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64(ロクヨン)
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64(ロクヨン)の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.14pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全416件 381~400 20/21ページ
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待っていた新刊、さすが横山秀夫作品.帯にうたってる通り究極の警察小説の完成・・・、一気に読みました。 つぎは、映画化かテレビドラマでまた今度は目と耳で楽しめるのを期待してます。 | ||||
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もう書かないのではないか。書けないのではないか。七年間待ちに待った待望の新作は、そんなファンの心配を覆す起死回生の大長編、大傑作となった。 昭和64年にD県で発生した幼女誘拐殺人事件。「64(ロクヨン)」と呼ばれるその未解決事件を軸に物語は進行する。当時刑事部にいた主人公三上義信は警務部に移り、三ヶ月前に失踪した愛娘あゆみへの想いに翻弄されながら、マスコミへの対応に追われていた。そんな折、本庁からのD県警視察の報が警務部を揺さぶる。時効を控えた64事件の風化に歯止めをかけるという建前とは裏腹に、しかし三上と同期の二渡調査官の動向が何やら慌しい。幸田メモとは何なのか。やがて三上は64事件にある重大な隠蔽があったことを突き止め、さらに今回の視察の目的が刑事部トップへのキャリア導入を目論んだ「召し上げ」であることを知る。刑事と警務の二つの顔を持つ三上は葛藤に苦しむが、視察前日に起こった大事件が全てを粉砕する。64を模した少女誘拐事件。十四年経った今、なぜこのタイミングで? 被害者は無事なのか? 犯人の目的は? そして64との関係は? 複雑な心理や人間関係を簡潔に表現する濃密な比喩も、警察官同士の臨場感あふれる切迫した対話も健在である。物語の面白さもさることながら、久しぶりに味わう横山節に酔いしれ、それこそ嘗めるように読む時間は至福のひとときだ。千五百枚近い長編だが、途中で飽きることが全くない。読むのを中断することの方がむしろ苦痛なくらいである。といって早く読み終えるのも勿体無い……。 短編は文句のつけようがないが長編は――と正直思っていたが、今回の大長編でそのような不満は霧散した。横山秀夫復活。それを読者に知らしめてあまりあるこの新作は、後々まで語り継がれる横山秀夫屈指の名作となろう。 | ||||
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内容は面白くて、満足感はあります。 ただ、細部どころで、ストーリーを運ぶために都合が良すぎる部分も若干あるように思いました。 作者は元記者であり、本小説でも警察やそれを取り巻くマスコミにおける組織的人間模様と葛藤を、持て余すところなく描き切っています。 それが横山作品の強味でもあるのですが、本小説は特に鼻につきました。 登場人物の思考やそれに至る背景を、作者が得意気に説明しまくっている感じで、読者が参加する余地がありません。 警察小説を初めて読む人にはいいのでしょうが、ある程度土地勘のある人は、お仕着せがましく感じるのではないでしょうか。 ノンフィクションならいいのでしょうが、小説ですから、行間を楽しみたいものです。 | ||||
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読み出したらきりが無くいかといつて一期に読み切るにはページがおおすぎて 久し振りに読んだと感じがしました。 | ||||
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組織と個人、官僚と現場 上司と部下 親と子 圧倒的なリアリティで書き出しその問題を突きつけます。 そこへ奇想天外な驚きのミステリーを盛り込んでも まったく不整合がおきない、その力にただただ関心しました。 | ||||
