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64(ロクヨン)
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64(ロクヨン)の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.14pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全416件 101~120 6/21ページ
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小説『64』で展開されるのは、事件とその解決を軸とする物語、ではない。 それは主人公の独白(内的発話)で埋め尽くされた特異な世界。 14年前の誘拐事件がひとつの核心。 主人公の一人娘が失踪中で、彼ら両親は、悩みの渦中にある。 主人公は警察官だが、事件を扱う部署ではなく、警察と世間(主としてマスコミ)の間をつなぐ広報官。 設定が、すべて宙づり状態であり、不在を核としている。 物語の展開と、ページを満たしていくのは、主人公の頭の中の発話、内的独白。 それは、下巻になっても変わらない。むしろ上巻の300ページをすぎたあたりで明かされた 刑事部が抱える重大な隠蔽問題が俎上に上がり、さらに男の内的煩悶と焦燥はつのっていく。 通常の推理小説ならば、犯人捜しや事件の解決が物語の根幹となるのだが、 この小説は違う。作者が書きたいのは「組織の中の人間」であり、 彼にとって最重要事項は、「己の職業人としての覚悟」。それを土台としてすべてが築かれるから。 ならば、設定すべて宙づりの中で、真の推進力は、 彼の仕事に対するモチベーションと、仕事仲間(上司と部下)との関係にある。 主人公三上は、刑事職に対する熱意と充実、やりがい、生きがいを、生きている。 広報官としての現在も、刑事に戻るまでのつなぎだと思っていた。 すると彼の現在は、宙に浮いた、実態のないものとなってしまう。 だが、出来事(事件)の編みの中で、究極まで思い悩んだ彼が出した結論は、 広報官としての職務を果たす自分に、うそも偽りもない、ということ。 逆に言えば、今の自分の正体、実態は、そこにしかないことに思い至り、 自分の立ち位置を確認し、確かなものとする。 この小説が真にアクティブなものになるのは、ここから。 読んでいて何度も、思いだしたのは、司馬遼太郎が忍豪小説家と呼ばれていた頃の娯楽作品。 直木賞受賞作となった『梟の城』も、『風神の門』も、最後の決定的な対立が成立しない。 『64』も、そういう類になっている。 疾走した主人公の娘は、あらわれもしないし、安否も明かされない。 刑事部の隠蔽事件も、顛末としては、描き切られてはいない。 第二の模倣誘拐事件に至っては、本当の犯人(事件の主役)は、群衆の中にいて、 物語の中では追求もされないし、逮捕もされない。彼が男に宛てたラストメッセージも、 重要な部分は食いちぎられ、明かされない。 すべての象徴のように、2000万円の現金がドラム缶の中で燃やされ、煙となって立ち上る。 上下巻で700ページを超える小説のすべての背後で鳴り響いていたのは、膨大な量の「無言電話」。 それを成し遂げた男、その行為と男を受けとめた2人の警察官。 怒号が飛び交い、熱量も高いが、活劇ではないアンチ・クライマックス小説の特異な読後感が、 胸の中で消えない。 | ||||
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現在読み始めています。映画前編は先日観ましたが、原作に忠実に作られています。後半を読むのを楽しみにしています。 | ||||
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昭和から平成に変わる時に起きた誘拐事件、警察内部の各部署の思惑と各部内の人との繋がりを巧みに絡ませたストーリー。一つの失敗により事件が長期化したこと、その間の人間の葛藤とそれぞれの立場14年という年月の中に突如もたらされた「幸田メモ」それによってもたらされた新たな局面。時効まで1年という時に警察のトップの被害者方慰問、それによって新たな誘拐事件の発生、唯一犯人の声を聞いた被害者の14年に及ぶ無言電話による犯人探し。新たな誘拐事件を起こした。犯人2人との関わりと自白によらなければ犯人逮捕に至らないという局面が面白かった。犯人検挙で終わるのもいいが、これから先のそれぞれ行方を想像すること、余韻を残したこともいいのかも? | ||||
