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悪意
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悪意の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.07pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全189件 121~140 7/10ページ
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著者によれば、デビュー作第2弾である『卒業』で初登場させた加賀恭一郎をシリーズ化する予定は全くなかったそうである。現時点で彼が刑事として腕を振るう作品は全7冊。本書はそれらのなかでも「異色」であり、目次を眺めれば一目瞭然だが、「手記」・「記録」・「独白」・「回想」そして「解明」といった表現が列挙され、それゆえ本書は、野々口修と加賀恭一郎との時間を通じて展開される「対談形式」の様相を呈している。「記録」や「手記」のなかに隠された犯行の真の「動機」を探り出すホワイダニットの決定版とでもいうべき作品だ(著者いわく当初は全く売れなかったそうだ)。 読者によっては、「犯人当て」や「犯行手段」に比重を置いた作品を好む人も多いだろうが、動機の真相を暴きだすことは、それらよりも困難をきわめる作業ではないかと推察される。実際のところ、加賀は「過去の章その二」で、犯罪者の交友・家族関係を丹念に調査することで、最終的に「真相の解明」なるものに到達しえた。それは当初の目的実現にとって必要不可欠な任務であった。そのような意味でも、本書『悪意』は、加賀恭一郎の刑事としての慧眼・手腕そして執念(バイタリティ)のすべてを盛り込んだ最高傑作と称しても過言ではないだろう。なお本書の構成は、横山秀夫氏の有名な『半落ち』と似通っている印象を抱いた。 最終章「真実の章」では、加賀が「記録」や「手記」に隠された疑問や矛盾を、犯罪者の過去の交友関係に関する綿密な調査を踏まえながら、論理的に解き明かしてゆく、まさに「詰め将棋」の世界であり、ある種の「駆け引き」すら感じさせる。読者は加賀の静かな語り口に黙って耳を傾ける。醍醐味は十分に秘めている。人間に潜在的に潜む悪意(の根源)に真っ向から立ち向かうその徹底さぶりを、さりげなく披露する加賀の姿勢にこそ私は震撼した。加賀恭一郎は人間さを増しつつ「進化」するのだ。 | ||||
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久しぶりに一気に読んでしまった本です。 ずるずると引き込まれてしまいました。犯人の巧みな工作に・・・ 犯人探しではなく、動機さがしという点が大変おもしろく、また、 はまってしまう内容です。 中学時代のいじめがその後の人々の人生をくるわせてしまうなんて・・・ 考えさせられるテーマを内在しています。 | ||||
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一人称の形で物語は進行する。ある作家が殺される。犯人は案外あっさりと分かる。しかし、その犯人はなぜか動機を語ろうとはしない。次々と動機に関係ありそうな事柄が浮かび上がってくるが、決め手となるものはない。謎はますます深まってゆく。そして、犯人自身によって真相が語られる。それは込み入っており、われわれ読者が想像できる範疇を超えている。作家というもののエゴを感じずにはいられない。しかし、犯人が動機を語らなかったのは、愛する人を守るためだった。そこからは、人間の本質が見えてくる。悪意というタイトルがついているが、事件の真相からは犯人の悪意は見えてこない。むしろ、自分ではどうしようもない感情に流される人間の弱さ、哀しさ…そういったものが浮かび上がってくる。このストーリーは決して特別なものではなく、われわれがともすれば陥りかねないわなを描き出している。どこにでもある、私たちみんなが持っている悪意。それが時には、殺人事件を引き起こすこともあるのだ。私たちは、彼ら(殺人犯)を特別な人間と考えるのではなく、同じ人間としてとらえるべきであろう。 …と思っていたら、最後に大どんでん返しが待ち受けていた。これまでの出来事がすべて覆されてしまうほどの。さすが東野圭吾、と思わせる作品である。ミステリー好きを満足させるに足る好著。 悪意―。このタイトルの持つ本当の意味を知ったとき、読者は人間の不可思議さ、その心理の微妙さに思いを致さずにはいられないだろう。人間の持つ業が見事に表現されている小説である。 | ||||
