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ゴーレム 100



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【この小説が収録されている参考書籍】
ゴーレム 100 (未来の文学)

ゴーレム 100の評価: 4.38/5点 レビュー 8件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.38pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全7件 1~7 1/1ページ
No.7:
(4pt)

タイトルからして"ロボットテーマ"と思いきや

アタマの中の"ごきげん目盛"が振り切れて・・・
お腹の中のリモコンがコチョコチョくすぐってきた気分!
ひぇぇっ!これが
"Wide-screen Baroque"
てぇモノですかい⁉
本作と比肩しうるサクヒンを日本で捜すとしたら・・・
杉浦茂『猿飛佐助』?
根本敬『ミクロの精子圏』?あたりか⁈
ゴーレム 100 (未来の文学)Amazon書評・レビュー:ゴーレム 100 (未来の文学)より
4336047375
No.6:
(4pt)

保存が!!

内容は素晴らしくロックでファックなのですが届いた商品の状態がシットでした。
多分、倉庫に眠っていたのを引っ張り出してきたのでしょうが表紙の角が潰れているのは気持ちの良いものではありません。
返品までする酷さではありませんが書籍の保管の為にポリ袋を一冊々々に被せて欲しいと思いました。
ゴーレム 100 (未来の文学)Amazon書評・レビュー:ゴーレム 100 (未来の文学)より
4336047375
No.5:
(5pt)

お下劣で下ネタ満載だが、ハイブロウ。これがベスターだ。

厚めのハードカバーを前に「よっしゃ」と気合入れて読み始めたが、あっという間だった。
スピード感あふれる文体に引っ張られたせいだ。もうひとつの理由は、眺めるだけのページが大量にあったから。
ベスター読者ならわかりますね。本書がいちばん凄い。

22世紀のニューヨーク、暇を持て余した富裕層の女たち(自称・蜜蜂レディ)が悪魔召還の儀式を行ったところ、
意識下に潜んでいた怪物ゴーレム100が目覚めてしまう。この名前はゴーレム100乗と読むのだが、小さい100が出せない。
ゴーレムは物理法則を越えた大量殺人を繰り返す。精神工学者ナンは、化学者プレイズ・シマを関係者と見なして尾行する。
捜査官インドゥニも事件の真相に迫っていた。
視点人物たちは全員マイノリティだ。ナンは黒人美女・シマは日系人・インドゥニはインド系である。

猟奇事件の解明が、イドの世界と現実をごった混ぜにする大騒動へと発展する。
プロメチウムという稀少元素を用いたドラッグとかパレスチナ・マフィアとか、変なアイデアが大量にぶち込まれている。
目のくらむような飛躍が連発するが、基本は捜査と真相解明であって、軸は一貫してぶれない。
これがベスターだ。「分解男」「虎虎」のベスターだ。「コンピュータ・コネクション」は失望しただけに、ことのほか嬉しい。
悪ふざけやブラック・ジョークが上手く訳されていて、楽しくて仕方がない。

底には人間の意識下と集団意識という深いテーマが横たわっている。これは、ほぼすべての実験小説のテーマでもある。
いわゆるニューウェーブの退屈さに比べて、ベスターは文句なしに面白い。
解説に「サイバーパンクの元ネタになったのでは」とある。サイバーパンクは肌が合わず三冊くらいしか読んでいないが、
意識下のネットワークを扱ったという点で、たしかに本書が原型のような気がする。
ここでもベスターの破天荒な娯楽性に比べて、サイバーは独りよがりで無駄に難解で退屈だ。
本書さえ読んでおけば、変な前衛小説など読む必要はない。なにより単純に面白い。
ゴーレム 100 (未来の文学)Amazon書評・レビュー:ゴーレム 100 (未来の文学)より
4336047375
No.4:
(4pt)

実験小説の金字塔だと思うんだけど、解説のせいで読後感が……

22世紀を舞台にした空想科学小説です。
テーマは殺人事件、悪霊の召喚、科学捜査、ドラッグ、性、スラム化した雑多な社会での生活等々、多岐に渡ります。
表現も通常の文章表現の他、フォントいじり、隠語、自動筆記、さらには図画をとりいれた抽象表現等、こちらも盛りだくさんです。よくこんなのが翻訳できたもんだと、翻訳者さんの力量を感じます(特に19章はぶっとびすぎ)。
また、内容も濃いので、頭に入れるべき情報が多すぎて、読んでいて大変疲れます。
が、また、それだけの情報を物語の構成力と力技でまとめあげていく過程がリアルで感じられるので、ものすごく面白いです。ドキドキしながら読めます。30年以上前に書かれた(米で1980年刊)とは思えない。

