月の影 影の海 十二国記

評判

月の影 影の海 十二国記の評価:

4.57/5点 レビュー 221件。 B ランク

Amazon書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点4.57pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全664件 141〜160 8/34ページ
No.524
(5pt)

おもしろい

上は重く暗く読むのがしんどかったですが、下になると一気におもしろくなりスラスラと読めました!凄くおもしろかったです!!
月の影 影の海(下) 十二国記 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 月の影 影の海(下) 十二国記 (新潮文庫)より
4101240531
No.523
(5pt)

おもしろい

上は重く暗く読むのがしんどかったですが、下になると一気におもしろくなりスラスラと読めました!凄くおもしろかったです!!
月の影 影の海(下) (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 月の影 影の海(下) (講談社文庫)より
4062647745
No.522
(5pt)

この上下巻を読んで、濃い内容に、十二国記シリーズ全巻を揃えました♪

十二国記、アニメなどがあるとは全く知らずに、読書好きでただ色んな本を検索していて見つけました。書店でも見かけたので、そこで購入。とりあえずこの上下巻のみを読みました。

異界の麒麟や王、女仙、ましてや女怪や妖魔など、ファンタジー要素満載で、アニメがあった事は納得できました。でも読み進めるとハマり、ファンタジー要素は多いものの、ライトノベルとは思えない濃い内容で、下巻を読み終える頃には、この上下を読んだら十二国記の全てを読みたくなり、シリーズ全巻書店で購入。

まだシリーズを読み続けている最中ですが、冊数の多さや長編が苦にならない方なら、とても先が気になるハマッて読み進められるシリーズだと思います。
「月の影 影の海」から1冊1冊の主人公は変わりますが、全てリンクしていますし、前の主人公・主人公と、後巻にも出てきますし、十二国記の世界に入り込んで読めます。

最初に「月の影 影の海」を、そして十二国記シリーズに出会えて良かったと思います。
まだまだ先の巻も、楽しみに読み進めていきます。
シリーズ全巻読むのがお勧めです。
月の影 影の海(上) (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 月の影 影の海(上) (講談社文庫)より
4062647737
No.521
(5pt)

この上下巻を読んで、濃い内容に、十二国記シリーズ全巻を揃えました♪

十二国記、アニメなどがあるとは全く知らずに、読書好きでただ色んな本を検索していて見つけました。書店でも見かけたので、そこで購入。とりあえずこの上下巻のみを読みました。

異界の麒麟や王、女仙、ましてや女怪や妖魔など、ファンタジー要素満載で、アニメがあった事は納得できました。でも読み進めるとハマり、ファンタジー要素は多いものの、ライトノベルとは思えない濃い内容で、下巻を読み終える頃には、この上下を読んだら十二国記の全てを読みたくなり、シリーズ全巻書店で購入。

まだシリーズを読み続けている最中ですが、冊数の多さや長編が苦にならない方なら、とても先が気になるハマッて読み進められるシリーズだと思います。
「月の影 影の海」から1冊1冊の主人公は変わりますが、全てリンクしていますし、前の主人公・主人公と、後巻にも出てきますし、十二国記の世界に入り込んで読めます。

最初に「月の影 影の海」を、そして十二国記シリーズに出会えて良かったと思います。
まだまだ先の巻も、楽しみに読み進めていきます。
シリーズ全巻読むのがお勧めです。
月の影 影の海(上) 十二国記 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 月の影 影の海(上) 十二国記 (新潮文庫)より
4101240523
No.520
(5pt)

この上下巻を読んで、濃い内容に、十二国記シリーズ全巻を揃えました♪

十二国記、アニメなどがあるとは全く知らずに、読書好きでただ色んな本を検索していて見つけました。書店でも見かけたので、そこで購入。とりあえずこの上下巻のみを読みました。

