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日暮し
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【この小説が収録されている参考書籍】
日暮しの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.45pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全95件 81~95 5/5ページ
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「ぼんくら」の続編。「ぼんくら」と同じく、前半は連作短編で、後半にそれがひとつの大きな事件につながるという構成。今回も市井の人々の生活に潜む鬼、人の心の怖さを描いている。でもその解決方法に暖かさが感じられるのが宮部作品のいいところ。 特に「子盗り鬼」は怖かった。今で言うストーカーの話ですが、人間は自分が危機に直面しないと危険に気が付かないということがよくわかる。 「おまんま」では、“おでこ”こと三太郎の気鬱が描かれている。植木屋がおでこに言った意地悪な言葉。大人にはちょっとした憂さ晴らしでしかない言葉も、子供には重大な意味を持つ。いや、子供だけではない、大人でも他人のちょっとした悪意に傷付くことは多い。 「嫌いの虫」は、佐吉とお恵の夫婦の話。お互いを思うあまりに相手に心配をかけまいと、なんでも自分で抱え込んでしまう。そこから来る気持ちの行き違い。こちらはちょっと微笑ましい。徳松とおとみの夫婦の話も「犬も食わない」ということか(笑) 「なけなし三昧」は、こわいものを見てしまって、それにおぼれた女と、逃れることが出来た女の話…。 タイトルにもなっている「日暮らし」は事件としては平凡ですが、それそれの登場人物の味わいが格別です。 | ||||
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長屋を取り仕切るぼんくらな同心・平四郎と甥の超美少年・弓之介が事件を解決していくのだが、「時代モノ」が苦手な読者にも読みやすい工夫が随所に見られる。食わずぎらいしている人にもぜひオススメしたい。 平四郎の美貌の妻をはじめ、彼をとりまく長屋の人々も皆さんキャラが立っているので、まるで時代劇ドラマを見ているように読み進むことができる。 この読みやすさ、とっつきやすさも宮部みゆき作品の魅力だと思う。 そして、何を書いても作品に「品格」を感じさせるのはお人柄なのだろうか? | ||||
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私が、最初にサスペンス小説にはまったのが宮部みゆきの「模倣犯」でした。其れからが、次々と読み出版されている本は全部購読しましたが中でも「ぼんくら」「震える岩」等時代小説のサスペンスの面白さを知らしめたの流石にサスペンスの女王宮部みゆきです。日暮しの登場人物の「おでこ・弓之助」やお徳さん、カラスを飼っている佐吉の結婚と話が続いてます。マタマタ、次をと期待したくなる作品でした。何と言っても、登場人物の表情が事細かく可笑しくて目に浮かび何度も噴出しましたが、心を打たれる飽きさせない者でした。是非・お勧めです。 | ||||
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正直言って、宮部みゆきはそれほど好きな作家さんではないのだが、 なぜか時代小説シリーズだけはマメにチェックしている。 前作「ぼんくら」の登場人物勢ぞろい。 読んで無くても充分楽しめるが、読んでる人には懐かしい名前がさらに楽しい。 前半は短編小説集?と思わせる構成で、各章の作品単独読みきりできてしまうのだが、後半各章がぐぐっと繋がっていく。 宮部みゆきの時代小説はやっぱりいい、と思わせる作品である。 | ||||
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上巻のスピード感のある展開が後半になってだれてしまいました。ちょっと厚い1冊でも良かったのではと思ったのは私だけでしょうか? ぼんくらで人情家の同心平四郎、頭脳明晰、美少年の弓之介、愛想は悪いが面倒見のいいお徳さん、記憶力抜群で愛嬌のあるおでこ等々、登場人物には文句のつけようがありません。 次回作では、緊迫感のある展開とを期待します。 | ||||
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葵の下手人は誰か。平四郎の何気ない一言から弓之助が解決に導くまで、一気読みして疲れました。ついでに睡眠不足に…。真犯人登場のどんでん返し、途中なんとなく見当はつくもののその理由には、ちょっとこじつけ気味の感がなくもないですが。 弓之助が、大人も気がつかない人の心の裏側に踏み込んでいくところは小気味良いですが、「おねしょ」をはじめ子供子供したエピソードで憎たらしくならないところが、宮部さんのうまいところです。 最後まで謎なのが湊屋総右衛門。真実何を考えているのか皆目分からないところが、犯人よりも不気味で、全編を通して暗い闇に鎮座しています。 最後は、皆それぞれの問題を抱えながら納まるところに納り、ご愛嬌で明るく仕上がっていて、上巻に比べねちっこく重い展開を挽回しているといったところでしょうか。 | ||||
