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千年樹
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千年樹の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.97pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全21件 1~20 1/2ページ
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きれいでよかったです | ||||
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古本なのにたいへん綺麗な本でした。 また迅速に対応していただきほんとうにありがとうございます。 たいへん良い買い物が出来ました。 | ||||
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樹齢千年を超えるという巨木くすのきのたもとでおきた出来事の短編集8編。いずれの話も過去と現在の視点があり、それが繋がっていたり対比されたりして描かれている。 繋がりという点では戦争の悲劇が切ない「瓶詰の約束」が素晴らしかった。ホラーでうすら寒いところでは「郭公の巣」が印象に残り、基本的に暗い話が多い中で「バァバの石段」は前向きな気持ちにさせてくれる物語でした。 千年の時を超えた多彩な作品集でした。 | ||||
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この本を表紙を見た瞬間なぜか吸い寄せられるような気分になりました(聖剣伝説2のことも微かにちらつきました) そのときは購入しませんでしたが、数ヵ月後気付けば購入していました。そのときはこの千年樹の魔力だと冗談混じりに思っていたのですが、読み終えて決して冗談なんかじゃなく、それを越えるチカラをこの樹が持っていたのだと。持っていたのは樹。この樹で待っていたのは人(少し韻を踏み) 樹が人間を自然的に助けたのか助けなかったのか、名言していないところが運命の儚さや偶然によるところが大きいところを感じれて、もどかしいけれど少しイビツな幸福感を得られました。 ただのハッピーエンド物語じゃない、様々な形の結末が見れる魅力。そう、千年樹の枝分かれのように。 | ||||
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舞台はたぶん関東地方の内陸のどこか、平安時代に種が落ちて成長し現代にまで生き続けたクスの巨樹の元、千年に渡って時代時代でその地に生きた人々を描いた連作集です。 今まで読んできた荻原作品は、「噂」、「コールドゲーム」、「四度目の氷河期」、「押入れのちよ」で、これらとはだいぶ雰囲気が違いました。この作品に入っている短編は、いじめや虐殺、戦争、飢餓、切腹などつらい運命に翻弄される話がほとんどで、終わり方も救いがなく、やりきれない思いが残ります。いつも寝る前に読書するのが習慣なのですが、あまりにも暗い気持ちになって落ち込むので、読むのを途中で中断していたほどでした。メンタルが弱くなっている時には読まない方がいいかもしれません。 ただ、荻原氏のエンターテイメント色はしっかり健在で、どの話も長編に膨らませることができるのではと思えるほどアイデアが豊富で、小説としての密度は濃いです。登場する人物があちこちで繋がっていく様などもうまくできていると思います。 たとえ樹はなくなっても、またその実が落ちて芽吹く、樹の命が淡々と受け継がれていく様は、そのそばでドタバタと騒動を繰り広げている人間の短い生をただじっとみつめているようです。ふと、自分の人生は長い歴史の中でいったい何なんだろうと考えさせられる小説でした。 | ||||
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この本をどう表現すれば良いのか。 樹齢千年のくすの木で交錯する男と女、敵と味方、喜びと悲しみ、現在と過去。100%の悪人も、100%の善人もいない。それなのに、人は傷つけあったり助け合ったりしながら生きていく。そういう人間たちを、大きなくすの木は、ただ黙って見つめている。 構成としては短編集。各話それぞれで、過去と現在の話が同時進行的に並べられ、さらに、各話での登場人物たちは、それぞれ少しずつ交錯していく。 物言わぬ仏像の顔が、見る者の心によってほほ笑んでいるように見えたり、怒っているように感じられたり、嘆いているような気がしたりするのと同じように、ただ立っているだけの木が、仏像のようにほほ笑んだり怒ったり嘆いたりしている。そういう風に感じるのは、読んでいるこちらの心の在り方のせいであろう。 そんなことを考えさせる本。 | ||||
