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ちょいな人々



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【この小説が収録されている参考書籍】
ちょいな人々
ちょいな人々 (文春文庫)
ちょいな人々 (文春文庫)

ちょいな人々の評価: 3.86/5点 レビュー 28件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.86pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全28件 21~28 2/2ページ
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No.8:
(5pt)

萩原流ユーモアワールド全開の短編集

本書は、’06年5月号から’07年12月号までの『オール讀物』に不定期で掲載された7つの短編からなっており、はじめから一冊の本になることを前提に書かれた短編集だそうである。

カジュアル・フライデーにとまどう中年の中間管理職「ちょいな人々」、隣家の庭木を憎むガーデニングにハマる主婦「ガーデンウォーズ」、脱サラした占い師の顛末「占い師の悪運」、いじめ問題に真っ向から立ち向かう主婦相談員「いじめ電話相談室」、ペットの本音を聞いて思わずたじろぐ飼い主たち「犬猫語完全翻訳機」、新型の携帯電話の機能が皮肉な結果をもたらす「正直メール」、熱狂的な阪神ファンの恋人が巨人ファンの父親のところに結婚の許しをもらうために訪れる「くたばれ、タイガース」。ブームに翻弄される、どこにでもいそうな人たちを、ちょっと変に、面白おかしく描いた7つのお話が小気味よくつながり、抱腹絶倒間違いなしである。

また、軽妙な文体で語られながらも、すべてのお話のここかしこにちりばめられた、こまかい正確なそれぞれの分野の専門用語やその内容、薀蓄からメールのギャル言葉にいたるまで、きちんとした取材や下調べをした結果であり、また萩原浩の趣味や得意な分野でもあるのだろう。それらのバックグラウンドがしっかりしている分、物語に一層現実感や臨場感がもたらされ、知らない間に登場する人々に感情移入して笑ってしまうのである。

作品ごとに異なるジャンルを開拓している幅広い“ひきだし”を持った萩原浩だが、本書はデビュー作『オロロ畑でつかまえて』の原点に帰ったような、たっぷり笑える萩原流ユーモアワールド全開の短編集である。
ちょいな人々Amazon書評・レビュー:ちょいな人々より
4163275509
No.7:
(3pt)

「もうちょい」を求めて奮闘する人々

人生の悲哀をブラックな笑いを込めてうつしだす短編集。
荻原さんお得意のジャンルなので面白かったんだけど新鮮味はナシ。
“前にも読んだことがあるような・・・”みたいな気がしてしまい、この系統がまた続いたらいつかは飽きちゃいそう。

どのお話の主人公も今よりもちょっとだけ幸せになろうと奮闘します。
少しやりすぎちゃったり、空回りしたりもするんだけど、どうも憎めない。
笑っちゃうんだけど、どこかに人生の悲哀も感じられてついつい主人公たちを応援したくなります。

「くたばれ、タイガース」みたいな人間関係は現実にたくさんありそう。
「犬猫語完全翻訳機」も実際にあったらこんな悲劇が待ち受けていそうでコワ〜。

表紙のイラストは益田ミリさん。
イラストの力の抜け具合が作品とうまくマッチしててバランスいいなと思いました。
ちょいな人々Amazon書評・レビュー:ちょいな人々より
4163275509
No.6:
(4pt)

捨てたものではないよ。生きてることは。

年末、時間に追われながらする読書にはもってこいの一冊。
七話の短編が少しの時間で憂さをはらしてくれる。
タイトルにもなっている冒頭の「ちょいな人々」。
この「ちょい」にこめられた悲喜こもごも。
本来の姿を「ちょいとばかり」隠して、自分のイメージを造る気分の高揚感。
あくまでも自分にだけはストライクゾーンは広く取って、造り上げたイメージに浸る。
女子社員のことばを良い方に解釈するも、自由。
第三者的目線でみた、ギャップのおかしみ。

続く話は、年齢も性別も様々な主人公たちのちょっとおかしく、
ちょっと苦い現実を切り取ってゆく。
それでも「いじめ電話相談室」の、徐々に身のうちに力を蓄えていく聡子に元気づけられ、
「くたばれ、タイガース」の父と英司のやりとりにはらはらしつつも
ほろりとさせられた。

ユーモアとちょっとばかりの悲哀。
人と人のこころがかすかでも触れあったときのあたたかさや確かな手応えに
嬉しくなる短編集だ。
ちょいな人々Amazon書評・レビュー:ちょいな人々より
4163275509
No.5:
(5pt)

含むところの多い笑い

七篇の短編集。
著者の作品は、重いテーマを扱ったものもあれば、大変ユーモラスなものもあるが、本書は後者だ。
あまりにユーモアに富み過ぎていて、思わず笑ってしまいそうになる作品群だ。
ただ、著者が、人間を観察する眼は、非常に鋭い。