異界の麒麟や王、女仙、ましてや女怪や妖魔など、ファンタジー要素満載で、アニメがあった事は納得できました。でも読み進めるとハマり、ファンタジー要素は多いものの、ライトノベルとは思えない濃い内容で、下巻を読み終える頃には、この上下を読んだら十二国記の全てを読みたくなり、シリーズ全巻書店で購入。

まだシリーズを読み続けている最中ですが、冊数の多さや長編が苦にならない方なら、とても先が気になるハマッて読み進められるシリーズだと思います。
「月の影 影の海」から1冊1冊の主人公は変わりますが、全てリンクしていますし、前の主人公・主人公と、後巻にも出てきますし、十二国記の世界に入り込んで読めます。

最初に「月の影 影の海」を、そして十二国記シリーズに出会えて良かったと思います。
まだまだ先の巻も、楽しみに読み進めていきます。
シリーズ全巻読むのがお勧めです。
月の影 影の海〈上〉 十二国記 (講談社X文庫―ホワイトハート) Amazon書評・レビュー: 月の影 影の海〈上〉 十二国記 (講談社X文庫―ホワイトハート)より
4062550717
No.519
(3pt)

上下巻合わせたレビューです

普段の生活に、特に不満を抱くこともなく平凡に暮らしていた高校生の陽子は、ある日突然に謎の人物ケイキにさらわれるようにして異世界へ。
たどり着いた世界は、道教を思わせる魑魅魍魎が跋扈し、訳も判らずに追いまわされるが、頼りにできるのは、自分自身と、ケイキに渡された宝剣のみ。
案内役と思われたケイキは異世界への旅の途中、行方知れずとなってしまったのだ。。。

現実世界から異世界へと赴くファンタジーは数多くあるが、本作は「巻き込まれ型」。
嫌な現実から逃避する、というパターンではエンデの「はてしない物語」を思い出すが、陽子は逆に嫌々ながら異世界に行き、いつも現実世界に帰りたいと思っている。
しかし、宝剣の不思議な力により、陽子の居なくなった現実世界を垣間見ることによって、自分が帰りたいと切望する故郷は、彼女自身が信じていた様相とは異なり、人間の醜さを見せつけてくる。
人間は醜いものだ、と陽子が悟ったところで登場する、善良な”半獣”楽俊が面白い。
当初、二足歩行の巨大なネズミとして登場する彼は、髭を振るわせながら分別のあるセリフを言うのだが、想像するだに滑稽だ。
シリーズ名からは、12の国が凌ぎを削りあう物語なのかと思っていたのだが、道教的なベースがあるため、最上位に「天意」があり、自然と安定方向へ向かうように造られた世界設定である。
このような「縛り」を自らを設定した作者が、今後どうような展開を見せてくれるか興味深い。
とは言え、仙人、麒麟、妖魔など、人知を超える存在が登場する物語なので、一端は大団円を迎えたものの、これから何が起こるかはお楽しみというところか。
先日、米国人の書いた、これもやはり道教をベースとした「鳥姫伝」を読んだのだが、道教はファンタジーのベースとして必要な要素を全て持っていることを改めて感じた。
邦人作家によって半端に模倣した西洋風ファンタジーが大量に発表される中で、より身近なところに素材を求めたのは正解だろう。
月の影 影の海(上) 十二国記 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 月の影 影の海(上) 十二国記 (新潮文庫)より
4101240523
No.518
(3pt)

上下巻合わせたレビューです

普段の生活に、特に不満を抱くこともなく平凡に暮らしていた高校生の陽子は、ある日突然に謎の人物ケイキにさらわれるようにして異世界へ。
たどり着いた世界は、道教を思わせる魑魅魍魎が跋扈し、訳も判らずに追いまわされるが、頼りにできるのは、自分自身と、ケイキに渡された宝剣のみ。
案内役と思われたケイキは異世界への旅の途中、行方知れずとなってしまったのだ。。。