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千年樹の周辺で繰り広げられる、様々な時代や背景を持つ人間模様が描かれている。 ファンタジー要素が入るが、実際に樹齢千年の樹を目前にすると、誰しもが程度の差はあれども、科学で説明出来ない何かを感じるだろう。 登場人物の生々しい描きかた(生きる象徴の血の赤)と千年樹の静けさ(黒に近い緑)のコントラストが白黒映画にその2色の差し色を使ったかのように感じられる。都会の喧騒又は単調な日常から離れたい時、千年樹の木陰でタイムスリップして下さい。 | ||||
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千年とはいかなくても、樹齢何百年って木は田舎にはけっこうある。 あの木もこんな感じ、人々の生活の隣で、長い時を過ごしてきたんだなと思うと なんか切ないような不思議な感覚になる。 そんな感覚が好きなひとにはけっこうお勧めです。 この本好きな方は、重松清の「永遠を旅する者」も似た感じなのでぜひ。 | ||||
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切ないけどおもしろい本でした。 切ないのに、おもしろいって表現もおかしな感じですが、読み終わってただただ切なさとか悲しみが残るだけじゃなくて、小説として「おもしろい」んですよね。 すっごいしっかりした構成で、ブレない。 短編集で読みやすいけど、ただのバラバラな短編ではなく繋がりもあったりで、なんていうか…あっさりし過ぎてない感じ うまくレビューできませんが、私個人的にけっこうおすすめです! 荻原浩さんのさよならバースデーは、同じく切ない感じでしたが断然千年樹のほうが好きです。 もっとたくさんの方に読まれてもいい本だと思うのにレビューが少ないのでちょっとびっくり。 次はなに読もうかなって方はぜひ。 | ||||
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本屋で何気なく手に取り、購入。もちろん、初めての作家でした。 とある郊外にそびえ立つ樹齢1000年といわれる大くすの木が「主人公」。 このくすの木の誕生を暗示させる『萌芽』を始め、『落枝』にいたる連作短編が8編。 いやあ、読ませました。 連作短編としての構成がしっかりしていて秀逸、情景描写の厚さは老成すら感じさせます。 1本の大木にまつわる連作集という発想は、いかにもありがちで陳腐ですらあるのだが、 ここまで完成度が高いものを提示されると、言葉を飲み込むほかない。 それぞれの短編に伏線が張られていて、おもわずニヤリとさせられます。 個人的には『郭公の巣』が秀逸でした。カッコウの習性が、作品のうまいカギになっています。 | ||||
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雅也はその子どものシルエットに見覚えがある気がした。すぐにでも呼び起こせるはずの鮮明な記憶なのだが、なぜか頭は思い出すことを拒んでいる。 科学的あるいは現実的に頭をめぐらせば、思い出したくない過去の記憶のすぐ隣に〈その子ども〉がいることが、〈思い出すことを〉不可能にしているのだと解釈される。しかし私は、〈その子ども〉が雅也の頭の中に入り込み、〈思い出すことを拒〉む作用を及ぼしているのだ、という非科学的あるいは非現実的な解釈を下したくなる。 〈解説〉で松永美穂氏は、こう書いている。 作者自身が自然保護のスローガンを声高に叫んでいるわけではないけれど、この本を読んで、身の回りの木々の運命に注意を向けるようになる人は多いかもしれない こうも言えるかもしれない。 作者自身が幽霊の存在を声高に肯定しているわけではないけれど、この本を読んで、身の回りの〈かすかな気配〉に注意を向けるようになる人も、あるいは、いるかもしれない 死によって〈発見〉されることもあれば、墓場まで秘密のまま、あるいは、誤解されたまま、埋もれてしまうこともある。秘密や誤解が残されてしまうのは、なにごとにおいても、限界が存在するからだろう。それは、一人の人間が知覚できる範囲の限界であったり、はたまた記録しうる範囲の限界であったり、一つの小説の中で表現しうる範囲の限界であったりする。