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ペテロの葬列
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ペテロの葬列の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.29pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全111件 41~60 3/6ページ
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数時間で解決したバスジャック事件の中に奇妙な謎を潜ませ、主人公の会社員にその謎解きをさせながら、社会的な犯罪問題がその背景にあることが徐々明らかになると言うストーリー。 謎の全貌が容易には予想のつかないものであるため、先へ先へと読み進めたい気持ちにさせるのは、やはりこの著者のストーリーテラーとしての手腕か。 物語としての面白さに、社会的な問題の広がりを持つと言う点で、松本清張の作品をほうふつとさせる。 文体やプロットにの味わいにはかなり違いがあるが、宮部みゆきは作品の構造から言うと松本清張の正統的な後継者と言ってよいのではないだろうか。 宮部みゆきの作品には、さらに主人公の杉村という滋味をたたえたキャラクターの造形が加わっている。 この杉村にふりかかる境遇に、不快感を抱く読者のレビューアーも多いようだ。自分はまだ、この杉村というキャラクターにそれほど強い思い入れがないせいもあるが、著者はこのキャラクターで3つの大きな作品を紡いだこの段階で、マンネリに陥るのを避けるために、杉村の境遇を大きく変えざるを得なかったのではないか。自分としては、この決断はよく理解できるような気がする。 | ||||
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シリーズで読み引き込まれ現実に起こった事柄とダブリ深みを感じました | ||||
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低い評価が目立ちますが、良作だと思います。 私は主人公にかなり感情移入してしまうたちなので、米澤穂信のボトルネックなどは、読み終えた後、かなり心が折れました。 この本でも、かなり落ち込まされます。 宮部さん、早く続編を書いて杉村三郎を救ってください! | ||||
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宮部さんは人間の闇を見つめる目が鋭い。かなり深い認識を持っている。しかしエンターテイメントにのせて、誰でもアクセスしやすい物語にしている。哀しい結末の物語でも読後に清涼感あり。そこが同じ人間の闇や悲劇を書いた松本清張とちょっと違うところ。 『指輪物語』または映画『ロードオブザリング』などがこの小説の基底音になっている部分もある。この映画は観たことがないが、人間の毒が感染していくことを描いているらしい。この小説読んでこの映画も観てみたいと感じる。 人間の闇を描き、また臨死体験のような経験で人間が変わってしまう部分の描き方など観てもこの人はかなり深い瞑想体験のようなものを経験されているのではないかと感じる。臨死体験で現れる自分の死んだ家族が実は自分の意識の深い層の一部なのではないかなどと描くあたり、「わかってらっしゃる」という感じ。 「鶏が鳴くまでにお前は3度裏切る」とペテロに対して予言したイエスの言葉はキリスト教に興味がある人なら知っている有名なエピソードだが、人間はそれくらいどうしようもないということをこの小説では描いているのだろう。また自分で罪を自覚したペテロは壮絶な殉教を果たすが、それが葬式では、なく葬列となっているところに、特殊な人の物語でなく、人は一歩間違えばだれでもそのような要素を持っているということがメッセージ込められていると感じる。 杉村三郎が探偵にならざるを得ない状態になってしまったことを描く。杉村三郎シリーズの重要な物語。 | ||||
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11話のドラマをレンタル店で借りて一気に観たような感じ。 超細描写の好き嫌いは分かれますが、私は好き。 奥様の最後の告白、意外にどこにでもあるのでは? とりあえず眼精疲労、甚だしいです、、、 | ||||
