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(短編集)
予期せぬ結末1 ミッドナイトブルー
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予期せぬ結末1 ミッドナイトブルーの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.60pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全10件 1~10 1/1ページ
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別の短編集の「炎の中の絵」の"夢判断"が面白かったので読みましたが、不貞を働く男の話と動物が犠牲になる話が多くて、ちょっとワンパターンに感じたし、話自体あまり面白いと思えなかった。 話の核心をそのまま書かずに会話で匂わせるような話が多くて、綺麗にオチずに切れ味が悪いまま次を読んで次もそんな感じで…という構成もあまりパッとしない感じがしました。 たまにいるアンソロジーの中の一編として読むのが最適という作家なのかも。 | ||||
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扶桑社ノベルズなので活字はポイントも程よく短編も配置等、考え抜かれていてそれなりに楽しめます。個人的にはコリアは『緑のおもい』が一番好きです。この短篇集には下手をするとスラップスティックになる寸前といったものも多く、その分星が1つ減って4つというところになりました。 | ||||
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ジョン・コリア。名前は知っていたがこれが初読。 奇想作家、異色作家と呼ばれる短編の名手のアンソロジー。 第一部『犯罪と幻想』に収められている7編の中で気に入ったのは次の2編。 『またのお越しを』 アラン・オースティンは恋をしている。 好きで好きでたまらない女性がいるらしい。 しかし彼女はアランには興味がないようで… アランはなんとかこの女性のハートを射止めようと画策し、 驚くばかりの効き目があるという媚薬を売る店を訪れる。 値段はたったの1ドル! 驚くばかりの効き目を持つこの媚薬を驚くばかりの安値で売る店主が帰り際のアランへ放ったひと言『またのお越しを!』 完璧な結末に背筋が凍ります。これは大傑作でしょうね♪ 『大いなる可能性』 弁護士として働いてきたベンジャミン・マーチンスン氏には、風変わりな奇癖があった。 それは、他人の家に火をつけて燃え上がる炎を鑑賞するというもの。 もちろんその光景を夢想するだけなのだが。 知り合いの家に招かれると、空想の中でその家に火をつけて悦に入るという、実にとんでもないオッサンなのだ。 ある日、マーチンスン氏は、若夫婦が相続した大きなお屋敷に招かれる。その屋敷が実になんとも火つきの良さそうな建物だったことから、こう… なんというか… ムラムラッときたんでしょうね、やっちゃったわけですよ、マーチンスンさん。ところが… これがマーチンスン氏の新たな才能を発掘することになるという何とも可笑しなお話です♪ その他の5編は、 犯罪と正夢を描いた恐くて可笑しい『ミッドナイト・ブルー』 疑心暗鬼がもたらす完全犯罪の結末『黒い犬』 夫殺害計画を逆手に取られてしまう『不信』 用意周到な殺人計画のユーモラスな失敗談『よからぬ閃き』 ふいに自宅を訪れた2人の刑事らしき男に尋問されながらも、ひたすらトンデモナイ料理を作り続ける男を描いたブラックな笑いに満ちた『つい先ほど、すぐそばで』 中休みのインターミッションには推理ものが2編。 ただ、同じ推理でもコリア氏の発想はなぜか可笑しい♪ 『完全犯罪』 人間である限り完璧な犯罪はあり得ないというが、このジャーヴェス卿夫人殺害事件に関しては例外と言える。 