現実世界から異世界へと赴くファンタジーは数多くあるが、本作は「巻き込まれ型」。
嫌な現実から逃避する、というパターンではエンデの「はてしない物語」を思い出すが、陽子は逆に嫌々ながら異世界に行き、いつも現実世界に帰りたいと思っている。
しかし、宝剣の不思議な力により、陽子の居なくなった現実世界を垣間見ることによって、自分が帰りたいと切望する故郷は、彼女自身が信じていた様相とは異なり、人間の醜さを見せつけてくる。
人間は醜いものだ、と陽子が悟ったところで登場する、善良な”半獣”楽俊が面白い。
当初、二足歩行の巨大なネズミとして登場する彼は、髭を振るわせながら分別のあるセリフを言うのだが、想像するだに滑稽だ。
シリーズ名からは、12の国が凌ぎを削りあう物語なのかと思っていたのだが、道教的なベースがあるため、最上位に「天意」があり、自然と安定方向へ向かうように造られた世界設定である。
このような「縛り」を自らを設定した作者が、今後どうような展開を見せてくれるか興味深い。
とは言え、仙人、麒麟、妖魔など、人知を超える存在が登場する物語なので、一端は大団円を迎えたものの、これから何が起こるかはお楽しみというところか。
先日、米国人の書いた、これもやはり道教をベースとした「鳥姫伝」を読んだのだが、道教はファンタジーのベースとして必要な要素を全て持っていることを改めて感じた。
邦人作家によって半端に模倣した西洋風ファンタジーが大量に発表される中で、より身近なところに素材を求めたのは正解だろう。
月の影 影の海(上) (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 月の影 影の海(上) (講談社文庫)より
4062647737
No.517
(3pt)

上下巻合わせたレビューです

普段の生活に、特に不満を抱くこともなく平凡に暮らしていた高校生の陽子は、ある日突然に謎の人物ケイキにさらわれるようにして異世界へ。
たどり着いた世界は、道教を思わせる魑魅魍魎が跋扈し、訳も判らずに追いまわされるが、頼りにできるのは、自分自身と、ケイキに渡された宝剣のみ。
案内役と思われたケイキは異世界への旅の途中、行方知れずとなってしまったのだ。。。

現実世界から異世界へと赴くファンタジーは数多くあるが、本作は「巻き込まれ型」。
嫌な現実から逃避する、というパターンではエンデの「はてしない物語」を思い出すが、陽子は逆に嫌々ながら異世界に行き、いつも現実世界に帰りたいと思っている。
しかし、宝剣の不思議な力により、陽子の居なくなった現実世界を垣間見ることによって、自分が帰りたいと切望する故郷は、彼女自身が信じていた様相とは異なり、人間の醜さを見せつけてくる。
人間は醜いものだ、と陽子が悟ったところで登場する、善良な”半獣”楽俊が面白い。
当初、二足歩行の巨大なネズミとして登場する彼は、髭を振るわせながら分別のあるセリフを言うのだが、想像するだに滑稽だ。
シリーズ名からは、12の国が凌ぎを削りあう物語なのかと思っていたのだが、道教的なベースがあるため、最上位に「天意」があり、自然と安定方向へ向かうように造られた世界設定である。
このような「縛り」を自らを設定した作者が、今後どうような展開を見せてくれるか興味深い。
とは言え、仙人、麒麟、妖魔など、人知を超える存在が登場する物語なので、一端は大団円を迎えたものの、これから何が起こるかはお楽しみというところか。
先日、米国人の書いた、これもやはり道教をベースとした「鳥姫伝」を読んだのだが、道教はファンタジーのベースとして必要な要素を全て持っていることを改めて感じた。
邦人作家によって半端に模倣した西洋風ファンタジーが大量に発表される中で、より身近なところに素材を求めたのは正解だろう。
月の影 影の海〈上〉 十二国記 (講談社X文庫―ホワイトハート) Amazon書評・レビュー: 月の影 影の海〈上〉 十二国記 (講談社X文庫―ホワイトハート)より
4062550717
No.516
(4pt)

