■スポンサードリンク
コールドゲーム
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
コールドゲームの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.27pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全63件 41~60 3/4ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
一揆読みでした。 ラストの犯人はちょっとあっけない感じだったけど、途中経過が面白い。 これはまさしくホラーでしょう。 いじめ問題が深刻かしている昨今、ありえそうな題材だけに、恐ろしい! 彼らの苛め方は、目をそむけたなるものがあったけど、現実にこういういじめで 自殺している少年少女たちが沢山いることを考えさせられました。 荻原ワールド奥深し、幅広し、いろいろ楽しめますねえ。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
今までの荻原作品と一変してホラーです。懐が深いというか、これからどう化けるのか本当に楽しみです。 高3の夏、復讐は突然はじまった。中2時代のクラスメートが、一人また一人と襲われていく…。 その過程が怖いこと。「13日の金曜日」の高校生版? しかし、読んでいて胸がチクチク痛いのは、過去にイジメを体験しているからだろうな。反省。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
完全なる「サスペンス小説」である。 読み初め、 いつもの「荻原ワールド」を期待し、 今か?今か?とワクワクしていたが、 最後まで「サスペンス小説」であった。 「噂」も、サスペンスではあったが“渋谷こギャル”の面白みはあった。 しかし、この作品は最後までサスペンスの王道だ。 しかしこの著者は、なんとも捕らえどころのないと言うか、 小説の幅が広すぎる。 ひと括りに出来ないところがすごい。 実は私、犯人をあの人だと思ってました。 見事にハズレました。 また、 クライマックスの「携帯ブラインドタッチ送信」も、 ものの見事に外されました。 やられたー。 オ・ミ・ゴ・ト!! | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
「噂」と本書を続けて読んだが、共に救われない小説であると感じた。ある意味エンタテイメントとして完結している「噂」より、いじめを主題に置き、余裕のないエゴイストが多数登場する本作の方がテーマが現実的な分、結末ではより救われない感が残る。このような読後感は好きだが。 性格描写が丁寧であり、かつ設定が非現実的なので、客観的に集中することが可能である。またメディア畑出身の作者だけあって、マスコミに対する態度も表明されている。 作者はあくまでエンタテイメント作品として完結したものをつくる意図で書いたのだろうが、いじめについて考える糸口になる小説である。だが、これはいじめに心を痛め感情移入するようなものではなく、「いじめ」の構造(いじめる側、いじめられる側、親、マスコミなどの主体と行動)について客観的に考えさせられるという意味での糸口である。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
「神様からひと言」「噂」「誘拐ラプソディー」と読み、 荻原さんの文に惹かれて書店で見かけるたびに購入しています。 テンポのいい文章、地の文での心理描写などは今まで読んだ作品と同様。 目まぐるしい展開にも拘らず数日という密度の濃い少年時代。 相変わらず読みやすくかつ読み応えは有りましたが… どうにもスッキリしない。驚きもしませんでした。 私が個人的に荻原さんの作品の魅力と思っているのが「結のラストシーン」です。 その衝撃や爽快感が、この作品では薄かったのが残念です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
いじめをした側、された側、復讐する側、される側。登場人物それぞれの立場に立ってみると、みんなの主張が理解できる。でも、逆の立場に立ってみると、誰の主張も受け入れられない。私にとって許せなかったのは、担任教師だけでした。そして、結局最後まで立場を越えて理解しあうことはできない。いじめに限らず、人間社会全体の本質を突かれているようで、とても後味の悪く、考えさせられる話でした。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
児童、教諭、家族、警察。 探偵役、犯人、被害者、容疑者。 あるいは、主人公、仲間、敵。 登場人物すべてが、一人の例外もなく、 徹底的に愚かで身勝手で、そして、存在感なく描かれています。(したがってやや読みづらいです。) 読者が登場人物の誰にも共感できない(するべきでない)という正視に耐えないリアリティによって、 人間のくだらなさが巧みに指摘されていると感じました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
荻原さんの作品の中では、ハードな部類だと思います。 読んでいて、テンポよくストーリーに引き込まれるのは変わらずだけれど、緊張感からだった。 いじめが悪質化してる昨今。 とても考えさせられました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
