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二千七百の夏と冬
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二千七百の夏と冬の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.38pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全50件 41~50 3/3ページ
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縄文時代を舞台にした小説は初めて読みました。二千七百年前とはいえ、みんな『生きている』んだなあ…。そして生きているということは、笑い、泣き、戸惑い、迷い、争い、恋をするのだと改めて痛感しました。 わずかに現代の日本語と通ずる、二千七百年前の人々の発する声が聞こえてくるようです。作者の創造力に脱帽です。上巻の途中でラストシーンがなんとなく想像できるのですが、それがゆえ、ページをめくる手が止まりません。 さすが山田風太郎賞…!おすすめです! | ||||
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ラストシーンを想像してまぶたに浮かべながら読むと、かなり切ない気分になります。でも、とても面白い冒険譚であり、素晴らしい愛の物語でもあるので、一気に読んでしまいました。 見たことがあるわけでもないのに縄文時代、弥生時代の人々の描写を「リアルだな」と感じてしまいました。これが文才の奔流ですね…! 争うことは間違いなく人間の構成要素の一つで、それは決して消せないものですが、それ以上に人間の感情、行動理念って良いなあ…と感じました。 山田風太郎賞に見合う、素晴らしい物語でした。…ひととき、二千七百年前に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。 | ||||
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縄文って、と手に取るときはちゅうちょしましたが、 荻原さんの作品はハズレがないので、手に取りました。 結果としては読んで大正解。 時空を超える感覚が嘘偽りなく感じ取れます。 漢字へのルビ、造語のような言葉、 古代がだんだんパンキッシュに思えて来ます。 あまり語るのはよします。まず読んでほしいです。 おすすめです! | ||||
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手を握り合った縄文人青年の人骨と弥生人少女の人骨が関東で発掘された事をキッカケに、これを取材して記事にしようとする女性記者の視点の一人称の章と主に縄文人青年の暮らし振り・冒険の旅を三人称で描いた章とがカットバックで提示される。縄文・弥生時代の基本知識を読者に説明するために女性記者のパートを用意したと思われるが、必要悪と言って良く、後者の描写に比重が置かれている事は言うまでもない。年代測定法が進歩しているので、青年・少女の人骨を2700年前のものと断定している点に異論はないが、この壮大でロマンティックな物語の舞台に随分微妙な時期を選んだ点にまず感心した。誰にも正確な事は分らないが、紀元前700年と言えば、おそらく、縄文末期と弥生初期とが重なり合っていた時期であり、しかも両者の時代の人々の暮らし振りが共に詳細不明とあっては、後は作者の想像・創造力だけが勝負となるからである。それだけにロマンを掻き立てるとも言えるが(勿論、この時期でないと縄文人青年と弥生人少女の邂逅は成立しないとの意味合いもあるだろう)。 内容に関しては読んで頂くしかないが、狩猟・自然信仰を主体とした縄文人の厳しいが束縛の少ない暮らし振り、神の実「コーミー(=米)=多用されるこのカタカナ表記が作者の腐心の策で、縄文らしさを演出している」を求めて旅立つ縄文人青年、既に稲作及び「クニ」(吉野ヶ里遺跡を参考にしている描写振り)造りを始めている渡来弥生人の暮らし振り、縄文人青年と渡来弥生人とのファースト・コンタクト(本当に実際はどうだったのだろうかと興味津々である)等がやや教科書通り的だが物語性を有して語られる。読んでいると、2700年前の"日本"の雰囲気に浸れるのは作者の筆力であろう。ただし、作者の意匠は、2700年前であろうが現代であろうが、人々が精一杯日々を生きている事に変りはないという普遍性・悠久性を描く事にあったと思う。更に、上で"日本"と書いたが、渡来弥生人の出身地は朝鮮半島系、中国東南海岸系、モンゴル系と様々(な筈)であり、民族の区別をする愚かしさを訴えたものという風にも取れる。ちなみに、上で必要悪と書いた女性記者の死亡した元婚約者も韓国人なのである。 そして、本作の最大の眼目・謎である手を握り合った縄文人青年の人骨と弥生人少女の人骨だが、これに関しては本当に読んで頂くしかない。悠久の時間を味わいながら、"日本"について改めて考えるキッカケを与えてくれる秀作だと思った。 | ||||
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【ネタバレあり!?】 (1件の連絡あり)[?] ネタバレを表示する | ||||
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いつの時代も人類は、自分達とは異なる文化圏に、ときに興味を抱き交流を持ち、ときに恐怖を抱き、排除しようとする。 そうすることで人類は、発展または拡大を遂げてきた。 村から国へ。 国から世界へ。 世界から宇宙へ・・・。 現在もまさにその最中にある。 そしていつの時代も、権力、金そして愛する人をめぐって繰り広げられる、熾烈で野蛮な争い。 人間の本質というのは、今も昔も変わらない。 日本人とは何か、人種とは何か。 我々の祖先である縄文人と弥生人の儚く悲しい愛を描くことで、日本人のルーツを考えるきっかけを与えてくれる良書である。 | ||||
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下巻は一気に読み通しました。これまでの、歴史年表の折り返しの奥にあった縄文時代・弥生時代への認識 が変わり、とても身近に感じられるストーリーでした。 ただどうしても気になってしまったのが、あれだけ主人公が故郷に思いを馳せていたのに、故郷に関係する伏 線もあったのに、最後までなにも触れられず終わってしまったことでしょうか。なので、★ひとつマイナス。 | ||||
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古代史、神話にご興味のある方には、見方を変えて、結構に愉しめます。縄文と弥生の人たちが、この様な交友ができていたのなら、嬉しくなります。年代、文化を超えた恋愛に、有りえないであろうロマンだと思います。古代の世界にかんしんをお持ちの方には、一読をお薦めします。 | ||||
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今までの作者の作品とは、一見異なる世界のお話で読み始めたときに時間かかるかも?と思いましたがそれも一瞬のこと。 題名もわざとなのか若干とっつきにくいですが、読むと止められなくなりました。 涙がでそうな切ない場面もあり、作者らしいユーモアあふれる場面もあり、上下二冊を一気に読み切ってしまうほど夢中にさせてくれた本はここしばらくありませんでした。 作者の作品はどれもこれも根底に人間に対する温かい感情が見て取れ、ユーモアがあふれ、ほろっとさせ、ああ、読んでよかったと思わせてくれるものばかりですが、 この作品も最後が予測出来るストーリーになっているからこそ、切なさが高まり、かつ穏やかな気持ちにさせてくれました。 こういった作品を一年に一度、二度と世に発表されていく作家の方というのは、大変な苦労をされているんだろうな、と思ったりもしつつ、 新作が楽しみで待ち遠しくさせてくれる、作者のような作家さんが存在してくれることに感謝です。 内容もさることながら、だいたいこれくらいのハードカバーは1600円前後が相場だと思うのですが、破格!?の値段設定。 ファンとしてはありがたいですが、なぜこんなに低価なのか知りたくなりました。 | ||||
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ありそうで無かった、縄文時代(と現代)が舞台の小説です。 誰も知らない縄文時代が生き生きと描かれています。 このまま「縄文時代ってこういう時代だったんだよ」と言われても 信じてしまいそうなほど、詳細にわたっています。 縄文時代を冒険しているような気分になります。 お話の筋そのものは至ってシンプルですが、 それだけに素朴な感動があります。 | ||||
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