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映画化したとの事で興味を持ちました。 大抵、原作のほうが面白いですから、まず原作を読もうと。 予備知識なしで読みましたが、全体の2/3はしんどかったです。 ハッキリ言って退屈。 ほぼ警察組織内のパワーゲームの話です。 小さい謎の解明や問題解決が描かれますが、どれも内輪話の範疇。 主人公の「なっ!なんだって~!」って驚愕の気持ちと、 こちらの「それ、どうでもよくね?」って気持ちにズレがある。 こういう人、自分の周囲にもいます。 組織の人間関係の話ばかりしている人。 私はその手の話題に興味がないタイプで、 ましてや余所の会社の人事問題なんてどうでもいいです。 中核となる警察広報とマスコミの攻防も正直どうでも・・・ この話、海外の人が読んで面白いんだろうか? かなりドメスティックな話な気がします。 2/3まで読み進めるまでは「これもしかして警察官向けの小説?」って感じて、 読むのをやめようとすら思いました。 が、後半からは面白くなります。 前半のクソつまらない(あ~言ってしまった)描写の数々も活きてきます。 とにかくそこまでガマンできるかどうか。 面白いのは確かですが、映画館に観に行こうとは思いません。 どう考えても、ほぼ全編がスクリーン映えしなさそうだし、 これで前編と後編の分割公開って・・・ 前編ってほとんどネタ振りにしかなってないでしょ(笑) なので映画館には行きません。 | ||||
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単なる犯罪推理小説かと読み始めましたが、上下巻ともに怒涛の展開。読み始めてから2日間、他の娯楽をすべて脇に投げ打って読書にのめり込みました。 娘の失踪&崩壊しかけた家庭、警察内部の対立構造、中央と地方の軋轢、そして蘇る14年前の未解決誘拐事件。 主人公の三上を取り巻く複雑な状況、次々と登場する人物たち。普通だったらゴチャゴチャと読みづらくなるのですが、筆者の構成力と筆力の高さからか、スッ、スッといった感じで頭の中に情報と状況が入ってきます。 「読者に『今自分は小説を読んでいるんだ』ということを意識させないのが優れた書き手である」という言葉をスティーブン・キング氏の書籍で目にしたことがありますが、「64」は正にそれ。 小説を読んでいるのに、今自分は小説を読んでいるという意識がなく、ページをめくるたびに脳内で映像が次々と構築されていきます。字を読んでいるのに頭の中ではテレビドラマを見ている状態。こういった状態にしてくれる作品に巡り会う機会はなかなかありません。 上下巻でページ数は多いですが中だるみなし。決して明るい話ではなく、不幸の中にちょっとした光が見えたという話ですが久々に本を読んで至福と感じることができました。 ☆5ではとても足りない。 | ||||
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たぶん新聞で推薦されていたので手にした一冊。話はやや長いが、警察の組織がいかに保たれているか、酸いも甘いも承知の上での警察内の「政治的配慮」が描かれている。映画化されると聞いてびっくりでした。 | ||||
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体調を崩したが、寝ていてるのに飽きる程度の軽症だった休日朝8時に読み始め、食事時以外ずっと続けて夜11時前に読了。 ミステリー小説として大変面白かったが、それと同時に、社会人、会社員、中間管理職のノウハウ?を学んでいるような気分がした。 主人公の心証説明が無駄に多すぎるとの評があるようだけれど、パトリシア・コーンウェルの作品を欠かさず読んでる自分にはそう 感じられなかった。というか、物語を追うため必要な文章なのか読み飛ばし(斜め読み)ても大丈夫なのかが比較的分かり易くて読者 に優しい(なんじゃそりゃ)作品だと感じました。 逆に言うと、長い割に意外に無駄な文章が少ないんですよ。足しすぎた文章じゃない。 豊富に肉付けしていって完成した粘土彫刻に、最後にホンの一搔きだけコテで線を入れた。その線の端のバリが多少残っているけれ ど観ている者にはバリと認識できる。でもその最後に入れた線は必要不可欠な線で、、、、みたいな。 | ||||
