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影法師
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影法師の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.39pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全394件 101~120 6/20ページ
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作中で、主人公・戸田勘一とその無二の友・磯貝彦四郎が「刎頸(ふんけい)の契り」を交わす場面があります。 「刎頸」とは「互いのためには、頸(首)を刎(は)ねられたとしても後悔しない」程の覚悟を持った仲を意味する言葉だそうですね。 漢文から取られてはいますが、これは私たち日本人にこそ当てはまるものではないかと個人的に考えています。 昨年、百田尚樹さんの「日本国紀」を拝読させて頂く機会がありました。 その「国紀」の中で、時として「家族」や「友」を己よりも上位に置く価値観、そして「大義」のためには己を顧みない人生観が、祖国の歴史の随所に描かれていると感じました。 七世紀の「白村江の戦い」で捕虜となった大伴部博麻は、自らを奴隷として売った金で同じく捕虜となっていた遣唐使を帰国させ、日本に侵略の脅威を与えていた唐の情勢を朝廷に報告させたそうです。 その祖国を思う心に感謝した持統天皇から贈られた勅語の中に、初めて「愛国」という言葉が記されていたと伝えられています。 十三世紀に起こった「文永の役」「弘安の役」という二度に渡る蒙古襲来を撃退した鎌倉幕府の執権・北条時宗は日本史に残る英雄の一人だと思いますが、その勝利は、父祖から受け継いだ土地は命を懸けて守り抜くという「一所懸命」の志を持った数多くの武士たちの勇戦無くしては決して得られないものでした。 先の大戦の最中、一部の人々が「捨て石にした」と言う沖縄において、約二千機もの特攻機や大和を含む最後の連合艦隊が出撃し、県内出身の二万八千人以上の兵士と共に約六万六千人の県外出身の兵士がその尊い命を沖縄防衛に捧げられています。 日本人は「決して沖縄を捨て石にはしていない」、私もそう思います。 後世では知ることの出来ない無名の、無数の方々の尽力があったればこそ、今日の私たちの繁栄があるのだと思います。 その意味で、「国紀」を読んだ後でこの物語に接する事が出来たのは大変幸運でした。 主人公を陰ながら支える無二の友一人にそうした日本人の生き様が集約されているが故に、この物語に不自然さを感じる部分が無いとは言えません。 しかしながら、作中で描かれている磯貝彦四郎の「大義」を通じて、日本人総体に係わる、より大きな物語を読み取らせて頂くことが出来る、その事が感動を更に深めていると感じます。 そして、この国が数多くの彦四郎、即ち「影法師」によって支えられてきた事に、改めて感謝したい。 未読の方には是非読んで頂きたい名作です! | ||||
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とても同じ作家が書いたとは思えないような様々なジャンルの作品を発表される百田さん。 そうした一連の作品群の中でも、本作は「永遠の0」のテーマにも通底するような、人間の心が持つ究極的なまでに美しい部分を描き出した素晴らしい著作であると思いました。 主要登場人物たちの自己犠牲の精神・・・この極めて日本人的な美徳には、本当に感性を刺激され、心を揺さぶられます。 物語は、冒頭近くからいきなりクライマックスを迎えます。 幼子を残して理不尽なる非業の死を遂げる愛多き父の姿に、何とも言いようのない悲しみや怒りで胸がえぐられるような気持ちにさせられます。 そしてその後は矢継ぎ早に物語は展開していき、感動のラストシーンを迎えるまで、全篇一気に読み切らせてしまいます。 この、人の心を感動させつつも面白いストーリーを紡ぎ出していくという手法は、まさしく著者ならではの持ち味であり、あらためて氏が生み出す物語の真骨頂を見た思いがしました。 具体的な内容について少し言及させて頂くと(この辺りからの文章にはネタバレが含まれてきますので、本書未読の方は読まれない方が良いと思います)、この物語の圧倒的キーパーソンはやはりみねの存在だと思いました。 その意味でも、補足的に付けられた巻末の「袋とじ」は極めて有意義なものであったと、個人的には思っています。 勘一の夢、それに心動かされた彦四朗、そんな二人に心の底から愛されていたみね。・・・ この時に生じた何とも言えぬ微妙な心の動きが、本当に切なくて、胸が張り裂けそうな気持にさせられます。 恐らく彦四朗は、理不尽な身分制度の存在や百姓一揆後の後始末なんかを体験した上で、自分とは全く異なる視点での世直しを考え出した勘一との絆の中に、友情以上の価値を見出したのでしょう。 この時、彼は一生をこの男のために捧げることを決意したのだと思います。 そしてみねは・・・ 自分のところでしがない下女として一生を終えるよりも、心から尊崇する男の下で、彼のことを支えつつ女としての幸せを掴み取って欲しい。 自身の彼女に対する愛をその身に噛みしめつつも、彦四朗は二人のことを思い、自らを犠牲にしたのです。 