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「ぼんくら」シリーズ第二作の後編、謎解き編です。今回は前作のような二転三転ジェットコ-スタ-的展開ではなく、意外な伏線が一気に押し寄せてくる…のかと思うと、ゴールにたどりつけずに途切れてしまう伏線もあったりして、言うなれば「あみだくじ」的展開とでも申しましょうか。もう少し描き込んでほしい所もあります(詳しく書くと未読の方に申し訳ないので、具体的には書きませんが)。 前作の幕切れでは何となく釈然としないところが残ったのですが、それが本作につながっていたわけです。本作では明らかに書き残している部分があると思われ、それが次のシリーズ作品になることを期待させてくれます。ただし次作ではもっと大きく踏み出して、新たな緊迫感あるドラマを創出してほしいなと思います。 サスペンスとして読めば以上のような感想になりますが、時代物としてはやはり傑作。面白うて、やがて哀しき…といった江戸の人情を描けば、由緒正しき江戸っ子の宮部みゆきは第一人者(の一人)でしょう。愛すべき登場人物群の次のお目見えを心待ちにしております。 | ||||
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時代小説「ぼんくら」の続編です。ぐうたら同心平四郎と甥の超絶美少年弓之助が、江戸の町に起こる事件を解決していくという筋立ては前作と同様。 登場人物が皆個性的で楽しい。大人と子供のコンビを描くのはうまい宮部さんですが、私のお気に入りは、弓之助と、何でも覚えて諳んじてしまう特技を持つおでこ(額が人一倍大きいのです)の仲良しコンビ。大人の身勝手から起こる事件の中で、ほのぼのとした良い味出してくれています。 物語は5章に分かれていますが、4章までは「ぼんくら」を読んだことのある方なら、短編としても十分楽しめます。「ぼんくら」の最終章の葵の意味深な登場に考え込んだ方は、この続編の展開に納得でしょうか。葵の息子佐吉が落とした一滴の涙。そのまま下巻へつながるので、2冊一度に買った方が精神衛生上良いようです。焦らされるのが好きな方は上巻を読み終わってから購入してもいいかな。 しんみりしたり、はらはらしたり、色んな味付けを楽しんでいるうちに読み終えてしまいます。宮部さんの時代小説が好きという方は多いですが、現代が舞台では出せないしみじみとした風情が漂っていて、この感じが好きなんだなと実感しました。 | ||||
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宮部みゆきの作品群の中でも、「ぼんくら」は愛読書の一つです。これって長編小説だよね?と首をかしげつつもぐいぐいと引き込まれてしまう構成の妙、登場人物群の多彩さと可笑しさ、そして全編を流れる笑いに隠された温もりといとおしさが何ともいえず好きです。その続編ということで、首を長くして本書の出版を待っておりました。期待にたがわず、一気に読ませるストーリーテリングのうまさ、表情豊かな例の人々。新たな登場人物たちもなかなかユニークで、いかにも人間くさい人たちの織り成すドラマを、作者の匠の技にどっぷり浸かって楽しむ事ができます。ただ、ここまで前作の影が色濃いとは思っていませんでした。更に、前作を読んでいない人には必要だとわかっていても、前作の復習部分がやはり冗長に感じられてしまいました。(霊験お岩のシリーズ第二作では、そういう雰囲気はあまり感じなかったのですが。)まあ十二分に楽しみましたが、「ぼんくら」を読んだ時のようなゾクゾク感が今一つ。親しみや懐かしさとサスペンスや緊迫感を両立できる宮部みゆきと信頼しておりますので、あえて辛く☆4つ。でもやはり面白かったです。 | ||||
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「ぼんくら」の鉄瓶長屋事件の人たちの後日談ともうしますか、「ぼんくら」完結編ともうしますか、良くも悪くも表裏一体。上巻は「葵」という女性と係わった人々の側の人間模様が中心の短編集としても読めますが、下巻ともなりますと「ぼんくら」をふまえていませんと、事件の人間関係の裏がメインになってきますので、意味が解からなくなるかもしれません。ミステリーとして楽しみたい方には「ぼんくら」を先に読まれることをお進めします。 ただ、人物の描き方自体は流石と申しますか、愛想と面倒見が反比例のお徳さんも、ぼんくら腰痛持ち同心平四郎の魅力も損なわれてはおりません。ちょろっと「はつものがたり」の茂七さんなんかの名前も登場いたしまして、フィクションなのに 「ああ、生きてる、生きてる」 と妙に嬉しくなったりいたします。 ちょっと寂しいのが弓之助。おねしょの回数は前作比2倍程になっていますが、「測り癖」がなくなってしまって灰汁が抜けてきた点。作中に理由もございますが、これでおねしょが直ったらただの頭のいい美少年になってしまいます。 | ||||
