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ペンギン・ハイウェイ
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ペンギン・ハイウェイの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.14pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全172件 161~172 9/9ページ
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森見さんといえば「童貞文学」というイメージでしたが、 今作は帯にもあるとおり「新境地」と言えるでしょう。 森見さんもインタヴューでお話されてましたが、 「恋文の技術」に登場した、主人公が家庭教師をしている 「見込みのある少年」のイメージを膨らませた感じのお話です。 今までの主な読者ターゲットは大学生、だったと思いますが、 今作はさらにヤングアダルト層も楽しんで読める仕上がりです。 クラスに君臨する「ジャイアン」的いじめっ子への立ち向かい方も実に爽快。 小学生のくせに迷いが無く、向上心のかたまり、おっぱい大好きな主人公に ヤングアダルト世代はきっと勇気付けられるはず!! そして「ファンタジーノベル大賞」受賞者の名に恥じず ファンタジー小説としても成功しています。 けっこう分厚い本だったけど、一気読み!! ☆5つです! | ||||
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ファンタジーはファンタジーなんだけど、今までの彼の作品とはかなり毛色が異なる作品。 今までは、京都を舞台にした大学生を主人公としたものが多かったが、今回は、小学生の男子が主人公。こまっしゃくれた少年なんだけど、どこか憎めなくて、彼が、歯科医院に勤めるお姉さんが生み出すペンギンの謎を解き明かしていく。森見氏らしいユーモアは満載なんだけど、以前のハチャメチャぶりは影を潜めていて、昔からのファンはちょっと物足りないかもしれない。 でも、こういう落ち着いたのもいいかもしれない。探究心旺盛な少年と彼の友人たちがペンギンや不思議な「海」という現象の謎を解き明かそうと、さまざまな冒険を繰り返していく様子は、冒険を夢見ていた少年時代を思い起こさせ、とても温かい気持ちになる。ラストはちょっと切ないけど、それもまた少年物としてはいい。とても気持ちのいい読後感のある小説だった。 いろいろなジャンルにチャレンジしようとしている彼の姿勢は評価すべきだ。 | ||||
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「太陽の塔」がファンタジー大賞として世に出た時、これのどこがファンタジー?と思ったのだが、その時から、森見登美彦の小説の中に流れていた水脈が、やっと地上にあらわれてきたという感じがある。ファンタジーを書き続けたいのかな?なかなか深遠な世界である。森見ワールドのさらなる扉をあけた感じ。油断がならない。 | ||||
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可愛いペンギンのイラストに惹かれて思わず購入しました。今までの森見さんの小説と違い、京都が舞台ではなかったのですが、これまでの作品以上にお奨めです。 主人公は郊外の住宅街に住む小学4年生の男の子。かなりませていて、理屈っぽいけど、素直。 「お姉さん」や友達とのやり取りに思わずクスリと笑わされながら(森見さんのユーモアは健在)、そういえば小川を探検したことあったなぁと自分のことを思い出して、「世界を知る」幸せな気分を感じさせてくれる前半。彼は郊外に突如現れたペンギンの謎を追うのだが、後半そのミステリーは急展開。最後に「世界の果てを見るのはかなしいことでもあるね」と気付く。 世界を知る喜びと痛みを思い出させてくれる素晴らしい読書の時間でした。 | ||||
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森見作品は、正直にいうと『きつねのはなし』以降、『夜は短し〜』や『有頂天家族』、『美女と竹林』の諸作品は、僕には合いませんでした。『太陽の塔』と『四畳半〜』は、すこぶる好きです。しかし、これまでのこともあり、今回もあまり期待せずに手に取りました。 『夜は短し〜』のちぐはぐな女性の描き方に比べると、今回の「お姉さん」はキャラクターもしっかりしていて、これはこれでアリだと思います。どこか上から目線なキャラを描かせたら、やはり巧いです。 『ソラリス』や『アリス』を思わせる設定に、ニヤリとしながらもクライマックスでは、なぜか「もののけ姫」を連想してしまったり、街並みは『シザーハンズ』を連想したりと、映画を見ているような気持ちにさせられました。 子供のころ、長編アニメ映画を見て映画館を後にしながら、少し自分が大きくなった気分を味わった経験がある方なら、この小説は同じ読後感を与えてくれるでしょう。 不覚にも泣きそうになってしまいました。 森見さん、ありがとう。 | ||||
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私の実家は郊外の新興住宅地で、小学生の頃、家の裏は道路までずっと続く空き地。小学校の裏の広い雑木林や、小さな川沿いを、近所の友達と探険していました。町内会の夏祭りもありました。今では空き地も雑木林も住宅地になり、ショッピングセンターもできた故郷ですが、それらの思い出が、この物語とリンクしてより一層、小学生の頃の懐かしさを感じました。 私の頭の中では、私の故郷を舞台に、映画「河童のクゥと夏休み」の原恵一さんが描くキャラクターたちが、SF部分は宮崎アニメで動き回っていました。 最後の数ページは、鼻をすすりながら読みました。 森見登美彦さんの新境地でしたが、こういった物語も書かれる方なのだなあと感心してしまいました。小学生のみんなにも、ぜひ夏休みに図書館で借りて読んでみて欲しいです。大人とは違った世界を楽しめるのかもしれません。 大人の、特に私と同じく郊外の新興住宅地で育った方や冒険の思い出がある方に、とてもオススメの本です。 | ||||
