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片想い
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片想いの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.97pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全148件 101~120 6/8ページ
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大作だし意欲作でもあるが、あまり心に響かない作品。 性同一性障害については、私には、直接の知人にそういう人もいないし、発言する資格もないと思う。それでも、この本に描かれているのは、たぶん表面的なことでしかないなあ、というのは何となくわかる。 もちろん、作者がちゃんと調べて、きちんと考えて書いていることは伝わってくるのだが(ミステリーの設定だから、あまり深い掘り下げを求めてもいけないのかな)。 小説としては、主人公の戸惑いや焦りはうまく描かれていると思うけど、ミステリーの部分は、緻密な展開とは言い難いような気がする。 細かい点で不自然に思ったことを指摘すると、主人公が10年ぶりに再会した学生時代のラグビー部の女子マネージャー・美月が、実は性同一性障害だった、というのに、この小説の地の文では「彼女」のまま。違和感を覚えつつ、何かの伏線なのかと思って読み進んだが、結局、作者の意図はよくわからない。 主人公の意識の中で、美月はずっと女だった、というのかもしれないけど、この小説の文体は主人公の一人称ではないし、美月のアイデンティティを尊重するなら、少なくとも地の文では、彼でも彼女でもなく、名前を書き続けるべきだったのではないか。 もう一つ、事件を追う過程で、主人公がある人物の行方を探す場面がある。その人物は、身体は女、心は男なのだが、主人公はその人物の知人から、もし会えたら渡してほしいと1枚の写真を預かる。その後、主人公は、今は男の姿で暮らしているその人物を探し当てたのに、写真を渡していない(そういう描写がない)。 これは明らかに作者のミスだろう。 そういう細部に神経が行き届いていないと、フィクションは決して傑作にならないと思う。 | ||||
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「血液型4つで性格を分けるのなんておかしい!」と言う人はたくさんいても、 男女の2分類に疑問を投げかける人は多くはない。 男女の違いとは何か? そもそも「男・女」という概念は正しいのか? あなたにとって男女とは、 コインの表裏ですか? 北極と南極ですか? 読んで、考えてみてはいかがでしょうか。 | ||||
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東野圭吾の本を、読んでみたかった。 お勧めの作家でよく目にする作家さんだったから。 読み終わって、すごいって感心した。 こんな長編を、きちんと書くってことがすごい。 緻密な構成、絡み合った人間関係。 最初のほうに出てきた伏線が最後で明らかになる。 そこに持ってくまでの展開。 中盤に差し掛かったところで新たな展開。 どれもすごいとおもう。 私的には2時間のサスペンス劇場を見てる気分だったけど。 性同一性障害・・・ すごく難しい話だと思った。 「受け入れられたいという我々の思いは、 たぶんこれからも伝わらない。 片想いはこれからも続くでしょう。」 ちょうど、中間あたりで出てくる科白。 きっと、苦しんでいる人はたくさんいるんだろうなと思った。 ハードカバーでもこんなに分厚いんだから文庫本にしたら・・・ それでも、最後まで飽きずにあっという間に読んでしまった。 後半に差し掛かったとこで 主人公が15分か20分の間に人の部屋の中からあるものを探さなきゃいけない場面がある。 部屋の持ち主が帰ってくるまで15〜20分ってこと。 気がついたら、こっちまで焦って急いで読んでた。 そして、何も私まで急いで読むことないって気がついて戻ってまた読み直した。 それくらい、話の中に入ってた。 | ||||
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東野圭吾さんの作品で初めて読んだのがこちらの「片想い」でした。 確かに性同一性障害というテーマを真剣に、丁寧に扱っているのは伝わってきました。また、登場人物の感情描写等、共感できる部分もありました。意欲作だとは思います。 ただ、読んでいて話が間延びしている感じがしてなりませんでした。 事件の真相と性同一性障害に関する話を行ったり来たりして、テンポが悪く、必要以上に文字数、ページ数が多いように感じました。 あくまでミステリーとして読んだなら、あまり面白くなかったというのが率直な感想です。 東野圭吾さんの他の作品を読んでいたら、あらかじめ性同一性障害というテーマを取り扱った作品として読んでいたら、もう少し違った感想を持ったかもしれませんが、今回はこの評価です… | ||||
