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春になったら莓を摘みに
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春になったら莓を摘みにの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.72pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全30件 21~30 2/2ページ
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梨木さんの柔らかでおおらかな視点がとても好きだ。 このエッセイに登場するウェスト夫人もまたしかり。ユーモアに満ち、潔く、でも暖かい。 共存、とは決して100%理解する、ということではないのだと気付かせてくれる。理解はできないが受け入れる、という精神。これって平和の基本なのでは。人はすぐ、理解ができない相手を切り捨てる、非難する、攻撃する。子どものいじめも、大きな戦争も、根源はきっと同じだ。 美しく優しい言葉たち、人に対する温かな理解と深い洞察力。じっくり何度でも読み返してかみしめたくなる言葉が沢山散りばめている、こんな本はなかなかない。 読み終えたあと、自分の内面を静かに見つめつつ、あらゆる人への愛があふれるような、優しい後味が残る。 | ||||
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梨木香歩さんは、個人的にこころがほっこりとする「西の魔女が死んだ」とか「裏庭」のイメージが強く、エッセイは初めて読みました。 この本はショートエッセイ集になっているのですが、一連のテーマの取り上げ方が上手く、ぐいぐいとページを捲らされます。 その中でもグっときたのが「それぞれの戦争」と「夜行列車」。 「それぞれの戦争」は“戦争と捕虜”が、「夜行列車」は“人種”が主なテーマになっています。 重いテーマですが、彼女の暖かさをもって進められていく話を読むと、人間個々はそれぞれ心に思いをもって生きていく動物なんだなあ、とあらためてはっとさせられます。 例えば身近なところでいくと、自分が「ここがキモ」と思って念力をこめて話をしても、相手には全く伝わっていないことが多々あります。 況んや、見知らぬ場所やカルチャーの中で育った人達とのコミュニケーションが、そうそう上手くいくはずがありません。 それでも、人間は「共感してもらいたい」「つながっていたい」「分かり合いたい」「うちとけたい」「納得したい」...思いは難しいですね。 | ||||
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梨木香歩さんの小説はどれもすきですが、エッセイは初めて読みました。こんなにどきどきしながら読んだエッセイは初めてです。数ページごとに、ページを閉じて考えさせられました。早く読みたいという気持ちと読み終わるのが惜しいという気持ちが半々でした。出会った人や場所への温かい視線や豊かな表現力はすばらしいですね。ぜひ多くの方に読んでもらいたい一冊です。 | ||||
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いきなり梨木さんの本でこれを選ぶよりも、いくつか彼女の作品を読んだ上で手に取ることを強くお勧めします。 登場人物のまっすぐで常に真剣な思いはここから生まれてくるんだと実感出来ます。 また梨木さんの作品を再読したくなること間違い無しです。 | ||||
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エッセイでこれほど感動したのははじめてかもしれない、ってくらいにじんときました。 梨木さんは非常に視線が深く言葉が豊かで思考が綺麗です。書き下ろしだからかもしれませんが、一本筋の通った、どこか物語りめいた趣さえあります。イギリスで暮らし始めることにして、彼女が学生だったころ留学していた家の女主人や、かつて知り合った人々や、それからの出会いや、なんかが語られています。この人は本当に、なんでもないやり取りや、家や、そこにいる人の、空気や体温を伝えるのに巧みな方だなぁと思います。 女主人は徹底して他人を受け入れようとする人で、だから結構困った下宿人を引き受けたりもする。梨木さん自身はその女主人ほど献身的なわけではなく、少し離れたところからそれをじっと見ているイメージですが。 あたりまえの日常を続けること。誰かに優しくすること。知らないこと認めること。わからなくても拒絶しないこと。言葉ではなくて生き方で、それを求める。認めて欲しいという気持ちさえ争いにも通じてしまうのです。誰しも共感して欲しいし対等でいたいはずなのに、言葉ひとつで人はつまづく。 おためごかしでもお説教でもなく、豊かなのです。ああいう見方は、多分同じ経験をしても同じように年をとっても持ちえるものではない。梨木さんだなぁとなんだかすごく思いました。 ただ、地味は地味です。エッセイですし。笑えるようなものではあまりないので、気楽な楽しみを求めている方は他の作品が良いかと思います。でもとっても良かったですよ。 | ||||
