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(短編集)
青い鳥
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青い鳥の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.65pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全149件 141~149 8/8ページ
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重松さんでないと、書けない作品です。 うまく人としゃべれない、先生を傷つけてしまった、交通事故で人を殺してしまった父親を持つ子、いじめで転向してしまった子と残された子、いろんな悩みを持った中学生が、出会った臨時講師の村内先生。 村内先生は、多くを語らないが、吃音という障害を抱えている為、「正しいこと」ではなく「大切なこと」だけをとつとつとでも一生懸命伝えます。心から生徒に対し本当に伝えなければならないことを。 村内先生のかつての教え子が主人公となる最後の章の「あのなあ、人間はなあ、おとなになる前に、下の名前で、たっ、たくさん呼ばれなきゃいけないんだ・・・(中略)」のセリフは、忘れられません。 | ||||
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孤独な子供達の心にそっと寄り添う村内先生。言葉は上手くしゃべれない、だからこそ先生の口から出てくる「言葉」は「たいせつ」なことばかり。 40半ばの私でも、村内先生の「言葉」はすんなり心の奥底に染み入って、時に涙を誘うものでした。 常に穏やかな村内先生が「カッコウの卵」のなかで、珍しく感情的にかつての教え子をかばうシーン、 「嘘をつくのは、その子がひとりぼっちになりたくないからですよ。嘘をつかないとひとりぼっちになっちゃう子が嘘をつくんです」 「嘘は、悪いことじゃなくて、寂しいことなんですよ」 そこから先、ラストまでの20ページは涙をぬぐいながら読みました。 心が洗われる1冊です。 | ||||
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孤独。絶望。思春期でも思春期をとうに越えた人もこころが迷子になった時、この本は「君は一人じゃないよ」「まだ間に合うよ」という気持ちにさせてくれます。 思春期に入り始めた娘にひさびさに読み聞かせをしましたが、「ハンカチ」のラストシーンは感極まりすぎて、声が出ませんでした。難しい年代のお子さんがいる方にもお勧めできる内容です。 | ||||
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全編を通して登場するのは吃音のある教師・村内先生。 村内さんは非常勤講師として各学校を回り、 心に孤独を抱え、ひとりぼっちでいる生徒のそばに寄り添い、 本当に「たいせつなこと」を教える。 本当にさびしい人はみんなの仲間に入りたいのではなく、 もうひとりの一人ぼっちが欲しい。 村内先生は彼らのそばでもう一人の一人ぼっちになることによって彼らを救う。 孤独・・・この寂しくてたまらない気持を誰もが想像することはできる。 でも「理解する」ことができるのは、本当にこの気持ちを味わったことがある人だけ。 村内先生にはそれができるのだ。 そして村内先生の素晴らしさがわかるのも、ほんの一部の生徒だけ。 いじめの加害者の取るべき責任は いじめをなくし、いじめのない学校を作ることよりも、 誰かを傷つけたことをずっと忘れずに背負っていくこと。 重松清さんの本は大人になった私達にも本当のことを教えてくれる。 「大切なこと」と「正しいこと」は違う。 村内先生のかつての教え子が主人公となる最後の章を読んだとき、 静かな涙がこぼれました。 | ||||
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「きよしこ」の大人版。 「きよしこ」に衝撃を受けた者として、 今回、吃音をプラスに取り扱っているのがうれしい。 「カッコウの卵」の評判がいいが、確かに秀逸であると思う。 ただ、評判がいいからといって、それだけを読むのでは、その良さが半減してしまう。 もちろん、「カッコウの卵」だけを読む人はいないだろうが、1ページ目からずーっと読んできて、最後に「カッコウの卵」があるからこそより大きな感動を読み手に巻き起こすのだろう。 当たり前の側に立つ人間として、わが子が今のところ順調に成長していることに感謝し、 今後も引き続き成長を続けてくれることを希求してやまない。 そして、もうあと数年でわが子も重松清という作家に目を向けるだろう。 そのとき、感想を述べ合うような親子関係でいたいものだと思う。 私のように40才も半ばを迎えようという年齢になると、いろんなしがらみが増えてくる。 大人だって日々悩み、傷ついている。 そんなわれわれ大人たちにとって、本書が村内先生となっている気がする。 本書を読むことによって「救われる」人が多いことだろう。 | ||||
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私も、吃音があります。うまくしゃべれないし、もともと無口なほうです。 人と話してても面白い事言えないし、間があいてしまう‥どうしよう、どうやって人と接すればいいんだろう‥私にその答えを教えてくれたのが、この本でした。 村内先生は、何も言わないでただそっとそばにいる。誰かにそばにいてほしいときに‥ いつも穏やかに、懐かしそうに笑う‥ 人はいろんな人がいます。よくしゃべる人、おもしろい人、癒し系の人、一緒にいて元気になれる人、みんな必要だから優劣なんかつけられない、とこの本を読んで気づきました。私は、私でいいんだ。声が出なかったら、ニコッて微笑めばいいんだ、無理してしゃべらなくていいんだ。 この本のお陰でこころのモヤモヤがすっと晴れました('U`*)☆出会えて本当に良かった一冊です。 | ||||
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『青い鳥』最終章でぐっと来てしまったのが、 P313〜。「松本くんは、下の名前で呼ばれたことがあるのか?」の部分から。 と村内先生は、松本くんに問います。周りのみんなから「松本くん」と呼ばれている少年に対して、ならば先生が松本君のことを下の名前で、これからは呼んでやると。 先生がさらにこう言うのよ。 「あのなあ、人間はなあ、おとなになる前に、下の名前で、たっ、たくさん呼ばれなきゃいけないんだ・・・(中略)」 その理由は、次のページを捲って下さい。松本くん≒てっちゃんがどう生きてきたのか、またてっちゃんとともに暮らしている智恵子。どうぞ、手にとって読んで欲しい。 | ||||
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先生はうまく話せない。だから“たいせつなこと”しか言わない−−いじめ、自殺、虐待。吃音の教師を通して答えのない問題に向き合い、だからこそ伝えたい思いを描く感動作。 ちょっと大げさかな、と思えるコピー。 しかし、さすがは重松清。 この手の本を書かせたら、やっぱりすごいですよね。 心に傷を持つ、生徒たちの心をいつの間にか癒していく 村内先生。 どもりながら、生徒に「大切なこと」を伝えていく。 一人ではないということ。 あなたのそばには誰かがついている。 あなたが独りぼっちにならないように 先生がついているんだよ。 そしてそこから自分で歩いていくんだ、 そんな思いがしっかりと伝わってきます。 短編集ですが、 最後の章までは現役の生徒たちと村内先生の交流が描かれ 最後の章で昔村内先生に救われた生徒の現在を描く。 その最後の章『カッコウの卵』が一番胸に響きました。 こんな形で教え子に会えたら・・・ 教師冥利に尽きるかもしれません。 | ||||
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まさに重松清にしか書けない作品だと思います。 中でも最初の短編の「ハンカチ」、最後の「カッコウの卵」は秀逸です。 村内先生はうまく話せない、だから「大切なこと」しか言わない。 うまく話せないが故に伝えることが出来る思い、それは「そばにいること」「ひとりぼっちじゃないと伝えること」。 「先生は、ひとりぼっちの。子の。そばにいる、もう1人の、ひとりぼっちになりたいんだ。だから、先生は、先生をやってるんだ」という文中の言葉が、この本のテーゼなんだと思います。 孤独を感じたことがある方には、是非一度手にとって読んで頂きたい1冊です。 | ||||
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