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性同一性障害の友人の周りで事件が起き、元アメフト部のQBがその謎に迫る。 前半がミステリーでテンポ良く進み、後半がヒューマンドラマ的に人間関係(友情、愛情)が見え隠れする。 人間の男女の性について、本書を通じて考えさせられる部分もあり、「メビウスの輪」という表現は、納得の表現である。この辺の微妙なニュアンスについては、本書を読んで味わって欲しい。 | ||||
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タイトルからすると、ものすごく甘酸っぱい恋愛ものなんじゃないかと思っていたんですが、全然中身は違いました。ジェンダーの話が絡んでいるよ〜、という事前情報も少しだけは入ってきていました。 しかし、そのジェンダー絡みの話も、男×男とか女×女とかそういうのが軽くちょっぴりアクセントに入っているんだろうと思っていたら、そんなレベルはとうに越して結構ハードに主題になっていので、それにもびっくりしてしまいました。 いい意味で、ものすごく裏切られました。 今まで読んだ東野物が、ちょっとコメディタッチの『秘密』と、丹念にトリックを重ねていく『悪意』だけだったから特にそう思うのかも知れませんが、今回の『片想い』は作中のどこを取ってもハードでタイトで息苦しいくらいにサスペンスです。 分類としてはガチガチのサスペンスミステリで、十年来続いた大学時代の友達たちの関係を縦糸に、ジェンダーの不可思議さを横糸に、複雑にからみ合った人間関係とそれぞれの秘密が最後まで物語を力強く押し進めます。 主人公は帝都大学のアメフト部のクォーターバックだった、通称QB。 彼は十数年かかさず毎年行われているアメフト部の同窓会の帰り、須貝というチームメイトと一緒に、当時のマネージャーの一人、美月と出会います。ひさびさに会った彼女は、驚く二人を前に言葉を発せずしゃべれない、ということをアピールします。驚いたQBと須貝はとりもなおさず、彼女を自宅へと連れて行くのですが、自宅で着替えた彼女の姿に彼等は驚きます。なんと、美月は男になっていたのです。。のみならず、人を殺してしまったと告白するのです。 果たして、どうして彼女が男の姿になったのか。本当に彼女は人を殺したのか。物語は予期せぬ展開を見せ続けていきます。。。 ここから先はネタバレになっちゃうんでストーリーには触れられませんが、とにかく重いです。常に雲がかかっているような雰囲気が作品を覆っています。それだけ真剣に東野圭吾がジェンダーというものについて考えたからなのでしょうけれど、もう少し明るいとこがあっても良かったかなぁ、という気もします。 個人的には、主人公のQBにあまり感情移入できないとこがあったので大絶賛とはいきませんが、いろいろと問題提起になる一作である事は間違いがないでしょう。 | ||||
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題名の「片想い」からは想像もできない壮大なミステリーである。 女性,男性とは何だろう?厳密に分けなければならないものだろうか? 女性は男性を,男性は女性をと愛するものを性別で選らばなくても良いのではないか? 自分の思うままに、惹かれるがままに愛すことができ、世間に受け入れられる事はないのか? 精神と肉体が違う性を持つ者、肉体が2つの性を持つ者、同性に引かれる者など 世間一般で言われる普通の人とは違う世界に属するこのような人たちは当然ながら苦悩する。 大多数から外れるこのような人を受け入れるような価値観はまだこの世界にはないのだから。 だから、これらの人は目立たぬように、ばれないように隠し、隠れなくてはならない。 たとえ、どんなに大きな事件、事故が起きたとしても。 人がもって生まれたものを差別してはいけない。もって生まれてこないことを差別しても いけない。個人を、あるがままの個を尊重しなくてはならないとは思う。 しかし、それが自分にふりかかったとしても受け入れる事はできるだろうか? 自分の我子にふりかかったとして受け入れる事はできるだろうか? 自分の愛する子供が「私の愛する人です」とこのような人を連れてきて、 受け入れることができるだろうか? あるがままを受け入れ尊重することが愛の一歩だと思う。 もし友人なら人間性での付き合いなのであるがままを受け入れることはできる。 しかし愛する我子だからこそ、我子のそんなつらい現実は受け入れられないのだ。 愛とは何なのだろう。 上手くいってた夫婦もすれ違い生活で破綻することもある。 愛とは何なのだろう。 そんな葛藤をかかえてしまう1冊である。 | ||||