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宮部みゆきは天才です。人間の闇を見つめながら、それをエンターテイメントの中でさらっと書く。しかも読後に清涼の風が吹くような印象を与えます。20年ほど前に年下の知り合いが「宮部みゆきにはまってます」と言うのを聞いたとき「くだらないもの読んでるなあ」と思ってましたが、反省します。私の方が間違ってました。この作家は並の作家ではありません。人間のどうしようもない闇とそこから派生する犯罪、その哀しさを書いて来たのは松本清張だと思いまが、清張のある意味後継者であり、清張より明るく、しかも人間描写は深いと思います。 この上巻はバスジャック事件に巻き込まれる杉村三郎描きます。事件後バスジャックに関係する人たちにちょっとした謎があらわれはじめます。謎に巻き込まれながら主人公の人生が動きだします。その謎を解こうと杉村三郎が決意して動き出すまでを描いています。ささいな事実の積み上げから物語が大きく動き出すところや、複数の伏線を張っておいてあとで全部つながっていくところなどは本当にこの作家の器用なところだと思います。 最近出版された『希望荘』を先に読んでから杉村武三郎シリーズに興味が湧き、この本を読み始めたので、その後彼が探偵になっていくことが見えているのですが、そういう目で見てもそのための伏線がこの本の中に張り巡らされていることに驚きます。 また洗脳の手段を駆使したセミナー商売がマルチなどの犯罪へつながっていくという展開もなかなか興味深い。その中で豊田商事事件という実際に起きた詐欺事件の名前が小説の中で出てくるのにはドキッとします。カメラの目の前で殺人事件が起きたのを報道で何度も見ている我々世代としてはなんとも生々しい感触を覚えました。 | ||||
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宮部みゆきの代表作は『火車』であると、それに加えて『火車』周辺の時代の作品を読んでいれば十分だと、漠然と思っていた時期があった。大きな間違いだった。もし、同じように考えている人がいるならば、ぜひこの「杉村三郎」シリーズを、さらには『ソロモンの偽証』を読んでほしい。円熟を迎えた著者の傑作。 | ||||
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悪は誰にでも潜んでいる 今回の杉村三郎氏も 様々な悪意 悪態 悪夢に悩まされ 翻弄され捲り しかも今回においては まさかの伏兵 身内の裏切り 三郎氏の背後に音も無く忍び寄り 錐刀で延髄奥深くまでブスリ お花畑さんの華麗なる暗殺テク 胸糞悪い後味と虚脱感 何時も以上の犠牲者 ラストの桃子姫の無邪気な笑顔 全Amazonカスタマーの苦笑い これもある意味宮部ワールドである......と思いたい。 | ||||
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「怒」 という結末でした。 これほど引きずる本は、最近読んでいない。 伏線には薄々気付いていて、やめてよ・・・と思いながらだったので、 離婚はいいのですが、離婚の仕方が納得いかない。 杉村さんには、今多と関係ない別の世界で幸せになってほしい。 今多コンツェルン最悪。 | ||||
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宮部みゆきさんの本は、時代劇もの以外は全部読んでますが、この本の終わりは珍しく後味が悪かった気がしました。なんだか残念で…。 続編期待したいし、2人にまた縁があるところを見たい。ハッピーエンドを見たい。 | ||||
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読んでいて薄々感じてはいたのですが、杉村三郎さんの話はシリーズだったんですね。 知らずに手に取りました。不覚。 でも、前作を読んでいなくても、この一冊だけで十分楽しめました。 ただ、宮部さんの小説、あまりにうますぎるのが自分的には☆マイナスです。 | ||||