古い作品でしたが良品でした。

誰かに貸したまま行方知れずになっていました。これで全巻そろいました。楽しく読みました。
月の影 影の海(上) 十二国記 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 月の影 影の海(上) 十二国記 (新潮文庫)より
4101240523
No.515
(4pt)

古い作品でしたが良品でした。

誰かに貸したまま行方知れずになっていました。これで全巻そろいました。楽しく読みました。
月の影 影の海(上) (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 月の影 影の海(上) (講談社文庫)より
4062647737
No.514
(4pt)

古い作品でしたが良品でした。

誰かに貸したまま行方知れずになっていました。これで全巻そろいました。楽しく読みました。
月の影 影の海〈上〉 十二国記 (講談社X文庫―ホワイトハート) Amazon書評・レビュー: 月の影 影の海〈上〉 十二国記 (講談社X文庫―ホワイトハート)より
4062550717
No.513
(2pt)

読んで疲れた

日本人作家のファンタジーが読んでみたくて、評判の良かったこの作品を読んでみました。

感想としては他の方が書いているように、堂々巡りの感じはたしかにあります。

上下巻とも読みましたが、最初と最後以外は延々と妖魔に襲われる過酷な旅が続き、最後の戦いは描写も無く終わり、正直言って次巻を読みだいとは思いませんでした。

苦境の中での精神的な成長が書きたかったのかもしれませんが共感は持てず残念です。
若い人向けかなぁと思います。
月の影 影の海(上) 十二国記 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 月の影 影の海(上) 十二国記 (新潮文庫)より
4101240523
No.512
(2pt)

読んで疲れた

日本人作家のファンタジーが読んでみたくて、評判の良かったこの作品を読んでみました。

感想としては他の方が書いているように、堂々巡りの感じはたしかにあります。

上下巻とも読みましたが、最初と最後以外は延々と妖魔に襲われる過酷な旅が続き、最後の戦いは描写も無く終わり、正直言って次巻を読みだいとは思いませんでした。

苦境の中での精神的な成長が書きたかったのかもしれませんが共感は持てず残念です。
若い人向けかなぁと思います。
月の影 影の海(上) (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 月の影 影の海(上) (講談社文庫)より
4062647737
No.511
(2pt)

読んで疲れた

日本人作家のファンタジーが読んでみたくて、評判の良かったこの作品を読んでみました。

感想としては他の方が書いているように、堂々巡りの感じはたしかにあります。

上下巻とも読みましたが、最初と最後以外は延々と妖魔に襲われる過酷な旅が続き、最後の戦いは描写も無く終わり、正直言って次巻を読みだいとは思いませんでした。

苦境の中での精神的な成長が書きたかったのかもしれませんが共感は持てず残念です。
若い人向けかなぁと思います。
月の影 影の海〈上〉 十二国記 (講談社X文庫―ホワイトハート) Amazon書評・レビュー: 月の影 影の海〈上〉 十二国記 (講談社X文庫―ホワイトハート)より
4062550717
No.510
(5pt)