ジャーヴェス卿夫人が急死した日、ジャーヴェス卿は妻に自作の箱詰めチョコレートを送っていた。 死因は食中毒または毒物に依るものと思われる。さっそく警察が調べるがチョコから毒は検出されなかった。では単なる食中毒なのか? というお話。 犯人は夫のジャーヴェス卿なのだが証拠がない。 病理学者が調べた結果、毒物以外の原因で殺害されたことがわかるのだが、 これがね♪ すごいよ、笑うよ♪ でもって、この方法なら完璧な殺人が成立するだろう。 さらにこの方法の凄いところは、証拠隠滅まで完璧に行えることだ。 読み終わって暫くすると、ジワジワと可笑しくなる♪ ジョン・コリア氏は、毎日こんなことばかり考えてたんでしょうね。 ホント、これぞ完全犯罪♪ 快作です! 他の1編『ボタンの謎』も多分推理劇。 妻から浮気の証拠のボタンをつきつけられた夫は、浮気のように見えるが実はそうではない。なぜそこにボタンがあったのか… という自らの名推理を延々と妻に語って聞かせる爆笑作。推理なのか言い訳なのかわからないという… なんだろうね、これ? ちょっと空想的な7編が収められている第2部『恋愛と寓話』の中の1編『眠れる美女』がお気に入り。 お金に不自由しないエドワード・ラクストン氏は、ある日、見世物小屋の出し物『眠れる美女』に恋をする。何とかしてこの美女を手に入れようと金に物を言わせて買い取り結婚する。そして特殊な薬を使って美女を目覚めさせると… 目覚めた美女は、予期せぬ性格の持ち主だったのだが、これはオチではなく、まだ先がある。 この結末は笑っていいのか悲しんでいいのかわからない。 やはり笑うしかないところがコリア節なのかも? 納得の結末はお見事。それしかないよと♪ 他の6編は、 人語を解する嫉妬深いブタの末路を描いた『メアリー』 幸福を招くネコを手にした男の誤算を描く『他言無用』 おとぎ話に材をとった奇想天外なお話『蛙のプリンス』 江戸川乱歩のコメディ版のような『栗鼠の目は輝く』 天使と悪魔が一人の男を取り合う『恋人たちの夜』 何ともアッケラカンとした掌編『夜、青春、パリそして月』 収録されている16編はどれも面白く、皮肉が効いているが、暗いイメージは少なく、総じて明るい。犯罪を扱ったお話を集めた第1部では、犯罪計画の失敗が描かれる。 あの『ヒッチコック劇場』に原作や脚本を提供しただけあって、犯罪ものは得意な分野なのだろう。 子どもの頃に観た『ヒッチコック劇場』の印象は、どことなく『可笑しい』犯罪小話だった。 コリア氏の描く犯罪はまさにそれだ。 主人公は犯罪者なのだけれど、その失敗の仕方が人間的で笑える。 このアンソロジーの中では、犯した罪が迎える予期せぬ結末が描かれるが、その結末に悲惨さはなく、明るく可笑しいという特徴がある。人間の持つ不完全さが露呈するというのは、誰もが経験すること。 こんなはずじゃなかった! という失敗談。 自分だけが優秀だと思い上がっている人間は、人生のどこかでこういう失敗を経験するのだろう。 可笑しいのは、犯罪が成功してしまうアッケラカンとした結末だ。 当然、捕まってしかるべき犯罪が見過ごされるという可笑しさ。 そこに犯人がいるのに、なぜ気がつかないという可笑しさ。 こういうお話もコリア氏は得意としていたようだ。 動物や空想的な題材なども得意らしく、実に多彩。 肩の凝らないユーモラスな短編の名手によるアンソロジーです。 眠れぬ夜にどうぞ♪ | ||||
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異色作家系の短編集がシリーズとして出るのはじつにありがたい話なのだが、一冊目がジョン・コリアというのはきつかったのではなかろうか。突出して評価の高い作品があるわけでもなく本国でも忘れられている一人であり、日本でも早川書房の異色作家短篇集以外の既刊はすでに絶版である。正直いって長編の『モンキー・ワイフ』の新訳を出してほしいくらいである。この作家の並びでどこまで続けられるものなのか疑問である。 | ||||
