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半島を出よ
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半島を出よの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.00pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全52件 1~20 1/3ページ
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「新品」で買ったはずですが、色落ちと背の部分にけずれている箇所がありました。 | ||||
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登場人物が多い。多い上に登場人物のエピソード•肩書きをきっちり書くため、ストーリーの進みがよくないような気がする。そのため、ちょいちょい読み飛ばしてしまった。 内容としては現状の日本において、実際に他国から攻撃されたら政府はうまく対応できないことをとても詳細に書いており、危機感を覚えます。 2022時点でロシアのウクライナ侵攻が始まり、世界的に不安定な状況なので、この小説のように、もしくはそれ以上のことが起こるのではないかと不安です。 | ||||
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2005年発表のベストセラー小説。 ちょっとした縁があって、いまさらながら読了。 2011年4月、北朝鮮軍部の密命を受けた9名の特殊部隊兵士が福岡市内に潜入、人質をとったうえで事実上の制圧活動を開始し、どたばたとして有効な手立てを打てない日本政府を尻目にさらに援軍が到着し、、、という事件のてんまつを描く話。(当たり前だが、本書には東日本大震災(2011/3/11)は存在しない。) 冒頭に登場人物一覧が提示されるが、これは実質読み飛ばしてよいだろう(そもそも列挙されている人物が多すぎてリストに意味がない)。 物語の軸は3つ。北朝鮮視点で描かれる戦略と組織運営の話、東京の政府関係者を中心としたダメダメな政治行政の話、そして福岡市内に固まってひっそりと暮らしていた特異な経歴の若者グループの話。章ごとに視点が変わり、それぞれの立場でそれぞれの活動を行っている経緯がひたすら描かれる。全体に抑えめで事実を淡々とという文章ではあるが、北朝鮮の兵士視点は(うがった見方すぎるかもしれないが)やや読者(=日本人)におもねる表現が目について、ちょっとクスッと笑いつつも、「経済的に破たんしつつある日本」を舞台に据えた小説の割には、先進国ではない国の市民が日本の風物を目の当たりにして驚く様子、をこういう描き方で表現するのはどうかなぁ、と、読みすすめながらだいぶ気になった。 全体の傾向として、「経緯がひたすら描かれ」の物量がやたらと多く、会話文も地の文もセンテンス分けが少なくてびっちりと書き込まれているのが特徴のよう。この大量の情報の中に、こっそりと網の目のような伏線が仕込まれているのかとも思ったが、読み終えた結果としては、そこまで詳細記述を読み込まなくてもOKな大枠な伏線だけだったようだ。 個人的な感想としては、上巻でかなり徹底的に現状否定や世紀末クライシス的な描写をこれでもかと展開した割には、下巻の後半で描かれる起死回生な一発の話の展開がご都合主義の極みで、読んでいてだいぶ鼻白んだというところ。ところどころに丹念に書き込まれている両国の市民の生活にかかわる話は、社会的問題として確かに指摘すべき内容であるなど、なかなか読ませる内容になっていると思うだけに、この幕引き方法は残念な感じだ。 著者は、ミリタリーもののドンパチ大作を書きたくて、全体のストーリー展開を後付けで考えた、のではないかと邪推してしまった。いや本当に、本作の戦闘シーンもしくは武器・火器を扱うシーンの描写が異様に細かくて、ここまでいらないだろうということも再三。これと記述詳細度のレベルを合わせるために、社会的政治的な話も詳細化したのではという邪推であります。 | ||||
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駄目でした・・・。悲観論全開だし、北朝鮮が福岡を拠点に襲ってくるとか 無い事もないでしょうけど、読めませんでした。時代は、かつての時代の流れを 読ませたら王様の村上龍さんよりもっとスピーディに進んでいるような気がします。 | ||||
