■スポンサードリンク
迷宮
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
迷宮の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.56pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全7件 1~7 1/1ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
私には複雑過ぎた感じでした | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
主人公が12歳の時に起きた迷宮入りの密室殺人事件、それが話の中心、核になっています。 もちろん最後にはその当事者からトリック?真相も明らかになるのですが、その後に主人公がある推測をして終わる。という形になっています。 流れとしてはいわゆるミステリー小説のソレなのですが、どうしても高評価が付けられない理由として卑猥な感じの部分や、異常な部分があるためです。 そして、それもまた小説の核となっている。 はっきり言って異常者が多く、本当にどうしようもない、まさに「迷宮」なのです。 そういった意味では高く評価できる作品ではありますが、内容が内容なので人にはオススメできない、そういった一品です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
中村文則の作品は初期から大体読んでいるが、暗い文体は健在だ。近年はミステリー仕立ての作品を書き、本作もそうだが、グイグイと読ませる文章力はさすがである。200頁ほどあるが、あっという間に読ませる。 ただ、紗奈江は美人らしいが、読んでいてそれほど魅力的あるいは魅惑的な女性だとは思えず、何故主人公が惹かれるのかよくわからなかった。設定が東日本大震災後になっているらしいが、震災を描く意味はこの作品からは感じられなかった。著者は学生時代を福島で過ごしたので震災に対する思いはあるだろうが、この作品ではまだうまく描こうとしていないと感じる。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
迷宮入りした事件を巡り被害者と親しくなる主人公。 徐々に事件の核心に迫るが意外な事実が浮かび上がる。 全体的にストーリーに起伏が小さい印象。 このため、何度か挫折しそうになった。 ただ、著者の独特の文章は少し惹きつけられるものがあり今後の作品に期待。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
読んでみて若いころの大江健三郎の小説を思い起こした。 ただ、これもあくまで「青春小説」で、 もし、文学の「進歩」というものがあるなら、 文学は「進歩」していないといわざるをえない。 文学が読まれなくなった理由はそこにもあるのではないか? このテーマを深めようとしたら、 とてもこの薄さではたりなくて、 原稿用紙1000枚くらいでねっとりと物語として展開してほしい。 たんにひとくみの男女カップルの話に収れんできるほど 軽い内容の小説ではない。 あいかわらず、中村は、ラストをハッピーエンドで終わらせるのだが、 これは、中村の「現実肯定」の側面だろう。 もちろん、「地獄を見た」あとの「肯定」だが、 「肯定」は「肯定」でかわりない。 たとえば、大江の「万延元年のフットボール」の結末とくらべれば、 そのカタルシスのある/なしは、徹底的に問われるべきだろう。 現実をここまで拒否しておきながら、結局は、 ベタな現実によりそうのは、ちょっと軽い。 あと、物語の構成で言うと、 後半は、たんなる「謎解き」になっていて、 ちょっと三流推理小説のようだ。 狂気を扱う場合、 それを個人のものとして扱うか、あるいは 集団のものとして扱うかがあるだろう。 個人のものとして扱えば「迷宮」になるし、 集団のものとすれば、「俺俺」になる。 ぼく自身としては、小説として 「俺俺」のほうが成功していると思った。 現実の日本を描いている、と(もちろん「寓話」として)。 ただ、中村が第一線の小説家であることは間違いないので、 これからも、作品を期待している。 唯一無二の作家として、これから、中年にさしかかるなか、 どう、自分の「独特のもの」を描くか。 彼の「成功」はそれにかかってると思う。 (そういえば、彼の小説には中年や年寄がほとんどでてこない。それも弱点だと思う)。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
中村文則の作品を何作か読んだあることのある者からすれば、作者があとがきで言っている新しさとは何なのかがよく分からなかった。迷宮入りしたある事件の真相に迫るというミステリ的要素のことを言うのならば必ずしも否定はしないが、そうではあるまい。エンターテイメント性で言えば『掏摸』の方が上である。また、自己と社会に乖離を持ちながら、外面的には何とか調子を合わし、内面的には反抗しつつ、そこに存在する違和感が表出する寸前という主人公の危うさが、ある出会いによって、一般的な意味で言う救いのある方向に向かうという意味で考えれば、『何もかも憂鬱な夜に』の方がより明確であったような気がする。いずれにせよ新しさを感じなかったのは、私が迂闊な読者であることの証左なのか。 中村文則の作品では、出生から過酷な経験をした者や、内的な矛盾と社会との埋めようのない溝を前に冷笑したり、そのわだかまりを快楽で発散させようとしてたじろぐ者や、更には内面的な反社会性がふとした契機で表出していく者など、現代社会では考察を避けることが出来ない人物が描かれており、それを決して異物とは感じさせない、強いて言えば共感さえも呼び込むだけの筆力がある。今作でもそれは中村文則的な水平線上に描かれている。ただ、この作者が今後どういう境地を拓くのかを期待して待つ者にとっては、いささかじれったいという感は否めない。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
「掏摸」「王国」シリーズとは全く関係のない話。 とある迷宮入り事件の被害者と関係を持つ主人公。 その主人公にも、非常に特異な考え方が宿っており、次第に事件に引き込まれていく。 事件の昔の関係者等と接触したりして、事件の核心に迫っていくのだが。。。という話。 一面では密室事件ミステリー要素もあるのだが、基本的にはやはり「悪」を描いている作品。 但し、「掏摸」「王国」ほど、エンタテイメント性には富んでいない、との印象を受けました。 最初にこの本から入ると、「気持ち悪い」で終わってしまうかもしれません。個人的には、あまり好きではない内容でした。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!