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夫婦間のもめ事を多く書いた短編の名手としての印象が強い往年の職人作家コリアの久々に編まれた日本オリジナル傑作集です。著者の作品には殆どと言って良い程警察は登場せず、夫婦の間だけで時には残酷な決着がつくと言うパターンの物語を多く読んだ記憶が残っていますが、久々に本書を読んで著者が悲劇や破滅型でなく寧ろユーモア寄りの人である事に気づいてとても嬉しかったです。嫌な悪い企みが必ず成功するとは限らずに中には肩すかしもありますが、そのとぼけたユーモアにも微苦笑を誘われて決して後味は悪くないなと思いましたね。そして著者の作品には確かな職人芸の味わいと時を経ても全く変わらない面白さを感じますので、今後も例え傑作が揃わなくてB級作ばかりでも良いですから未訳作品をどんどん紹介して欲しいと願いますね。 『またのお越しを』:永遠の愛が最上の物と思えない時が何時か来るとは若い頃には気づけないという深く苦いオチですね。『ミッドナイト・ブルー』:まさに悪夢の一瞬!この後一家がどうなるのかが非常に気がかりですね。『黒い犬』:黒い犬は夫の生まれ変わりなのか?やはり悪は栄えず残酷な報いを受けますね。『不信』:寝取られ男の妻への痛快な倍返しですね。『よからぬ閃き』:この結末は皮肉にも妻との別れを更に早めてしまいそうですね。『大いなる可能性』:まさに人は見かけに寄らぬ物ですよね。『つい先ほど、すぐそばで』:バレそうでバレない悪運の強い人間も偶にはいるものですね。『完全犯罪』:こんなに完璧でも駄目なのですからつくづく完全犯罪は難しい物なのですね。『ボタンの謎』:どんなに白ばっくれても墓穴を掘るばかりな男の往生際の悪さに苦笑しますね。『メアリー』:知らぬは亭主ばかりなりですね。少し残酷ですがまあ仕方ないでしょう。『眠れる美女』:現実は厳しく童話の様にハッピーエンドとは行かないようで・・・・。『他言無用』:精一杯がんばって人生の全てを捧げたのにこの末路はあまりにも可哀そうですね。『蛙のプリンス』:女友達と組んで一攫千金を夢見た男の企みが意外にも当てが外れて崩れ去る良く出来た現代童話ですね。『木鼠の目は輝く』:考え抜いた計略よりも本能的な行動が実を結ぶというスカッとするロマンスですね。『恋人たちの夜』:世の中結局の所善男は善女と悪男は悪女と結ばれるという運命が真実なのでしょうね。『夜、青春、パリそして月』:数奇な運命で結ばれた男女が勢いに任せて深く考えずに無茶をしてしまう不道徳で出鱈目だけど若さの素晴らしさも感じさせてくれる狂騒的な一編ですね。 | ||||
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いい意味での裏切られ感はなかったかな。 とにかく、あまり自分の趣味には合わなかったので、書くほどの評価もありません。 | ||||
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編者が企画している作家別アンソロジーの第一弾。編者曰く、煌めくアイデア、巧妙なプロット、そして<予期せぬ結末>の物語である。全体としてブラックな香りと言うよりは、軽妙さと人生の機微を感じさせる仕上がりとなっている。 特に、"文字として語られていない部分"に趣きのある短編の出来が良い。冒頭のショート・ショートの様な「またのお越しを」には思わずニヤリとさせられたし、「つい先ほど、すぐそばで」は同工異曲の作品が多い中で語り口("語らない部分")の巧妙さが光る。一方、「完全犯罪」は「黒後家蜘蛛の会」(より先に書かれた由)の体裁で語り尽くしながら笑わせてくれるという逸品。また、「木鼠の目は輝く」の奇想には驚くと共に懐かしさを覚えた。これに続く同一テーマの「恋人たちの夜」、掉尾の「夜、青春、パリそして月」から冒頭作に戻る事を考えると、何とも皮肉な構成である。 これまで単行本に収録されていない作品を中心に選んだ由だが、私には全ての作品が初見だった。既にJ.コリアのファンの方にとっても、これからという方にもお薦めの短編集だと思う。 | ||||