ただ、多大な情報量と、上下左右にものすごく振り回す話の筋、そして500ページというそれなりのボリュームは、この手の小説に慣れていない人が初めて読むには、適していないかもしれません。
それでもベスターの作品に興味がある場合、同著作者の代表作で、見聞きするところ「ゴーレム」よりも王道の冒険SF寄りの「虎よ!虎よ!」を先に読んだ方がいいのかもしれません(まだ私は読んでいないのですが)。
あまりに表現の実験に寄り過ぎているきらいがある作品だと思いますが、私はそれをやってしまう粋な作者の心根が好きです。だから作品としては満点。

ただ、この本で「嫌」な点がひとつ。山形浩生さんの解説がうるさいです。「SFファンの諸兄ならご存知の通りだが」「この表現はこの作品のオマージュ」「ここはウィリアム・バロウズ的表現」だと、私見でこの本をばっさりと語りきってしまいます(しかも仰々しい表現の連続でものすごくうるさい文章。この人はあんまり日本文学に興味ないんだろうなーと思いました)。
これだと、それに関連する本を読む意欲が起こらない。読後の感じ方なんか人それぞれだし、SFファンでなくとも、奇書としてこの本を読もうという人もいるだろうし。全部「あれはこれだ」と言われてしまったら、読む気なくします。もし私がこの「ゴーレム」を解説から読んでいたら、この本を読むのをよしていたでしょう。
ということで、解説のせいで評価減。読後感が悪くなってしまいました。解説は読まずに済ました方がいいと思います(訳者のあとがきはいいんですが)。
ゴーレム 100 (未来の文学)Amazon書評・レビュー:ゴーレム 100 (未来の文学)より
4336047375
No.3:
(5pt)

知的にスタイリッシュかつ究極おバカ大集合!

2007年で一番笑わせてくれた本です。新聞の絶賛書評を見て買ってはみたものの、ちょい高めで、面白くなかったら損かも…なんて心配は無用でした。作者が放送畑出身で、描写が視覚的に訴えてきます。キャラクターも国際的かつイロモノだらけ。まるで豪華なSFドタバタコメディ映画を観てるようで一気に読んでしまいました。ジョイス語とか解らなくても充分爆笑しっぱなしです。(一部の繊細な日本人男性は涙するかも)
ゴーレム 100 (未来の文学)Amazon書評・レビュー:ゴーレム 100 (未来の文学)より
4336047375
No.2:
(5pt)

ゴーレム101乗とは性の超越、それは未来への希望か絶望か

時は22世紀。広大なスラムと化した地区で起こる異常殺人。それは特権階級の女たち8人の私的な集まりでのお遊び「悪魔召還ゲーム」で現出した死神の手による物だった。無意識中に潜む本能的欲望、フロイトは「イド」と名づけたそれは彼女たちの知らぬ間に彼女たち、いや人類の潜在的欲望に応え発散するべく彷徨う。オカルト的理解で無く、深層意識にトリップ(薬物で)すべく、死の臭いを無意識化に感じ取る男と精神工学者の女にヒンズー教の高位者警官の主人公3人がこのゴーレムに立ち向かう展開。設定からして突拍子も無いのだが、中盤までは様々なアイデアの上手さや文学的知見、実験的文面に驚かされながら面白く読めます。しかし後半、無意識化の本能的欲望とは?それは個人の?女特有の?人類全般の?という、フェミニズムの見地から肯定的にまた批判的に、女王蜂を中心とする蜂の生態を人類を超えた新原人の誕生に擬し、その女王蜂が幻想的に世界を徘徊する描写は女性版「夢幻会社」の様でもあり、造語、新語、卑猥で奇怪な文体による言葉遊び的な文字の羅列に彩られた描写は凄まじい。もはや既存の文でも言葉でも無い(いや訳者によるとベスター版、ジョイス語)19章の文体は強烈。結局、この世を深慮する者なら誰もが考え、過去のSF作家も盛んに描こうとした現実社会の理想郷は何か?といった希望と絶望のテーマ。ベスター自身もオーウェルもバージェスも描いた物や「月は無慈悲な夜の女王」の様に現実世界の延長上、模倣もしくはパラレルワールド的な仮想世界の範囲でしか考慮し得なかった物よりも、精神世界から心身一体の人類の根幹を探り、その理想郷を掘り下げたとも取れる本作が語る黙示録は、男性社会から女王の世界を経て性の超越者による世界の幕開けとも取れる。世界を嘲笑する様な不真面目さと雑多なアイデアに彩られた暗雲の切れ間から差し込むのは希望の光かそれともサタンの誘いか?
ゴーレム 100 (未来の文学)Amazon書評・レビュー:ゴーレム 100 (未来の文学)より
4336047375
No.1:
(5pt)

なんともはや

読み終わったあと、これはひどいーとひとしきり体をくねらせたら、
何か強いお酒をひと息に飲み、グラスを叩き割って、破片を帽子にキラキラ飾り、
太鼓を叩き歌いながら街に出ていきましょう。走れ。

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ゴーレム 100 (未来の文学)Amazon書評・レビュー:ゴーレム 100 (未来の文学)より
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