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キッドナップ・ツアー
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キッドナップ・ツアーの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.86pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全34件 1~20 1/2ページ
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娘が読みたいと言っていたので、購入しました。 | ||||
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私が小学生の頃、父が私にくれた本でした。 父と離れて暮らすことになり、最後に過ごした数日間の最後の日に、父が読んでいたこの本を『お前もこれを読みな〜』なんて渡してくれた本でした。 まるで私と父を描いたかのような本で、泣きながら読んだっけ。 この本をくれた日以来10年、父とは会うことはありませんでした。 父との思い出を、父のことを思い出したいときに、たまにこの本を開きます。 私にも父がいたんだなってことを思い出せてくれる大切な本です。 | ||||
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父親に誘拐される娘のはなし。そんな単純な話ではない。わたしは、60歳近い男性ですが、少女のほうに、心がかさなった。 父親と2人で、いろんな所へ行き、いろんな人と出合った。私の知らない別の顔を知り、もっと好きになった。 しょうもない父親だが、母親が出会った頃、ぴかりと光って見えたんだろう。大好きだ。 わたしは、父親と壁を感じていたし、別の顔(友人・兄弟のまえで笑ってる顔)を知らないまま、父親を亡くした。 ふだん父親と壁を感じてる人に、ぜひ読んで欲しい。 | ||||
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漢字が少なかったので、児童文学の位置づけでしょうか。 しかし、大人の私でも非常に楽しめました。 離れ離れの父と娘のひと夏のイレギュラーで濃密な体験が、淡淡と描かれています。 主人公の小学生の女の子が、思ったことを口に出せないところは、非常に共感が持てました。 一見格好悪いと思われる父親の、娘に対する気遣いや愛情をひしひしと感じることができる、よい作品でした。 | ||||
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このドラマを見たとき珍しく最後まで 見ました。あまり面白かったので、 この本を購入し読んだら すぐ映像がよみがえり大変気に入りました。 読みやすい文体で良かったです。 | ||||
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家を出た父にいきなり呼び止められ、小五女子を父親が誘拐する一夏の親子の旅行記。誘拐といっても、だらしない父親の小芝居に、しっかりものの娘がつきあっているあげているだけである。ある条件(最後までわからない)を母親が飲むまで、二人旅は続く。やがて、父親のだらしなさにうんざりしながらも、理解を示していく過程を成長としてとられている。 子供目線で物語りが進む児童文学だが、離婚してしまうお父さん目線で書かれると全く違うものになるだろう。 父親はこれから片親なしで育っていく娘に、こんなろくでもない父親がいなくても、不幸ってわけではないということを、身をもって教える。自分のだらしなさや情けなさをひたすら隠さずに子供に見せつける旅行。教育の根本を見せつけられた。こましな教訓をならべたり、上から目線の注意やお説教が、子育ての中心になってしまっている親は多いのでないか。自戒させられる。 そして、最後に、このお父さんのすべてといっていいほどの一言を娘に告げる。 「おれがろくでもない大人になったのはだれのせいでもない。 だれのせいだとも思わない。 だから、あんたがろくでもない大人になったとしても、それは、あんたのせいだ。 おれやおかあさんのせいじゃない」 肝心要の誘拐の条件が明かされないまま終わってしまうので、小説の主題が曖昧になると思って読了したが、改めて、作者がこらから大人になる子供たちや、親への強烈なメッセージを思い返し、誘拐の条件など、とるに足らないことだと思った。 | ||||
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恥ずかしながら、ドラマで角田作品にはじめて触れました "夏休みドラマ"とのサブタイトルに、子供向けかなと気楽に構えてましたが、思いの外、見応えのある作品に引き込まれました その言動、表情から、父親の心の葛藤、機微をあれやこれやと想像しながらのあっという間の1時間でした! 娘との小旅行は父親自身の心の踏ん切りをつける再出発のきっかけとして、母親に頼みこんだ?、 取引は、実はそんなものは無くて、ダメぶりを更に際立せることで、父親がいなくてもこの先、娘に寂しい思いをさせないための演出、猿芝居?? 感想はともかく、キャスティング妙の上質ドラマで、改めて原作を読み、角田ワールドに入門してみたいと思います( '∀`) | ||||
