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春になったら莓を摘みに
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【この小説が収録されている参考書籍】
春になったら莓を摘みに

春になったら莓を摘みにの評価: 4.72/5点 レビュー 32件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.72pt
Created with Highcharts 5.0.101件3.13%0件0.00%1件3.13%3件9.38%27件84.38%得点得点☆1☆2☆3☆4☆5


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全30件 1~20 1/2ページ
12>>
No.30:
(5pt)

マイフェイバリットワン。

お気に入りの作家さんに巡り合い、書籍追求したところ、出会えた本でした。中古ながら、読書には差し支えなく楽しめました。
春になったら莓を摘みにAmazon書評・レビュー:春になったら莓を摘みにより
4104299022
No.29:
(5pt)

ありがとうございました。

図書館で借りたのがきっかけで、内容が著者の留学生活や色々な事が書かれてあり、手元に置いておきたいエッセイでした。
再読したくなる本です。
春になったら莓を摘みにAmazon書評・レビュー:春になったら莓を摘みにより
4104299022
No.28:
(5pt)

すきではないが・りかいはできないが、うけいれること。

ウエスト夫人および彼女をめぐる人々と梨木さんの交友記。

「理解はできないが、受け容れる」ウェスト夫人の生き方は、誰もが参考にできることではないだろう。彼女のように次々と異文化を自分の家のなかに招き入れるには、それを遂行するに足る資質が伴うことが必要で、それがないことには相手もろとも破綻する。自分の人生と照らしつつそんなことを考える。じっさいウェスト夫人もこんなにもハプニングだらけなのだから。

。。。

・・・

「おもい自閉症の子」が15歳にしてはじめて、一度だけしゃべった言葉がアイ ラブ ユー だったこと。

・・・

「私たちは、、、の人たちの内界を本当には知らない。分かってあげられない。しかし分かっていないことは分かっている。」「ウエスト夫人は私の見た限り、彼らを分かろうと聖人的な努力を払っていた、ということは決してなかった。彼らの食べ散らかした跡について・・(中略)・・いつも頭を抱え、ため息をつき、こぼしていた。自分が彼らを分からないことは分かっていた。好きではなかったがその存在は受け容れていた。理解はできないが受け容れる。ということを、観念上だけのものにしない、ということ。」

「自分の属性を好きになってほしい、かつ受け容れてほしい」という過度な執着について考える。
我欲の張り方について、私はクールにならなければならないだろう。じっさい生身のヒトができることといえばどちらかに偏るものだ。フェアであることを重視し、また、「自分という魂」を表面張力ぎりぎりで湛えているぽんこつな器について知り、器に配慮し、また、冷徹にその機能を見切り、周囲との関係のなかで足るを知ることで地に足のついた持続性のある生活となる。

。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

これからの時代は、ウエスト夫人のようにばかりはいかぬだろう。

安易に落とし所なんて探さない。
差異を含めて間断なく理解しようとする「意思的な姿勢」を、「お互いに」もち
わかり合えない事はわかり合わずに、対立する所は対立したまま
距離をはかりつつ、フェアに「共存できる道」を探すこと。

活力に劣るほうが相手のパワーに押し込まれて「庇を貸して母家を取られる」ことにならぬよう。

。。。
。。。
春になったら莓を摘みにAmazon書評・レビュー:春になったら莓を摘みにより
4104299022
No.27:
(5pt)

”文化の違い”による”すれ違い”を伝える一冊。

恐らく10年以上前、学生時代に”西の魔女が死んだ”を読みました。
それから、留学、就職、結婚、子育てと生活が変わって行く中、つい先日、家の近くの本屋で再び平積みされた”西の魔女が死んだ”を発見。
その足で、本屋にて梨木氏の書籍で一冊だけ置かれていた”家守奇譚”を購入。
その後、作者のことをもっと知りたいと感じ、本エッセイにたどり着きました。
雑誌への連載ではなく書き下ろしで構成された本作は、途中、ふと全く違う話題に内容が転換し、元の話題へとつながる箇所がいくつかあり、本当に作者が書きたいことを書きたいように書いたのだろうと感じさせてくれました。
また、イギリスへの留学やカナダでの生活経験は、私の感じた梨木氏の感性とマッチしており「だからあのような小説が書けるのか」と、胸にストンと落ちる、梨木氏の歩みを感じることができるエッセイでした。

