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(短編集)

終の信託



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【この小説が収録されている参考書籍】
終の信託 (光文社文庫)

終の信託の評価: 3.33/5点 レビュー 9件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.33pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全9件 1~9 1/1ページ
No.9:
(5pt)

周防監督の映画で知りました

長く、文学を読んできて、どうしても忘れることのできない登場人物やシーンがある。

ホールデン・コールフィールドが、ジェーン・ギャラハーとチェッカーをやっていて、突然、ジェーンがチェッカー盤に、涙を一滴、ポツンと落とし、指でチェッカー盤に刷り込んでしまう場面。

チャーリー・ゴードンが、高知能になってから、再び、知能の低い状態に戻り、それすらも忘れて、昔通っていたミス・キニヤンの夜学へ行き、キニヤンが「ロバート・・・」と絶句して、泣きながら教室を走り去る場面。

そういうコレクションに、新たに、この、折井綾乃と検事・塚原のと調べの場面が加わった。
・・・
塚原はここに呼んで取り調べた江木馨が、「あの女医は、父の喉からチューブを抜いたり、注射をしたりする時、泣きながら変な唄を歌ってた。『もう、子守唄にしましょうね』と言ったり、頭がおかしいのかと思った」と言っていたのを思い出した。
・・・
後書きの周防監督の最後の一言が、さらに、重い追い打ちをかける。
「『終の信託』は、間違いなくラブ・ストーリーなのだ。」
終の信託 (光文社文庫)Amazon書評・レビュー:終の信託 (光文社文庫)より
4334764193
No.8:
(1pt)

同じ本を買ってしまった

この作者は好きで読んでいました。作者の名前と、奥付の2012年初版というのを見て、ここ一年この作者の本を買っていないと思い、家に帰って読んでいたら、途中で読んだ気がしてきて、まさかと思いつつ、蔵書を見たら中身が同じでタイトルが『命の終わりを決めるとき』と違う物がありました。焼き直しでタイトルを変えただけなら、本の目立たないところに、『命の終わりを決めるとき』と書かずに、正々堂々と表紙に書けばいいものを…。良い商売していると思いました。このあざとい作者の本は、もう卒業します。こういうことをする人の本は、二度と買いません。
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No.7:
(1pt)

終末医療の問題をセンセーショナルに取り上げただけの駄作です。

安楽死を含む終末医療について、実際にあった事件をもとにして深く掘り下げて考えたいと購入しましたが、作者の立場や考察を全く感じることができませんでした。少なくとも実在する人物を題材に取り上げるのなら、終末医療について自分の考えを述べるべきです。まるで週刊誌の記事のように無責任にセンセーショナルな話題を下世話に、興味本位で取り上げただけで、一読して失望しました。登場人物たちに対する深い考察や愛情を少しも感じ取れませんでした。こんなものをお金を払って購入した自分がバカでした。題名に騙されました。この作者は実際に起こった事件によりかからなければ、自分の物語を描けないのかしら、、、執念深い検事の描写だけは生き生きとしていましたが、無意味です。
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4334764193
No.6:
(2pt)

期待していたものとは少し違いました。

私がこの本を選んだのは終末医療の問題に関心があったからです。
その点だは検察の在り方の方に重点があるように思いました。
朔立木さんの作品を読んだことがありませんでしたので・・・
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No.5:
(5pt)

保存状態がよくかつキレイ!!

到着も早く、かつ新品同様の状態で良かったです。
年末年始時期に購入したのでまだよく読んでいませんが、読んだ後はしっかり映画も見ようかなと思っています。ありがとうございました。
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No.4:
(5pt)

すばらしい!

映画も見ましたが、映画ではわからなかったことがいろいろわかりました。本当にあった事件の当事者の書いたものも読みましたが、いろいろと考えさせられました。
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No.3:
(2pt)

梯子を外された感じ。

尊厳死・安楽死といった非常に重いテーマの作品。私には今の時点では縁遠い話ではあるが、だからこそ【読み物】としてしっかりとじっくりと読んでいた。
人物描写もしっかりしていて芯の通ったストーリーでもあり、前半の患者と医師の固い絆、後半の自己実現を追及するばかりの司法側の欲の面が真逆のコントラストとなってストーリーに深みをもたらせていた。
だからこそ!他の方のレビューにもあるように、本当に考えさせられる内容であるからこそ、私もこの物語のラストに本当に憤りを感じるほどの不満を抱いてしまったし、『よっくんは今』を別の章として物語がそのまま続いていると思い、読み進んでいた程だった。
司法により曲げられた(削られた)事実が、物語の中でその後どう明らかになっていくのか?その続きが当然あるべきものとして読み進むほど意外な終わり方だったし、思い込ませるストーリー展開だった。
序盤から中盤にかけて力のあるいい文章が続いていただけに、梯子を外された感じがした。更にいうなら梯子を外されたことにも気が付かない程に、この終わり方は本当に意外だった。
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No.2:
(4pt)

法の下での真実とは何か

『終の信託』は尊厳死を実行した医者と彼女を取り調べる検事の物語。検事は尊厳死に至った経緯などまったくかまわずに、ただ命を絶ったことだけを取り上げる。女医は患者から信託されたことを訴えるのだが、まったく受け入れてもらえない。確かに、起きたことだけを見れば殺人と区別がつかないのだけれど、それは真実ではない。検察官にとってはどうでもよいことかもしれないが、当事者にとってはとても大切なものを破壊する行為だ。人間にとって大切なものがいまの司法ではないがしろにされていないか。司法に都合が良いように事件が再構成されてしまうことは、人権を否定するだけではなく、社会にとってもマイナスなのではないか。合わせて収録されている『よっくんは今』も、検事が刑事に変わっただけで、被疑者の言い分を聞かずに、自分が理解できるように事件を解釈しようとする司法の姿が描かれる。何を言っても理解してもらえない辛さ、むなしさ、苦しさ。あきらめるしかないほどの絶望。しかも、被疑者に当然のようにセクハラを行う。えん罪が後を絶たないことを考えれば、こうした司法のあり方は問い直されてしかるべきだ。取り調べの可視化は当然だろう。

なお、『終の信託』はラストに不満をもつ方が多いと思う。ぼくもそうだった。ひょっとして『よっくんは今』が続きなのかと思ったほど。このラストをどうとらえるかで、作品の評価は大きく変わるだろう。
終の信託 (光文社文庫)Amazon書評・レビュー:終の信託 (光文社文庫)より
4334764193
No.1:
(5pt)

非常に悲しく、怒りを覚え、無力感を一杯に感じてしまう作品

表題作の「終の信託」は、非常に重い小説です。
主人公に気持ちをのめり込ませ過ぎると、読むのが耐えられなくなるようなそんな話です。
この話のテーマは、基本的には「安楽死」の問題です。
そこで登場するのが、横浜裁判所の判例です。
しかし、作者はこの判例を、不完全なものとして切り捨てます。
結局、医者も完全無欠でない様に、司法の人間も完全ではないのです。
そんな中で法律は人を裁きます。
この話に登場するような出世欲に溢れた検事が、「手柄」を立てたくて強引な調書の作成をすることもあるかも知れません。
そうした欠点だらけの人間が、欠点だらけの人間を裁くのです。
非常に悲しく、怒りを覚える作品であり、無力感を一杯に感じてしまう作品でした。
終の信託 (光文社文庫)Amazon書評・レビュー:終の信託 (光文社文庫)より
4334764193

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