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笑うハーレキン
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笑うハーレキンの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.46pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全7件 1~7 1/1ページ
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経営した家具会社が倒産しホームレスになり、細々と家具の修理屋をやっている男。 彼の元に弟子にしてくださいと突然現れた正体不明の女。 そしてホームレスの仲間達。 道尾さんらしさは感じるものの、 序盤から中盤にかけては可もなく不可もなくみたいな感じでしたが、 終盤がとても面白かったです。 終わり方はとても良かったと思います。 | ||||
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可もなく不可ものなく、って感じかな。ホームレス家具職人の設定は面白い。 | ||||
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高い技術を持ちながらホームレス生活を送る東口。おんぼろの軽トラに乗り、たまにチラシを撒き細々と家具の修理のみで生きている東口の毎日が、一人の弟子入り志願の若い女性が現れてから変わり始めるというストーリーで、「カラスの親指」的な再生の物語です。 誰しもが意識的と無意識的に被っているいくつもの仮面があります。その仮面の多くはか弱い自分自身を守る為であり、そんな自分を見たくはないが故に更に仮面を被る―。そうやってどんどん仮面を重ねていくうちに自分でも本当の顔が分からなくなっていく―。そんな自分でも見たくないものを直視し受け入れ、本当の自分を受け入れられるかどうかがこの作品のテーマなのではないかと思います。 道尾作品らしく、文字だけという小説ならではの媒体の特性を活かし読者をミスリードする手法は健在で、同じく道尾作品のカラーともいえるホラー的なニュアンスとして東口にだけ見える疫病神も存在していますので、道尾ファンとして安心して読めました。 「カラスの親指」などと比較すると全体的におだやかな感じで、ゆるやかに物語が進んでいきますのでここは好みが分かれるところでしょう。また仮面を被っている、即ち隠したい傷あとがあるという事からキャラもやや平坦な印象になっていますが、これはホームレスという存在を題材として使っている以上致し方のない部分かもしれません。何者でもない毎日を送るホームレスの姿とホームレス故に巻き込まれる闇の部分、過去を隠すために名を捨てたホームレスの仮面を被りながらも、「きちんとした名のある役を演じたい」と願う渇望など全体的にきちんと読み応えのある内容に仕上がっています。 作中で「一見同じように見える存在が涙ひとつで大きく意味が変わる」という会話がありますが、それを踏まえた上で表紙の「笑うハーレキン」というタイトルとその下のティアドロップマークを見てみると、主人公たちが隠してきた悲しみにきちんと相対し、それを無視するのではなく大切に自身の中に包み込む事で似て非なるものに生まれ変わる事を意味しており、即ち読者へのエールとして取る事も出来ます。敢えて一般的な名称ではなく「ハーレキン」という耳慣れない名称を持ってきたのは、一般名称を使う事で浅く簡単に推察させずに物語と共に読者に深く考えさせたいという作者の意図なのかもしれません。 敢えて不満を言えば終盤の大ピンチが今一つ情報不足の為、なぜそのような危機になったのか、なぜ見逃す結果になったのかが分からないところです。見逃して済むなら最初からそう言えば済む訳ですし、なぜ見逃しても大丈夫と判断したのかの説明は欲しかったように思います。また即席の弟子になる彼もその後どうなるのかを想像できる余地なんかもほしかったですね。 そういった不満はいくつかあるもののトータルの読後感は満足のいくものでした。 | ||||
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人と人のつながりの重要性が震災以降指摘されるが、つながっている人の本当の素顔は本当に見えているのか。過去経緯や現在の境遇の中で各自が背負っているものを隠すために被っている表面的な自分が本当の自分であるのか。その真実は厄病神みたいに自分の心の中に巣くっているのではないか。その様な人間の有り様をホームレス家具職人と仲間のホームレスとの生活を軽いタッチで描いている小説。 軽いタッチで描きながらも要所にハーレキンを象徴する様な場面を織り交ぜた良い作品だと思うが、前半と後半の話の展開が不自然な点や驚く様な仕掛けがあまりない点は物足りなさを感じる。 | ||||