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生まれは変えようがないといいますがその通りですね。今現在いきなりスカートを履きなさいと言われて素直に履ける訳がないですね。それをずっとずっと我慢する気持ち、そして何よりほかの人に相談することが出来る内容ではない、もし言ってしまえばよくて大変だねぇー。と信じてもらえずに聞き流してくれる、悪ければ二度と話してもらえない、そして周りの人間にもドンドン広がっていく、そんな世界で強くまっすぐに生きる。この世の中はやはり平等とはいえないのですね、そう心に強く思いました。 | ||||
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変わった観点で書かれている作品でした。 男女という境目はどこにあるのか、生まれ持った 染色体なのか、体的にも心でも簡単に割り切れない 人がいることに作品を読んで感じました。 いろいろな先入観、あたりまえのことを改めて考え て直してみる必要があることが、わかります。 | ||||
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大学時代のアメフト部同窓会の日に、かつての女子マネージャーから人を殺したという告白をうけた主人公。 男の姿をした彼女は、学生時代からずっと性同一性障害の苦しみを抱えていたという・・・。 思い出というのは、自分の頭の中だけで何度も記憶の出し入れをしているうちに、 多少の脚色を加えつつ、都合のいい感情が主体となった“別物”に変化するものなのかもしれない。 納まるところにおさまったはずの思い出。 出来事はとっくに時効を迎えているはずが、いざ 当時の隠された気持ちを告白されると、 心の置き場所に戸惑ってしまうことがある。 お互いの間に存在する情愛はなかなか風化できないからだ。 職業や性別、社会的地位など当時と大きく環境が変わったとしても、 人は深い愛情を持ち続けていけるものなのだろうか・・・・心の核にふれる内容です。 | ||||
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性同一性障害に焦点をあてた作品。 もって生まれた生物学的な性と心が感じる性が異なる人々がどう生きていくか、周りの人々はそれをどうとらえるか。 そんなことを問いかけている。 おそらく少数派である彼らを、「障害」として特別視してしまう社会構造を変えていかなければならないと書かれているけど、実際そのような人たちが周りにいない(あるいは表に出していない?)のでなかなか現実問題として捉えることができないけれど、考えていかなければいけないことではある。 | ||||
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帝都大アメリカンフットボール部でQBだった哲朗は、久しぶりに再会した女子マネージャーの日浦美月からある秘密を告白される。その後、チームメートを巻き込みながら事件は進んでいく。 極上のミステリーだと思います。 一気に読めます。というか、読んでしまわないと気が済みません。金曜日の夜に読み始めることをお薦めします。 トランスジェンダー×アメリカンフットボール という一風変わった組み合わせがテーマだ。 トランスジェンダー:よく練り込まれた内容だと思います。私自身とても勉強になった。主人公の哲朗よりかは理解できているつもり。 アメリカンフットボール:ポジションとキャラクターを絡めながら話が展開されていく。フットボール経験者ならほくそ笑むシーンが多いだろう。東野圭吾自身アメリカンフットボールの熱烈なファンらしい。敢えて難を挙げるとすれば花形ポジションだけが扱われている点。OLの変則的なアサイメントを実行できるようなユニットとして有機的な動きができたときのカタリシスが描かれていない。OLはインテリジェンスなポジションだ! | ||||
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昔の仲間がいて、付き合った人がいて、いつまでも心の隅で思っている人がいて。そんな青春送りたかったです。性同一障害という重いテーマはあるにせよ、大好きな人はいつまでも大切にしたいという気持ちは男も女も変わらないのでは? | ||||
