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ソロモンの偽証
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【この小説が収録されている参考書籍】
ソロモンの偽証の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.91pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全83件 81~83 5/5ページ
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宮部みゆきさんの5年ぶりの現代ミステリーです。『英雄の書』のなかに入っているチラシにたしか、「構想15年、執筆10年」と書かれていた気がします(うろ覚えです)。 ……。 おもしろいのですが、おもしろいのですが……、登場人物が悪意のある人間ばかりで嫌になってしまい、ページを閉じました。宮部さん、もうしわけないです。3巻すべて読み通さなければ、ほんとうのところはわからないでしょうし、最後はハッピーエンドかもしれません、でも、でも、人生がこんなに大変で読書という悦楽にしばしの間身を委ねようとしているだけなのに、読書でも人生の再体験をしなければならないとは……。故・吉田健一さんなら「人生はに召使いにまかせておけばいい」と云いそうです。あるいは、「人生は純文学にまかせておけばいい」と(ほんとうはヴィリエ・ド・リラダンが云いました)。いろいろなことがあり、純文学から遠く離れたぼくでしたが、こんな陰惨なものにエンターテイメント作品で出会うと思いませんでした。もちろん、人生の深部を描くのが文学だ、と思ってらっしゃって、かつ、それが愉楽だと思ってらっしゃるかたには一級品です。ただ、ぼくには合わなかった、というだけの話です。 以上です。 | ||||
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「第1部 事件」のラストは「そして学校は汚された。ことごとく無力な大人たちにはもう任せておけない!」と決意するところでした。ヒロインの文武両道で学級委員・藤野涼子ちゃんです。 「第2部 決意」は「保身に身をやつす教師を見限り、学校内裁判を開廷する。期限はわずか15日」ということです。 悪いのはオトナ。良いのはコドモ。ひどく単純だが、宮部ワールドでは、これって受けるパターンなのだろう。 第2部もまた700ページを上回るボリュームですが、事件に進展はありません。 学校内裁判も開廷されていません。 周辺でちょっとした出来事がたくさんおこりますが、核心の謎とのかかわりがないようですから、深読みする必要は感じられません。 宮部みゆきは中学生が催す学校内裁判に迫真力をつけるためいろいろな工夫を凝らしています。 柏木卓也君殺害の容疑者、被告・大出俊次君に対決する検事は誰が適任であるか。彼の弁護士は?判事を誰にするか。弁護士と検事で情報を共有する必要があるのか。誰を証人につけるか………等々の枠組みが激論され、決まっていきます。判事が机をたたく木槌をどうしようか。なぜか制度として存在しない陪審員までつくりあげ、その適任者が選ばれます。 厳格な枠組み?で運営されますから、全校の生徒はもとより、学校も家庭も商店街もマスコミもこの裁判で決定されることが絶対的な真実であると認める雰囲気が濃厚に漂います。 この学校裁判のお膳立てのための記述ですが、物知り顔のガキどもがワイワイガヤガヤとわめきたて、それに教師が加わってさらに喧騒が高まり、証人確保に街中が巻き込まれ………と、法廷らしさの演出にこの分厚いページ数の大半を使いますので、事態はあまり進展しないことになります。 宮部みゆきは気がついていると思うのだけど、「あなたたちのルール・やり方には任せられない。だから、わたしたちのルール・やり方で白黒をつけてやる」という発想の根源、これは一種の集団私刑です。一番のワルはこれの仕掛け人である涼子ちゃんですね。弁護士、検事、判事、陪審員、実質的に彼女が決めました。さらに彼女は警察の捜査官である父から捜査情報を聞き出し、他言無用の約束を破り、この情報で有利にことを進めます。また内部情報をマスコミに洩らし、バーター取引をします。本当に怖い人です。 所詮裁判ごっごでしかない中学生のお遊びに、著者が本気で真相究明を委ねるとすれば、これは全くリアリティを欠いたお話と指摘するしかありません。 この作品は現代ミステリーというよりは、中・高校生にお勧めのラノベ、学園ユートピアなのではないだろうか。 とにかく退屈な700ページでした。 ここまでの出来栄えであればわたしらの年代が読むものではないのだが、「第3部」をどうまとめるかお手並み拝見と高みの見物でいきます。 すべての事件の犯人は最初に死んだ人間だった、というようなアガサ・クリスティの向こうを張った展開にでもなるのだろうか。 ソロモンの偽証とは「真実は知らないほうが幸せなんだよ」という大人の優しさかもしれませんね。 | ||||
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1巻は面白かったけど、2巻でガッカリ。 宮部さんの現代小説は大人のドロドロを描かせると素晴らしいですが、子供(特に出来のいい子)を描写するとダメですね。子供らしさのかけらもない出来過ぎの中学生が大量に登場し、警察官だの弁護士だの報道記者だの百戦錬磨の大人たちさえも翻弄するほど高度な思考力と言説を駆使して物語を進めていく2巻は、「ありえない」と苦笑するばかりでちっとも感情移入できませんでした。裁判官役の秀才君など、ありえないを通り越してもはやギャグです。現実社会では中学生だというだけでまともに相手にされなくて当たり前なのに、出てくる大人たちがみんな中坊軍団に一目おいて丁重に扱い、真剣そのもので話を聞き、いや参りましたと脱帽し褒め称えあらゆる協力を惜しまないというようなご都合主義も目に余る。そうでなければ話が進まないのでしょうが、中心となる人物たちが嘘っぽすぎて現実味がまったくないのではシラけてしまいます。読み始めた以上は3巻まで読み通そうと思いますが、かなり意欲をそがれてしまいました。 | ||||
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