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推理小説というと、人間関係や遺留品、関係者の証言などを基にして推理し、犯人を見つけるものがほとんどだと思います。また自分自身も推理小説とはそういうものだと思っていましたが、ホン作品には驚かされました。 犯人が全体の3分の1ほどで判明してしまい、そのときは「なんだ犯人がこんなに早く捕まるなんて、この作品ははずれかもしれないな」と思っていましたが、読み進めていくうちにどんどん面白くなっていき、なぜ最初あんな感想を持ってしまったのか疑問に思ってしまうくらいでした。また、そんな感想を持ったことを東野先生に謝りたい位です。 読み終わったあとの「騙された感」が最高でした。それと同時に「くそーしてやられた」とも思いました。今まで読んだ東野作品だと「仮面山荘殺人事件」と同じくらい騙されました。 普通の推理諸説に飽きている人には本作品を強くお勧めします。きっと私と同じように3回、少なくとも一回は騙されることは確実です。 | ||||
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全く救いがない。でもここまで畳み掛けられると違った意味で気持ちいい。悪意の本当の意味は最後にわかります。途中、勘違いして読んでた自分に気が付いた時に、さすが!と、うならされました。かなりのボリュームで内容もHeavyですが、飽きさせずに引き込まさせられ、あっという間に読めました。 | ||||
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犯人と刑事の手記と告白で構成されているが、冒頭部分であっさりと犯人が判る。ただ肝心のその動機が明らかにされず、細かな矛盾点や疑問点を拾い集めて刑事が謎解きをして行く。もと教師という異色の刑事が元同僚である教師の犯罪を暴くという現実にはあまりありそうにない小説ならでは設定ではあるが、バランスが取れている為に違和感は感じない。犯人と刑事の二人の心理戦の末に漸く解明される動機。最後の刑事が罠にはまったという冒頭の猫殺害のくだりは読者も同じ心境になるのではないか。その後の動機解説でも犯人側の同調してしまった。 | ||||
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刑事、加害者などの手記や独白から構成されているので、ストーリー展開が小気味良く、読者をあきさせない。場当たり的な殺人事件ではなくなって、二転三転とする容疑者像や被害者像を堪能する。事件の根拠が、「とにかく気に食わないから、気に食わない」という悪意だけで、殺人を犯してしまうんだと思うと、恐ろしくて手が震える。そうした悪意だけで読者を虜にさせる東野さんの奥まで踏み込んだ筆致に満足する。 | ||||
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読み終えて、面白いと心の底から思うのと同時にニヤリとした自分がいた。 騙された。 きっとこれは作者の思惑通りに。少々悔しいのと同時に、何故か嬉しくなりました。 突然起きる殺人事件。普通の小説ならば、最終目的は犯人を突き止める事。 ところがこの本はそうではない。 あっさり犯人は捕まる、不思議な感覚。 問題になるのは殺人の動機で、これがなかなか一筋縄ではいかない。 今までに無い新鮮な感覚で読めた一冊でした。 | ||||
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作家の日高邦彦が、引越しの前の晩に自宅で殺害された事件を 第一発見者の一人、作家の野々口修の手記と 事件の捜査をしている刑事加賀恭一郎の独白、記録、回想 小学校中学校の同級生だった日高と野々口を知る人たちの話 といったかたちで描いた小説です。 語り部が変化するので、事件を各人の語りで見ていくことになり、 そのくい違いや、構成で、ちゃんと伏線が張られていて 最後みごとなどんでん返しに会います。 読み終わってから気味の悪い「悪意」を強く感じぞっとしました。 読み応えがある小説です。 | ||||
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読んでいると、犯人がすぐにわかるので、短編?と思ってるのですが、話が二転三転しながらすすみます。 警察が真実を解明できたから良かったものの、この小説みたいに騙されてる場合もあったりするのかな?なんて思いながら読みました。 悪意の意味は最後にわかります。 | ||||
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人間の心は、自分の悪の部分を増長させる。しかもそれを何とか正当化しようと必死になる。 そのためには誰かを陥れることもいとわない。 物語の真意は、人間の気持ちである。 気持ちを追求するために、なぜなぜが繰り返されている。まずは、序章で逮捕されてその後手記という形で物語が繰り広げられる。途中、動機が決着するかに思われるが、もう一度なぜなぜを繰り返すことで真因はなにかを追い詰める。トヨタ方程式である。 | ||||
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読み終わって悶々とする人は多いのじゃないのでしょうか。 他人に対して懐疑的になるような。 人の悪口を誰かから聞いて、その悪口の相手を悪者だって思ってしまうところってあるでしょう? こいつはいいやつで、あいつは悪いやつっていう単純すぎる区分で、人を判断するっていう。ワイドショーなんかは本当にそれの巨大版。キャスターがあまりに正義感を持っているように深刻そうに話すから。 読んでる人がそういうのに左右される人とそうじゃない人で、感想が全く変わってくると思います。 そう思う話でした。 | ||||