新作は直木賞 「いまは奇書、あすは名著」

いわば東洋の「指輪物語」、きっと永く読み継がれる名作なので、

新作に直木賞くらいあげておかないと、将来、直木賞選考委員の人たちはきっと恥ずかしい目に合うでしょう。

いまは奇書、あすは名著

食わず嫌いという言葉があります。読書ではさしずめ嫌いなジャンルということでしょう。

若い女性向けのホワイトハート文庫、ましてファンタジーとなればまず本屋で手に取ることはありません。

しかしそれでも是非にと勧める人があり、勧められるままに読み始めた「十二国記」でしたが。

これが美味い、じつに美味い、あらためて食わず嫌いは良くないことだと思い知りました。

本筋の四巻をいっきに読み終わり、ため息ひとつついて、不思議な勧興を覚えました。

レミゼラブルのコゼットの物語のようでもあるし、ブロンテの嵐が丘のようでもある、

いやメルビルの白鯨の味わいでもあり、いや果てはセルバンテスのドン・キホーテの滋味かと。

ともあれ古今の名著が思い浮かぶということは「十二国記」は意外にも大変な傑作なのではないか、と。

「いまは奇書、あすは名著」の例にならうのではないでしょうか。

文学上の特徴

物語は省略しますが、いわゆる貴種流離譚の神話形式をとっています。

神話世界のリアリティを支えているのが中国史「史記」五帝本紀、夏本紀、殷本紀、周本紀あるいは「書経」。

著者小野不由美さんの書誌学の教養は相当なもので、ある執念さえ感じさせます。

東洋史の碩学「内藤湖南」漢字研究の「白川静」の系譜、京都学派につながる人ではないでしょうか。

小説「十二国記」はさしずめ「和漢朗詠集」現代版といえるかもしれません。

大きな特徴は漢字の多用、漢文読み下しの文章にありますが、

その美しさと軽快なリズムから、あらためて日本語見直しの機会になるかもしれません。

それはおそるべき出来事です。

ユング心理学の影響

著者は「あえてモデルといえば若い女性の読者」と語っています。

そのやさしさは、

陽子、祥夐、鈴を通じて若い読者との対話をもっとも大切にしているとのテーマの核心でしょう。

アニメ版では仮面をつけた猿が象徴的に登場します。

もちろん本文でも主人公の心理描写としての猿は出てきます。

アニメ版では少し直接的過ぎますが、

仮面「ペルソナ」と魂「ソウル」の葛藤表現は、ユング心理学を援用しているとの表現でしょう。

そもそも「十二国記」の神話的世界はユングのゆめ世界そのものなのかもしれません。

経験からうまれるリアリズム

若い女性向けのホワイトハート文庫、ましてファンタジー、確かに夢のようなふわふわした話です。

しかし差し込まれている具体的な出来事は深刻な今日的な事件の連続です。

それらは、おそらく著者の具体的な経験に基づくものでしょう。

祥夐、鈴の貧困の苦しさは、著者の困窮生活の実際の経験でしょうし、

陽子の哲学的「意志」の発見は、著者自身の精神的葛藤からの発見でしょう。

著者小野不由美さんは特異な人生経験の自信から、現代に対決しているようにみえます。

経験からうまれるリアリズムの強さが「十二国記」を名作足らしめていると言えるでしょう。

いまいちど、いまは奇書、あすは名著。
月の影 影の海(上) 十二国記 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 月の影 影の海(上) 十二国記 (新潮文庫)より
4101240523
No.509
(5pt)