私も同様にイギリスへの留学経験がありますが、残念ながら梨木氏ほどの濃厚な体験はありません。
ただ、本書で梨木氏がよく書いている”国籍による文化や感性、風習の違い”やそれによって生じる誤解や悲しみ、焦燥感、そして喜びは私も同様に、多く感じる機会がありました。
本書で梨木氏が一番伝えたかったことは、恐らくそのことではないかと、私は思います。

モントリオールから乗るオーシャン号の車掌の対応や、トロントの家主、ジョンとの初対面時のやりとり。
イスラム圏留学生とその妻との関係等、多くの場面について似た経験と、その時の自らの対応の拙さが思い出されました。
そのような文化の違いによって起こる様々な感情や、その理由について深く考えることは、恐らく実際に経験した人でなければ難しいことです。
それを文章として起こし、誰かに伝えたい。その思いが感じられる一冊でした。

これから海外留学する方や、海外に住む予定のある方に是非読んで欲しい本です。
春になったら莓を摘みにAmazon書評・レビュー:春になったら莓を摘みにより
4104299022
No.26:
(5pt)

異文化が共存していくということ

理解できなくても
受け入れるということの
大切さ。
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4104299022
No.25:
(5pt)

梨木香歩さんを磨いただろう交流風景。こんな友、仲間が眩しい。

梨木香歩さんの世界には、この人たちが住んでいるのだろうなあ、と思える。
梨木さんが、英国のベースとしている下宿での交流をもとに、深く思索していく。
梨木さんの感性、視点が、幅広く、かつ、柔軟で、おそらくは、この下宿の中で更に、磨かれたのだろうなぁと勝手に合点した。
このような交際をできる梨木香歩さんの語学力、人間力に感嘆。
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4104299022
No.24:
(5pt)

笑えるエッセイではない、素敵なエッセイ。

購入してから数年。
何度も読み返しています。
最初からとか、途中からとか。
魅力的な人物が多く登場し、
そういう方々と親密な間柄になる梨木さんの人柄が偲ばれます。
海外での暮らしぶりも興味深く感じられ、
私にとって大切な一冊です。
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4104299022
No.23:
(5pt)

定期的に読み返す本

本書の「理解はできないが、受け容れる」という言葉を、時々思い出します。
私はこれを、分からないものを拒絶することに対しての言葉だというように捉えていました。
でも、それだけでなく、自分には理解できないということを認めることも含まれるのだと考えるようになりました。
理解したつもりになって受け容れたふりをするのは、それほど難しくないと思います。
自分には理解できないということを認めたうえで、それでも受け容れようと思うのは、本当に難しいことだなと感じます。
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4104299022
No.22:
(5pt)

10年間お付き合いをしている本

この本は二十歳前後で出会い、読むと心が落ち着きます。
私にとってはお守りのような本です。
10年ページをめくっているとさすがにヨレヨレになってくるので2冊目をこの度買おうと思いました。
これからもよろしくお願いします、「春になったら苺を摘みに」。
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4104299022
No.21:
(5pt)

英国の空気感が漂うすてきな随筆です

以前1週間のロンドン旅行をしました。以来、静かな英国のカントリーヤードにもいつか行きたいと夢見ていました。その夢をこの本の中で味わうことができました。
春になったら莓を摘みにAmazon書評・レビュー:春になったら莓を摘みにより
4104299022
No.20:
(4pt)

表紙、中ともにきれいでした。

表紙、中ともにきれいでした。多少汚れがありましたが、気になるレベルではありませんでした。読むのが楽しみです。
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4104299022
No.19:
(5pt)