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得意不得意でいうなら、後者です。 お話の設定上なんでしょうがカタカナで表記の名前が多くて、ちょっと読みづらい。 友人の勧めで手に取った本でした。 | ||||
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もうムチャクチャな設定です。 北朝鮮の反乱軍が日本の九州へ上陸してクーデターを起こす。 何で関係の無い他所の国でクーデターを起こさなきゃいかんの? 北朝鮮の正規軍は反乱軍が起こした事だからうちは関係ないと主張。だからアメリカや日本は 北朝鮮の国家へは報復の戦争を仕掛けて来ないでもらいたい。反乱軍が勝手にやったことなんだから。 だけどこれは北朝鮮の軍首脳部の悪辣なるアイデアによる軍事作戦。選ばれたる特殊部隊隊員を自らを 反乱軍と名乗り日本でのゲリラ作戦によるテロを起こせと命令。よって自国国家体制を反対する為のクーデター を装っているがその実態は九州を標的にした侵略戦争を日本は仕掛けられる。 最初はたったの9人の北朝鮮コマンド兵が福岡ドームを占拠し日本に対して声明発表し、その後には500人の 特殊部隊が輸送機でやってきて合流し福岡市を占拠。さらには12万人の反乱軍が日本上陸に向かってくる。 こんな大袈裟な数の反乱軍って有りか?! その後一体どうゆうストーリー展開になっていくのか。あまりにも広げすぎた大風呂敷だったが、最後にきちんと 折りたたまれるのがいかにも嘘っぽい。そんなのあり得ない。リアル感満載な設定だったのに、最後がかなりヌルイ。 そんなにきちんと折りたたまなくてもいいのに。 | ||||
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まず勘違いしてはいけないのが、村上龍の作品は、麻生幾のようにドキュメンタリー性の強い作品でもなければ福井晴敏のような軍事的サスペンスでもない(ヒュウガウイルスはこの要素も強いけど)。基本的には群像劇がその持ち味だ。 その群像劇としてだけなら素晴らしい作品だろう。彼にしか出せない独特の雰囲気を十分に堪能できる。最後にもう一度当事者達の詳細な心理描写を見たかったが、これはこれで完成されており、消化不良な感じはしない。以下はそれ以外の分野について。 政治の分野では、さすがに現実の政治家はここまでバカじゃないと思いたいが、今の民主党政権ならやりかねんと不安になる…。そういった意味ではリアリティも…。 北朝鮮側の描写についても、かなりの取材をしたのだろうと思わせる深い描写が見られる。 経済や軍事的な分野は、ちょっとお粗末。福岡周辺や警察、自衛隊への取材は表面だけではないかと疑いたくなるほど簡単な間違いが多く、せっかく物語にのめり込んでも一気に冷めてしまう。 群像劇としては是非読んでほしい作品だが、特殊部隊とのドンパチを見たい人にはオススメできない。 最後に、北朝鮮の船団が接近するなか、対 空 戦 闘 機 のF-15は 滑 走 路 の な い 春日基地で何に対して厳戒態勢をとっていたんだろう(笑) | ||||
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上巻のレビューでも書いたとおり、村上龍は私にとって特別の作家である。下巻でこそ往年の村上龍の圧倒的な文章が読めると期待していたのだが、結果としてやや失望してしまった。単なる読み物として本書を読めばかなり楽しいのは間違いないのだが、かつて村上龍の作品の洗礼を受けた人間は、それ以上のものを本書に対して要求するだろう。創造と破壊、システムへの反抗、といった村上龍の往年のテーマが下巻では随所で垣間見られ、中にはかなり気に入ったフレーズもいくつかあった。しかしながら、全編にわたって詰め込まれた無駄に詳しい情報の山がこれら文学的テーマを覆ってしまっている。ストーリーテリング能力の欠如を取材等で得た膨大な情報量でカバーしようとした作家としてはかつて三島由紀夫がいた。晩年の三島の小説には初期のようなキレが失われたとは皆が指摘することだが、作品が情報を詰め込んだ「マッチョ」なものになってしまったのも一因であろう。村上龍の本書は、三島の晩年の小説よりもさらに「マッチョ」であり、かつてのキレは皆無である。結末、特に生き残った北朝鮮兵士の顛末などは完全に通俗小説のレベルに堕してしまっている。往年の名作のような村上龍の新作を読むことはもうできないのだろうか。 | ||||
