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ブラッド・メリディアン
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ブラッド・メリディアンの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.68pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全22件 21~22 2/2ページ
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今のところ翻訳されているマッカーシーの作品は他に5つあるけど、 1.すべての美しい馬、2.越境、3.平原の町、4.ザ・ロード、5.血と暴力の国 この作品はちょっと他の作品と毛色が違うところがあります (評者は1、2、5を読んでます) それは、 ・文章が詩的 「越境」もそうでしたが、「越境」よりさらに詩的です 一つ一つのセンテンスが詩として独立してるような感じです 「血と暴力の国」など会話と独白が多いので通俗小説並みに読みやすかったですが、この本は話を追いづらいので読みづらく感じる人もいるでしょう ・残酷描写が他の作品よりきつい マッカーシーの作品で何をいまさら、と思われるかもしれませんが、他の作品より強烈だと思います インディアン戦争の時代が舞台ですから、描かれているのは個人の暴力を超えた虐殺です ・あと、これは言葉で表現しづらいんですが、この小説は作者の意欲作といった感じです 他のマッカーシーの作品と同じく世界の不条理さがテーマだと思うんですが、この作品には世界の不条理を体現したキャラクター「判事」がいます 他の作品では不条理は特定の形をとっていません 読者は世界の不条理に憤りや戸惑いを感じつつも、それをぶつける相手すらないわけです (「血と暴力の国」のChigurhは判事に近い感じですが、判事ほど怪物じみていません Chigurhは不条理の構成要素の一部ですが、判事は不条理の神に仕える神官といった感じです 両者は似ていますが違います 映画「ノーカントリー」はChigurhの不条理の体現者としての性格を意図的に小説より強調したと思います) もちろん現実には不条理を体現する人間などいません この陰惨な小説に対して変な表現ですが、憤りや戸惑いをぶつける相手の形があるだけ、この小説は「越境」や「血と暴力の国」より希望があるような気がします そこに作者のポジティブな意志を感じます いずれにせよ一読の価値は十分すぎるほどある小説です 縁あってこのページにたどりついた方、ぜひどうぞ | ||||
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本作は奇蹟のような一作品である。 マッカーシーはこれまで国境三部作で我々を驚嘆させ、『血と暴力の国』(扶桑社ミステリー)では嘆息せしめるほどの緻密な世界を構築してきた。そしてマッカーシーの最新作『ザ・ロード』では、父子小説としても捨て難く、かつSF的観点から見ても優れているうえに圧倒的な荒廃した世界の描写を我々に見せてくれた。 ジャンル小説と純文学が最高点でぴったりと重なった傑作こそが『ザ・ロード』であった。我々に強い衝撃を与えてくれたし、マッカーシー作品のなかでも到達点と言えるだろう。『血と暴力の国』だって、圧倒的な読後感の余韻を与えてくれた。ほかでは体験し得ない読書体験だった。 さりとて、マッカーシーのそれは最高傑作ではなかった。本作こそ、最高傑作として恥じることのない作品である。 またしてもマッカーシーにしてやられた。マッカーシーには新しく翻訳される作品ごとに驚かされる。どれもハイ・クオリティであるからだ。まったく下がることなどないし、何度読んでも新しい発見がある。文学としても優れているし、これを読めば、日本の文学など安っぽいものであると痛感するはずである。 マッカーシーこそ、文学史上に名を刻むに相応しい作家である。 また、新作が邦訳されることを祈ろうぜ、ベイビー! おやすみなさい、シュリーヴポート! | ||||
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