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横山秀夫の新刊は2005年7月発行の「震度0」以降パッタリと止まってしまっており、私はずっと、横山秀夫は何らかの事情で断筆してしまったのではないかと心配していたのだが、ようやく新刊が発行されたようだ。本書は、「別冊文藝春秋」251号から263号までに掲載された作品とのことであり、263号は今から6年以上も前の2006年4月に発行済のものなのだが、全面改稿とあるので、今現在も執筆活動は継続していると思っていいのだろう。横山秀夫のファンとしては、嬉しい限りだ。 さて、その本書だが、率直にいって、ラストまでは、色々と思うところもある作品ではあった。まず、本書は、少女誘拐殺人事件を扱った作品なのだが、「震度0」の阪神大震災ほどではないにしても、少女誘拐殺人事件は従で、警察の体質や組織間抗争を描くことが主になっているのだ。しかし、所詮は部外者に過ぎない読者にとって、どうでもいいような警察の不毛かつ度を越した組織間抗争を、ほどほどならともかく、事件に絡めて終盤まで延々と描かれても、正直いって、うんざりしてしまうところがある。また、マスコミが、報道の自由という錦の御旗のもと、歪んだ特権意識を持った傲慢で独善的な人種であることは私も日頃から感じているのだが、それにしても、幾ら何でも、ここまではやらないだろうというような極端な場面まで見せられると、共感を感じるよりも引いてしまう。 主人公三上が醜男であることに起因する彼の家族問題を描いたサブ・ストーリーも、特に年頃の女性にとっては、自分の容姿の美醜が切実な問題であることは事実だとしても、もっとましな理由付けが出来なかったのだろうかと思ってしまう。よりによって、そんなことを起因とした家族問題を大問題に発展させられても、「醜い」、「こんな顔」などと書かれれば書かれるほどこの作品の品位が落ちてしまうような気持ちにさせられて、興醒めしてしまうのだ。 終盤の新たな展開も、筆者の巧妙なミス・リードも相俟って、「長いブランクもあり、横山秀夫の腕も落ちたか?」と思わせる程度のものにしか見えなかったのだが、ラストの真相は、読者の想定範囲の遥か上を行って、それまでの全てを鮮やかに収斂させており、「横山秀夫の腕は健在だった!」と感嘆させられる素晴らしいものだった。ただ、この素晴らしいラストだけで、必ずしもそれまでの評価が根本的に覆るというものでもなく、やはり、特に、序盤から終盤まで、しばしば退屈を感じてしまうような冗長なところがあったことも、消すことの出来ない事実ではあったと思う。ラストまでが、もっとテンポ良く引き締まったものであれば最高評価を与えられたのにと、今一つ惜しまれるところのある作品だった。 | ||||
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二つの話が混在しているように感じました。 1.警察広報官を主人公とした警察小説 2.昭和64年に起きた未解決誘拐事件を題材としたミステリー 社会派小説としても読みごたえのある作品でしたし、ミステリーとしても秀逸でした。 が、しかし、これら二つは別々の話として書かれていた方がよかった気がします。 私は、ただ単純に、後者の話、ミステリー作品を読みたかった・・・と思うのです。 | ||||
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私が警察小説を好きになったきっかけが横山作品です。 そして、この「64」も帯の文句以上におもしろい作品でした。 いったい、どこに落ちがあるんだろう? 結果的に主人公の味方になるのは誰なんだろう? そんな風に考えながら読み進めていくうちにあっという間に結末でした。 横山作品に登場する人物は正真正銘の悪党というのがでてこない気がします。 一方からみると確かに「悪い」のだけれど、 反面からみるとそうではなかったりする。 そして、その人物が「悪」になる事情が想像できるように書かれています。 どこかに救いがある、、、、 この作品も今までの横山作品と同じくそんな作品となっています。 間違いなしの五つ星★でした! | ||||
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《五十八万世帯、百十二万人……。朝刊で目にした人口動態調査の数字が頭に残っていた。その(D)県人口の三分の一近い人間が、ここD市に住むか勤めるかしている。難産の末に隣接市町村と合併を果たし、地方版一極集中が加速したが、真っ先に行うはずだった公共交通機関の整備はいまだ手つかずだ。》 冒頭の舞台説明にすぎぬ文章だが、じつはこれが本小説の最奥にうめこまれたトリックの、枢要な一部をになっていたのだと、あらためて驚愕を新たにする。 昭和六十四年は七日間で幕を閉じ、一月八日からは平成となった。時代の間隙であるこの昭和六十四年に起きた未解決の誘拐殺人事件=64が、いままさに時効をむかえんとする平成十四年末、それが今の時制だ。交通環境がしめすように人の動向は停滞したままだが、この間なにより変貌したもの、それが携帯電話の普及であろう。