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今まで森見作品を全て読んでいますが、今回は大きくテイストが変わった印象です。 ■変更点 A'':「京都」「大学生」「ドタバタ」という設定から大きく離れた。 ''B:言い回しの独自性が弱くなった。(主人公が小学生なので当然といえば当然ですが) ''C:マジック要素がかなり強くなった。 ''D:長くなった。 ■同じ点; (1):登場人物のオモシロさ。 (2):最後の1ページを経た、爽やかな読後感。 変更点''Aは事前に知っていましたが、''BCで最初は戸惑いました。 また、''Dもあり、読んでて中だるみも感じました。 しかし、この変更点もだんだんと好きになり、 (1)により、私はこの物語没頭し、一気に読み切ってしまいました。 (2)もあり、読んだ満足感は高いです。 森見ファンの方で、''A〜''Dの変化を嫌われる方は読んだら失望するかもしれません。 が、私はこの作品は好きでした。 森見氏が新たな境地を開拓されることは、マンネリよりは遥かに好ましく思いますあ。 次回も森見氏の新作に期待しています。 | ||||
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『野生時代』に2007年から2008年に掛けて掲載されていた作品の単行本化になります. なお,単行本化に際して加筆が行われており,登場人物や設定などかなり違っています. 物語は何気ない小学生たちの日常,家族や謎のお姉さんたちのやり取りが語られつつも, 次々に起きる不思議なできごとに少しの疑問と不安,そして期待を抱かせられて進みます. 著者の作品に多い京都や大学生は出てこず,ドタバタや独特の言い回しも全くありませんが, おませで少しずれたところのある少年の物言いなど,やはり節々に『らしさ』は感じられます. また,研究と称しての町の探検,死や時間の流れに漠然とした恐怖を語り合う様子など, 子供たちの会話や考えていそうな事が丁寧に描かれ,思わず懐かしさを覚えてしまいます. これ以外にも少年のお父さんがとてもいい存在となっており,少年との信頼関係はもちろん, 彼を見守り,時として投げ掛ける『言葉』はとても素敵で暖かみの感じられるものばかりです. 王道の話運びで謎の真相もハッキリ明かされませんが,それはこの物語においては些細な事. 切なさと寂しさが漂いながらも,ひと夏を経て少しだけ大人へと近づいた少年は凛々しく映り, 小さな恋とともに希望の感じられるエピローグは,爽やかで心地の良い読後感を残してくれます. 後は余談ですがカバー以外にも表紙や目次,奥付にまで居るペンギンがかわいくていいですね. | ||||
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読後、タイトルの持つ秀逸さと希望に満ちたせつなさに気付いた。 こどもとおとな。はじまりと果てについて。 知らないことだらけなのは素晴らしい。それらを知っていくことは、また素晴らしい。 たいへんやっかいなことが待っていようとも。 夏が来る前に『ペンギン・ハイウェイ』を読めてよかった。発売の時期もなんだかぴったりだなと思います。 森見さんがこういった新しいテイストの作品を生み出されること、とてもこれから楽しみです。 | ||||
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四畳半神話大系のアニメを観て「ついでに。」と購入した方は若干の肩すかしをくらうかもしれませんが、一つの小説としては面白い作品だと思います。 主人公を見ればそりゃそうだと思いますが従来のような男汁的な感は薄めです。その反面、今回はSF要素が大いに盛り込まれています。現象の解明については幾分か薄い気がしますが、「小学生が主人公ならそんなもんか。」ということで流せました。 森見登美彦氏の新境地ということで、新しく開拓すれば、もちろん「今までのが良かった。」という声もありますが、個人的には満足できたので「成功かな」と思います。 長々と失礼しました。 | ||||
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主人公は嫌味でない程度に真面目な小学生だからか、 「あの」森見ワールドは本作品ではちょっとなりを潜めておとなしめなテイストに仕上がっています。 ただ、お姉さんの研究はあります。 ところどころに森見ワールドは感じられるので、お好きな方はどうぞ。 | ||||
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今作では、過去の森見作品(基本的に、自意識の強い非モテの文系大学生が主人公)とは違い、理屈っぽい小学生が主人公になっています。 ストーリーに関しては、主人公の日常にSF/ファンタジィ的な非日常が介入してくる、今までの森見作品特有のパターンではあるのですが、介入してくるSF要素が今までに無く濃いため、まるで本格SFを読んだ様な感覚に陥りました。 個人的には、まるでスタニスワフ・レムのソラリスや、ストルガツキー兄弟のストーカーをジュブナイル向けに翻案した作品を読んでいる様でした。 やわらかい口当たりではありますが、登場人物の子供たちを通して哲学的な問いかけもなされたりと、今までの作品以上の奥深さもあり、森見さんの新境地ではないかと思います。 ラスト間際のSF要素に関する説明が若干弱い様にも感じましたが、それを踏まえても傑作だと断言できる作品でした。 | ||||
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