■スポンサードリンク
美人薄命
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
美人薄命の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.15pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全27件 21~27 2/2ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
わたくし的には2013年「このミス」第1位です。悲劇の火災から一気に物語はスピードアップして、女性弁護士の推理で一度ひっくり返るが、それだけに終わらないところがすごい。心地よいどんでん返しの連続でした。戦中の「まるれ」の話のあたりでは思わずこぶしを握りしめたりしまして、みごとに作者の芸当に眩惑されました。うまい! さすが! ところで、高村薫さんの『晴子情歌』でも感じたことだけれど、旧字旧仮名でなければいけない必然性ってあるんだろうか? それとも、これもまた、最後に明かされる真相につながる伏線としてのギミックなのだろうか? | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
2013年のミステリーの中では評価が高いと聞きつけて読んでみた。しかし、内容については全くの白紙で読み始めたので先の予測もつかず、それが逆に楽しめた要因なのではないかなと思う。 出だしは、戦後まもなくの時代。どことなくおどろおどろしい感じがして身構えながら読み始めたが、一気に現代に時代が移り、雰囲気も一気にライトなものとなり、その展開のアンバラスさに驚く。そして読んでも読んでもミステリーらしい雰囲気にならず、これ本当にミステリー?と疑いだした終盤で、ようやく「ああ、そういうパターンのミステリーでしたか!」と膝を打つような展開。 序盤に予想した内容とは全くかけ離れた展開に、「してやられた!」と感じたということは、きっと作者の思う壺なんだろうな。タイトルの時点で作者にマジックをかけられていたとは思いもしませんでした。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
近年のライトノベル化の著しいメフィスト賞作家の中ではその端正かつ技巧的な文章力で大人のミステリーをコンスタントにリリースしている深水氏の最新作。 独居老人のためのボランティアの弁当配達を行うことになった平凡な青年がある老婆との出会いにより、次第に自身の成長と歴史の重みを実感していくというのがストーリーだが、全体的には軽いタッチでサクサク読める。読み始めるとこれミステリーじゃないんだなと思いつつも深水氏お得意の旧かなづかい文体による老婆の過去パートなどを織り交ぜながら、戦中の老婆の恋愛エピソードが語られていくのだが・・・・やはりそこは深水氏である、以前のジークフリードの剣でもそうだったが、最後の最後まで読んでやはりこれはミステリーだったのか!と全体の構成を上塗りする見事な仕掛けが炸裂する。 一種のダイイングメッセージ系なのだが、安易に使うと安っぽくなるダイイングメッセージをここまでの物語の仕掛けとして作用させているのは見事である。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
表紙がおどろおどろしいので、怖いミステリを想像したのですが、 いい意味で裏切られました。 社会的ですが、全体的に明るく、何より主人公の大学生とおばあちゃんの 掛け合いが面白い。 レビューの質問の方へ。 「夜10時から11時〜」の意味は、おばあちゃんは、やっぱりどこか霊能的な力があって、主人公の未来を見たかった。それが、よく見える時間が「雨上がり10〜11」…?。 (バイクの事故未遂&美人に気をつけろ) と、勝手に推理(?)し、読みました。 間違ってるかも。すいません。でも、想像するのもまた、楽しいです。 読後感もよかった! もう少しボランティアの話がまとまってたら、もっと個人的に好みです。 でも、十分満足です。面白かった! | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
私たちの知らない戦中、戦後の男女の機微のようなものが 切なく感じられ、その切なさを84歳の老婆の冗談かと思う 会話を通して、悲惨だと思いつめる事無く読めました。 ただ、ひとつ消化不良なのは「今度、直前で雨があがった 夜の十時から十一時の間に来て呉ろ」の意味が わからなかったことです。 どなたか、わかる方はいらっしゃいませんか? それと、ありきたりになってしまうかもしれませんが 総司が五十治さんの孫だったらよかったのにと思いました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
自分が書くものの意義について、現在深水黎一郎以上に意識的な作家はいないだろう。 デビュー作『ウルチモ・トルッコ』でも、現代文学の「信用できない語り手」の技法が使われていたが、 この作品はそれをさらに先鋭化させて、「信用できないエクリチュール」へと深化させている。 しかしそんな小難しいことは抜きにしても、極上のエンターテイメントとして純粋に楽しめるので心配無用。 恋愛小説、戦争小説、ユーモア小説などさまざまな要素が絶妙の配分でブレンドされ、 さらに主人公の成長を描くビルディング・ロマンでもありながら、 忘れた頃にミステリー要素が現われて、それらすべてを鮮やかに反転させる。 これは傑作だ。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ボランティアの老人へのお弁当の配達を始めた大学生の大学生の総司が老婆と出会い、少し温かなコミュニケーションを始める。 一体、どこがミステリなのかわからない出だし。 ところが、最後で一気にミステリへと転換。 そして、なんとなけるミステリだったのです。 深水黎一郎作品はデビュー時から全部読んでいるのですが、作品を追うごとに緻密に、しかも文章がこなれて進化を続けている気がします。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!