新作は直木賞 「いまは奇書、あすは名著」

いわば東洋の「指輪物語」、きっと永く読み継がれる名作なので、

新作に直木賞くらいあげておかないと、将来、直木賞選考委員の人たちはきっと恥ずかしい目に合うでしょう。

いまは奇書、あすは名著

食わず嫌いという言葉があります。読書ではさしずめ嫌いなジャンルということでしょう。

若い女性向けのホワイトハート文庫、ましてファンタジーとなればまず本屋で手に取ることはありません。

しかしそれでも是非にと勧める人があり、勧められるままに読み始めた「十二国記」でしたが。

これが美味い、じつに美味い、あらためて食わず嫌いは良くないことだと思い知りました。

本筋の四巻をいっきに読み終わり、ため息ひとつついて、不思議な勧興を覚えました。

レミゼラブルのコゼットの物語のようでもあるし、ブロンテの嵐が丘のようでもある、

いやメルビルの白鯨の味わいでもあり、いや果てはセルバンテスのドン・キホーテの滋味かと。

ともあれ古今の名著が思い浮かぶということは「十二国記」は意外にも大変な傑作なのではないか、と。

「いまは奇書、あすは名著」の例にならうのではないでしょうか。

文学上の特徴

物語は省略しますが、いわゆる貴種流離譚の神話形式をとっています。

神話世界のリアリティを支えているのが中国史「史記」五帝本紀、夏本紀、殷本紀、周本紀あるいは「書経」。

著者小野不由美さんの書誌学の教養は相当なもので、ある執念さえ感じさせます。

東洋史の碩学「内藤湖南」漢字研究の「白川静」の系譜、京都学派につながる人ではないでしょうか。

小説「十二国記」はさしずめ「和漢朗詠集」現代版といえるかもしれません。

大きな特徴は漢字の多用、漢文読み下しの文章にありますが、

その美しさと軽快なリズムから、あらためて日本語見直しの機会になるかもしれません。

それはおそるべき出来事です。

ユング心理学の影響

著者は「あえてモデルといえば若い女性の読者」と語っています。

そのやさしさは、

陽子、祥夐、鈴を通じて若い読者との対話をもっとも大切にしているとのテーマの核心でしょう。

アニメ版では仮面をつけた猿が象徴的に登場します。

もちろん本文でも主人公の心理描写としての猿は出てきます。

アニメ版では少し直接的過ぎますが、

仮面「ペルソナ」と魂「ソウル」の葛藤表現は、ユング心理学を援用しているとの表現でしょう。

そもそも「十二国記」の神話的世界はユングのゆめ世界そのものなのかもしれません。

経験からうまれるリアリズム

若い女性向けのホワイトハート文庫、ましてファンタジー、確かに夢のようなふわふわした話です。

しかし差し込まれている具体的な出来事は深刻な今日的な事件の連続です。

それらは、おそらく著者の具体的な経験に基づくものでしょう。

祥夐、鈴の貧困の苦しさは、著者の困窮生活の実際の経験でしょうし、

陽子の哲学的「意志」の発見は、著者自身の精神的葛藤からの発見でしょう。

著者小野不由美さんは特異な人生経験の自信から、現代に対決しているようにみえます。

経験からうまれるリアリズムの強さが「十二国記」を名作足らしめていると言えるでしょう。

いまいちど、いまは奇書、あすは名著。
月の影 影の海(上) (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 月の影 影の海(上) (講談社文庫)より
4062647737
No.508
(5pt)