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上巻は全体的に動きが遅いので少しイラつくが、下巻になり展開が早くなり、よりエンタテイメント性が強くなって読みやすい。上巻は多すぎる登場人物達が物語に対し均等にかかわるため、一生懸命登場人物を覚えるはめになり、結局誰にもいれ込めないが、下巻の後半では活躍する人物が絞られてきて感情移入もしやすくなる。但し主役級の人物が場合によっては殺人まで犯している犯罪者とその仲間達で、感情移入するには通常は倫理観が邪魔をする・・。戦闘シーンはスリル満点で圧巻!手に汗握るとはまさにこの事! ラスト近辺で生き残り組が妙にさわやかな風を吹かしているが、彼らは北朝鮮軍との戦いを喜び、そのために周りで誰が犠牲になって死のうとも全く意に返さない一般的には異常者で、もともとは犯罪者だったはずですけど・・・。北朝鮮軍を撃退した際に多くの日本人も死んでいるが、「死者が少ないと外国が評価している」というくだりは平和ボケ日本への作者からの皮肉だろうか・・・。 | ||||
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村上龍の作品を読んだのは約7年ぶり、『共生虫』『希望の国のエクソダス』以来だった。私にとって村上龍は特別の作家である。というのも、私が読書を始めたのは村上龍の往年の名作『愛と幻想のファシズム』を読んだのがきっかけだったからである。その後、『コインロッカーベイビーズ』を読み、この作家の能力に圧倒されたものである。 本書は村上龍のこれまでの作品の中では私の好きな『愛と幻想のファシズム』に近いと思う。近未来の日本を舞台とした仮想現実的な世界が描かれているという点においてである。村上龍が『愛と幻想のファシズム』の執筆時以来、政治経済の勉強を始め、これらの分野での発言するようになったのは周知のとおりであろう。これまでの「勉強」により村上龍は相当の知識を蓄積しており、本書には『愛と幻想のファシズム』よりもさらに多くの情報が盛り込まれていて、リアリティが追求されているように思われる。おかげで、物語についつい引き込まれてしまう。この意味で、本書はよき読み物である。 しかしながら、上巻を読んだ限りだと、単なる読み物にとどまっていて、文学的な深みに欠けるという印象を禁じ得ない。村上龍の往年の名作は、創造と破壊、システムへの反抗、といった明確なモチーフがあり、これらのモチーフが村上龍独特の、読み手の臓腑を貫くようなグロテスクな表現によって描かれていた。上巻を読んだ限りでは、モチーフが曖昧だし、表現力もやや平凡である。「勉強」のし過ぎで、村上龍は作家として肝心の表現力を失いつつあるのではないかと感じた(実は、これはかなり以前から思っていたことではある)。 物語がどのように展開するか、そして村上龍ならではの文章を読むことができるのか。下巻を読むのが今から楽しみである。 | ||||
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経済的に没落し、世界からも孤立している近未来日本の福岡を北朝鮮が狡知な戦略で占領する。 その窮地を救うのが、世の鼻つまみ者・犯罪すら自己解放とある意味開き直った各自過酷な過去を持つ問題児達(児ではないけど)。 北朝鮮の福岡占領の目的がいまいち曖昧な事と、日本がここまで経済的破綻を起こし孤立状態になっていく過程が荒く雑でふにおちないが、「とりあえずそれが前提!」と納得して読めば活劇物としてとても楽しめる。 最初は日本のふがいなさに腹が立ち、そのうち北朝鮮軍のズルくかつ日本をなめた好き放題な言動に腹立ちが移行し、最後には「誰か奴らをスカっと追い出してくれ!」と解決してくれそうな世のはなつまみ者達に期待が膨らむ。後半に進むに従って、とにかく先に読み進みたくてたまらなくなる。 但し、おそらく多くの読者はあまり興味ないと思われる事にも書き込み過ぎなところと、登場人物がやたら多いところが、読んでいて時々つらくなる。それを乗り越えたところにこの小説のそう快感があります。 | ||||
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一言で言うと、物語の設定は、時代感覚によく合っていて、興味をそそる内容だけども、話の構成として難が多いといった感じの作品だった。 作者としては、多数の視点から物語を語り、深みをだそうとして新しい小説の構成に挑戦しているのかもしれないが、不必要な部分ばかりが詳細に書かれており、読んでも全然話が進まずイライラする本だった。 作者は、経済や軍事、政治などの多様な視点から物語を語ることで、リアリティを出そうとしているのかもしれないが、村上龍の語る経済は用語ばかりは経済っぽい用語が出てくるが、経済の因果関係に関する考察が稚拙で、よけいにリアリティが失われている感じがする。