この小説は、ハイテクがすすむ平成十四年を、あくまでも昭和元号の七十七年と化そうとする、時代を超えた妄執の物語といえるだろう。携帯電話ではなく、有線の固定電話、公衆電話で。携帯は遅れてその謎を解き明かすだけ。 D県警広報官三上は、反目する新聞記者に交通事故死の老人の孤独な人生を公表する。 《「店主の話によると、事故当日の銘川は上機嫌だった。数日前買い物から戻ると留守電のランプが点滅していたのだという。メッセージは何も吹き込まれていなかった。最近は……電話が鳴ることはめったになかった。古い電話なので発信元はわからない。誰かなあ? 誰だろう? さかんに首を傾げていた。その様子がいつになく嬉しそうだった。……北海道県警に照会したところ……遺骨の取引を拒否」》 本書の四百三十一ページ、これじたい感動的ないちクライマックスといっていい場面だが、とどうじに、さきにのべた秘された驚くべきトリックの、これまた一端ともなっているのだ。かような、のちに意味の一変する細部の連携仕込みぶりにはまったく嘆息するしかない。 無言電話というラインにはあらゆる思いがやどりうる。悪戯、邪悪だけではない。困惑、懇願そして慰安、希望もあろう。だが小説のトリックが告げるそれは、万感を発しつつ、かつ圧倒する。匿名無数の万感(「二十万通り」といえるかもしれない)のさざ波をおこしつつ、狂気と一体の妄執を一気に浮上、突出させるのだ。さあ残りはまだ二百ページ、この怒涛の、地と図が反転してゆく瞠目の展開は、もう語るまい、読むしかない(かつて全盛の連城三紀彦を思いだした。横山は彼に比肩したトリックメイカーだとあらためて思う)。 このトリックは、横山秀夫の七年ぶりの新作上梓、いわば七年間の無言を秘した渾身の一作と対応している。作中の酷使された「黒ずんだ指先」は、パソコンキーを叩く横山のものでもあろう。 当初は都内某区図書館で借りようと思っていたが、所蔵四冊にたいし予約数は百五十をこえていた。いまはもっと増えているだろう。読みおえたこのわが一冊は、図書館へ寄贈するつもりだ。日ごろお世話になっているいわば浄財だ。多くの人の眼にこの一冊がふれ、多くの耳にこの「無言」の想いが届きますように、と他人事ながらそう思う。日本推理小説史に残る傑作と、蛇足ながら記しておこう。 最後に主要な脇役D県警捜査一課長松岡警視のしびれる執念の一言。だからこそ、かれはいちはやく無言電話の謎を解きえたのだ。 《「俺はな、初めて会う人間すべてに目で問いかけることにしている。お前はロクヨンのホシか?」》 | ||||
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文章の一つ一つが、芸術作品です 登場人物の、生身の感情がむき出しになって、ぐいぐい迫り、横山ワールドから逃げられないという感じ めったに読めない、すごい本を読んでいるというワクワク感が、仕事へ向かう車の中でも続き、この高揚感は「24シリーズ」を観ていたときの感じに似ているなあと興奮しています 直木賞では足りない!(横山秀夫さんも、いらないと宣言しているらしいですが…) 横山秀夫賞を設立するしか、この本に値するものはない 「64」という題名の響きが、恐ろしく、身震いするほどです | ||||
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真実と真実の間に虚構をはさみ、作品にリアリティーを持たせる。 タイムリミットを設定することにより、緊張感を加味する。 「ミステリーの書き方」という書物の中で、「動機」を題材にし、横山さんはこのようなことを書かれていました。64はまさにこのテクニックを駆使した傑作です。警務部、刑事部、新聞記者に関する圧倒的な蘊蓄と蘊蓄にサンドされた虚構は真実味を帯び、荒唐無稽のはずの事件の数々は読者をも切迫させていきます。タイムリミットは警察庁長官の視察日であり、その設定ゆえにページを繰る手が止まりませんでした。 横山さんの傑作は「第三の時効」辺りの短編だ、と思っていたのですが、この64にはやられました。5年、いや10年に1度巡り会えるかどうかの快作といっても過言ではありません。本を読んで泣きそうになったことは皆無なのに、中盤の広報官と記者のやりとり、終盤の三上と美那子の会話に目頭が熱くなりました。読後、さて次は何を読もうかと思ったのですが、余韻がすさまじく、立て続けに2回読み、まだ他の小説に食指が動きません。三上、美那子、松岡一課長がD県の中に住んでいそうな気がします。文庫化されたら、加筆、訂正箇所を探しながら再読します。その前に3回目行きます。 | ||||