すべてのことを知ることはできない。しかし、歴史に埋もれた――それは個人の歴史であったり、地域の歴史だったりもする――誤解や秘密を可能な限り掘り起こし、白日の下にさらすこと、誤解を理解に、秘密を真相に生まれ変わらせること、それが個人なり地域なりの救い――あるいは、〈成仏〉――となることもあるのだ。本書を読み、そんなことを考えた(もっとも、秘密は秘密のまま、誤解は誤解のまま、のほうが、ハッピーエンドに終わることもあるのだが)。 新しい物語を紡ぐためには、古い物語に死を与えなければならない。そんなフレーズも頭に浮かんだ。 私が表現しうるレヴューにもまた、限界がある。そう言い訳して、さて、…… | ||||
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一本の千年樹であるくすのきについて書かれている短編集。 ひとつの話が昔と現代のストーリーで繋がっているのですが、これが巧みで短編といえども読み応えあります。 重い話が多いですが、読んでよかったと思える作品です。 | ||||
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この本をどう表現すれば良いのか。 樹齢千年のくすの木で交錯する男と女、敵と味方、喜びと悲しみ、現在と過去。 100%の悪人も、100%の善人もいない。 それなのに、人は傷つけあったり助け合ったりしながら生きていく。 そういう人間たちを、大きなくすの木は、ただ黙って見つめている。 構成としては短編集。 各話それぞれで、過去と現在の話が同時進行的に並べられ、 さらに、各話での登場人物たちは、それぞれ少しずつ交錯していく。 物言わぬ仏像の顔が、見る者の心によってほほ笑んでいるように見えたり、 怒っているように感じられたり、嘆いているような気がしたりするのと同じように、 ただ立っているだけの木が、仏像のようにほほ笑んだり怒ったり嘆いたりしている。 そういう風に感じるのは、読んでいるこちらの心の在り方のせいであろう。 そんなことを考えさせる本。 やはり、この作者は素晴らしい。 | ||||
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乱世、戦時下、昭和と 時代を超えて、定点カメラでその楠を見てるような作風はおもしろい。 ではその個々の話はどうかいうと完成度にばらつきがある。 いや同じパターンにしないようにとの努力はあったのかもしれないが 色彩のバリエーションではなく、明度の濃淡で差をつけたような構成が残念。 やっぱりこの手はアイデアありきなんでしょう。 もう少し煮詰めていくとさらに面白いものになるかもしれません。 加筆を期待します。 | ||||
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荻原浩の作品にははずれが無い。 今まで沢山読んできたけど、一度も外れたことはない。 本作は連作短編小説となっているが、それぞれの作品は微妙に繋がっている。 そして短編は過去と現代が表裏一体となるエピソードになっていて、それぞれの物語は悲しくもあり切なくもあり。 個人的には『バァバの石段』が一番好きだ。目頭が熱くなるお話だ。 読んでいて、あれ?これ・・どこかで読んだことがある・・・記憶をまさぐっていたら、そうだ!息子の高校受験の過去問題集に載っていた話だ! 過去問を問いでいた息子が、これちょっといい話だ、泣けるよ、というので冒頭のところだけが掲載されていたのを読んだのだった。 短い話の中に、バァバの愛がいっぱい詰まったいいお話だった。 樹齢の長い木にはきっと精霊が宿っているはず・・ | ||||
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本書は、’03年12月号から’06年12月号の間に「小説すばる」に掲載された作品をもとにした、萩原浩としては珍しい連作短編集である。 いじめに悩む中学生の雅也がくすの巨樹の前で自殺を考える「萌芽」。 タイムカプセルを埋めようとした幼稚園児の雅也と、こまどり組の17人が、木の下からガラスビンを発見する「瓶詰の約束」。 くすの木の下で男を待つ女が、かつて同じ場所で男を待ち続けた女と出会う「梢の呼ぶ声」。 木を上司や生徒に見立ててナイフで切り刻むのが日課の中学教師と、過去理不尽な切腹を命じられた男の運命が交じり合う「蝉鳴くや」。 人を殺そうとしていたヤクザを昔ここで人を殺した盗賊の運命が救う「夜鳴き鳥」。 ドライブ中偶然巨樹を発見した家族の前に150年前の間引きの風習と母の苦悩が蘇える「郭公の巣」。 祖母の初恋を知った孫娘の共感を描いた「バァバの石段」。 市役所職員となった41歳の雅也が、かつて自殺を試みた「くすの木」の伐採に立ち合う「落枝」。 物語は、時に短編一編内で、また時に短編間の枠を超えて、時代を超えて交錯する。巨樹「くすの木」は千年にわたってすべてを見ていた・・・。 今回の作品にはいつもの萩原浩のようなユーモアやペーソス、そして何かに向かって奮闘する姿というものは薄い。何となくはかなく哀しく、時に少し怖い物語ばかりだった。 | ||||
