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回転木馬のデッド・ヒート



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回転木馬のデッド・ヒートの評価: 4.37/5点 レビュー 62件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.37pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全52件 41~52 3/3ページ
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No.12:
(5pt)

村上春樹らしい短編集

本書の中で、登場人物の一人であるスイマーが次のように言っています。

「僕にはいったいこの話のどこが面白いのかがまるでわからないんだ。」

 私には、この台詞が本書全体にも、もっと言えばほとんどの村上春樹作品にも、あてはまるように思えました。読後に「どうだった?」と聞かれれば「面白かったよ」と答えるけれど、「どういうところが?」と聞かれると何と答えていいか迷ってしまう。本書はそういう本だし、村上春樹はそういう作家だと思います。
 ちなみに、『回転木馬のデッド・ヒート』というタイトルの意味は「はじめに」で語られていますが、この文章もなかなか味わい深いものです。
回転木馬のデッド・ヒート (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:回転木馬のデッド・ヒート (講談社文庫)より
4061843192
No.11:
(5pt)

共通するものとは?

著者の村上春樹さんが知り合いに聞いた話や、自身が経験した現実とはわずかに離れた出来事を文章にしたというこの作品。前書きのようなものを読むと、そう書いてあります。真実のほどは分かりませんが、まあそんなことはどうでもいいことなのでしょう。
 この本に載っているいくつかの話にはある共通したものがあると作者は言っています。それは何か?それが掴めれば何かこの本を通じて感じるある「不思議さ」のような霧が晴れるような気がします。
 やはりヒントは前書きにあるように思えます。そして題名の「回転木馬のデッドヒート」。村上さんはメリーゴーラウンドを使って他人とのデタッチメントというものを表したいのではないでしょうか?コミットメントとデタッチメントの葛藤が全ての話に中に共通する事柄なのかもしれません。そして、その葛藤から生まれる喪失感。
 本作品のいくつかの話をスケッチブックと呼んでいるだけあって、そこには完成されていない物語と言うものがあります。感じ方は人それぞれですが、そこには確かに作者の堅い意思が強く感じられます。
回転木馬のデッド・ヒート (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:回転木馬のデッド・ヒート (講談社文庫)より
4062749068
No.10:
(4pt)

初めての村上春樹

がははと笑う面白さとは別に、じわ~とくる面白さがあるだろう。
じわ~とくる方は、話す側にも聞く側にもすこしばかり我慢が必要なのだと思う。
日常生活では、じわ~と面白さがくる話よりも、がははと笑う話が溢れていると感じる。さて、僕はこの本を読んで、じわ~とくる面白さをすこし体験できた。
村上春樹のように、日常生活において、じわ~とくる面白さを吸い寄せるオーラを発したい。
僕にとってこの本が初めての村上春樹。また別の本も読んでみようと思った。
回転木馬のデッド・ヒート (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:回転木馬のデッド・ヒート (講談社文庫)より
4061843192
No.9:
(5pt)

村上春樹というレンズ

様々な人物がそれぞれのドラマを持っていて、村上春樹というレンズを通して
その生き様や出来事を垣間見ることができる。
僕はなかでも「タクシーに乗った男」と「プールサイド」が好きです。
現実世界の中にある、どこにでもありそうだけど少し考えさせられる。
そんな物語が描かれております。
回転木馬のデッド・ヒート (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:回転木馬のデッド・ヒート (講談社文庫)より
4062749068
No.8:
(5pt)

村上短編集の白眉

村上春樹の短編集の中で もっとも粒が揃っているし 他の短編集には見られない透明感に充ちている。各編は各々設定も場所も全く異なっているが 底辺に流れる 一種苦味に満ちた基調は共通している。短編集に対し 珍しく村上がつけている前書きも秀逸であり 表題となっている「回転木馬のデッドヒート」という言葉の意味も語られており親切な短編集になっている。
あなたが村上春樹を読んだことが無い人ならば ラッキーです。
本書は丁度良い入門書になると思います。。あなたが 村上フリークで 但し本書を読んだことが無い人だとしたら ラッキーです。きっとすごく楽しめます。
回転木馬のデッド・ヒート (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:回転木馬のデッド・ヒート (講談社文庫)より
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No.7:
(4pt)

言葉にならない

「はじめに」で語られている通りです。これは小説でもなければノンフィクションでもない行き場を失ったストーリーであり、言葉であると思います。目的はなく、終わりもなく、ただの「おり」でしかないのでしょう。よって、旨く表現できる言葉が見当たりませんし、著者もコメントを望んでいないはずです。あえて読後感を語るとすれば「面白く不思議」とでもいうのでしょうか。読了したとき、本の中のストーリーと現実との境界を曖昧にしてしまうような雰囲気をもっている本です。そして村上春樹さんだからこそ「おり」となって残るストーリーだったのでしょう。他の作家にはきっと書けません。
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No.6:
(5pt)