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江戸庶民時代劇ミステリー。美少年「弓之助」のキャラクターが目を引く。異才の「おでこ」も、なかなか。八丁堀勤めの「平四郎」も、ひょうひょうとした人間味で魅力的だ。 江戸時代版「探偵少年コナン」という感じでしょうか。お菜屋「お徳」の成功物語が、隅の縦糸となって小説世界全体を少々明るくしているのがミソだ。そうでなければ、この湊屋騒動のドロドロには、「平四郎」同様、正直閉口した。上巻の短編部分は印象的で切れ味があったが、下巻の中盤あたりで、けっこうしんどかった。もう湊屋なんかほっとけよ、とチョッと思った。 | ||||
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ぼんくら同心井筒平四郎と甥の弓之助が活躍するシリーズの最新刊。 宮部先生のキャラクターはどのシリーズも個性的でよいのですが、 この二人はかなり異色の取り合わせで、おもしろいです。 前作の「ぼんくら」も一気に読んでしまいました。 時代小説はとっつきにくいという方も、ぜひ、お勧めしたいです。 途中は、はらはら、どきどき、どーなってしまうの?と思ってしまう のですが、殺伐としている世の中も、結構捨てたモンじゃないなんて、 やさしい気持ちになれる物語です。 他のシリーズの登場人物もちょこっと出てきたりで、楽しめます。 | ||||
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鉄瓶長屋を舞台にした前作『ぼんくら』の事件から一年が経った頃、井筒平四郎と彼を取り巻く人たちの前に、再び新たな事件が持ち上がります。先の「鉄瓶長屋」事件の火種は消えておらず、今回は大火事が起きたとでもいった風に話が繋がっているので、ぜひぜひ、『ぼんくら』を読んだ後に本書に向かうことをお薦めいたします。 前作同様、この『日暮らし』でも、初めにいくつかエピソード的な話が置かれた後に本編に進むという構成になっています。最初の四つの話に登場する人物と事件が、本編に入って寄り合わされ、織り上げられて行く。登場人物と彼らのエピソード風の話が、一枚の美しい衣装の中に織り込まれて行くんですね。特に本編の後半から終盤へと話が進むに従って、「ここにあの時の話が繋がってくるのか」「ここであの場面が生きてくるのか」と、何度も膝を叩きたくなりました。 井筒平四郎に弓之助、おでこ、お徳。彼らを始め、登場人物のキャラクターが実に生き生きと描き出されていて、自然、親しみを覚えました。彼らに注がれる作者の眼差しがあたたかく、そして厳しくもあったところ。そこにも共感させられました。とりわけ、登場人物それぞれの胸の奥に潜み、彼らを苦しめる“心のざわめき”を描写する件りでは、読んでいるこちらの胸の中もざわざわと騒いだり、ぐっと胸を衝かれたりしました。 話のラストでは、「ああ、あともうちょっとで終わっちまう」と惜しい気がして、ゆっくり、味わうようにして読んでいきました。そして最後の頁を閉じて、「ああ、いいものを読んだなあ」と、胸の中がほこほこしてきました。 | ||||
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以前発売されたぼんくらの続編もの。ぼんくらは講談社文庫から上下巻で発売中。美少年弓の介らの活躍する世界に再びつかることができて、今年の年末はこれでいかがでしょうか。 宮部みゆきは時代物と、現代ミステリー、そしてファンタジーなどを書いているわけですが、私が特にすきなのは時代物だったりします。 人物の書き込みのすてきなのですが、出てくる人すべてが幸せになるわけではなったり、でも救われたり、難かちょっとした幸せが読んでいて楽しい。 ほかにもぼんくら、あかんべえ、深川シリーズや霊験お初シリーズなどもあり楽しめます。お初シリーズ続編でないかなぁ。 | ||||
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宮部さんの時代小説はSFとか超能力とかが混じって普通の時代小説とは違って好きで、みんな読んでいます。今までのはだいたい短編なんですが、これは「ぼんくら」に続く長編で、より物語の深さに没頭できます。 江戸町民のまっとうな日暮らしをかく乱する事件を、ぼんくら同心・井筒平四郎と、超美形少年・弓之助が、いよいよ解決しにかかります。登場人物もいきいきして深みがあり、格別の味わいがあるのがいいですね。 「ぼんくら」を未読の方は是非、そちらを先に読むことをオススメします。 | ||||
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