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堕天使の秤



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【この小説が収録されている参考書籍】
堕天使の秤(はかり)

堕天使の秤の評価: 4.00/5点 レビュー 2件。 -ランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.00pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(5pt)

人の心影を描くミステリー

作者三作目のミステリー、相変らず筆の運びが快適で、分厚い本なのにストーリーの展開が面白くあっという間に読めてしまう。
主人公というより、案内人という役割jであるだろう向井俊介は、いい加減なお役人ということになっているけれど、まれにキャバクラへ行きたがっているのが出るくらいで、事件に首を突っ込むと刑事顔負けのエネルギッシュな活躍を見せる。

快適な文章ではあるけれど、本作の主題は重い。
戦後日本の闇市をプロローグに持ってくることで読者にこれから先の本作の重さを印象付ける手法、これは本作が単なるミステリーではないことを宣言しているのか。

人々の生への儚い欲求が生み出したとも思える臓器移植の裏側が丁寧に描かれ、周囲の人たちの哀れとも思える動きには涙をも誘う。

ミステリーとはある意味で人間の心影を丹念に描くことで成り立っているということを実感させる佳品だと思う。
純文学的なアプローチも良いが、人の本質を追い求めるという点ではこういう娯楽的な作品により多くの可能性があるのではないだろうか。

一読の価値ありだ。
堕天使の秤(はかり)Amazon書評・レビュー:堕天使の秤(はかり)より
4334929834

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