つまり、作者は物語の背景には、このような経済と政治の背景があって、それらがこんな感じで関係しているから、物語はこうなっているんだということを語りたいようなんだが、どうもうまくいっていない気がする。この点は、愛と幻想のファシズムでも同じだった。 リアリティという点では、物語の中で最も気になる部分であるテロリストの戦いに関して特に前半が曖昧で、かなり現実性に欠けている。それを、作者は奇跡と表現しているようだ。 そのくせ、特にストーリーとは関係のない武器などに関する解説は妙に詳細であり、無駄な気がする。文中で、軍隊オタクが揃えた武器に対して「趣味的だ」という場面があるが、文末に大量の引用リストがある作者の知識こそ趣味的でこの小説には不要のものと思える。 こういった難点がありながらも、展開が気になって途中でやめることのできない小説であり、これも単に物語の設定の良さかなと思う。 | ||||
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物語が小分けにされているので読みやすい。 平和ボケしているようなら読んでおいたほうが吉。 イザという時、パニックが軽減される。 それに、何かを犠牲にして 何かを守らなければならない状況になった時、 慌てずに済むかもしれない。 各章のタイトルはあえて見ないこと。 ドキドキが薄れてもったいない。 物語内の状況は、執筆時より現在の方が近くなっていて、 貧乏で捻くれて、危なっかしい日本が舞台。 様々な組織単位が出てくるが、 多くの資料や取材を積み重ねたのだろう、 物事は現実に沿って進んでいく。 物流の重要性、政治家や官僚の態度、死との遭遇・・・ 対立という環境を通し、最優先事項を決定する大切さも提示される。 作品を通して、ビジネス面や普段の生活で取捨択一する時に 役に立ちそうな教訓も語られている。 平時でも緊急時でも、いつでも教訓は、 少ない情報、些細な兆候を見逃さない。 ということであり。 いつ、どのタイミングでリスクを取って、犠牲を出すのか思案することが その後の命運を分けていく。 何かを選ぶコトと、何かを捨てるコトの差は同じかもしれないし、 そもそも、この"何か"が決まっているのかいないのか、 そのことが柱になってくる。 | ||||
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『13歳のハローワーク』の直後に執筆されたというのもあり、 「オマエら・・・ 好きなコトやってていいんだよ」 という村上龍さんの声が聞こえてきそうだ。 "経験していない"という恐怖が見え隠れしつつ、 突飛な登場人物は、限りなく突飛していて、 魅力的なキャラに仕上がっている。 (若干、登場人物が多過ぎるが・・・) 子どものように自由な世界と、 大人のリアルな現実が入り混じりながら話は展開してゆく。 『AKIRA』や『グーニーズ』『ぼくらの七日間戦争』『バトル・ロワイアル』 のように、笑い、涙、暴力、権力、恋愛、青春、戦争。 キラキラとドロドロが混ざったごった煮感覚を味わいたい方にお薦め。 | ||||
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日本あるいは世界の枠組みを正確に理解していなければ、こんなストーリーは描けないだろう。作者自身がじつによく勉強されていることが伝わるような文体、内容となっております。インフォメーションを精査した上での村上龍独自のインテリジェンスがこの一冊に込められている。日本のことをこれだけ真剣に考えている作家ってそんなには多くないと思います。 | ||||
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北朝鮮のテロリストが突如福岡を制圧、日本の構造問題が多数噴出するが、異能のはぐれ者の少年達の人知れぬ奮闘と犠牲によって解決される、というお話。作者の現代社会に対する問題意識が全編に盛り込まれており、それを鋭い、興味深い、新しいと思うか、浅い、説教くさい、古くさいと思うかどうかでこの作品の評価は別れるだろう。 荒唐無稽な物語ではあるが、筋立ての魅力と作者の筆力によって娯楽として成立している。一方で、リアリティー創出のための細かい薀蓄(うんちく)と登場人物の掘り下げが行き過ぎており、冗長で散漫なのは顕著な欠点。 白眉(はくび)は、少年達がビルに侵入してテロリストと戦闘を繰り広げるクライマックス。凝縮された時間の中での無常な大量死を描く手腕は見事。丁寧に魂を吹きこまれてきた登場人物が、次々とあっけなく死んでいく様は圧巻。 | ||||