冒頭に配されている「ちょいな人々」も、含むところがあって、大変面白い。
しかし、後半に配されている作品は、個人的には、より共感出来る面があって、大変面白かった。

「正直メール」は、携帯のメール機能を使う方は、深く共感出来ると思う。
利便性を追求して、音声認識メール機能を持った携帯を使うと、どんな事が起こるか?
携帯は電話であって、メール機ではないという、メッセージが提示されている様な気がする。

巻末の「くたばれ、タイガース」では、結婚前のカップルの、男性が熱狂的な阪神ファン、女性の父親は巨人ファン。
そして、結婚の申し込みに行くのだが、阪神VS巨人という構図になって、最後は、打ち解けて、結婚を許す、
という、少々あきたりなストーリーなのかな?と、読み進む前から想像してしまった。

予想は裏切られた。
結末が示されないまま、途中で幕引きする、小説技巧の上手さが光る。

私は、熱狂的ではないにせよ、阪神ファンだ。
特に「くたばれ、タイガース」の面白さを高く評価し、星5個とした。
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4163275509
No.4:
(5pt)

おっちょこちょいだけど、愛すべき人々を描いた短編集

おっちょこちょいだけど、愛すべき人々を描いた短編集でおもしろかった。個人的には「いじめ電話相談室」以降の中盤から後半にかけての作品がよかった。
「いじめ電話相談室」は単なるお役所仕事の電話相談が、相談者の悩みを聞いているうちに放っておけなくなり、いじめ問題を様々な手段で解決する話。解決の手段がリアルでおもしろかった。
「犬猫語完全翻訳機」と「正直メール」は、こんな商品があったらおもしろいなぁと思っていた商品が実際に商品化されるのだが、実際に使ってみると…思ってもいなかったことが次から次へと発生して楽しめた。特に音声認識携帯電話を使ったメールは自分が変換がめちゃくちゃだったり、いつのまにかメールが送信されていたりと笑えた。
最後の「くたばれ、タイガース」は、結婚の挨拶にきた阪神ファンの男と、挨拶される側の巨人ファンのお父さんの話。恋人のお父さんに遠慮して阪神ファンであることが言えないのを我慢している様子と、その掛け合いがおもしろかった。
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No.3:
(5pt)

何も考えず楽しめました

ほわっと笑えて楽しくなる短編です。
タイトルにもなっている「ちょいな人々」に出てくるおじさんも、
「ガーデンウォーズ」に出てくるおばさんとおじいさんも、
なんだか憎めない愛すべき人たちばかり。
そんな人たちが繰り広げる日常にほんわかしてきます。
おもちゃメーカーの新製品によって起こる話も、軽いブラックユーモアの
ようで、楽しめました。
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No.2:
(5pt)

多彩な内容でした

表題作の『ちょいな人々』、『ガーデンウォーズ』は面白かったが突き抜けた笑いがなく、大笑いを期待してはちょっと物足りなかったのは否めません。
『占い師の悪運』『いじめ電話相談室』は笑いとはちょっと違うユーモアが感じられて良かったです。励まされた気がしました。
『犬猫語完全翻訳機』『正直メール』は完全にお笑い路線を突っ走って呵呵大笑しました。荻原浩の面目躍如というべきでしょう。
『くたばれ、タイガース』ユーモア路線に立ち返り、読んでいてほのぼのとした気分にさせられます。
この中で一番推したいのは『占い師の悪運』です。スピリチュアルに懐疑的な目を向けながら、未来を自分で選択していく大切さを教えられた気がしました。オススメ。
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No.1:
(4pt)

ユーモア溢れる楽しい1冊でした!!

ユーモラス溢れる短編集です。7話のお話が収録されています。☆表題作『ちょいな人々』は、いい年をした会社の上司のおじさん達が、若い社内女性の一言に翻弄されるお話。言葉巧みな若い女性の一言で心が揺らいでしまうおじさん達が、ちょっと可愛くそしてリアリティーありだった。☆『ガーデンウォーズ』それぞれに愛すべき庭。草木を愛するばかりに起こってしまう隣人トラブルのお話。☆『占い師の悪運』恋愛問題等ならまだいいけれども人の生死を掛けた占いに翻弄される占い師のお話。☆『いじめ電話相談室』ちょっとした事でいつの間にか起きているいじめ。こんな相談員が居たら心強いけれども…!?☆『犬猫語完全翻訳機』これかなり笑えました。日頃可愛がっているペットの言葉や心情が分かったら便利だし楽しそうだけれども…!☆『正直メール』素直な気持ちが伝わってしまうはた迷惑な携帯。こんな携帯だったら困ってしまうけれども…。ラストの部分は、かなりうなずける!☆『くたばれタイガース』これもかなり現実味があります。阪神派の彼と巨人派の父を持つ女の子のお話。
全体を通じてとても楽しかった。疲れている時に何も考えずに読むにはライトでいい感じでした
ちょいな人々Amazon書評・レビュー:ちょいな人々より
4163275509

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