新作は直木賞 「いまは奇書、あすは名著」

いわば東洋の「指輪物語」、きっと永く読み継がれる名作なので、

新作に直木賞くらいあげておかないと、将来、直木賞選考委員の人たちはきっと恥ずかしい目に合うでしょう。

いまは奇書、あすは名著

食わず嫌いという言葉があります。読書ではさしずめ嫌いなジャンルということでしょう。

若い女性向けのホワイトハート文庫、ましてファンタジーとなればまず本屋で手に取ることはありません。

しかしそれでも是非にと勧める人があり、勧められるままに読み始めた「十二国記」でしたが。

これが美味い、じつに美味い、あらためて食わず嫌いは良くないことだと思い知りました。

本筋の四巻をいっきに読み終わり、ため息ひとつついて、不思議な勧興を覚えました。

レミゼラブルのコゼットの物語のようでもあるし、ブロンテの嵐が丘のようでもある、

いやメルビルの白鯨の味わいでもあり、いや果てはセルバンテスのドン・キホーテの滋味かと。

ともあれ古今の名著が思い浮かぶということは「十二国記」は意外にも大変な傑作なのではないか、と。

「いまは奇書、あすは名著」の例にならうのではないでしょうか。

文学上の特徴

物語は省略しますが、いわゆる貴種流離譚の神話形式をとっています。

神話世界のリアリティを支えているのが中国史「史記」五帝本紀、夏本紀、殷本紀、周本紀あるいは「書経」。

著者小野不由美さんの書誌学の教養は相当なもので、ある執念さえ感じさせます。

東洋史の碩学「内藤湖南」漢字研究の「白川静」の系譜、京都学派につながる人ではないでしょうか。

小説「十二国記」はさしずめ「和漢朗詠集」現代版といえるかもしれません。

大きな特徴は漢字の多用、漢文読み下しの文章にありますが、

その美しさと軽快なリズムから、あらためて日本語見直しの機会になるかもしれません。

それはおそるべき出来事です。

ユング心理学の影響

著者は「あえてモデルといえば若い女性の読者」と語っています。

そのやさしさは、

陽子、祥夐、鈴を通じて若い読者との対話をもっとも大切にしているとのテーマの核心でしょう。

アニメ版では仮面をつけた猿が象徴的に登場します。

もちろん本文でも主人公の心理描写としての猿は出てきます。

アニメ版では少し直接的過ぎますが、

仮面「ペルソナ」と魂「ソウル」の葛藤表現は、ユング心理学を援用しているとの表現でしょう。

そもそも「十二国記」の神話的世界はユングのゆめ世界そのものなのかもしれません。

経験からうまれるリアリズム

若い女性向けのホワイトハート文庫、ましてファンタジー、確かに夢のようなふわふわした話です。

しかし差し込まれている具体的な出来事は深刻な今日的な事件の連続です。

それらは、おそらく著者の具体的な経験に基づくものでしょう。

祥夐、鈴の貧困の苦しさは、著者の困窮生活の実際の経験でしょうし、

陽子の哲学的「意志」の発見は、著者自身の精神的葛藤からの発見でしょう。

著者小野不由美さんは特異な人生経験の自信から、現代に対決しているようにみえます。

経験からうまれるリアリズムの強さが「十二国記」を名作足らしめていると言えるでしょう。

いまいちど、いまは奇書、あすは名著。
月の影 影の海〈上〉 十二国記 (講談社X文庫―ホワイトハート) Amazon書評・レビュー: 月の影 影の海〈上〉 十二国記 (講談社X文庫―ホワイトハート)より
4062550717
No.507
(5pt)

どんな自分で在りたいのか

高校の図書館にならんでいたものを読んだのが始まりです。
完結して欲しくないけれど、早く続きが読みたいという思いで、20年続刊を待っています。

思い返しても、やはりシリーズ1作目の本作が心に刺さっています。陽子の後悔が弱いわたしの心も抉り、陽子の決意に今のわたしが作られたとも思います。「裏切られてもいいんだー」のくだりが特に沁みます。

どんな自分で在りたいのか、どんな国にするのか。
身近でありながら、これからも対峙し続ける厄介なテーマ。

折を見て再読をする大切な本です。
月の影 影の海(上) 十二国記 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 月の影 影の海(上) 十二国記 (新潮文庫)より
4101240523
No.506
(5pt)

どんな自分で在りたいのか

高校の図書館にならんでいたものを読んだのが始まりです。
完結して欲しくないけれど、早く続きが読みたいという思いで、20年続刊を待っています。

思い返しても、やはりシリーズ1作目の本作が心に刺さっています。陽子の後悔が弱いわたしの心も抉り、陽子の決意に今のわたしが作られたとも思います。「裏切られてもいいんだー」のくだりが特に沁みます。

どんな自分で在りたいのか、どんな国にするのか。
身近でありながら、これからも対峙し続ける厄介なテーマ。

折を見て再読をする大切な本です。
月の影 影の海(上) (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 月の影 影の海(上) (講談社文庫)より
4062647737
No.505
(5pt)

どんな自分で在りたいのか

高校の図書館にならんでいたものを読んだのが始まりです。
完結して欲しくないけれど、早く続きが読みたいという思いで、20年続刊を待っています。

思い返しても、やはりシリーズ1作目の本作が心に刺さっています。陽子の後悔が弱いわたしの心も抉り、陽子の決意に今のわたしが作られたとも思います。「裏切られてもいいんだー」のくだりが特に沁みます。

どんな自分で在りたいのか、どんな国にするのか。
身近でありながら、これからも対峙し続ける厄介なテーマ。

折を見て再読をする大切な本です。
月の影 影の海〈上〉 十二国記 (講談社X文庫―ホワイトハート) Amazon書評・レビュー: 月の影 影の海〈上〉 十二国記 (講談社X文庫―ホワイトハート)より
4062550717