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梨木香歩さんの作品がすごい好きでエッセイ集とは知らずに買ってしまったのですが、これがまた英語学習中の自分の興味に100%ヒット。英語で書いてくれないかなぁとしみじみ思いました。 お年を召した女性の皆さんの上品な魅力とか、寄り集まって相談するところとか、異文化の衝突とか、どの話もおかしみがあるのに年を経ることの愛おしさと切なさを感じるというか、なんというか梨木さんらしい優しくて切ない作品で、この本のなかの登場人物になりたいと熱望させてくれる本でした。 英語学習の面からも、何か書いてくれないものでしょうか…。 | ||||
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まず、題名が綺麗だな、と思いました。 『春になったら苺を摘みに』 梨木さんらしいセンスある題です。 この本は梨木さんのエッセイということで興味が湧き読んでみました。 とても感動しました! というのは、 梨木さんの視線を通すと、最近人間・自然愛不信に陥っている私でも 世の中全ての事柄(人も自然も)が美しく、愛しく感ぜられるようになってくるのです。 そのことが嬉しくてちびっと泣いちまいました。 例えば、英国滞在時の、ある地方の駅でのはなし。 間違えて目当ての駅に降りそこなった梨木さんは、見たことも聞いたこともないうらびれた駅に降りてしまいます。 すごく不安になって慌てた梨木さん。しかも、駅員さんは無愛想なおじいさん。 だけど、そんな中でも、彼のふと見せる動作や表情を親近感を持って眺め、 何だか人間愛を彼との間に通わせちまうのです。 会ったことも無いけど、私もその駅員さん好きになっちゃいました! また、随所に描かれる風景の描写。 美しい!! こんなにも地球は美しかったのか! ひねくれもんの私でも、 つい外を眺め、小鳥のさえずりや木々の息吹を聞こうとしたぐらいです (しかし悲しいかな、家の外はちびっこい庭に悲しく生えている柿の木ぐらいしかないのです…)。 英国での彼女のホストマザーでもあり、親友でもあるウェスト夫人の 影響するところが大きいのかもしれませんが、 人種の問題、戦争の問題なども出てきて、言及されています。 色々な人種がいて、彼等と自分の間には生活や考え方の違いが歴然とある。 でも、違いを理解はできないがその違いを受け止めあうことが大切なのだろう、と彼女は言っています。 今イラク問題で世の中混乱していますが、彼女のように皆で考えていけたら もう少し穏やかになると思うんだけど。。。 題名である、「春になったら苺を摘みに」とは、そんな彼女の人間愛、 意訳すれば 平和への祈りが、込められた一文なのだと読み進めた最後にわかります。 春になったら苺を摘みに。そんな他愛もないことが普通にできることの素晴らしさ。 この地球がずっとそうであり続けられるように…!と。 | ||||
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梨木さんのお話は、ともすると見過ごしてしまうことに焦点をあてて意味を見いだしたり、人というよりも植物や物などからの視点で事象をとらえるようなところがあるのですが、この本を読むとその理由が少しわかったような気がします。 ここに登場する人たちが、梨木さんの小説の中で少しずつ姿を変えて現れます。彼女は「からくり からくさ」のマーガレットだな、なんて考えながら。その意味でも、とても楽しめる本です。 | ||||
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「理解はできないが受け容れる」が信条のイギリス人女性が営む下宿ですごした、著者の自伝的な要素が強いと思われる物語。 テロ、戦争、ちょっとしたことでキレる大人や子ども、その犠牲になる弱き者たち…。そんなことが当たり前になってしまった私たちの日常生活。 作中、ヒロイン「K・・」は、価値観や倫理観が違う人間同士の間でどこまで共感が育ち得るか、を思う。 だが、「共感」なんてなくていいのだ。 それは下宿の女主人がすでに身につけ実行しているではないか。「理解はできなくても受け容れてみる」それを観念上のことだけにしないってことを。 | ||||
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密かに熱望していた梨木香歩さんのイギリスでのお話。 (カナダ、アメリカでの話しもあり。) でも、やっぱり、梨木香歩さん。よくあるイギリス体験記とは 一線も二線も画する本だ。 梨木さんが、宝箱から、そ~っと、少~し、大切そうに、 彼女の宝石を見せてくれたような気がした。 | ||||
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