにあってもかくも素晴らしい小説が、しかも違った観点でかけるのだなぁと感心しています。その点で新田次郎の小説も伊東潤の小説もお勧めしたいです。

また勝頼の状況が現在の日本の政治・経済の状況にどうしてもオーバーラップしてしまいました。政権を牛耳る官僚と親戚衆の対比、金山の枯れと借金・デフレ経済等々・・・

ただ読み終えて感じたことは勝頼が不遇とか無能とかではなく桂姫との関係を考えた時最後には勝頼は幸せだったのではないかと思えたことで、それが2つの小説の共通点です。

残念なことが1点ありました。できればこの小説に関連する地図や人物相関図のようなものが巻末にでもあったらなぁと思いました。勿論小説にそれらを期待するのが、野暮というものなのでしょう。ただ地理的な関係や人物の関係は理解するのになかなか困難な部分があります。
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No.12:
(4pt)

目から鱗の

九州の人間にはなじみの薄い甲斐武田家。

むかしむかし、稀代の英雄信玄亡き後あっという間に滅亡したそうな、
で終了、という非常に淋しい知識、認識しかない
私のような無知蒙昧の輩にはたいへんためになりました。

堅苦しい新書本は数々あれど小説ですから、すんなりと入って
3日ほどで読了できました。

作品を読んで実感する物悲しさ、
そしてほっとする安堵感が心地よいですねえ。

☆一つ減らしたのは、勝頼夫人桂を通しての人間武田勝頼の素顔、
この微妙な繊細さ、味わい深さの描写、これが今一つ、
というか思慮の若干浅く先の読めない短絡性しか印象に残りませんでした。

狡猾で智謀に富む、と同時に人間的苦悩に身をよじる、
その描写が凡人にもビシバシ伝わる、
それができれば文句なし☆5個でしたが。
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No.11:
(4pt)

滅びる側にもドラマはある

数多くの歴史小説を読んできたが、信玄亡き後の武田家を描いた作品を読んだが本書が初めてである。

武田勝頼に関しては、信玄を越えようとして無謀な戦いを長篠で挑んで惨敗し、その後は家臣も離反して滅亡に至ったくらいの印象しかないが、本書では「長篠の戦い」の2年後の1577年に北条家の桂姫が武田勝頼に嫁ぐところから始まり、1582年に自害するまでの5年間が描かれている。

衰退する武田家が生き残る手段はあったのだろうか、という思いで本書を読み進んだが、北条家と同盟を結びながら、それを裏切るような行動を繰り返した武田家は滅亡する運命しかなかったのだろう。武田勝頼は人間としては決して悪人でもないし、武将としての器量も有していたのだが、私心のある配下の武将の意見に揺れて道を誤った。
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No.10:
(5pt)

作者の情熱がほとばしる作品

細部にいたるまで、資料を調べ上げてなおかつ作者のフィクション部分も旨くミックスされた作品。監物、帯刀・四郎左親子。現場で戦った視点からも描かれているので迫力満点である。
 ラスト近くのそれぞれ親子のやり取りは、読んでいて涙がでそうになった。
 まだ、読んだことのない人には、是非読んで欲しい作品だ。
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No.9:
(4pt)

武田家という家族

勝頼室(桂)を主に武田家の終焉を描いた作品。
主人公以外多彩な配役で読み応えある。
釣閑の役割が作品を面白くさせている。
最後天目山では自刀とはなっていないが面白い作品である。
なかでも桂が武田家を「家族」という表現をしたところが斬新である。
歴史小説239作品目の感想。2010/03/29
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No.8:
(5pt)

読み応えアリ。

戦国時代最強と謳われた大名、武田家の最後の5年間を描く。
金山の枯渇、家臣の対立と独断、勝頼自身の迷いなど、様々な要素が重なり合い、最強軍団がその活躍の場を失っていく。
その最中でも支える者、裏切る者、ただ操られる者、見ているだけの者などの様々な思惑が駆け巡り、読み応えアリ。
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No.7:
(5pt)

文字通り、「武田家滅亡」を描いた歴史小説としては最高傑作

北条夫人(桂)が長篠の戦で敗北した武田勝頼に嫁いでから、滅亡するまでを描いた作品。

メインは桂と勝頼なのですが、もう登場人物が多種多彩の多さ。
国主、武将ばかりか下層武士まで。
奸物的な人物ですら魅力的に説得力ある描かれ方をしてある。
しかも全員ドラマ中で生き死にの決着をつけている。
人間群像劇のドラマとしても最強クラスだと思います。
これらの登場人物が複雑に絡み合い、どうすることも出来ない破局へ武田家を追い込んでいく。
そして見え隠れする、武田信玄の負の遺産・・・。

人物ドラマだけでなく、当時の武田家の政治、経済、他国との力関係も勘案されてて書かれています。
北条夫人=桂が実質の主人公でありヒロインですが、
彼女の視点を小説の中心に据えたのを見て「やられた」と思いました。
武田家の中で唯一、北条と上杉に肉親がいた人なんですね。
武田家に忠節を誓う雑兵や裏切り者の視点もあり、あちこちと移動しますが違和感がないのは見事。
大名勢力ごとの作者の目は極めて公平であり、何ゆえ、こういった態度をとるのか
読者に納得させてくれます。