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小学生のころ図書館で読み、大人になった今でも忘れられず購入しました。 年月を経っても覚えているほどにこの本がお気に入りです。 忘れている描写や出来事もあり、懐かしさと新鮮さをまた味わいながら読みました。 あくまで主人公視点で続くお話。 大人の詳しい事情なんて雰囲気や予測でしかわかりません。 でもそれが同じ小学生だった私に親近感を抱かせ、忘れられなくなったのかもしれません。 父親の細かく後先を考えないところやしょうもなさは現実味がありすぎるwと苦笑してしまいます。 実際の大人にもいるよなぁって感じです。 最終的に父親の誘拐の動機などがはっきりわからない煮え切らないところがまた私のお気に入りです。 ある一種現実味しかないちょっといつもと違う日常のお話。 私は大好きです。 | ||||
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著者の力量は、本書の刊行後に発表する多くの作品が高く評価さ れ、数々の賞を勝ち取ってきたことが証明しているところである。 本書は、著者の初期の作品で、新潮文庫としては一冊目の本である。 「夏休みの第一日目、私はユウカイされた」で始まるこの小説。 ユウカイといっても、ユウカイしたのは二か月前から家にいなく なったお父さん。だから「誘拐」ではなくて「ユウカイ」なので しょうか。 ごく乱暴に言ってしまえば、小学校五年生の主人公ハルと父親の ひと夏のユウカイ旅行をえがいた作品である。 お父さんのユウカイの目的と娘を「解放する」条件は、ハルをユ ウカイした後にお母さんにのみ電話で度々伝えられ、2人の間で 妥結しないのでハルはお父さんについていく(連れていかれる) ことが続く。 ちょっと斜に構えて冷めたハルと、だらしなく段取りの悪い定職 も持たない父が最初は合うわけがない。しかし、海水浴をしたり、 山の上にあるお寺まで歩いて行ったり、幽霊が出るという噂のお墓 で肝試ししたり、野宿に近いキャンプをしたりしていく中で、次第 にハルの気持ちは変化していく。そんな自分自身にハルも気づいて いく。 このお話はハルの視点で語られていくため、結局最後までユウカイ の目的はわからない。それもレビューの評価の分かれ目の一つにな っているようにも感じる。しかしその分、子どもらしい平易な言葉 で、親の視点から語られる親子の愛や絆を説教くさく語っているわ けではなく、瑞々しさを感じる作品である。 文庫版にある重松清氏による解説も素晴らしい。 | ||||
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中学時代にこの本に出会いましたが、社会人になった今でもふと読み返したくなる一冊です^^ 独特な雰囲気と爽やかな余韻が印象的な後味の良い作品だと思います☆ | ||||
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むずかしいこと抜きで、懐かしい小学生の夏休みに戻れる。父親と娘、多分どの家庭にでも多かれ少なかれ存在する、居心地の悪さ、恥ずかしさ、いらいら、悲しさ。気が利かなくて段取りが悪く、かっこわるいお父さんが最高に愛しい。飾り気もわざとらしさも一切ないシンプルなストーリーで、伝わる人にはめちゃくちゃ伝わる。 | ||||
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二ヶ月前から別居している父親が娘のハルを誘拐し、二人で旅をするロード・ノベルなのだが、この父親も我が子の前で自らの弱さを平気で露呈してしまう人物として描かれている。キャンプ地で火をおこせず落ち込んでいる彼を「私、早く火をつけられるようになるよ、きっとコツがあるんだよ、それを覚えるよ」となぐさめるしかない。そうしてロードしながらハルは、それまで知らなかった父親の姿を見て行くのだけれど、だからといって、感動の心の交流が生まれるわけでもない。 従って、物語は父親に、臆面もなく「いつかは大人にな らなきゃならないってことだろうな」などと言わせるはずもなく、ハルに対して「おれはろくでもない大人だよ」、「だけどおれがろくでもない大人になったのはだれのせいでもない(略)。だから、あんたがろくでもない大人になったとしても、それはあんたのせいだ」と宣言させる。 えらい。 | ||||
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この本は、全て小学生のハル視点で描かれていて、緊張して饒舌になるのに肝心な事は声に出せない、他は何だって選べるのに家族だけは選べない、等と子供の心の世界を上手く描いた作品だと思いました。 ハルは焦ったりすることもあまり無く、内面は大人びているのにも関わらず、外見は小さくて背の順は1番前というのも上手いな、と思いました。 しかし、この作品は子供よりも大人の方が、共感が出来る部分も沢山あって面白いと思います。 | ||||
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面白い! 素敵な作品に出逢いました。 この著者の作品ははじめて読んだのだけど、一人称の心情描写がすごく巧みだ。 かっこよさげな仰々しい言葉を並べるんじゃなくて、すごくすごくシンプルな言葉で、でも微妙な感情を表してくれる。 なんだか文庫版解説の重松清氏の意見と全面的に重なってしまうのだけれど、こういうストーリーの中で説教臭く「親子の絆」やらなんやらを持ち出してこないところがすごく好き。 子供には親が必要だ、とか、親子とはこういうものだ、なんて言われるとなんだか反感を覚えてしまうけど、こんなふうに言葉に出せないもどかしさを描かれると、すごく共感してしまうのだ。 微妙な年頃の女の子と、情けないお父さんの二人のつながりも、だんだんと変わっていく二人の関係も素敵。 僕も父と娘の物語を書いてみたい、と思った。 | ||||