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講演会ではユーモアが得意です、と自認していた荻原さんでしたが、本書ではうって変わって暗い話しばかりでしたが、そんな中、『郭公の巣』では子供の描写がとても良く書けていたと思います。荻原さんは子煩悩と云うか、本当の意味で子供の心を理解している人なんだなぁと感じました。本書を読んで、ユーモアとは人間への深い理解であるとも思いました。長大な寿命の樹木と対比して人間の一生がささやかなものに見え、暗い話しですが、おかしみが見て取れたのは、作者の周到な意図のもとに書かれたからだと思います。つまり「なんでも書けるぞっ」って書いた訳では無く、ちゃんと自分の特長を押さえたうえでの本書の執筆だったと思いました。 | ||||
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樹齢千年のクスノキの傍らでおこる、過去と現在を織り交ぜた、少しホラータッチの短編集。 「萌芽」千年樹発芽の秘話といじめられ自殺を考えてた少年 「瓶詰めの約束」空襲で逃げ延びた少年とかつて千年樹のそばにあった幼稚園 「梢の呼ぶ声」人目を避け、小高い山の上立つ千年樹を待合わせ場所にした廓の女郎と短大生「蝉鳴くや」詮無い事で切腹をする事になってしまった忠之介と不満だらけの中学教師 「夜鳴き鳥」盗賊に育てられたハチとやくざの下っ端のケンジ 「郭公の巣」ドライブ帰りの家族と跡取りの男子が授からずにいじめられる嫁 「バァバの石段」亡くなったバァバの恋文と孫娘のメール 時代を超えて生き続ける老樹は、卑小な人間の営みをどんな気持ちで見つめ続けてきたのだろう。 | ||||
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それぞれの章は、悲劇的です。 樹齢千年のくすの木が見守ってきたのは、多くは人間の悲劇でした。 それらの悲劇は、必然ではなく、人と人との間で繰り広げられたしがらみです。 中には希望で幕を閉じる章もあるものの、これらの悲劇を読み進むのは、少々辛いです。 文章に重みがあります。 それぞれの章は、緊迫感に満ちていて、読者をハラハラとさせます。 そして、もたらされる結果には、やりきれない重さを伴います。 少しファンタジックです。 この木の周りには、ある男の子が出没します。 時代がかった風体のこの子はいったい誰なのか、という事は容易に想像出来ます。 ただ、この子は、人に幸福をもたらせてはくれません。 本書は、著者のこれまでの作風と、かなり異なります。 「明日の記憶」といった、重いテーマを扱った作品もありますが、 著者のこれまでの作品は、もっと明るくて、もっと希望に満ちていました。 本書は重いです。 千年樹の樹齢の長さに対する重みに加えて、文体自体も重くなっています。 重い分、読み応えも大きいです。 | ||||
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樹齢およそ千年の巨木の萌芽から伐採までの長い時間・・・。 千年の間に木が見つめてきた人間ドラマを描きます。 その木の前で切腹した者もいる。 同級生のいじめに悩んだ者もいる。 戦争の炎に巻き込まれ、命を失った者もいる。 愛する人を待ち続けた者もいる。 各章が時代を超え絶妙に絡み合います。 しかし、どの時代であっても大切な人との別れであったり、 好きな人を思う気持ちであるような人間の最も基本的な心に大きな変わりはない。 それにしても千年って・・・・ 自然の偉大さを感じずにはいられません。 木はこの千年で人間の様々な姿を見て、何を感じたのだろう。 千年という長い時間に思いをはせて、 気の遠くなるような歴史の深さを感じずにはいられませんでした。 普通の人たちの人生の断片を切り取りながらも とてつもなくスケールの大きな作品でした。 | ||||
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