透明なエッセンス

この短篇集は、村上春樹の作品の中で私にとってベスト3に入るものです。初めて読んだときはとても衝撃を受けました。最初の「レーダーホーゼン」で引き込まれ、その後は夢中になって一息に読みました。どの作品もとても透明感のある出来でありながら、読者一人一人の生活感や感情にとてもダイレクトに訴えてくるものがあります。短篇集で読みやすいので、村上作品をまだ読んでいない方も老若男女全ての方にオススメしたい本です。読後感がなんともいえません。
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No.5:
(5pt)

電車やバスで隣りになった人の話かもしれない

こちらに収められている短編は、全部生身の人間に起こった出来事であるというのに、全くそうとは思えない。村上春樹の他の小説と共通して、心情の描写はとても生々しいのだけど、いつのまにか巻き込まれてしまった感じというか、そうなることが前から決められていて、自分の力ではどうしょうもならない感じというか、、、とても現実とは思えない。私も水泳をするのだけれど、決めた長さを泳ぐ時は必ず今何分の何とかんがえていた、それを他のことに置き換えるということはしなかったのだけど、そういう風に考えると、もう自分は随分と進んできてしまったことになる。泳いでいると振り返って見るということが出来ないのだけど、折り返したときに直面するのかと思うともっと一生懸命泳がなきゃなと思う。
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No.4:
(4pt)

電車で隣に座った人のみに起こったことかもしれない。

こちらに収められている短編は、全部生身の人間に起こった出来事であるというのに、全くそうとは思えない。村上春樹の他の小説と共通して、心情の描写はとても生々しいのだけど、いつのまにか巻き込まれてしまった感じというか、そうなることが前から決められていて、自分の力ではどうしょうもならない感じというか、、、とても現実とは思えない。私も水泳をするのだけれど、決めた長さを泳ぐ時は必ず今何分の何とかんがえていた、それを他のことに置き換えるということはしなかったのだけど、そういう風に考えると、もう自分は随分と進んできてしまったことになる。泳いでいると振り返って見るということが出来ないのだけど、折り返したときに直面するのかと思うともっと一生懸命泳がなきゃなと思う。
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No.3:
(4pt)

ハルキワールドの導入本

村上春樹は、よく『喪失感』を描く作家だといわれる。それは、村上さんが1920年代アメリカのロストジェネレーション世代、たとえば『華麗なるギャッツビー』を書いたフィッツジェラルドなどを好んでいることからくる(翻訳もたくさん書いているしね)哲学だとか評論などを好む人以外は、『喪失感』?っていわれてもピンとこないだろう。実際僕もそうでした。
よく「ハルキのおもしろさって、どういうもの?」と質問されると、
へなへなとしゃがみこんでしまいそうになる。読まないと分からない、
というのは、なんだか逃げの気もするし(笑)でも、説明しづらいのだ。僕は、喪失感というものを「ああ・・・わかった」と思ったのは、この
回転木馬の「プールサイド」を読んだときだ。
読みやすいし、短いし、それでいて、深く心に残る・・・村上春樹の導入の本としては、『神のこどもたちはみな踊る』とともに一番優れているように感じます。たぶん、みなさん経験があると思うけど、なんでこんなに恵まれているんだって思う自分よりスゴイと思うやつがいたとします。プールサイドの主人公は、そんな人生の成功者。でも、35歳で、男が望むだいたいのモノを手に入れてしまった彼は、なんとなく違和感みたいなものを抱えてていて、村上さんに
相談します。 前に日経ビジネスの特集で、有線ブロードネットワークス会長のコメントで、「目的のためだけに生きている自分を時々どうしようもない気がする」といったコメントをして、驚いた事がある。彼のほどの若くして成功者(インテリジェンスの創業者でもある)が、何をそんなに諧謔するのだろうかと、でも、この本を読んで、その理由がわかった気がしました。
回転木馬のデッド・ヒート (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:回転木馬のデッド・ヒート (講談社文庫)より
4061843192
No.2:
(4pt)

誰かの「ストーリー」を疑似体験してみよう

人はみな何らかの「ストーリー」を抱えて生きている。普通の人の、普通の人生にこそ「ストーリー」はある。 多くの人にとって、人生は何かを失って行く過程であり、またそこから何かを学んでゆく過程でもある。 この小説(厳密には小説ではなく、フィクションとノン・フィクションの中間に位置する文章である、と作者は言う)の主人公たちの抱える「ストーリ」を追ってゆくうち、それぞれの「喪失」を疑似体験してしまうのは私だけだろうか。 「もしそれがあなたに起こったことであったならば、あなたはどうしますか?」という作者の問いかけが、聞こえてくるようだ。 あなたも、主人公たちの「ストーリー」に耳を傾け、その問いかけに答えてみてはどうでしょう?
回転木馬のデッド・ヒート (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:回転木馬のデッド・ヒート (講談社文庫)より
4061843192
No.1:
(4pt)

奇なり

巻頭に、これは小説ではなく自分が実際に聞いた話しであるとのことわり書きがある。「事実は小説より・・」のごとく、引き込まれる話しが続く。解き放たれた話しは、作者の手によって成仏せず、読み手のこころの澱となって残る。だまされているのかなぁ?
回転木馬のデッド・ヒート (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:回転木馬のデッド・ヒート (講談社文庫)より
4061843192

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