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夜鳥
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夜鳥の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.29pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全14件 1~14 1/1ページ
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短編31作を収録。 江戸川乱歩や夢野久作に影響を与えたということだが、松本清張もそうではないだろうか。 明晰な文体や人間心理の掘り下げや人生に対する冷徹な視線が清張作品を思わせる。 すべてが10ページ前後と短いが、凝縮された濃密な人間ドラマが楽しめました。 | ||||
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概ね良好 | ||||
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けど、すべて青空文庫などで読める作品だった。 | ||||
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フランスのポオと賞賛され、夢野久作も賞賛していたというだけあって面白い。不気味とか恐怖とか売りのようだが、それだけじゃない。表現力も素晴らしい。田中早苗さんの訳もいいのだろう。 | ||||
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フランスのモーリス・ルヴェル(Maurice Level, 1875-1926)の短編集の、大正から昭和にかけて田中早苗が訳したものを集めた復刊ものである。まあそこそこ面白いのだが、巻末に、江戸川乱歩とか甲賀三郎とかの当時の推理作家の文章を集め、牧眞司が解説(?)を書いているのだが、ルヴェルの伝記がまったくない。生没年も、名前の綴りも分からない。こういうのは本として欠陥品だと言われても仕方ないのではないか。「麻酔剤」というのが、鏡花の「外科室」と同想なのだが、どうやら鏡花のほうが先らしい。そういうことも解題に記してほしかった・・・。 | ||||
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ちょっと難しいところもありましたが十分楽しめました。面白かったです。 | ||||
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心に迫る哀しい話が多い。ファリシテや浮浪者の話がお薦め。明かりのない部屋に帰ってきた男の悲哀の物語も胸に迫る。 小さな幸福を知ったからこそ浮き上がる不幸を書くのが上手い作者。 恐怖短編(ポーにそっくりという触れ込みで)が有名で悲しい物語はほとんど日英で訳されていない作者さんのようです。 フランス語はさっぱり(テスト終了と同時に忘れてしまった)なので英訳版を探しましたが、恐怖短編しかありませんでした。 日本語版も手にはいるのはこの一冊だけのようです。 今回、「新しく訳されているだろうか」と思い作者を検索したらこの文庫まで絶版になっていたのでレビューを書きました。 新しい訳者さんで(他にこういう悲しいお話があるなら)訳して出版してはいただけないのでしょうか? 日本の時代人情ものに通ずる(フランスの)庶民の悲哀を書いた作品がとても面白いと思うのですが。 山本 周五郎さんと同じぐらいこの人の短編は胸に迫ります。好きです。 せめてKindleでも発売して欲しいです。お願いします。 | ||||
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読んでる最中、時間を感じない。それほどまでにルヴェルの短篇は面白かった。未読の人がいるなら、絶対に読んだほうがいい。 | ||||
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出版社の方に言いたい。もっともっとこういう作品を出版してくれと。 今少しずつ異色短編集を買い集めています。内容はすばらしいのですが、もっと手に取りやすいようにこのように文庫本で出していただきたい。 このレヴェルの作品は内容もさることながら、田中早苗氏の翻訳の力がすばらしい。彼女のある意味丁寧(格調高いという方もいらっしゃるがちょっとそこまでは言い過ぎかも)で美しい日本語のおかげで格段に良くなっている。 私が好きな作品は「犬舎(いぬごや)」。 最後の一語。これこそ驚愕のラスト!だとおもう。 | ||||