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最近は書店に行かなくなり、と云うか行けなくなりまして アマゾンのお薦めや他の方のレビューを見て買う事が 多いです。行けない理由の一つには、行けば余計な物まで 買ってしまい結局後悔する事が多々有るから。 書店には魔物が棲んでいて私は時間を取られてしまうのが もったいないと思う。そう思う私が嫌い、とまあ複雑な 心境が有るんです。 ジョン・コリアは昔から読んでいる作家の一人で結構 好きな作家です。この作品も久しぶりのジョン・コリア で、お薦め頂いて助かりました。知らないまま見過ごして 居る処でした。楽しく読みました。 | ||||
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井上雅彦氏に依る異色作家短篇集第一弾。本邦初訳か単行本未収録作の中から選んだとの事で、先ずは奇想作家と云われたら必ずと云って良い程、名前の挙がるコリアの作品集。 明るいものもあるが、印象に残るのは洒落た味わいの中に怖さが滲む様な話で、「またのお越しを」「つい先ほど、すぐそばで」等はじんわりと怖かった。一方、怖いんだかおかしいんだか・・・と云った「メアリー」「完全犯罪」クライムものの短編ミステリとしても楽しめる「ミッドナイト・ブルー」ホラータッチの「黒い犬」・・・実にバラエティ豊か。 ホラーになりそう、いやいや犯罪ものになりそう・・・と想っていたら、あっさり明るく纏まってしまう「夜、青春、パリそして月」など一筋縄では行かない作品もあり、著者の奥深さを感じさせる。 | ||||
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ジョン・コリアの『予期せぬ結末 1 ミッドナイト・ブルー』を読み終えました。 タイトル通り、予期せぬ結末を迎える作品が多かったです。 この作品集は、 第1部「犯罪と幻想」に7作品、 インターミッションに2作品、 第2部「恋愛と寓話」に7作品、 計16作品が収録されてます。 収録作品は次のとおりです。 第1部 犯罪と幻想 またのお越しを ミッドナイト・ブルー 黒い犬 不信 よからぬ閃き 大いなる可能性 つい先ほど、すぐそばで インターミッション 完全犯罪 ボタンの謎 第2部 恋愛と寓話 メアリー 眠れる美女 多言無用 蛙のプリンス 木鼠の目は輝く 恋人たちの夜 夜、青春、パリそして月 第1部「犯罪と幻想」では、 「大いなる可能性」が一番おもしろかったです。 主人公は、放火癖のある弁護士、マーチスン氏。 ラストはひねりが効いてます。 インターミッションは、 「ボタンの謎」がすごくおもしろかったです。 妻から浮気の証拠を突きつけられた男、ハーバード氏が主人公。 ハーバードさん、ご立派です。 第2部「恋愛と寓話」でおもしろかったのは、 「メアリー」と「眠れる美女」。 「メアリー」は、 豚にこき使われる新婚夫婦の話。 メアリーという名の豚は、傲慢で性悪です。 新妻はとても苦労しますが、 最後はハッピーエンドを迎えます。 「眠れる美女」は、 見世物小屋の眠れる美女に一目惚れした紳士、 エドワード氏が主人公。 彼はひどい目に逢います。 ラストはひねりが効いてます。 「木鼠の目は輝く」のラストで、 ジャイアント・パンダの毛皮が出てきたので、驚きました。 今では考えられませんが、むかし、 パンダの狩猟がブームだった時期があったのですね。 作者が意図したかどうかはわかりませんが、 このパンダの毛皮には、 とてもブラックな印象を受けました。 全16作品の中で一番おもしろかったのは、 「ボタンの謎」。 わずか7ページのバカミスですが、傑作です。 異色作家や奇妙な味の短編はわりと好きなので、 扶桑社文庫版異色作家短篇集ともいえるこのシリーズ、 できるだけ長く続いてほしいと思います。 | ||||
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