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『クライマーズハイ』で虜になって、横山秀夫さんの作品は全部読んでいます。 「横山秀夫、なんか体壊してるんだって・・・」初めてその情報を聞いたときのショックは今でもよく覚えています。 久しぶりの新刊、それも長編大作。 勝手に身内に感じるような「大丈夫だろうか」などという小さな不安を見事に払拭してくれました。 どの作品も面白く大好きですが、自分の中のナンバーワンである『クライマーズハイ』を超える作品となりました。 現在は育児中なものですから、本を読める時間は子供が寝た後だけ。 添い寝しながら薄明かりで夢中で読んでいました。 読み始めると時間が経つのが恐ろしく早く、気付けば夜が明けて慌てて本を閉じる日が続きました。 寝不足が続き、風邪をひき熱まで出してしまいましたが、読書タイムが楽しみで楽しみで 読み終えてしまった今、幸福感と、終わってしまったという少々のさびしさがあります。 D県警シリーズを読み直し余韻にできるだけ浸ろうと思います。 途中でアマゾンのレビューはどうかなと思い、「全レビュー最高の☆5つ」というのだけ確認し、 読み終えてから皆さんのレビューを読んで頷きながら共感しました。 皆さんがおっしゃるよう本当に傑作です。 怒涛の展開、いくつものドラマ、横山秀夫独特の人間臭い切なさでいつも涙が出ます。 横山秀夫先生には、すばらしい傑作をありがとうございましたとお礼とともに、 しばらく体を休めてお体ご自愛してほしいです。 | ||||
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人物の存在感がすごい。 紙上から生身の人間が苦悶し、怒号し、むせいでいるかのような圧倒的存在感である。 モノには魂が宿るというが、この本に出てくる登場人物たちは、現実世界の人間達より生々しく、魂を有している。三上広報官が、銘川老人の「事実関係」を記者たちに読み上げる場面は、不覚にも涙が出た。横山氏はお涙頂戴よろしく感動を誘う気などさらさら無い。小説で涙するなど何らかの意図ある誇張であり嘘だと思っていた。しかし、胸に来るのはそこに圧倒的な臨場感のある生身の人間の生の葛藤があるからである。 雨宮の執念、幸田の弱さと侠気。全ての伏線が明らかになる瞬間の驚愕。 読み終えた時、もう一度最初のページの電話ボックスの絵を眺めてみる。 その風景は、最初と全く違って見えるはずだ。 本物の小説をありがとうございました。 | ||||
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いま読み終わって、本当に幸せな読後感を味わっている。ものすごく血湧き、肉踊るというテンションのストーリーではない。グッと泣かせるわけではない。ただただ、そこに人間がいるだけである。それがなぜか心にしみる。途中、読みづらい部分もある。それは自分では気づかない心の不安を見せられているせいだ。著者がどれだけの時間と才能を費やしたか、想像するだけで、ただただ感謝、ありがたい気持ちでいっぱいとなる。次回作、、、といっても、そんなに多作な作家ではないので、また数年待つのかもしれない。であればこそ、我々読者は、中古や文庫で買わず、ぜひこの本を買っていきましょうよ!それが著者が次回作に集中してとりくめる環境作りに貢献できるのであれば。 | ||||
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他のレビューが軒並み★5をつけてるのでわかるとおり、最高傑作と呼んでも差し支えない内容でした。 主人公はD県警の広報官。日ごろ地元のマスコミたちを相手にしているが、元々刑事で、いつか刑事に戻りたいと願っている。 そんな主人公がキャリアの上司や、マスコミや、刑事たちといろんな形で戦い、共闘し、大きな事件のうねりに巻き込まれていく、そんな小説です。 他の作家の警察小説との大きな差は人物造形の深さでしょうか。多くの脇役が登場するので、そんなに説明に文字数を使っていないにもかかわらず、彼らのすごさを簡潔に表現してます。今回も参事官の松岡など魅力的な脇役がでてきます。 また、リアリティのある小ねたも読み応えあります。本作ではトイレでお目当ての人物を待ち伏せするエピソードがそれにあたるのですが。 伏線もほんとに緻密で、最後にあっといわされる真相が待っています。 とにかく睡眠時間を削って読みふけてしまい、翌日の出社時も電車の中で寝ずに読み、仕事の昼休みも読み、といった感じでした。 本当にこの本に出合えてよかったと思っています。 | ||||
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7年ぶりの新作ということで自ずと期待値が上がり、正直読むのが怖い気持ちもありましたが、そんな心配は全く無用。 横山秀夫完全復活!と言える作品だと思います。 登場人物一人ひとりを多彩な表現でこれでもかこれでもか!というぐらいに掘り下げていきながら、最後は綿密に練られた登場人物間のつながりで あっ!と言わせる所はさすがの一言に尽きます。 次作が7年後にならないことを祈ります(笑) | ||||
