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片想い



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【この小説が収録されている参考書籍】
片想い
片想い (文春文庫)

片想いの評価: 3.97/5点 レビュー 148件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.97pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全148件 141~148 8/8ページ
No.8:
(4pt)

ジェンダーの問題

東野圭吾は読みなれたのか作為的な部分が鼻につくようになり、最近敬遠していましたが、これはそういったことがあまり気にならず、素直に物語に入り込んで読むことができました。なかなか面白かったです。主人公夫妻の大学時代の友人美月が「自分は体は女性だが心は男性である」「しかも殺人を犯して逃げている」という二大衝撃告白をするところから物語が始まります。たくみな伏線と意外性に富んだ展開で事件の行方を追ってゆく手法は、さすが東野圭吾といった感じで、読み手を引き込みます。元ラクビー部員とマネージャーの仲間達という設定で、全体的にラグビーを比喩に使うシーンが多く、ラグビーに詳しい人はそこらへんも楽しめるのじゃないでしょうか。そして、さまざまなジェンダーの問題を抱え生きてゆく人々(女性の権利を強く主張する主人公の妻から、オカマオナベと言われる人々、先天的に両性具有の少女まで)の生き様が深くそこに絡み、読み応えある作品になっています。自分自身の心と身体を静かに見つめ、少しでも自分らしく生きようとする人々の姿は、ジェンダー問題に限らずたくさんの人が共感できると思います。私は物語には少ししか登場しない両性具有の少女、睦月がとても印象的でした。
片想い (文春文庫)Amazon書評・レビュー:片想い (文春文庫)より
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No.7:
(5pt)

説得力のある性

東野さんの作品はどれも好きなのですが、この作品は特に好きです。物語としては推理サスペンスに属するのでしょうか?しかしそうは思わせない進行がとても心地良いです。何十にも重ねられた仕掛け、だけど文章自体がとっても分かり易いので読むのが遅い僕にはとても助かりました。この本で取り上げられているのは性同一性障害。それを理解していると思っていた僕は、自分の浅い知識と、本人達の強い悩みに愕然とさせられました。東野さんの語る性はどれも説得力があります。
片想いAmazon書評・レビュー:片想いより
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No.6:
(5pt)

自分の性別に苦しむ全ての人へ

性同一性障害の人間達の苦悩と彼ら、彼女らがどのように生活しているか、そしてその中で体は女性で心が男性の美月が殺人事件に関わり、それに伴って周りの人間がどう反応したか。それまで全く男女の性差を考えていなかった主人公哲郎がこの事件と大きく関わるにつれそれまで社会の明るみに出てこなかった部分を暴き立てていく。初めて読んだ時は「やっと世の中にこういう形の推理小説が出てきた」と万感の思いで一杯でした。東野圭吾は読ませる小説を書くのが実に上手い作家です。最初から内用に引きずり込まれていきます。特に戸籍交換システムの辺りは実際に社会に適応されたとして本当に警察沙汰にならないのかと考えさせられました。このレビューで興味の持った方は是非一読して下さい。実際に社!会全体の若い年齢層が中性と化しているそうです。一昔前の男は男らしく、女は女らしく、そんな形も崩れてきています。色々とジェンダーフリーと言われている世の中ですが、本当に自分らしくあるには、本当の自分とは。そんな問いに襲われました。スケールの大きさに圧巻され、この作者の技能と度量を見せられました。
片想いAmazon書評・レビュー:片想いより
4163198806
No.5:
(4pt)

差別

私は差別者である。差別といっても、社会には性差・年齢差・職業等多くの偏見が渦巻いている。どの分野と明言しないが、私も差別者の一人であることを否定しない。本書は性同一性障害をテーマに扱った作品である。しかし、その根底にあるテーマは、性という陳腐なジャンルを超越した男と女の関係だと思う。程度の差はあるだろうが、個々人で性に対する見解を構築しているだろう。それを照らし合わせて読むと作品の深みが増す。個人的には、大ヒットした『秘密』を読んだ後に、こちらの片想いを読んで欲しい。理由は……そうすれば分かっていただけると思う。
片想いAmazon書評・レビュー:片想いより
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No.4:
(5pt)

切ない片思い

こんな切ないミステリーはかつて存在しただろうか?ページをめくる度に登場人物の切ない愛がひしひしと伝わる。大人に読んで欲しいミステリー。
片想いAmazon書評・レビュー:片想いより
4163198806
No.3:
(4pt)

プロットがいいね。

東野さんの作品は抜群のプロットにあります。切り札(ジョーカー)が必ず作品の中に埋め込まれています。最後の最後に泣けるなぁとか、こうだと泣きたくなるよねと言う人の切なさを切り札にグイグイ責め立てられます。心の中にある大切な部分に切り札で擦り込むのはいい意味で狡い。
片想いAmazon書評・レビュー:片想いより
4163198806
No.2:
(4pt)

殺人事件と性同一性障害、そして友情を全面に描いたミステリー

 大学を卒業して13年、年に1回旧交を温めてきた帝都大アメフト部のメンバー。その同窓会の帰路につこうとしていた西脇と須貝の前に、かつてマネージャーだった美月が姿を現す。西脇のマンションへ行った3人だったが、そこでようやく口を開いた美月の声は男の声となっていた。そして長い間、自分が性同一性障害であったこと、そして先日ある事情から殺人を犯し逃亡者となっていることを告白する。事件をきっかけに、かつての友情と情熱を描くミステリー。 物語は殺人事件の真相に性同一性障害が絡み合い、主人公である西脇を探偵役としたミステリーとしていますが、その西脇が逃走する美月を助けようとし、かつてのメンバーで新聞記者の早田は事件の真相に迫ろうとする。西脇の妻でマネージャーだった理沙子と西脇との夫婦間の問題、かつて美月の恋人だった中尾、その他にも性同一性障害で苦しむ登場人物……と、友情をもとにしてかつての自分を取り戻そうとしている姿と、美月が何から逃れようとしているかもミステリーにうまく取り込んでいます。
片想いAmazon書評・レビュー:片想いより
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No.1:
(4pt)

東野圭吾は何人いる?

「放課後」の頃から 東野圭吾を読んでいる。読み続けている・・というワケではないが 気が付くと 読んでいる。「東野圭吾」ほど 読むたびに 全く違う作風に驚かされる作家はいないと思う。いい意味で 期待を裏切られることが多い。だから私は 「東野圭吾」複数作家説を持っている。何人かの作家の合同のペンネームなのだ、きっと。その数多分10人以上・・ 「片想い」誰が誰に片想いだったのか・・読んでみてください。できれば 書評も「帯」も読まずに・・ あなたもまた 東野圭吾の世界に トリップするでしょう。
片想いAmazon書評・レビュー:片想いより
4163198806

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