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ニッポン泥棒
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【この小説が収録されている参考書籍】
ニッポン泥棒の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.65pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全2件 1~2 1/1ページ
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ボリュームもあるサスペンスのようなので期待して読んだのだが…。 いや確かに、出だしは面白いのだ。主人公は60代の定年退職した元商社マン・尾津。 妻からは熟年離婚され、ハローワーク通いの毎日なのだが、ある日突然トラブルに巻き込まれる。 ハッカー集団が世界のあらゆるサイトに侵入して作り上げた未来予測ソフト「ヒミコ」は、インターネット上のどこかに隠されている。 それを開く鍵に設定されたのは日本人の男女。その一人が「アダム」である尾津。 そしてもう一人「イブ」は30代のかおるだった。 この男女がどんな鍵になるのか? 元過激派のパスポート偽造屋や公安、ヘッドハンターを装ったCIAなどが絡んできて、すっごく面白くなりそうな展開。 なのだが肝心のコンピュータまわりにリアリティがない。 大沢本人も「コンピュータが分からない主人公を書けるのも今くらいだと思った」と書いている。 それでこの長編を書いちゃいけなかったんじゃないかな。 世界のありとあらゆる人物のデータが取り込まれているから未来予測ができるソフト、なんて嘘っぽいでしょ。 このあたりが嘘だと、CIAだNSAだ公安だ公安調査庁だとかいう他の設定まで嘘くさくなるのだよねぇ。 老年ながら筋の通った生き方をしてきた60男とホステスをしながら法科大学院から司法試験を目指す30女、さらに世界的謀略。 って結構食欲をそそる設定だったのに、 マンガ以下の与太話になっちゃった。 よっぽど暇がない限りは、止めといた方が無難。 | ||||
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残念ながら、思いっきり期待外れの本でした。 帯に書いてあった未来予測可能なコンピュータソフトというSFものではありがちだけれども、私の好きそうな設定に引かれて買ったのですが、SF的な要素はほとんどありませんでした。 大沢氏の得意とするハードボイルド分野の変形のような話でした。私自身、氏の鮫シリーズは嫌いではなく、氏のハードボイルド小説は面白いと思いますが、この本はそのハードボイルド路線からも外れていて、その方向から見てもつまらない内容です。 加えて、恐らく氏が持っている持論として「バブル経済の崩壊以降の社会において、日本人は未来への希望を失ってしまい、日本経済・社会は行き先を見失ってしまった。非常に悲しく、また恐ろしい」というような意見を持っているらしいのですが、この意見が本当に話のいたるところに出てきて、十数回くらいこの主張を主人公が述べているような気がしました。そして、それが正直、うっとうしいのです。主張の中身が正しいか、どうかはとりあえず問いませんし、こういう意見を一度や二度本の中でしたとしても、私はさほど気にしなかったと思います。しかし、そういうテーマでノンフィクションでも書いていたとしても、十数度も同じ主張が一冊の本の中に繰り返されていたとしたら、うっとうしく感じられると思います。まして、それがエンターテイメントとしての小説の中で、こうも繰り返されると、うんざりしてしまいました。 | ||||
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