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歌うクジラ
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歌うクジラの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.60pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全72件 61~72 4/4ページ
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久々の長編を堪能しました、村上龍なりのリサーチによって構築された日本ひいては世界の未来像を垣間見せてくれる大変面白い物語でした、長過ぎるとかグロが多いとかうまく咀嚼して村上龍の世界を味わわないともったいないです | ||||
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本作品は久しぶりの村上龍さんの小説です。主人公が敬語使いという役なのが何か意味深く感じました。 敬語は使う人 使われるものにいい悪いではなく何かしらの影響を与えます。 小説家である村上龍は言葉を扱う仕事である為に、すごくその点について意識的なのではないか。と思えました。下巻においてその主人公の設定がどういう役割を持つのか楽しみです。 | ||||
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iPhoneアプリで本作を読んだ。 店頭でハードブックも開いてみたが当然のことだが内容は一緒だった。 違うのは章毎にアートワークが表示されるのと、一部のシーンで効果音に近い音楽が流れることだけだ。 上層、中層、下層に区分けされた理想社会をアキラは旅する。 通常であれば一生を決められた層で生きるところを、旅で社会を横断する。 層毎の違いを方言のような言語で表しているのはわかりやすい。 どの層も我々の世界観からすれば不幸にしか見えない。 既存のディストピア小説と異なるのは、指導層とそれ以外に分かれて指導層だけが幸福、という構造ではないことだ。 章毎に新たな設定が延々と提示されるやり方は「家畜人ヤプー」を思わせるが、主人公に目的を持たせ行動させる点で本作のほうが一貫したまとまりがある。 社会を強調しているのと特殊な環境のため、登場人物たちの心情は理解しがたい。あと長い。 作者の「コインロッカー・ベイビーズ」の薬島みたいな設定が好きか、ディストピア小説が好きならおすすめ。 | ||||
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同世代の作家として、応援してきた村上龍さんの2010年の新作です。本屋さんに平積みされている美しい装丁に惹かれて、新品を買いました。「歌うクジラ」は、現代の日本を代表する作家の、一級のエンターテインメント小説であることは間違いありません。SFという形式を借りた、人間について、人間社会の問題について、幸福について、老いるということについて、の小説です。近未来の、未だ観ぬ世界だから、ある意味、何でもありだし、やりたい放題、荒唐無稽。世界表現も、趣味性も、思想性も自由に表現できたのでしょう。しかし、実際は村上龍さんが今、人間や人間社会にについて考えているだろうこと、警鐘を鳴らしたいことが実直に、ちりばめられているように感じました。 語っている内容は、生物としてのクジラのことではありません。まさに人間と人間社会のことです。15歳の、ある意味無垢な少年が、お父さんの遺言に従って旅を続けます。旅先で、さまざまな階層、さまざまな立場の人と出会い、別れ、旅の目標に近づいていきます。SF作品では、よくテーマが壮大でも、最後の方が尻すぼみになる場合が多いのですが、さすが、村上龍さん、最後まで、読み進ませてくれます。むしろ、最後の出会いの部分こそ、出会った相手が語る内容が圧巻です。ぜひ、下巻まで読み進んで欲しいと思います。絶望ではなく、少年が正しく成長したことを一緒に喜べる、勇気を与える、あたたかい小説です。 ただ、性的な描写がちょっと趣味的で病的で、また人を殺す残虐な描写も多く、中学生や高校生の娘たちには、大丈夫なのかなあとも考えてしまいました。村上龍さんの「自意識を吹き飛ばす手段」なのでしょうが・・・。 余談になりますが、ニューヨークタイムズのピューリッツア賞記者、ジョン・ダートンさんが1999年に発表したエクスペリメントが、少し似たプロット(クローン、老化、テロメア、島からの脱出)を持っています。よかったら読んでみてください。もう一つだけ、SF作品としては、私の最近のベストは、椎名誠さんも絶賛しているハンターズ・ラン (ハヤカワ文庫SF)です。 昨日、北朝鮮が砲撃しているニュースを見ていて、村上さんの半島を出よ (上)を思い出しました。個人的には、こっちの方が好きです!☆5つです。未読の方は、ぜひ、読んでみてくださいね。 | ||||
