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(短編集)
貸しボート十三号
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貸しボート十三号の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.37pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全3件 1~3 1/1ページ
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<「堕ちたる天女」の感想のみ。ネタバレ注意> と経済白書に書かれたのは本作よりもう少し後の1956年度のことだが、交通量の激しい交差点で社会科授業の中学生たちが交通量調査しているという本作冒頭の風景は、おそろしい早さで復興がなされつつあったことを如実に示していて興味深い。 著者や乱歩がセルフパロディのように使いまくった、石膏像の中から裸女死体発見!よりも衝撃的だw ちなみに昭和29年と云えば、11月に『ゴジラ』が封切られている。 事件自体は、うーん、いつもの組み合わせであるw このトリックでいつも思うのだが、ニューハーフやその逆であっても、ビジュアル的にはまったく無理なく変装できると思う。美しい人は大勢いる。しかし声まで装うのはかなり難しいのではないか……。 そこを海のように広い心で受入れても、石膏像に塗り込める意味をまるで見いだせない。煽情的に煽ることが、犯人の偽装にそれほど有利になるのかな? 結局は、劇場型に世間から騒がれたい犯人の歪んだ嗜好によるだけで、だからこそ、金田一耕助がこんな凶悪な犯罪は見たことがない、気持ち悪くて吐きそうだから、帰って酒でも飲んで寝るとまで言い放っているということか……。 それよりも特筆すべきは、本作で等々力警部と磯川警部が対面していることである。 著者が亡くなる前に温めていた新作の梗概の中には、両警部が共演する作品の予定があったことは有名で、それが叶わなかったから、てっきり共演は実現されなかったものだと思いこんでいた。昭和29年の段階で、早々に対面していたとは……。【注1】 本作では耕助は事件のアウトラインを解明するまでの関与で、犯人逮捕や立件まではまだかなりの手間がかかりそうな状況での幕引きなので、そこまでのどこかで両警部が酒を酌み交わすようなシーンもあったことだろう。 【注1】『悪魔が来りて笛を吹く』の際に、電話でのやりとりはあった。 | ||||
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「横溝正史生誕120年記念復刊」のシリーズは、基本的に「原文のまま」復刊されてきたが、本書は、巻末の注釈を見る限りでは「原文のまま」ではなく、何らかの用語規制がなされている。 いったい誰が、どういう基準で、この言葉はダメ、こう言いかえれば許容範囲内と決めているのだろうか? 書店で実物を手に取り「原文のまま」かどうか確かめねば買えないような世の中にした「人権団体」は、恣意的な基準で言論表現の自由を圧迫しているのでは? | ||||
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「湖泥」、「貸しボート十三号」「堕ちたる天女」の3編が収められている。 「湖泥」は傑作になり損ねた作品だと思う。意外な犯人、プロットの巧みさ、驚くようなトリックと三拍子揃っているのだが、大きな欠点がある。とはいえ、結末のカタルシスは十分だし、お馴染みの岡山の田舎という舞台設定も楽しい。 「貸しボート十三号」は、複雑な殺し方が面白い。 「堕ちたる天女」もあっと驚く結末。 お買い得な一冊だが、けっこう凄惨な事件ばかり。 | ||||
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