そんな彦四朗の思いを知っていたのかどうなのか。・・・ みね自身は愛する男の心の底から出た言葉と、自身の置かれた避けられぬ環境の故に、勘一の妻となったのでした。 彼女にとってこの婚儀は、彦四朗への愛ゆえのものであったとも言えるでしょう。 そしてまた、結婚後にかいがいしくも勘一のことを一途に愛し続けたこと自体も、ひょっとすると彦四朗への思いの強さ故でのことであったのかもしれません、。 そうした諸々事情があったが為に、彦四朗は再三に渡って、勘一を決死の思いで助けたのです。 本書のタイトル通りの、まさしく「影法師」となって。・・・ みねの不幸に直結する彼の死は、彦四朗にとっては絶対にあってはならない事態。 何故なら彼は彼女に対し、「どんなことがあっても護る」と誓ったのだから。・・・ ・・・その深すぎる愛ゆえに自分を犠牲にし、他者の幸せを願う。 日常自分の欲望に対して直情的に漫然と生きている自分のような人間には、とても真似できない生き様であると思い、深く感動させられました。 彼らの様な凄まじい生き方はできなくても、その精神の一部でも見倣えたなら・・・、などと感じながら本書を読み終えた次第です。 | ||||
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私的には百田さんの小説ベスト3は永遠の0、海賊と・・、そしてこの作品です。自己犠牲の愛情、友情。素晴らしい日本人の物語です。百田さんの作品はいつもですが、時代背景など非常に深く研究されており読みごたえがあります。おすすめです! | ||||
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百田尚樹さんが描く小説のファンになり、本書も吸い込まれるように完読しました。 勘一が父が亡くなったのを機に、下土ながら武士としての生き様を見せ、親友 彦四郎との交えたストーリーには感銘を受けました。 特に、隣家の娘を守るために命を張った勘一や、またや恋をする勘一、仕事を全うする勘一、新田作りに命を懸けた勘一、そして驚愕の終章。 期待越えの作品でした。 また読み返すと思います笑 | ||||
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なんかちょっと問題があってから、百田さんに対してあまりいいイメージがなく、百田さんの本から遠ざかってもいたが、図書館で借りたんですが、この本は良かったです。 百田さんの悪いイメージもちょっと払拭されました。 最後というか、続き?みたいなのが気になりますが。 最後は各自の想像、っていう本が多いですが、私は最後どうなるんやろ?っえ思うことが多いので、この本の続きも気になりました。 でも、続きを書いてほしいぐらいいい内容でした。 好きです。 | ||||
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百田先生の話は、いつも泣かされてしまいます。 当時の時代背景が勉強になり、その時代に生きた先人たちに、想いが馳せます。 | ||||
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ラストの干拓地の堤防に佇む彦四郎の姿が彼の表情と供に脳裏に浮かび上がった時、鳥肌がたった。 百田尚樹さんの術中にはまったのを自覚しながらも嗚咽せずにはいられなかった。 本当の自分の人生を生き抜くとはこんなにも覚悟がいるものなのか、、、。 | ||||
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時代小説は食わず嫌いで殆ど読んだことありませんでしたが、評価が高いので試しに読んでみたら予想外に楽しめました。私の食わず嫌いも解消した感じです。改めて百田氏の筆力を見直しました。 | ||||
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傑作です。ネタばれするのであまり書きたくないですが、ゾクゾクするぐらいいい話です。 是非お読みください!! | ||||
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精緻な描写力で歴史物も面白い。下級武士から筆頭家老まで上り詰めた主人公が幼い時に、上士の無礼打ちに対して父親が死を賭して守ったシーンも忘れ難い。誰にでも勧められる極上の一冊。 | ||||
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江戸時代の理不尽さ、命懸けの生活の描写はとても生々しく、二人の侍の生き方にも確かに読後はなるほど…と思いましたが、徐々に、疑問が噴出してきました。 途中からチート懸かった剣術だけでなく、隠密裏の刺客の事やその隠れ場所までなぜか把握できた彦四郎の異常な諜報能力と、それに比べてあまりに回りくどいやり方が整合しません。 上意討ちは別段ああいう結末でなく成功すれば良かったはずだし、「急に親友が消えたら怪しまれるから逐電された」と言うのも無理矢理すぎます。かえって目立ちます。 タイトルの設定を成立させるためだけの著者に強要された強引な自己犠牲であって、彦四郎のそれは、『永遠の0』の宮部久造の深い愛からのものと全く否なるものです。 あと、袋とじにはガッカリ。 | ||||