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刑事ものでこんなに泣かされるとは思わなかった。他の方のレビューにあるように、最初は警察機構の複雑さ登場人物の多さと、心理描写が自分的には少々くどかった(ごめんなさい)のとで苦戦したけど、ほんとに読んでよかった! 警察官の中にはほんとにこんなに一途に正義を貫く人っているの?って思ってしまう今日この頃ですが、お薦めの一冊です。 | ||||
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評価の高さから「ど~せ読めばそれなりに面白いんでしょ」と思いつつ、しかし警察小説ということで身構えてしまい、未読であった。そして今更ながら読んだのだが・・・・ なんていうかすいません、いやはや参りました。もうこれ「面白い小説」を通り越し、「物凄い小説」です。ハンパないっす。 この小説を一言で言い表すなら、言葉の使い方が合っているか怪しいが、「重厚」が当てはまると思う。ストーリーが重厚、横山節全開の文章が重厚、そもそも単行本自体が本当に重厚。ここまで密度が濃い小説だと頭がクラクラしそうだが、文章がこの手の堅苦しい小説にしては相当読みやすく、何より先の展開が気になってどんどん読み進めてしまう。特に終盤の展開はスピード感もあり、読んでいて本当に心臓がドキドキした。この物語は終着点はどこなのか、本当に予想がつかない。 読み終えた後、しばらくボーッと宙を眺めていた自分がいた。「今自分は物凄い小説を読み終えた」という満足感、充実感で満たされたからだ。こういう経験、人生でどれだけできるものか。少なくとも自分にとって、そういう経験ができた一生忘れられない小説となった。 「気になるけど、警察小説という堅いイメージ、本の厚さが原因で読んでないんだよな~」という人は、速攻で読むべき。 | ||||
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上巻は、かなりまどろこしい感じと、くり返しの説明が繰り返され、ちょっと飽きる感がありますが、下巻に入ると、いきなり急展開となります。 上巻を読むのに1週間かかっていたのですが、下巻はわずか2日で読破。 上巻で諦めた方、我慢して下巻に突入して下さい。 ベストセラーになつた理由が、判ります。 | ||||
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自分的にはおもしろ過ぎでした。読み終えてからすぐに横山秀夫の他の作品を買い、この作品を含め2、3回目を読み返しています。 | ||||
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64年の殺人事件とそのリメイクのような誘拐事件、その謎解きとサスペンスに 加えて警察内でのイデオロギーのぶつかり合い、騙し合い。 企業人である私はまるで本社と現場のようだとつい置き換えて読んでいました。 どちらも大きな主題であり、その2つが見事に両立している。 登場人物が心象風景を語るくだりとやや説明が多いかもしれないが、これだけ 複雑な構成だとそれもやむなしだと思ったし、むしろその構成力の凄さに感嘆し ました。 そんな面倒くさいところがあっても一気に読ませる筆力はたいしたもの。 久しぶりに夜を徹して読破してしまいました。 | ||||
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小説「64」を上下巻に分けたうちの下巻。 物語におけるキリの良い所で分けているため、下巻の方が少し分厚い。物理的に。 上巻に続き、読みごたえがすごい。気軽に読むというより、じっくり読んでいった方が良い作品。 この作品の結末は最後の最後まで読んでいて分からない。読んでいて「あれ?これ結末は闇の中みたいなオチなのかな…?」みたいな読んでいてこっちが不安になるくらいであった。 しかし物語の最後で結末が一気に動き出し、スッキリの読後感もある。 読書好きの方は上下巻合わせて読むことをおすすめします。 ただ、主人公三上の娘に関しては一切棚上げで解決していないのは、個人的に少し違和感は残るが…。 | ||||
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主人公は元刑事で今は県警の広報官をやっている。 物語は昭和64年に起きたある誘拐事件を軸に話が進んでいく。 そのうち記者クラブや、主人公の子供の失踪、上層部の思惑など、様々なものが絡んでくる・・・。 前半は物語の根幹をつかむのに若干苦労する。 読みごたえのある作品である反面、気軽に読めるものではない。 文庫版でかつ上下巻に分かれているので、外出先や電車内では読みやすい。 ただ、内容がかなり複雑&重いので、スキマ時間に読むのはあまり適さないかもしれない。 そういう意味では上下巻に分けて持ち運びに便利!という利点はあまり意味を成さないかもしれない。 作品の内容に関しては、普通に満足するものだった。 ただ、上巻なので途中で話は終わっており、まだ何とも言えないが・・・。 ジャンル的には警察小説+ミステリーなのだろうか・・・? どちらかが好きという方でも楽しめるのではないだろうか・。 | ||||