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この片想いという作品は元アメフト部のマネージャーでジェンダー問題に悩む美月と もう一人のマネージャーだった理沙子との夫婦問題に悩む元スタープレイヤーのQBこと哲郎 そして学生時代に美月と付き合ったことがあり、今は資産家の娘婿である中尾 の3つの家族の物語だと私は解釈しています。 今年大ブレイクされた東野さんは離婚されていますが、 1.氏のその経験 2.時折みせる社会的なテーマへの挑戦というかそのテーマを深堀りした氏なりの読者へのメッセージ 3.ストーリーテラーとしての緻密な複線が絡み合う物語の上手さ 4.学生時代のアーチェリー部主将の経験 が見事に折り重ねられて生まれた超一級の小説です。 3つの家族のメンバはそれぞれに悩みを抱えながら、そして自分の信じた・選んだ道を進み やがてそれぞれある終点へと辿り着きます。 そこはまた各人の新たな人生の出発点でもあります。 最後まで読み終えた時、この小説が伝えるメッセージの感じ方は 読む人の人生経験やその時の心の状態で大きく変わるでしょう。 私は2回目に読んだ時は前回に比べて、前向きなメッセージを強く感じました。 かの村上春樹氏は優れた小説とは、読む人の年齢・性別・時代の変化に多面的に対応できる要素を備えていて、 いつまでも陳腐化しないことだと言いましたが、この片想いという作品は正にそんな作品です。 | ||||
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「片想い」というタイトルから、私はこれまで同氏が発表した「同級生」「放課後」と同じ学園推理小説を想像していたが、内容はそれらとは全く違い、「性同一障害」の問題を取り上げた「社会派ミステリー」である。 「片想い」の意味も、これまでに誰もが経験したことのある、いわゆる一般的な「片想い」ではない。男、女両方の心を持った人間(中性とでもいうべきか)の複雑な想いのことである。 前述したような先入観で読み始めたのですが、今回もいつものように東野氏にはいい意味で期待を裏切られて満足しています。 | ||||
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実はこの作者、相当のロマンティストではないかと思う。 それを苦みばしった描写で表現することが多いのだが、本作もそのひとつ。 セックスジェンダーについて考えさせられるけれど、それは本作の眼目ではないのかもしれない。 ラストまで決まっていて、美しい余韻がある、すばらしい作品。 けっしてキワモノではないです。 そう思って躊躇している方、ぜひご一読を。 | ||||
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東野作品にしては珍しくラストでのどんでん返し的なものが無いです。 そのため東野作品としては少し物足りない感じがします。 とはいえ、東野氏の他の作品が面白すぎるが故に そう感じるだけであって決してハズレではありません。 しっかりとしたテーマ性もあり、それなりに楽しめる水準の話です。 | ||||
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やはり東野らしく暖かな小説です。 見た目と内面の不一致は人に混乱と苦悩をもたらしますが,その際立った形として性同一障害をとりあげています。 保守的な常識だけにもおもねらず,ラディカルフェミニズムにもはまらず,主人公であるQBは友人を救おうとします。 しかし,常識的な人間はとても残酷なものです。 彼は何とかしたいとあがきながら,救済することが出来ません。 その姿は著者の思いを反映していると感じました。 | ||||
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『男』とは何なのか? 『女』とは何なのか? その問いに正面からぶつかっていった小説は少ないと思います。 その少ない小説の一つが本書。 【推理小説】というテイストではないと思います。 例えるなら…天童荒太さんの《永遠の仔》に近いかもしれません。 タイトルの《片想い》の意味。 全てを読み終わった時に薄っすらと、その本当の意味が解ったような気がします。 たぶん1回読んだだけでは、作者・東野圭吾さんが意図した内容、書こうとした事を完璧に理解することはできないのでしょうけど…。 何故このテーマで書いたのか…? 正直、読んで良かったと思える作品ですね。 | ||||
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推理や人間苦悩よりも、学生友人ドラマとして なら読める作品である。 犯人探しとしては一気に読みたくなるが、結果 は大きな衝撃もなく、男女であることの悩みに 対する解決策も賛否があると思われるので、 いつもの東野ミステリーとしてよりも、前記の 友情ドラマとして読んだ方が納得できる部分が 多いのではないかと思われる。 本当の悩みを学生から数年たって聞いた時に、 友人とは何なのかを再度考えるシーン。 学生時代のお似合いカップルの厳しい末路。 友情を捨てて、仕事に生きる男。 結婚して年齢を重ねると、大切なものの優先 順位etcのシーンは共感できると思います。 | ||||
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