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人は何のために生きるのであろう。ただ生きるために生きる。己のDNAを残すという意味ではそれも良い。しかし志を全うするために生きる生き方もある。あるいは志を全うするために死ぬという生き方、つまり命を代償に志を遂げるという生き様(あるいは死に様)である。人には天命というものがある。人一人、天命に逆らえるものではない。己の命を投げ出してはじめて叶う志もある。勘一と彦四郎は「刎頸の交わり」を交わした。そして彦四郎はみねに「どんなことがあってもお前を守ってやる」と約束した。約束の重みとはそれほどのものなのか・・・ | ||||
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いい作品だと思いました。身分やそれの伴う法などがある中、忠恕の心がよく描かれていて、心が温まる作品でした。 | ||||
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このかたの本は何冊も読みましたが、なんというか、著者はどういう人生を歩んできたのか?どういう価値観の人なのかが気になります。 こうも違う題材で何冊も本を書くって、(いい意味で)どういうこと?と思ってしまいます。 | ||||
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物語としては、面白い。 ただ、 先に葉室 麟の『蜩ノ記』を読んでしまったので、重味を感じられなかった。 | ||||
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著者の作品を初めて読みました。武士の友情物語ということでしたが、主人公である勘一の一代記であったようにも思います。勘一の親友である彦四郎が不遇の最期を迎えるのですが、それはなぜなのかという謎解きが主なストーリーです。主人公の携わった郡奉行や干拓などは興味深く読みましたが、肝心の彦四郎との友情を育んだエピソードは、少し淡々とし過ぎているように思いました。あと2人とも清廉潔白すぎて、なんだかついていけないなと思う部分もありました。もう少し2人がすれ違ったり、仲直りしたりしながら、友情を育む話であったらよかったのにと思います。なかなか1人の友人のためにあそこまでできないと思い、そこはすごく感動したのですが、もっと人間らしい欲だったり、気持ちだったりがあったりしてもいいとも感じました。特に、彦四郎が「なんでも器用にこなすが、何もやりたいことがないのではないか」と評されていましたが、そういう彦四郎の人柄だったり、思いだったりともっと深く掘り下げたらいいのではないかと思いました。肝心の彦四郎の思いがよく分からないまま、物語が終わってしまったように感じてそこが残念です。なぜ主人公のためにあそこまでしたのか、すべてが主人公のためだったとして、あんなに荒れていたのはなぜなのか・・読者に委ねるにしても、そこはもう少し彦四郎という人物を描いて終わったほうがいいのではと思いました。なんだかモヤモヤしたまま終わってしまったので、「気に入った」星4はつけられません。「普通」の星3にします。 | ||||
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勘一の器の大きさに幼くして気づいてた彦四郎は人生を彼に掛けたんだと思います。つまり最終目的は故郷の発展に尽くすと。そして田園風景を眺めやはり間違いはなかったと。 物語の深いとこは果たして器の大きいのは勘一か彦四郎かになるのかなと思います。 | ||||
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永遠の0や、海賊と呼ばれた男が好きで、こちらの作品を手に取りました。百田先生の文章は読みやすく、すぐに引き込まれました。が、複雑な余韻を残し、物語はわりとあっさりと終わってしまいます。 愛する者のために自分の人生を犠牲にする男。自分の志を追い求め、愛した女を大切にしながら生きてきたが、女の心は手に入らない男。人の幸せとは何なのか、やるせないようなすっきりしない、複雑な余韻が残りました。 | ||||
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主人公が下級武士から筆頭家老にまで出世した後、「互いのためなら命を賭す」という契りを結んだ親友の消息を追う話。 親友はすでに死んでいた。脱藩浪人として転々とし、小汚い長屋で連れ添った女に看取られて亡くなったという。 一見すると、バッドエンドだ。だが、この話のミソは、彦四郎自身は不幸でなく、「実り豊かな国にしたい」という 親友の夢の実現に陰ながら貢献できて、幸せだったと想像させる点だ。 自身の成功を追い求めず、周囲を幸せにすることを本懐とする。その生き様に感じ入った。 | ||||
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この書籍は、永遠のゼロと同じく、全ての日本人が読むべきものと考えます。涙、涙、涙で、心が本当に洗われました。 | ||||
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