フィクションなれど(しかしありえない話ではない)主要人物のドラマだけ見ても凄いです。
桂と兄の三郎=上杉景虎の真実の関係、御館の乱の勝頼の焦燥、桂を慕う武士・・・。
短い人生なのに「自分の人生には四季があった」と感嘆する桂。

短くも充実した生き様を遂げた人々の物語。
結末は悲劇なのに、雲ひとつ無い青空のように、どこまでも澄み切っていて、明るい。
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No.6:
(5pt)

武田勝頼鎮魂歌

希代の英雄である父信玄は,甲斐の資源を戦費として徹底的に使い果たした.信玄は膨張政策を取り続けたツケを“信勝の陣代”である勝頼に負の遺産として残して逝った・・・.
近年のどの史家の言をみても,武田勝頼が素晴らしい戦国武将であったことは明らかである.その勝頼をもってしても,武田家があっさり滅亡してしまったのは何故か・・・.

本作品は長篠の大敗北以降の武田勝頼を描く.天正五年一月十八日の桂姫輿入れから始まり,天正十年三月十一日の武田家滅亡までのわずか五年間を,新書判の二段組みで500ページ弱という長編に書き連ねる.勝頼の無念さを見事に表現しており,読み進めるにしたがい自然と勝頼の生涯に共感を覚え,そしてその人生を追悼したい気持ちになる.
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No.5:
(5pt)

綺麗な構成

武田家家臣団の四分五裂の様子が丁寧に描かれていて,武田家の滅亡という事実に対して強い納得感が得られました。また,序盤に構築される伏線がきちんと終盤に拾い上げられます。構成が緻密で完成度が高いです。

ただ,当該人物の行く末が先に予想できてしまったり(構成が緻密ゆえ,あるいは史実をある程度知ってしまっているから,そう感じたのかもしれません),他人に騙されやす過ぎるキャラクターが多いのでは(もしくは騙される理由が描き切れていないのかも)という感想も持ったりしました。

しかし,それらは小さな瑕疵でこの小説のおもしろさは損なっていないと思います。また,事態の推移や地名が細かく記されているために,当該時代の動きをリアルに感じることができ楽しめました。
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No.4:
(5pt)

脇役の伊奈の地侍に戦国武士の実像を見る

武田氏の急速な滅亡の一因には、名門武田家の後継者でありながらその出自から勝頼の当主としての求心力に限界のあったことと同時に、武田家の財政基盤を支えてきた金山の枯渇による財政破綻に求めるという視点は興味深いものがあります。

 主人公である勝頼夫妻以外の脇役にも複数の魅力的な人物が配され、ひたひたと滅亡に向かう武田氏の苦境がそれらの人物の行動とともに克明に描写されています。信濃先方衆の一人として登場する伊奈の地侍宮下帯刀はまさにその一人。高天神城の守備兵の一人という地味な役回りであるにも拘らず、そのしたたかで堅実な生き様には作者自身のイメージする戦国武士の理想像が投影されているようにさえ思われます。

 なおたまたま、この著書を読んでいる最中に天正7年に勝頼が城攻めを行ったとされる「広木大仏城」(埼玉県児玉郡美里町)の比定地を訪れる機会がありました。南北方向に細長い丘陵の先端部は斜面の勾配もあり水田面からの比高差は25メートル前後。人工的に削平された地形、切岸状の斜面、謎の溝跡なども所在。戦国期の遺構であるかどうかの判断が難しいところですが、のどかな中にも当時の戦火で消失したと伝わる常福寺の周辺を含めて歴史的な味わいを感じさせる田園風景が広がっておりました。
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No.3:
(5pt)

戦国最強の騎馬軍団の行方は・・・

歴史に「もしも」は禁句ですが、「信玄が生きていたら」の思いを彷彿とさせます。

武田勝頼は外敵よりも「内敵」に滅ぼされた・・・。

急激に膨張する織田・徳川連合、長篠の戦での家臣団の殲滅、上杉・北条との確執、騎馬軍団への依存(鉄砲浸透の遅れ)。

歴史で知っていることってこれぐらいでしたが、実は、戦国最強の騎馬軍団を支えた甲州金山の枯渇、

甲斐・信州・駿河・遠州の国人衆間の確執(軍として一枚岩では無かったんですね)、家老格でも簡単に他国へ寝返る戦国時代の価値観・・・。

丁寧な歴史のプロットと幅広い目線(主人公格が複数層配置)、一気に読んでしまいます。

「信長の棺 」に興味を持たれた方には、尚お勧めです。
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No.2:
(5pt)

今までにない歴史小説の世界

これまで多くの歴史小説(戦国物)を読んで来ましたが、これほど緻密な構成で且つ読者を引き込む小説はなかったと思います。

久し振りに時間を忘れて読みふけってしまう本に巡りあったという感じです。

今までの歴史小説にマンネリ感を持つ方に是非お勧めしたい一冊です。
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No.1:
(5pt)

楽しみな新人!

帯の惹句をいささか疑いながら読みましたが、久々に面白かった。武田家滅亡直前の人間模様を、大物家臣団、若手、そして足軽レベルで書き分けてあり、彼らのさまざまな思惑、権謀術数が絡み合い、物語がクライマックスへとぐいぐい進んでいきます。しかも、背景には勝頼と北条から嫁いだ女性の愛憎もあり、シェークスピアのようと言っては誉めすぎか? しかし、殆ど実績のない新人がこれだけのものを書くとは驚きました。次回作が楽しみです。
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