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というのも、初めて読んだ角田さんの「しあわせのねだん」に 好感をもち、「おやすみ、こわい夢をみないように」で ちょっとがっかりしていたので恐れながらの3冊目が すんなり染み込んできたからである。 「夏休みの第一日目、私はユウカイされた。」 という一文から始まるこの小説。 お父さんに対して、イライラするし見ていてもどかしいし、 自分の気持ちと裏腹のことをいってみたりするハルと ハルがなんで不機嫌なのか、なんでイライラしてるのか わからなくてまたおろおろしてしまう不器用な父親。 どっちの気持ちも「あー、わかる」とうなってしまう。 いい旦那であることと、いい父親であることは、 また別のことなんだろうなあと思う。 ハルにとっては間違いなくいい父親に昇格しただろうが、 これが夫だとしたらちょっとやっぱりめんどくさい。 だけど願わくば、子どもに好かれる父親が増えてほしいなあと思う。 子どもが親を殺したりする、こんな時代だから特に。 最初のうちのぎこちないハルから、 ハルが5年生だと知ったときは少し驚いたが、 次第にきつくなる口調から、そんな一面もあるのか!と思った。 ハルも、この旅を通して大きく成長したんだろうな。 もう一度、子どもの頃の夏休みを体験したくなる1冊。 | ||||
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この作品は、文頭「夏休みの第一日目、私はユウカイされた」と衝撃的に始まります。でも主人公を誘拐(?)したのは実の父だということがとても面白い物語です。この設定で一気に角田ワールドに引き込まれます。私が心に残った文は「私は、あそこに立っているいつまでも馬鹿みたいに手を振り続けている男が大好きだと思った。見知らぬ人と変わりなくても、心の中でそのことを確認してから私は大きく息を吸い込み角を曲がった。」というところ。本当はとても尊敬できるたくましい父だったんだと初めて主人公は心の中で思ったんだろうな。児童文学の名作です。 | ||||
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母と離婚した元父に夏休みに誘拐される、小学校5年生のハル。 仕事もなくダメダメな元父との数週間の旅を描いている。時にやさしい、時に冷静な、時に突き放した目線で。 ちょっぴりさめた小学5年生のハルも、いつの間にか元父のペースで旅を楽しんでいる。 元父は母との何かの取引をするためにハルを連れ出したらしい。その内容がいつまでもわからない。 ラストも「ほのぼのとしてて良かったね」とも言い切れない、何とも言えない静かなあきらめが心に残る。 この手の話だと「少女が少し成長して、元父と心通わせて、問題は解決はしないけど、ちょっとほろりとさせて、よかったよかった」みたいな終わり方が定番だけど、 ちょっとだけそうじゃない冷たさというかさびしさというかそういうものが心に残るのだ。 角田光代独特の最後に口に残る隠し味?みたいなものか。 | ||||
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別居中の父親と小学五年生の娘、 二人のひと夏の逃避行小説。 なぜ父親が娘を誘拐するのか? 父親の目的は何なのか? 何故ラスト、娘は解放されるのか? このような問いにまったく答えることなく 物語は娘の視点から二人の関係性だけに 焦点を当てて進行する。 謎だらけのシチュエーションに惑わされず 大人と違って周りの状況を あるがまま受け入れるしかない 子供の立場に立ってみると共感できる小説。 ピュアな人間関係を貫けない、 大人のための寓話であろう。 | ||||
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「夏休みの第一日目、私はユウカイされた。」と、冒頭から「な、何ィ!?」という事で遂に見入ってしまった。夏休みの間、何の仕事をしてるかも分からないような父親に散々連れ回されてしまうが、その内容は海や山・キャンプと子ども心をくすぐるようなイベントばかり。最初は早く帰りたいと思っていた娘も次第にこのまま逃げ続けようという気持ちを持ち始める…。最後まで父親がどういう人物なのか謎のまま終わるが、ここから先は読者がそれぞれイメージを膨らませていって欲しいというのが作者・角田さんの考えなのだろう。文章の所々に、子どもの深層心理を漂わせるものがあり、共感するとともに読むのが疲れてくる。だが、決して悪い本ではないのでお勧めしたい。 | ||||
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まず、タイトルのキッドナップツアーを見たとき英語が得意ではない のですが、「誘拐をするためのツアー」か「誘拐しまくりツアー」と いう感じで、この本のように「誘拐を実行中のツアー」というのは頭 に浮かびませんでした。別居中または離婚したお父さん(タカシ)と 小5の娘(ハル)の合意の上での逃避行的小旅行です。お父さんは軽い 感じで余り立派な人という感じではありませんがいい人です。 お父さんとその友人、お母さんの妹たちも登場人物ですが、印象的な のはゆうこ叔母です。ハルはお父さんを冷静にながめパニックになっ たりしません。文章表現も小学生とは思えません。ほんの数日の旅行 で冴えないお父さんを次第に好きになります。佐藤多佳子さんのサマ ータイムにでてくる伊山佳奈も小6でしたが、女性作家の描く小学校 高学年の少女の精神年齢は高校生並ですね。 | ||||
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