「明日の記憶」「神様からひと言」に続き読んだ荻原作品。前2作に比べると、初期のものということもあるのでしょうか、非常に薄い感じが否めません。 ストーリー展開は後半に来てぐっと読ませるけれど、どうも緩慢で、途中で投げ出したくなりました。 「いじめ」の復讐が軸となり物語は展開していきますが、それを阻止しようとするキャラクターにあまり魅力がないのです。 最後の落ちはあっといわせるもので、読み終わった後にはちょっと脱力感。こんな話だったよ、と人に一言であらすじが語れる書です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
いじめ、復讐の話。 それぞれいろいろ抱えてる。 悪いことをした。 悪いことで返された。 ただそれだけ テーマは酷く重いけれど、さらっと読ませてくれる作品 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
うーん,つまらなくは無い.中盤以降は一気に読ませてくれるのだけれど何が言いたかったんだか良くわからなかった. いじめた側といじめられた側.両者の思想的な部分を,もう少し踏み込んで書いてあれば,より面白い作品になったと思う.後,狂言回し以上の存在感を示せなかった主人公は,いてもいなくても良かったような・・・ | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
本書は、中学校で行われていた「いじめ」の標的・トロ吉による、かつてのクラスメートたちへの復讐劇を描いています。 主人公は光也という高校生。中学校当時、彼はいじめに加わらず、常に蚊帳の外にいることを心掛けていた。 光也はいじめの主犯格だった亮太と仲が良く、高校に上がった今でも付き合いを続けている。 かつてのクラスメートたちとは、頻繁に連絡を取り合うことは少なかったが、旧友たちがおかしな嫌がらせを受けていることを知り、そしてそれがトロ吉のせいではないかと疑い始めた。 私は本書の登場人物に対して、あまり共感できない。 光也や亮太が過去のいじめを思い返して、「今はもう大人になった」「大人になって冷静に考えよう」というセリフをはいているが、それはいじめをしたことに対する反省を意味してはいない。自分たちのいじめの内容が子どもっぽかったことに恥ずかしさを感じているだけである。 非常にやりきれなさが残った。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
読みやすい文章とテンポの良い飽きさせない展開。「いじめ」という永遠の命題とともに、いじめられっこの復讐という内容も非常に興味深いものであり、読者に一定の緊張と興奮を与えることに成功している。 だが、他の方も書かれていることでもあるが、視点である主人公側に対して感情移入がしにくい。 それぞれのセリフに「それは違うのでは」と思わず言ってしまいそうな部分が多々存在していた。唯一、まだ感情移入できていた主人公も最後にこちらの気持を裏切るような急激な思想変化を展開する。 最後までいじめられっこに対する同情は拭えず、いじめ報復に対する義憤的なものは沸かなかった。そして主人公達はとにかく自己保身が強く、非常に自分勝手である。17歳としては妥当なのかもしれないが、その視点から描かれた世界はあまりにも幼く身勝手で、読んでいる人間としては苛立ちが募るのだ。 青春小説としてそれが狙いとするならば本当に良く出来たものだと思う。技法的なものも全く問題無く、レベルが高い。 面白かったかどうかになれば私は☆3つになるが、小説の質となるともうひとつ☆が増えるかもしれない。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
中学校時代の「いじめ」とそれに対する「復讐」が題材の話。 題材そのものも、決して現実離れしたものではないが(というよりも普通に起こること)、「復讐」の様子、やり方も非常に現実に即していて、非常に想像しやすく、のめりこんでしまう。 これによって、「廣吉」の存在が段々と恐ろしく、不気味なものになっていくのが、肌で感じられるようになっていた。 ただ要は学園モノなので、少し甘酸っぱい感がある。僕はそれがあまり好きではない。 しかしながら、あとがきで石田衣良氏が述べていたが、学園モノが好きな方には相当お薦めな本である。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
後半で犯人の異常性を必要以上に強調することで、読後のカタルシスを青春小説風に誘導するという荒業を、作者が意図的に行っているとしか思えない作品である。 罰を受けるべき存在である主人公たちが過去に行った行為は「ちょっとした嫌な思い出」であり、彼らが本作の中で経験したことは「ひと夏の冒険」でしかないという構造そのものが含む作者の悪意。 その悪意に対して星4つ。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
高校三年生の夏。中学時代のいじめの標的だったトロ吉が、復讐を始めた。次々とクラスメイトが襲われ、ついには死者までも出てしまう。 自らも昔いじめに遭いながらも、トロ吉を見て見ぬ振りしかできなかった光也を中心に物語が展開していきます。 私は光也たちとほぼ同世代なのですが、本当に荻原浩は「気持ち」を書くのがうまいと思います。気取らない文体で、自分と違う年代の気持ちをもさくっと書けてしまう。 設定も「こんなやついないだろ」というような人間は一人も出てこなくて、友人でものすごい不良の亮太、亮太と同棲している美咲、ラーメン屋の息子のドカなどバラエティー豊かです。 中学生や高校生の人におすすめです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