等身大な海外経験

梨木さんの本が好きでいろいろ読みました。

こちらはイギリスに留学されていた経験を数章にわけて書かれています。
自分で実際に自然に触れているような感覚を味わえます。
また、おばけの章で人間味あふれる、ホラーでない怪奇現象がたいへん興味深く思えました。

海外経験というと、安易に「自分磨きで」とか「自分探しに」とか聴こえのよい抽象的な表現で、かんたんに観光してその国のなにもかもをわかったようにいう人の多い中、リアルな経験を知ることのできる貴重な本です。
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4104299022
No.18:
(5pt)

違いを受け入れることの大切さと難しさ

『春になったら苺を摘みに』は、英国の田園風景を背景に、梨木香歩さんが学生時代に過ごしたイギリスの下宿の主であるウェスト夫人と、その周囲の人達を描いたエッセイ集です。
「理解はできないが、受け容れる」というウェスト夫人の揺るぎない博愛精神に触れ、それに敬意を払いつつも納得できないところもある梨木さんの自問自答は、そのまま感情移入できますし、また読者であるわたし達への問でもあるように感じます。
初めて手にとった、そして読んだことのある梨木さんの作品は『家守綺譚』ですが、その本の魅力でもある、自分とは違う者や周囲の自然への優しい視線の原点を見たようです。深い優しさと思いやり、そしてどこか客観性を忘れていない視線は、梨木さん自身が”外国人”という立場でウェスト夫人に接したからこそ生まれたのかもしれません。
「私」とと登場人物の会話は、どれもとても素敵なのですが、中でもアスペルガー症候群で化学の研究者でもあるジョンとの会話は、深く心に残りました。
 ―そうなんだよ、難しいんだ、化学の論文なんかよりずっと。
 ―ああ、化学の論文の方がそれは、遥かに論理的合理的だものね、でも私にはそっちがずっと難しい。
 ―僕たち、足して二で割れないもんだろうか。
 ―そうだねえ、全ての人間を足してその数で割ったら、みんな分かり合えるようになるかなあ。
 ―うーん、でもそれもどうかなあ。
 ―分かり合えない、っていうのは案外大事なことかもしれないねえ。

違いを受け入れることは拒絶するよりも難しいけれど、人と生きていくって結局そういうことの積み重ねなのではないか、完全には分かり合えないにしても互いを理解しようという営みこそが、コミュニケーションの本質であり人生を豊かにするのではないか、と考えました。
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4104299022
No.17:
(5pt)

「違い」についてのエッセイ

梨木さんが学生時代に下宿して以来、20年にわたって交流を続けているウエスト夫人(英国在住のアメリカ人で、日々ボランティアに勤しむクウェーカー)と、さまざまな年齢・人種・信仰の個性的な歴代の下宿人たちを中心に話が進んでいきます。ダメ男の元彼を放っておけない英国人のジョー、ナイジェリアの誇り高い部族の娘・イヤビ、ユーモアがあって気使いのできるギリシャ人・エマニュエル、下宿の近所に住むボランティア精神旺盛なご婦人たち。その他にも、ニューヨーク郊外でアーティスト集団と暮らすウエスト夫人の息子夫婦、ウエスト夫人の元夫の実家に80年も仕えた生粋のヨークシャー人乳母・ドリス、旅先のカナダの列車で出会った無骨な車掌、幾度もの戦争を乗り越えてカナダで自閉症の息子と暮らすユダヤ人のバウム夫妻などなど。
国内にいてもそうですが、特に海外に行くと自分と異なる人や物事に出会う機会が多くなります。そういう時、違いを受け入れられず拒否するのか、違いに気付いて相手(もしくは自分)を矯正しようとするのか、違いを理解して歩み寄ろうとするのか、違いを認識しながらもそのまま接するのか、いろいろな対応があると思います。ウエスト夫人は違いには固執せずに寛容に(そして時に鈍感に?)受け入れるタイプ、梨木さんは違いを観察し、そこに事情や愛着を見い出すタイプではないかと思いました。そして自分はどんなタイプだろう?と自分自身について考えさせられました。
9.11の事件以降、世界が大きく変わり、「違い」に対する見方も厳しくなったように感じます。エッセイの終わりでは、そのことをウエスト夫人と梨木さんが危惧しているのが感じられました。陽気で明るいエマニュエルが珍しくしんみりと言ったyou are not capable of...の続きが気になります。彼は何が不可能だと伝えたかったのか?「悲しいけれど、君がどんなに思っても、この世界は変えられないんだ」という意味だったのではないか…と私は思います。
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No.16:
(5pt)

大好きな一冊!