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この物語、最後の数ページが強烈すぎて気持ち悪くなる。 ペテロの葬列は、単行本も出てて、ドラマ化もされていたので、読みたかった小説でした。 文庫本化を待って即予約し買って、数日で読み終えました。 小説の殆どを占めている推理小説の部分は、いつも通り素晴らしい。人物描写も見事。 でも、あの最後はないよな。なぜあの時点で杉村菜穂子に不倫をさせなければいけないのかいけないのか、分からない。 で、到達した結論が、「そうか、宮部みゆきは、杉村三郎に恋をしているんだ。だから、その妻に嫉妬したんだ。」 ひどいことをする作家だ。 でも、彼女の作品は、また読んでしまうだろうから、宮部さん!また書いてください。 解説によると、既に「杉村三郎シリーズ」の連載は始まっているそうなので、本になれば、読ませていただきますが、穏やかな着地点を見つけて欲しいものです。 | ||||
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作品のラストに訪れる杉村三郎の意外な運命のことは知っていた。でも、どうして、どうやってそうなったのか、は知らなかった。最終ページに辿り着く迄にある程度推理出来たのは、私としては上出来だと思う。(これをアップする時点でアマゾンの書評を見ると、圧倒的に「菜穂子許せない」派が多かったが、私は許せる。彼女は籠の鳥から抜け出す方向に舵を切ったのだ。その方法は間違っているけど、そもそも宮部は正しい人だけを描くことはない) 知っていたのは、文庫の「ソロモンの偽証6」のスピンオフ中編「負の方程式」(杉村三郎が探偵で出てくる)を読んでいたためである。あれを読みおえた時点でこの作品は読まなければならないと思っていた。あの頃同時にテレビドラマでこの作品が放映されていたが、観るのを我慢した。正解だった。冒頭のバスジャックの緊迫した「心理描写」は、流石に映像では無理だったろうと思うからである。 やはり宮部みゆきにとって、杉村三郎は得難い等身大のヒーローなんだと思う。彼女には、通常人は到底真似出来ない特技がある。見たものを確実に描写出来る(「日暮らし」のおでこに似た)「カメラアイ」を持っているのである。その一方では、身近にいない人たちや、壮大な社会批判は出来ない性質の女性である。デビュー以来の30年間で、ギリギリ今多コンツェルン会長のような社会的地位の高い人は描写出来るようにはなったが、そのコンツェルンの中で生き馬の目を抜くような人物は描けないだろう。よって、コンツェルン運営にも関わらない、かと言ってまるきり社会の頂点にも関係なくはない杉村三郎は、宮部には自由に動かすことの出来る分身だった。あの肝の座った観察力、素早い判断は、しかし探偵業にしか向かない。経済小説や政治小説で活躍するには、杉村三郎は(能力的には可能かもしれないが)性格的には優しすぎるだろう。 話の流れで、トールキン「指輪物語」における「指輪とは何か」という解釈があった。私は私なりのその解釈を持っている。しかし、宮部みゆきのそれが知れて、大いに収穫だった。しかも、それがそのままこの作品の大きなテーマになっている。 〈一つの指輪〉は、冥王サウロンの力の源泉であると同時に分身だ。指輪はサウロンのもとへ還ろうとする道筋で出会う中つ国の人びとを汚染してゆく。その心をむしばんで、人格どころか容姿まで変えてしまうのだ。 悪は伝染する。いや、すべての人間が心のうちに隠し持っている悪、いわば潜伏している悪を表面化させ、悪事として発症させる 〈負の力〉は伝染すると言おうか。 現実を生きる我々は、 〈一つの指輪〉を持ってはいない。だが、その代替物なら得ることが出来る。それは誤った信念であり、欲望であり、それを他者に伝える言葉だ。 ー影横たわるモルドールの国に。 我々もまた、生きている。(356p) 宮部みゆきは、作家になってこの方、ずっとこのことを描いて来たのである。 一つだけ、私がこの作品の瑕疵だと思うところ。バスジャック犯と迫田さんが乗り合わせたことを、杉村三郎は偶然だと思っている。本気でそう思っている。もしそうならば、迫田さんの慰謝金が一人跳ね上がっているのが説明出来ない。また、田中さんの額も納得出来ない。しかしそれを論理的に説明すると、物語がすべてひっくり返る恐れがある。私が瑕疵だと云う所以である。 | ||||
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歴史は繰り返す。 一度目は、悲劇として、二度目は喜劇として。 まさに、この本はその通りに物語は進んでいく。 私は、DTVで最近見たので、原作を読んでみたくなりました。 マルチ商法と洗脳は、現在でもかなり行われており、 警鐘を鳴らす意味でも、良書といえる。 このような大作を読んだのは、久しぶりでしたが、みなさんがいうように、最後が裏切られたとも思いません。 大会社だろうが、中小企業の親父だろうが、特別な人はおらず、肩書を外してしまえば、みな同じようなもの。 逆に、杉下は、今後一人で探偵をするんだろうなあと思い、次回作に期待が持てた。 | ||||