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待ちに待った横山さんの長編小説。 一字一句かみしめて読ませて頂きました!! 家庭のあり方、階級社会・組織社会の不条理、 一人の男として、父親として、組織人として どのように関わり生きていくのか?一人の人 間としての生き様、自分の人生のあり方、い ろいろな事を思い読み進めました。 私の中では、美那子が言ったひとこと・・・ 「小さな世界なら守れると思った」に涙!涙! どうしても大きさを気にしてしまうが、家庭、 会社など小さなコミュニティーの集まりで社会 が成り立っていると考えると、小さな世界が守 れない(言葉をかえれば小さな世界すら大切に、 真摯に向き会うことが出来ていない)事は非常 に寂しい事なのかな?と感じました。 言葉では簡単だが、真摯に向かい合う事は・・・ ん==、本当に俺に出来るのか??? | ||||
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読みはじめたとたんに密度の濃さを感じる。とば口にしては濃すぎないか? この7年間、同ジャンルの別の作家のものを読みすぎたせいかもしれないと 思った。 ところが、密度の濃さに慣れたと気づいたときには、もう横山ワールドにいた。 あっという間に連れ去られていた。流れるストーリーにぐいぐい引っ張られて、 読んでいるという意識すら忘れていたのだった。 今回、登場人物は多いが、まるで以前から知っているような錯覚を覚えるほど、 彼らの思いが手に取るように伝わってくる。対立する立場や考えでありながら、 どちらの言い分にもリアリティという筋が通っている。だからこそ、彼らが 織り成すドラマが、絵空事でも他人事でもなく、わが身に降りかかったことと 感じられた。 作家の想像力(創造力)を思い知らされる作品である。なにもないところから 現実以上のリアリティを紡ぎ出すとはこういうことかとあらためて驚かされる。 読了した充足感のなかには、至福の時間が終わってしまったことへの寂しさが つきまとう。旅は準備しているときからすでに始まっているとよく言われるが、 ならば、横山さんの次の作品を待ちわびることも、再びやってくる至福の時間 を夢想し、心が浮き立つのを感じる、幸せな準備段階ではないかと思う。 どうか体調に留意されて、ご自身の納得する作品を書き上げていただきたいと 心から思う。ファンはあなたの小説を何年でも必ず待っているのだから。 | ||||
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待ちに待った新刊です。早く読みたいでも読むのがもったいないと悩んでいたのに、 読み始めたら止まらなくなって一気読みでした。 横山秀夫が描く組織の中での生き方や、男たちの様子、そこに絡んでくる いろんなしがらみ、すべてがリアルでミステリーというよりも 人間ドラマとして興味深く読んでしまいます。 もちろん物語がどう転がって行くのか、ハラハラしながら読み進めて行く醍醐味は健在。 細やかに張られた伏線が最後にギューッとひとつに束ねられて行く構成はまさに名人です。 最近、ただ過激であればいいとか、いたずらに人が殺されるとか、単なる驚かしのミステリーが すっかり多くなって、あとはあまーいファンタジーが入ったものとかで、 あまりしっくりくる作品には出会えませんでした。 だからこそ横山氏の新刊はありがたかった。読み始めると本を置けなくなるのでそこは要注意ですけれども。 今後もどんどん新作を出していただきたいです。読者は待っています。 | ||||
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全約640ページのうち500ページを過ぎても警務部広広報官と各紙記者の攻防とその背景の刑事部警務部の組織間争いが物語の中心でしたので、「本当にこれが数年間の沈黙を薮lつて著者が書きたかったことなのか?こんな組織内の諍いなんか実社会で嫌というほど見てるのでたくさんやで」と失望しかけていたところ、このamazonでの皆さんの高評価を信じて読み進めたところ残り100ページで見事に裏切られました!子供を誘拐された親の情念の凄まじさ、捜査を指揮する松岡参事官のかっこよさ、痺れました 久しぶりに 大満足です | ||||
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