この本、エッセイという事もあって、購入してからなかなか読めませんでした。
だけど、読み始めたらすごく良い。
梨木さんの文章は、その場の空気感も伝えます。

彼女がイギリスで経験した事、その人間関係、また歴史、民俗、アメリカ、カナダ、
私も一緒に経験したかのように新鮮でした。

そして、日本に閉じこもっていることがもったいないと。

9・11からもう10年。

感慨深いです。
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No.15:
(5pt)

夫人との出会いは一生の宝物

なんと心に滲みる一幕か。ユーモアから暗澹から幸福までなんでもござれ。
著者とウェスト夫人との間で巻き起こるさまざまな出来事の数々に、度外れに魅了された。
人の数だけ思想や性格が違うとは、まさにこのことだろう。

大らかで、自らに課せた信念に従い、迷い子たちを温かなハートで包み込むウェスト夫人。
理解は出来ずとも、許容する器の広さ。ウィットにとんだ会話。
何年も離れていても連絡を取り合うことを欠かさない、熱い親愛の心をもつ。ああ、語りきれない。

アスペルガー症候群を患うジョンにたいして、異質な存在として扱うわけじゃなくて
ともに対等にお互いの疑念や理想を語りあうシーンは、夫人の歩み寄りの精神が窺えてホロリ。
世界に蔓延る人間たちが、夫人のような、慈しみ、相互理解の努力の姿勢をたえず意識すれば
暮らしやすい世界は、理想ではなく実現可能であるはず。私は悔しくてしかたない。
話し合いの場すら設けられず虐げられ、蔑視される世の中は、ひどく息苦しくはないだろうか。

そんな中での、下宿先界隈でのウェストロードでの珍騒動はほっこりする。
とても幸せそうに暮らすこの地の映像が文章から、イメージとして脳に響き渡るのだ。

著者の現地での着眼点の良さや、スキンシップ、迫る問題への著者なりの複眼的な考え方など
エッセイでありながら、その真面目さたるや、風刺小説のようだ。
そんな正義感の波長が夫人とピッタリ合うから、あれほど仲睦まじいのだろう。

また、ほかのエピソードの中に、人種差別、偏狭家の偏愛的な故郷賛美、偏向放送、拷問など悲しい話。
家族の定義、クリスマスパーティ、道中での人とのふれ合い、文化の許容、など温かくなる話。
無駄な話などひとつもない。著者の辿った軌跡は見逃してはいけない。
そして、明らかに間近にある問題に、知らん顔して他人の庭だと避けるのではなく、
著者や夫人のように、まず受け入れる体制を整えて、実際に触れ、考える過程が必要不可欠だと私は思う。

ウェスト夫人からの手紙で、たびたび触れられる世界情勢の話。
なぜ争いが起きるのか。夫人の胸の痛みは、緑豊かでありながら冷たいふるさと地球を嘆いてのこと。
どうかどうか、夫人がニッコリ笑って、平和ね‥なんて言って、著者と交遊する時間を奪わないでと願う。
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4104299022
No.14:
(5pt)