今までに何冊か著者の作品は読んでいるが、これまでの、たっぷり笑えて、しみじみ泣ける「ユーモア・人情」小説とは趣が違っていて、本書は「青春ホラーミステリー」とでもいうべき作品だった。 しかし、文章のタッチや「何かに奮闘する」姿を描く著者のスタイルは変わっていなかった。今回「奮闘する」のは17才の高校生、光也。 彼は3年生の夏休み、甲子園の神奈川地区予選で敗退して野球部を引退。目標を見失っていた。そんな時、中学2年時代のクラスメートに次々事件が降りかかる。当時クラス中のイジメの標的にされていた少年・トロ吉の復讐なのか…。光也たち有志は「北中防衛隊」をつくり、何とか警察の手を借りずに4年間でひどく凶暴になった敵を見つけ出そうとする。しかし犠牲者は増えてゆき、ついに死者が出る。つづいて当時の担任教師までも火事で命を落とす。 光也たちは次の標的となったかつての女子クラスメートをやっと捜し出しすが、襲い掛かる犯人をカーチェイスして命がけで彼女を救う場面は手に汗握るスピーディな展開でスリリングだ。 そして背筋の寒くなるような夏の『コールドゲーム』は一気にクライマックスに向かう。 光也は事件とのかかわりの中で、仲間たちの前で自己主張ができるようになったり、本気で体を張って、元クラスメートたちを救おうとしたり、犯人トロ吉を捜し出そうとする。そして意外な真相が明らかになり、事件は解決し、彼は新しい目標をほのかに見つけて、少しだけ成長しているのだ。 本書は怖さと切なさを等分に含んだホラーサスペンスであるとともに、光也の終わらない夏休みを描いた青春小説だった。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
「神様からひと言」の痛快さや,「母恋旅烏」の人情ポロリの世界に続く3冊目の荻原作品。そういうのを期待して入ったら,全く違う世界に持っていかれて戸惑いまくり。 光也の設定というか,立ち位置が絶妙にいい。亮太は札付きの不良だけど,光也とは小学校以来の親友。他の連中が亮太に恐れおののいても,この二人だけには厚い信頼関係がある。クラスメイトが荻原作品らしくひとクセもふたクセもある連中であるにもかかわらず,光也だけは野球バカであること以外は極めてフツーの高校生として描かれる。中2時代のイジメにも積極的には関与していない。だからこそ,小説の展開上,彼をストーリーテラーとして,全容解明の旗振り役を任せられるのかもしれない。 この本を読む誰しもが学校時代を思い出し,“椅子取りゲーム”の勝者に辛うじてなれたこととか,実は大して違いの無いちょっとした段差の上から下を見下ろしてホッと溜め息をつくなどした経験を掻きむしられるかもしれない。あるいは実際にターゲットになってしまった辛い日々の記憶を引っ張り出されるかもしれない。そんなノスタルジーに,最近の学校をめぐる事件の残忍さと,フィクションというスパイスが入ると,こういう作品になるのかな。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
文庫版の内容紹介には、「青春ミステリ」となっているんだけど、「ミステリ」というとちょっと違う気がする。イタズラで済むようなレベルのものから、生死に関わる重要事件。一見、単発的なものに見えながら「廣吉へのイジメ」というキーワードで結ばれる事件の数々。正体の見えない「廣吉」に対する恐怖という意味ではホラー的な要素が強いし、その廣吉を探し出せ、という意味では冒険小説的な印象もある。とにかくこの作品、全ての人物に感情移入ができない。光也たちが、自ら廣吉を探すのは、「自分で決着をつけるため」といえば聞こえが良いが、実のところは単に過去の罪を認めたくないだけ、に集約されるし、廣吉もその異常性などから感情移入がしにくい。感情移入がしにくい、っていうのは欠点のように思えるけれども、この作品は計算してそうしている感がある。なぜなら、イジメの問題っていうのは、そもそもがそういうものだから。誰にも感情移入できない、というところで、それを表している…と取るのは、ヨイショし過ぎかな?(笑)決して後味の良い結末っていうわけじゃないんだけど、それでもちょっと綺麗にまとまり過ぎているかな? という感じがする。どんでん返しは結末が予想できたし、ピンチの脱出もちょっと安直な感じが…。ただ、全体を通せば楽しめた。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
人情を言語化させたら日本随一の作家荻原 浩がリアルに少年の心理へと迫ります。酷薄ないじめの生じる機構をさらりと表現し,そんなものだとしか言い様のない人間社会を描写しています。しかし,小説はいじめの生じた4年後の高校3年の時期が舞台ですので,いじめ表現に飲み込まれることなく,きっちりとミステリーとサスペンスのストーリーをつむぎます。映像化したらおっそろしいことになりそうな,顛末ですが,読後には爽やかさを感じる読者が多いのではないでしょうか。安易にいじめへの救いを書かないところが,誠実ないい小説です。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!