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面白かったです。 ドラマみてからの原作でしたが、ドラマもしっかり製作してたんだなぁと感心しました。 | ||||
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私は、むしろこの結末を歓迎している。 お姫様と私立探偵の卵というアンバランスな夫婦が破局を 迎えるのは第一作と二作目で、これでもかとばかりに予言されているので 衝撃を受けるに値しない。というか、いつか離婚するという前提でなければ とても読み進む気にはなれなかったろう。 だってそうだろう?優しく初心で美しい妻、および彼女に付随する莫大な富と余暇と権力 そして日本でトップクラスの頭脳をもったアドバイザー兼パトロンを 棚ボタ式に手に入れた男が、何となく流されて暇つぶしに探偵の真似事を する様に、庶民たる読者が感情移入できるだろうか? 最初から「持っている」人ならば、「持っている」ことに起因する諸々の面倒事を引き受け 生きてきた厚みを感じさせるだろうが、主人公はそうではない。 作中終盤で主人公が、妻と妻が与えてくれた環境に 自分が甘えすぎていたと振り返るところは、読者の今までのツッコミそのものだ。 正直、健康食品や化粧品などのマルチ商法が題材になっているのは 少し古臭く感じられた。いまどきの大学生が引っかかるものだろうか?(老人はともかく) 今の子達は疑い深く、安易な希望を押し付ける大人を胡散臭い目で見るものだから。 しかしながら、人物描写も伏線のめぐらせ方も巧みで、 特に井出氏の歪み方や壊れ方は読んでいて面白かった。 挫折して卑屈になり、堕落し、最後に自爆する姿は人間の 弱さを全て体現しているかのようだが、どこか憎めない。最低なヤツだけど心酔する人を 喪って幼児のように泣きじゃくる姿に憐れみを感じる。情けない、良い悪役だと思った。 作中でわざわざ銘柄が明記されているワインのシャトー・ラトゥールについて、 何か意味があるのかと疑問に思って調べたところ、長期熟成に向いたワインだと 分かった。もしかしたらお姫様も探偵の卵も晩熟で、時間を経た後に美味しい関係に 戻るという未来を暗示ではないかと勝手に推測している。桃子ちゃんがいるので 二人の縁が切れることはまず無いし、主人公に探偵という道を示した北見氏も 夫人といったんは別れ、よりを戻しているではないか。ありえないことではない。 私立探偵が卵から孵り成長していく次回作を期待している。 | ||||
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ドラマの初回を見て最終回が気になったが、図書館では多数の待ち行列があって数か月先、待ちきれずに買いました。本は図書館に決めてましたが、これを機会に新作はアマゾンで買いたいと思います。 | ||||
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杉村三郎の描写が物語を進めて行く。ストーリー展開もリズミカル。テレビドラマで端折った部分も読み取れた。菜穂子の心理描写も圧巻。 | ||||
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どう見ても新品同様の書籍でした。 内容に関しては賛否ありますが、個人的には納得できます。 | ||||
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若干ネタバレを含むかも 面白かったのに最後の最後で・・・という方が非常に多いのですが 私としては納得の行くというか、自然というか、な結末でした 宮部みゆき先生の作品は必ず読後になんともいえない気持ちを持たせます それがいいものであれ、悪いものであれ、何かが心に残ります。 それこそが先生の持ち味だと私は思います。 私としては、とても楽しめました ちなみに当方男性です この作品のラストは、男性はとても共感できないという方が多いようですが 私たちは杉村三郎ではありませんし、杉村氏にも思うところがあったのだと思います 宮部みゆき先生の魅力満載の作品と私は思います | ||||
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