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村上龍の経済関係やサッカーのエッセイが好きです。小説はほとんど読んだこ とがなかったのですが、今回初めて読んでみました。何かのエッセイで村上氏は 箱根の別荘に籠ってこの本を書き上げたと書いていました。その時は、 北朝鮮の特殊部隊や兵器、ヤドクガエル、化学関係の書籍を大量に購入 して、お薦め商品のリストがその手の本ばかりになって、びっくりした(警察が みたら捕まるんじゃないか)と書かれていました。毎日、執筆に没頭して時々下 界のスーパーに買い物に行った時は、ものすごい外観だったようです。 また、他のレビュアーの方の指摘によると、実際の福岡の街がリアルに書かれ ているようです。書物での調査や現地に滞在して、取り憑かれるようにして書き 続けたことが良く分かります。 日本国政府の対応として、「目的」と「目標」を最初に明確に設定せず。目先 のことにとらわれて場当たり的に対応したと書かれています。確かに、人間は大 きな問題にぶつかるとその問題を直視せずに、周りの細かいことや急ぎのことか ら手を付けてしまい、大きな問題の存在から目を背けることがあると思います。 本当のリーダーシップとはこのような危機的な状況に発揮されると思うのですが、 現実の世界で起こっても同じような対応だろうと思い、悲しい気持ちになります。 明確な「目的」と「目標」(上層部のみで末端には知らされていないのだろうが) を持った、北朝鮮特殊部隊と状況に流されてしまう日本政府との対比が明確に書 かれています。 上巻では北朝鮮特殊部隊の独壇場ですが、下巻でどのような反撃がイシハラグ ループからあるのか楽しみです。 | ||||
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本書が単行本で出た当時は、時期も時期であったことから大きな注目を浴び、図書館では驚くべき予約の数が入っていたことを思い出す。 文庫本で出版ということだが、とにかく分厚い(しかも上下の2巻)。 期待をもって読み始めたのだが、、、、、、、、、挫折してしまいました。 あまりに長編すぎて、途中で耐えられなくなってしまった。 何とも、ストーリーが重く(特に日本側の登場人物が、難解)こちらの心がもたなくなってしまった。 ただ、作者の想定している近未来の東アジア、日本の情勢というのは非常に興味深い。このようなことにならぬよう、われわれひとりひとりが日々努力をしていくしかないのであろう。 | ||||
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とにかく長かった。 もう私には村上龍を読む力が残っていないのかと何度も自問自答した。 結局誰に感情移入してよいかわからず、くどくどと長い文章の中で、とっとと終われよとばかり思っていた。 内容的には、こんなに引っ張らなくてはならないものかなという疑問でいっぱい。 ディテールにこだわっているんですよというのであれば、住宅ローンを抱えた人たちのローンの支払いがどうなるのかとかというところまでこだわってほしかった。 あまりにも、のんきに暮らしすぎている。 まぁ、村上龍は、住宅ローンなど抱えていない、仮に抱えていたとしても、負担感などないから想像できないんだろうな。 いずれにせよ、若者向きの作家だな。 | ||||
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先ずは非常にショッキングな、ある意味タイムリーなテーマを取り上げたことが、最大のポイントでしょう。作者の強い主張、あから様なメッセージもふんだんに散りばめられており、日本の平和ボケからくる無防備さ、北朝鮮の悲惨さからくる異常さが大変良く描けています。同時に両者は決定的に何かを欠いており不幸であるという点で共通しており、そこに、疎外され全ての常識に囚われない規格外のイシハラ軍団を置くことで第三の視点を提供します。そうした落ちこぼれ達が常識外れの才能の持ち主で、テロリストを根こそぎ叩き潰すというストーリーは考えてみれば恐ろしく陳腐で稚拙なのですが、余り気になりませんでした。 むしろ非常に気になったのは、過度な暴力、エログロ描写です。分からず屋のPTAのようなことを言う積りはありませんが、何故こうした描写がそこまで必要なのか全く理解出来ません。リアリティーの為だとすればお門違いも甚だしいですし、またそれ自体を目的とするならば、もっとストレートにエロや暴力を極めるべきで(売れないでしょうね)、リアルな軍事モノもありでしょう(こちらの方が売り易い)。私にとっては気持ち悪いだけで、ストーリーを追う妨げにしかなりませんでした。 | ||||
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