ほこっとするエッセイ

何と詩的でそれでいて人の心を誘う題名なんだろう!
 これは梨木香歩のエッセイなのだけれど、彼女が英国で下宿していた時のオーナーであったウェスト夫人が素晴らしい。ウェスト夫人とはずっと交流が続いているようで、ウェスト夫人関連の話がとても多い。
 ウェスト夫人はとても心が広くて、どんな人であろうと困っている人に手を差し伸べ、常に人のために役立とうとしている。しかもそれが嫌みでも押しつけがましくもない。ナイジェリア人一家の話など思わず笑ってしまうし、世界中でこの一家のことを気にかけているのは夫人だけかもしれないと思われてくる。
 ずっと英国人と思い込んでいたら、実はアメリカ人で、英国人と結婚して英国に住むことになったらしい。そうして、夫人の近隣がこれまた心温まる人々だったりする。政治的なことに関してもしっかりとした主義主張を持っていて、いざというときにはきちんと行動を起こしたり、理不尽なことは許さなかったりする。
 ウェスト夫人だけでなく、作者もまた同じようにグローバルに物事を見ることができるからこそ、お互いにずっと共感を抱きながら、親しい関係を続けて行くことができたのだろう。梨木香歩の表現力の巧さとともに、心がほこっとするような楽しいエッセイだった。
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No.13:
(5pt)

素敵なエッセイ

梨木香歩さんの他の人に対する真摯な姿勢がよくわかるエッセイです。
イギリス・カナダ・ニューヨークなどの海外の雰囲気が味わえます。
ほんの少しですが、アスペルガーについても触れています。
彼女のアスペルガーの人たちへの理解はすばらしいです。
みんなが彼女のように理解してくれたらアスペルガーたちも生きやすいのになと感じました。
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No.12:
(5pt)

再読できる本。

梨木さんの小説を何冊か読んで、それはそれで感動したのですが、この本で筆者への印象は随分変わりました。再読する度、ほかのレビューにもあるように、深く人間を理解しようとする筆者の姿勢に共感します。

その幅は、国や政治、宗教の違いだけでなく、パーソナリティの問題や犯罪、あるいは働く女性と主婦との違いまで広く行き渡っています。私たちが日常生活を送るうえで、たびたび遭遇するこれらの問題はとても根深い。

私たちはその問題と自分たちとは違う、と簡単に言い切り他人との間に塀をつくるか、あるいは塀をつくるな、と簡単なスローガンにしがちです。しかし、実際の問題解決は大変難しい。その難しいことをとにかく相手を受け入れるという形で実践してきたのがウェスト夫人でした。こういうひとが地球のどこかに存在しているのだ、ということが私にはとても嬉しいことでした。そして自分も常にこうなれるだろうかと自問が始まるのです。同じ場面自分ならどうしていくだろうかと。

このエッセイは、なのでちょっと気が重く、しかし勇気付けられもする不思議な本です。
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4104299022
No.11:
(5pt)

アスペルガーのジョン

「西の魔女が死んだ」と一緒に買って読みました。
この本は、ウェスト夫人を核にした著者を取り巻く人々(あるいは、つかの間すれ違った人達)を描写した、いわば文章によるポートレートです。その交遊から呼び起こされるそれぞれの人となり、それに対する著者の考えは、硬質でありながらよどみない文体によって淡々と、しかし強い思いをもって語られていきます。
エッセイとひとくくりにしてしまってはあまりにも軽すぎる、この人の観察眼の確かさ、思考の緻密さに驚嘆しました。
個人的に特に興味をひいたのは、ボーダーレス(病名ではなく、彼の行動による)のエイドリアン、アスペルガー症候群のジョンといった、世間からやや距離をおかれてしまう人々についての記述です。おそらく著者も似たような気質を持ち合わせてのでしょう。知らないものを「理解はできないが受け入れる」ウエスト夫人の姿勢とはちがい、著者は彼らに対して、深いところでつながる共感のような気持ちを抱きながら相対しているようです。
(うがった見方をすれば、著者は他人よりもややその気質が強いために非常な努力を重ねて自分に不足する能力を補い、ここまでの観察眼を身につけ、社会に溶け込んだのではないか、とさえ思えます。あくまでも想像ですが)
そして著者の共感という深いフィルターを潜り抜けて昇華された彼らの内面性は、著者の描く小説の人物それぞれの人格に鮮やかに肉付けをされてよみがえってくるかのような印象を与えます。どの登場人物が誰の気質を受け継いでいるのか、想像してみるのも楽しいかもしれません。
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4104299022

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