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かぎりなく地味なタイトル。 しかし実態は人の弱さと人の優しさをこれでもかと掘り下げ描いた素晴らしい小説。 友人を殺された絵本作家が、その衝撃的な体験を小説のように書き記していくというのが主なストーリー。 また、本作品は「○○の章」というように区切られながら展開していき、全体の3分の1ですでに「解決の章」となっている。これで事件解決?かと思いきや話が進むにしたがって明らかになる絵本作家のドス黒い過去。彼の過去を知る人物に出会い本当にあったことを聞く刑事。そしてクライマックスの章が「真実の章」。もうこの構成だけで素晴らしい演出だなと思いました。 今回は「動機」がとても重要な意味をもっている。 たぶんこれまでのミステリ小説でこんなにも寂しい人間の弱さを感じた動機はないだろう。 人は一人で生きていくことはできるけどやっぱり支えてくれる人がいてくれるにこしたことはないと感じました。 この小説からなにか学ぶことがあるなら、それは人が人を信じられなくなったら終わりだということ。超オススメ! | ||||
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この読後感の悪さこそ「悪意」だと思える、 すばらしく捻りのきいた本格ミステリーだと思います。 読んだ後、自分の持つかすかな「悪意」が怖くなる一冊。 | ||||
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本書は、被害者友人野々口と刑事加賀の手記及び独白と、関係者の証言という、 事件に関するメモないし記録が交互に綴られる中で展開していく。こうした構成 が新鮮。徐々に明かされる真相。しかし事件は2転3転し、読むものを惹きつける。 その中で次第に焦点が当たっていく『動機』。 事件の全容が明らかにされ、我々に提示される動機。私は背筋が凍る思いがした。 現代社会に生きる人間の心の病巣を垣間見た気がして、タイトルの意味とあわせて 考えさせられた。ボリュームは多くないので一気に読める面白い作品だ。 | ||||
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名作だとか傑作ではありませんが、面白かったです。 東野圭吾という作家は、飛びぬけて面白い作品は書きませんが、 あまりはずれがないという印象ですね。 普通の推理小説はWho done it?(誰がそれをやったか)が最大の 謎になりますが、この作品はWhy done it?(なぜそれをやったか) つまり犯人が誰かではなく、犯人がなぜ犯罪を犯したのか、その 動機が最大の謎になっています。 普通の推理小説とパターンが違ったので、新鮮な気分で楽しく 読むことが出来ました。 | ||||
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東野圭吾の作品は、ハズレなし!ですね。『幻夜』『容疑者Xの献身』も最高ですが、この『悪意』も引き込まれてついつい読み進んでしまう展開が面白いです。登場人物のそれぞれの目線で順番に書かれてるのも面白いです。この作品が、上位に上がってくるのがわかる作品ですよ。 | ||||
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犯人と刑事の手記で物語が進んでいく、静かな推理小説だと感じました。 トリックではなく、動機に重点をおいた小説ですが、読者をあきさせないところが、 さすがだと思います。 ただの推理小説にとどまらず、人間の本質を考えさせられる深い作品だと感じました。 | ||||
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こんな形の小説があるとは驚きです。 トリックというかオチも面白いしすごい小説です。 しかし、この先どういう展開になるのだろうという楽しさはあるけれども、 登場人物の誰かに感情移入させる形ではないので、 ハラハラ感・ドキドキ感がなく、その分だけ盛り上がりに欠けるのが残念です。 | ||||
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アガサ・クリスティのアクロイド殺しを読んだときには、その奇想天外なトリックに 驚愕するとともに、心底感動しました。江戸川乱歩がそのトリック(というか着想) をそのまま使っていた作品を読んだときには、日本のミステリーなんてそんなものか、 と本当に悲しくなりました。 東野圭吾の「悪意」も、序盤はそれだけで終わってしまうのかと非常に心配したのですが…。 杞憂でした。東野作品は、ストーリー展開に予想がつかないので、飽きることがありません。 参りました。 | ||||
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