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村上龍が優れたSF作家でもあることは皆さんご存知だと思います。 この作品は、詩的で創造に飛んだ描写によって、たくさんの未知のイメージを想像させてくれるという点で、やはりすばらしいSFであると思います。 ただし、作中で人間社会を改善するための遺伝子工学による様々な実験が行われている割に、これまでに数え切れないほど発表された社会実験的なSFと比較して、特に新しい視点があるようには感じられません。 | ||||
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まず本を手にされた方は、目次を見てみられるといいです。 さまざまな場所に移動し、動き続け、または歩き続け、人と出会う物語です。 この小説の面白いのは、100年後の日本を村上龍さんの想像力で描かれているため、その世界を肌で感じることができるところです。たくましすぎる想像力で、近未来の世界が構築されていて、そこを私は面白く読みました。 なかにはグロテスクであったり、性的であったりするシーンも多いですが、さまざまな世界を旅するという意味では、必要だったと思います。 読み終えて感じたのは、理想を求め、理想に裏切られ続ける人間の姿でした。 理想とは、たとえば歌うクジラであり、その歌うクジラにも最後裏切られてしまいます。 ただしその裏切られたという思いは、私自身の感想であります。 というのも、歌うクジラのエピソードに惹かれこの小説を読み始めた私にとっては、最後に訪れると期待していたポジティブなものが弱すぎると感じたからです。 移動し続けること、出会い続けること、理想を求め続け、グロテスクにも生き続ける人間を包み込むような芯の強いようなポジティブさが最後に示されると感動的であったと思います。 風の谷のナウシカの漫画版のような、最後のポジティブなメッセージがあってよかったと思います。 なぜなら私は、文学とか良く分かりませんし、明日生きるために小説を読み、読むことで生きようとしているのですから。 | ||||
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SFである。未来の話であり、とんでもない物語である。しかし、現在の人間社会に既に存在するある種の傾向、線分、ある特異な点の集団を延長し、強大化し、増殖させた時に「あり得る」と思わせるリアリティが恐ろしい。 これは「父親」から秘密を運ぶ任務を遂行しようとするタナカアキラの冒険物語、旅物語であり、荒唐無稽とも言える場を踏破していく。途轍もない想像力によって構築される時空は読む者を引きづり込んでいくが、メモリアックの働きと特異な言語活動は思考を錯乱させる。 真の旅が、人に多数多様な光景を見せるのではなく、人を多次元多様体に変えてしまうものならば、それこそまさに「歌うクジラ」である。 いわゆる「アイデンティティ」が崩壊しそうになるのは恐ろしい。しかしそのスリルに魅力を感じる人もいる。 どんなに手に汗握ろうと自分を安住の地に置いておきたい人、すぐに意味が理解できることばで書かれた本を読みたい人はそれはそれでよいだろう。 またエクリチュールの流れに酔い痴れたい人もそれはそれでよいだろう。 しかし「歌うクジラ」は覚醒しているが自己を失い、断絶を越えていくが明晰なままである。それを体験したい人が読めばいいのだ。 | ||||
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どうでもいいような描写がやけに綿密だったり、グロが多い。 今後の社会への警告だろうが、ん〜 つまらなかった。 もう一度読むことはない。 | ||||
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『助詞がおかしくなっているセリフ』というのがたくさん出てくる辺りからつらくなってきました。 「島にまでこいつを拾ってくるって誰さえ知らなかったわけだのに、冗談ほどじゃないよ」 といったセリフが次々と出てきて、読むのが苦痛になってきました。 だんだんそういったセリフを端折るようになってきて、そうなると内容がよくわからなくなってきて 読む気が失せました。こんなセリフはこれ以上読みたくありません。 全部読んでないのに星ひとつというのも問題かとは思いますが、 期待していただけに失望が大きくて・・・。 面白かったという評価がたくさん出てきたら、再チャレンジするかもしれませんが 今は一行読むのも嫌です。 | ||||