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収録されている短篇は約三十。どれも短く簡潔で読みやすいが、見事なくらい、残酷で救いがない。巻末の解説で「ゾッとして地団太を踏み度くなる」と評したのは夢野久作。読んでいるときは面白いのに読み終えると内容を忘れてしまう他の小説とは違い、ルヴェルの文章は「アタマに焦げ附いて」しまうのだそうだ。同じく巻末の江戸川乱歩の解説によると、「ポーは大人、ルヴェルは少年」。 『青蠅』など、実にいやな話で、こんな経験をするくらいなら、とっとと自白し逮捕されるほうが良いと思う。『幻想』は悲しすぎる。こんな人生、悲惨としか言いようがない。 しかし、ルヴェルの小説はとても優しい。灯火のような人肌のような温かさがあって、美しい物語。 だからこそ、温かさから突き放されたときは、よりいっそう寒さを感じる。 最高級の短編集だと思う。 | ||||
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事実は小説より奇なり。という言葉がありますが、 ルヴェルの作品は「事実のように奇なり」と言えるのではないでしょうか。 本当におきてもおかしくないような「意外性」が彼の作品のテーマだと思います。 その意外性には恐怖や戦慄を覚えるようなものから、 心温まる人間性を感じさせてくれるものまであります。 作品の中で殺人を犯したり、自殺する人間の心理描写は、 その異常性を表しつつもどこか納得のいくところがあったりします。 多少の差はあれ、同じようなものを我々も持っているのではないでしょうか。 それ故にルヴェルのあらわす恐怖や残酷がトラウマのように脳裏に残ってしまい、 心温まる話では郷愁のような涙を誘うのでしょう。 また、とんでもない作家にめぐり合うことができました。 ただし、ダウナー系の人にはお勧めしません。 | ||||
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泣ける話だなぁ,というのが一番の感想です。 前評判で恐怖や残酷さが強調されていたせいで,そういう効果は全く予想せずに読んだのですが,危うく電車の中で泣きそうになりました。何がぐっとくるかは人によって違うと思いますが,僕は「幻想」「フェリシテ」などの主人公の孤独と悲哀に,やられてしまいました。また,そんな作品の中で「父」のような作品に出会うと,ほっと胸が温かくなり,違った意味でまた涙が出ます。1作品10P程度のものが多く,かなり短いですが,ストーリーは申し分なく,まさに短篇小説名手というにふさわしいでしょう。1篇1篇が印象深く,短篇小説好きなら「いい作品を読んだなあ」と満足できると思います。解説に多くのページを割いていて,江戸川乱歩などの筆が掲載されているのも面白く読みました。タイトルが簡潔ですっきりしているのも個人的に好感が持てます。 | ||||
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チャップリンとヒッチコックが一緒になったような感じ。あるいは、チェーホフの初期短編とポーの作品をあわせ読んだような感じ。乞食や売春婦、役人や集金人や犯罪者といった市井の無名者たちの生の一断面が、「恐怖美、戦慄詩」(夢野久作の評言)を湛えた31篇のコントのうちに丹念に採集され、人間心理と都市の闇に潜むものへの鋭敏な感受性をもったモーリス・ルヴェルの、ゾクゾクする語り口によってホルマリン漬けにされている。この独特の味わいは、どこか少年時代の読書体験を思わせる。──私の愛読書、橘外男や夢野久作の世界にしっかりとつながった、懐かしさを感じさせる田中早苗の翻訳が実にいい雰囲気を醸しだしている。巻末に付された小酒井不木や甲賀三郎や江戸川乱歩、等々の『新青年』作家たちの文章もいい。本邦ミステリーの原典とも言うべき珠玉の書物。 | ||||
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かつて雑誌「新成年」に翻訳紹介されて、一世を風靡したというモーリス・ルヴェルの短編小説。怪奇と幻想、残酷で暗い内容のものが多いのに、語り口がとてうまいのであたりがとても柔らかく感じるのですが、いいタイミングでフッと恐怖が忍び込んできて背筋が寒くなります。なるほど、当時の人々に好意的に受け入れられたのもうなずけます。解説によると、ルヴェルの紹介には、訳者の田中早苗氏の功績が大きかったのだそう。原書で読んでとても気に入り、周りの人薦めて回り、翻訳発表し、ついには一冊の本にまとめて出版される(本書は昭和初期に刊行された同題の短編集に新たに一作を加えてまとめたもの)。作者にとってみれば、これほど幸せなことはないでしょうし、訳者にしてもそうでしょう。惚れ込んだ相手の本を版でき相応の評価を得られたのですから。人気のある海外作家の作品は多くの出版社が競い合うように出版されるのに、いい作品を書いていながら知名度の低い作家の作品はシリーズものでもあるにかかわらず一、二作翻訳されたきりだったり、全く紹介されていなかったりと、売上にばかり気をとられているように見える中で、本書のように、地味ながらも作者ばかりでなく訳者の熱意まで伝わってくるような作品に一つでも多く出会いたいものです。 | ||||
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