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読売新聞夕刊で連載されていた新聞小説。 物語の始まりは飄々としていて、「カラスの親指」のような軽快でスピード感がある作品を期待させるのですが、新聞小説という特性によるものなのか、同じ場面が繰り返し登場したりするので、通しで読むと冗長でスピード感を失っています。 読み進めていくうちに、読者が「何故だろう?」と思う事に対しては、結末でしっかりと回答を出しているところはさすがです。 しかし、主人公たちが巻き込まれる事件の唐突感は否めない。 読み終わってみれば、それなりの伏線というか、事前情報を与えられているのだけれど、それでもちょっと・・・。 あと、主人公だけに見える疫病神が、ある意味主人公の心理の象徴的役割を担っていて、その時々に姿を変えて登場しますが、心理描写を疫病神というキャラクタに任せるというのも、若干反則な感じがする。 最初に期待しすぎた感はありますが、道尾さんの作品としては平均点かなと思います。 | ||||
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商売に失敗し家族を失った男(主人公の東口)とホームレスとの交流をつづった人間ドラマとして捉えれば主人公に共感しつつ、また何事もなく日常生活を送ることのありがたさを感じながら読み進めることができると思います。そう「ハートフルドラマ」と言ったほうが良いでしょう(唐突に急展開する終盤をのぞいては)。クライマックスでの帰結を期待してドキドキするような展開はとんどなく終盤まで話が進みますので、強引に事件を挟み込むより、むしろ、人間ドラマとしてそのまま淡々と終わったほうが良いように思いました。終盤の「事件」は、これを話のメインにするのならもっと最初のうちに伏線をばらまいて、主人公のキャラクタ設定にもう少し膨らみをもたせれば、よりストーリーに引き込まれたと思います。 | ||||
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読売新聞の夕刊に連載されていた物を単行本化したもの。連載前のインタビューを読むと、次のような事を目指した由。 (1) 東日本大震災を受け、人と人との絆を軸としたユーモア溢れた心温まる作品としたい。 (2) 事前取材で家具職人の技に魅せられ、それを読者に伝えたい。 (3) 「ハーレキン」という言葉の謎を読者と共に楽しみながら、最後に「アッ」と言わせたい。 "疫病神"に取り憑かれて会社も家庭も失なった東口と言うホ−ムレスの家具職人を主人公としているのだが、前半と後半とで段違いの印象を受ける作品。前半は東口を中心としたホ−ムレス達の生活が描かれるのだが、社会的弱者を扱えば、そこにペーソスや心の触れ合いが生まれるという短絡的発想に支配されている印象を受けた。少しも笑えないし、作者が得意としている筈のストーリー展開もダラダラとしていて起伏・切れ味を欠いている。また、家具職人の魅力が一向に伝わって来ない点も作者の意図に反するもので奇異に思えた。 そこで、ある"事件"が起こる。これ自身、唐突なもので(私はここで物語が未消化のまま終るのかと唖然とした)、ストーリー展開の散漫さが続いている印象を受けた。しかし、家具修理に纏わる更に大きな"事件"に東口達ホ−ムレスが巻き込まれる事によって一転、作品の意匠が次第に明らかになって行くという仕組み。前半に東口に押し掛け弟子入りした奈々恵と言う若い女性の存在意義に関しても俄かにクローズアップされ、秘かに期待していた通り、東口との二重奏の構図となった。その東口の精彩も前半と後半とでまるで別人の様に異なる。再生のためにはあるキッカケと自己覚醒が必要(逆に言えば、それだけの時間の経過を伴えば再生が可能)とのメッセージだと思うが、それにしても前半と後半の分量・内容のバランスが悪過ぎる。冒頭の(1)〜(3)の達成度も心許ない。後半は作者の持ち味が出ている(展開は短兵急だが)のだから、前半を1/3程度に圧縮して、再生の過程をジックリと描いた方が作者の意図に適ったのではないか。 | ||||
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