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この小説を読み終えた後、「何故自分は小説を読む必要があるのか」 ということと、「小説を読まなくてもいいように暮らしていくためには どうすればいいのだろう」というようなことを考えました。 村上龍さんの書く小説は自分にとってとても異質で、そういうものを 必要としているからかもしれないと考え、一方で、こんな凄い小説を 読まずに過ごせるならそれはそれで越した事はないのではないかとも 考えたのでした。 矛盾していますが、そういうことを考えたのはこの小説が初めてで、 とても新鮮でした。 | ||||
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「i pod」先行配信の為か、比較的短いパラグラフが一行の空白を挟んで連続する構成になっている。喫茶店や地下鉄で読んでいても簡易にキリがつくところで栞を挟めると思う。ケータイ小説は読んだことがないから、すでに試みられているストラクチャーなのかも知れないがユーザーフレンドリーだなと思った。私はいつも本を読むときはカバーと帯を外しているのだが、そのときに「なんて凝った装丁なんだろう」と気がつきました。詳細はご自身でお確かめください。本書は近未来の日本を描いた作品で、一瞬椎名誠の「アド・バード」の世界が蘇った。ただSFというよりも、政治経済をシミュレートした作風なので、「やっぱり違うか」と思いながらもSF的色彩が濃い場面になるとやっぱり彷彿された。「5分後の世界」や「半島」とは異なりミリタリー部分はあまり特化されていない。一番最初に書こうと思って忘れていたけれど、もう村上龍は小説を書かないんじゃないか・・・という寂しさを10年近く抱いていたので、本書の刊行はすごく嬉しい。あるところで生理的精神的に非常に読むのがしんどくなった。それなりの耐性がないと投げ出しちゃうのじゃないかと心配になるほど。それだけ村上龍の描く狂気の場面は想像力を倍増させてスパークさせる。「デッドライジング」のボスみたいな人物を書かせると本当に村上龍は絶品だなと改めて思った。村上春樹のように小説を執筆し続けて欲しいと切に願う。最後に「確かに想像力が本当な恐ろしい」。 | ||||
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人類がついに不老不死のSW遺伝子(Singing Whale)を発見した22世紀の世界。 SW遺伝子は限られた一部の選ばれた人間に応用され,その反作用として犯罪者には急激に老化を促進させる方法が取られた。 文化経済高率化運動により,食事や笑顔や敬語が害悪とされ,人々の徹底的な住み分けがなされた日本。 もっとも最下位の層の犯罪者が住む九州北西部の新出島で暮らす15歳の少年アキラは,死の直前の父のため,SW遺伝子の秘密が入ったマイクロチップを,ある人物に届けるため新出島から出ることを決断する・・・・。 この設定だけでもワクワクしてしまう村上龍の新作は,i-Padで先行発売され話題になったが,i-Padを持っていない私は,本が出版されるのを今か今かと楽しみに待っていた。 その圧倒的な戦闘の描写力は,「五分後の世界」や「半島を出よ」同様すさまじく,目を覆いたくなるような残虐なシーン,嫌悪感を感じる描写もあるが,100年後の日本が舞台であり,リアリティーある造形物の描写やその想像力には驚かされる。 そして,なによりも個性ある登場人物が多く登場するところが,この作品の魅力だ。 15歳の少年アキラと行動を共にするサブロウさんは,クチチュと呼ばれる突然変種の人間だ。耳の後ろに小さな穴があり,触ると死に至るような猛毒の液がそこからにじみ出ている。 アンという女性は,反乱移民メンバーの子孫で,グループのメンバーともに助詞をむちゃくちゃにした日本語をしゃべる。敬語が禁止されて長い日本において,敬語が使えるアキラは貴重な存在としてメンバーに受け入れられる。 飛行自動車の運転手ネギダールは,猿と中国人のDNAを組み合わせて生まれた女性だ。 少年アキラは,いろいろな人物と出会い,別れ移動を続ける。 15歳という年齢は,移動を開始するのにもっとも適した年齢なのかもしれない。(そういえば,村上春樹の傑作「海辺のカフカ」でも15歳の少年が移動することによって物語が始まりましたね) | ||||
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