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映画化されるというので、読んでみた。 凄い!凄まじい! 横山秀夫氏の書く言葉、文章がすばらしい。 完全に主人公と同化した。 この作品が、どう映画化されるのか? 映画を見る前に、横山秀夫氏の文章を堪能すべきだ。 | ||||
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初めて、横山秀夫著の小説を読みました。 文庫で上下巻が出てる中、太い単行本です。 約650ページあり、前半の半分と、最後の100ページが全てでした。 64のタイトルになった事件の捜査に読み入り、ライバルの刑事や組織との確執(これは飽きてきたが)、新たな事件発生と、その結末!他の本も読んでみたくなる非常に興味深い本でした。 ありがとうございました。 | ||||
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ほんとに引き込まれる展開、すぐ下巻を購入読んだよ~ 作者の意図にまんまとはまった! | ||||
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続編の単行本化・・・KINDLE化を早くしてください~! でないとストーリー忘れてしまう~ | ||||
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隠蔽工作と言えば、政財界に病院、そして警察 この小説は警察という組織内での様々な人間ドラマを、主人公・三上広報官の目線で描いている。 警察vs警察(都市vs地方、事務方vs現場、上司vs部下)、警察vs被害者、警察vs犯人、警察vsマスコミ 作者が記者・フリーライター出身であることから、vsマスコミの互いの緊張感や主人公の動きを中心とした描写は、 映像がなくても目に浮かぶほどの臨場感が伝わってくる。 三上の自分への問いかけなど、表現が細かくちょっとクドイ様にも感じられるが、それがまた人間くささを感じる。 広報官としての葛藤、家庭内でのトラブルも同時に抱え、読んでいる方も一緒に疲弊してしまうほどだ。 上巻は、事件の概要から重要キーワードを巡って東奔西走する様子を中心に進められる。 下巻に入ると、食い入るようにページをめくってしまう。 読者でありながら自分自身の立場をも同時に考えされられるようで、中高年にはわが身に沁み入る一冊だと思う。 | ||||
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隠蔽工作と言えば、政財界に病院、そして警察 この小説は警察という組織内での様々な人間ドラマを、主人公・三上広報官の目線で描いている。 警察vs警察(都市vs地方、事務方vs現場、上司vs部下)、警察vs被害者、警察vs犯人、警察vsマスコミ 作者が記者・フリーライター出身であることから、vsマスコミの互いの緊張感や主人公の動きを中心とした描写は、 映像がなくても目に浮かぶほどの臨場感が伝わってくる。 三上の自分への問いかけなど、表現が細かくちょっとクドイ様にも感じられるが、それがまた人間くささを感じる。 広報官としての葛藤、家庭内でのトラブルも同時に抱え、読んでいる方も一緒に疲弊してしまうほどだ。 上巻は、事件の概要から重要キーワードを巡って東奔西走する様子を中心に進められる。 下巻に入ると、食い入るようにページをめくってしまう。 読者でありながら自分自身の立場をも同時に考えされられるようで、中高年にはわが身に沁み入る一冊だと思う。 ドラマ化の主役が、ピエール瀧であったのは、失礼ながら納得できるが、 映画化の主役が、佐藤浩市では原作の設定に沿っていないのでは?と思った。 警察のカオ(広報官)としての立場と共に、自身のカオでも悩んでいるから、 佐藤浩市では、カッコ良すぎやしないですか? | ||||
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