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流星ワゴン
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流星ワゴンの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.14pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全307件 281~300 15/16ページ
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父の立場、子の立場、両面から気持ちのすれ違う様を見れるので 色んな感情にきづくことができました。 「本の雑誌」年間ベスト1という広告だけで買ったのですが、 読んで本当によかったと思います。 ユーモアさもところどころにあり、深い物語ながらも 楽しく読むことができました。 | ||||
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横軸は狭く、時間の縦軸だけが、複雑に入り組んだストーリーなのに、情景がリアルに浮かびあがる。悲しいのだけど、救いがあり、ほっとさせる。今までにない読書後感をもたらしてくれる。忙しい時にこそ、無理やりにでも時間をとって読みたい一冊です。 | ||||
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空虚な気持ちになったとき、手に取りました。ふわっと元気がわいてくる物語です。巻末の作者あとがきや斎藤美奈子氏による解説も必読です。 | ||||
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内容は「家庭崩壊」「リストラ」で人生に絶望した主人公が「死んでもいいかな」と思い始めたときにある不思議な親子の不思議なワゴンに乗って過去を旅するというお話。 その過去で同年齢の父親に会い人生やりなおしに行くわけだが... この話しには3組の親子が登場する。 「主人公と父親」「主人公と息子」「ワゴンの親子」それぞれの親子の関係に自分も1人息子がいるわけだが、何かその涙するっていうのではなくグッと深く心にしみました。家族というもののありかたについて「こうしなさい」「こうあるべきだ」というふうな啓蒙的なものではなく3組の親子の関係から言葉ではうまくいえませんが自分なりに感じ、学べたような気がします。過去に行っても変わらない未来...その中で主人公が苦悩し、そしてラストシーンを迎えるわけですが、とにかく読んでよかったと思える作品だし、もちろん「星5つ」でおすすめです。 | ||||
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男はいま「死んでもいいや」と思っている。息子は中学高受験に失敗、公立校に入ったとたん家庭内暴力を振るうようになる。妻は家に寄り付かなくなり、離婚届を突きつける。ずっと仲の悪かった父親はいま危篤状態だ。その彼のところにするするとワゴン車が寄ってきた。「遅かったね。早く乗ってよ。ずっと待っていたんだから。」人に『やり直し』は効くのだろうか。昔は気がつかなった「人生の分岐点」に行くことができたら。あるいは父親と仲直りはできるのだろうか、もしも今自分と同じ年の父親が現れ、対等に口がきけるのだとしたら。小説なので、その『もし』を実現してみせる。しかし、現実は厳しいことも良く知っているので、映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』みたいに簡単に過去を変えたりはしない。そして重松清が選んだ過去とは、本当に一見なんでも無いようなある日の一日であった。「ああ、そうなんだろうなあ」と思う。人生に『やり直し』は効かない。でも人間は『やり直し』をすることが出来るのである。 | ||||
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ちいさな親子のちいさな奇跡の物語。 親子ものに弱い私は号泣してしまいました。 ドラマになったら見たいなぁ、と思ったけれど、 車のスポンサーはつかないだろうな、と思いました。 | ||||
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父と僕と息子、時間、生と死。壊れた家族の有りように疲れ切って、死んでもいいと思い始めた「僕」がある日、5年前に交通事故で亡くなったのにもかかわらず、成仏出来ずにさまよっている親子の「オデッセイ」に乗り込むことからこの物語は始まる。親父と息子の微妙な情愛。親父は大切に育んでくれたし、血がつながっているのだから嫌いなはずはない。なのに、段々疎ましい存在に変わって行く。やがて顔を合わせば喧嘩ばかり。 じゃあ、息子とはどうだ?ちゃんと向き合えているか? 妻とはコミュニケーションがとれているか?私の場合は「僕」より10歳年上になるので、この背景は過去のものである。 父は数年前に亡くなった。 だが、いや、だからこそとても素直に感情移入出来る。私の一等好きな邦画は「異人たちとの夏」であるが、これは、中年のシナリオライターである「僕」が、ある日幼い頃の両親に出会うのと、ほんの少し前に自殺した同じマンションの女性の幽霊との睦言が同時進行する仕立てになっている。 「僕」と同じか、それより年下の両親とのつかの間の平和な時間。 「時」を戻すことが出来るなら。 若くて頼もしかった両親がいる時代に戻れるなら・・ そんなどうにもならない思いに胸が熱くなる。 ただ、それが嫌な感情ではないのでもう何度も観てきた。この物語はそれと、親父の視点からも表現している。 若い頃の親父「チュウさん」は、「僕」の年齢と、自分がたどってきたその年齢とを比較しながら生きてきた。私もそうしたところがある。 ただ私の場合は、それよりも、現在の私の年齢の頃父はどうだっただろう?そのときの息子である私はいくつで、なにをしていたっけ?と考えることが時々ある。もっと父と話しておけば良かった。 勿論今だから吐ける言葉ではある。だから、この「僕」と同年代以前の人に薦めたい本である。 | ||||
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妻は不倫で家を空け、中学受験に失敗した息子は登校拒否から家庭内暴力へ、と崩壊した家庭を抱え、リストラで失業中の38歳の主人公「僕」。全て失い生きる望みを無くした深夜、駅前のベンチに座った僕の前にワインレッド色のオデッセイが止まる。ワゴンには交通事故で亡くなった親子が乗っており、「僕」を「僕」の大切な場所に連れて行く。やがてそのワゴン車に故郷で死に瀕しているはずの父親が、僕と同じ38歳の姿で同乗してくる・・・。 若い父と「僕」との奇妙な道行・・・。 どこで「僕」は人生を誤ったのか、いくつもの枝分かれした人生の選択の道をどうして選んできたのか・・・。ワゴンは時空を遡る。「僕」が遭遇した人生の岐路を追体験していく。 ワゴン車の運転手「橋本さん」と、8歳のこども「健太くん」によるサイドストーリーもまたよい。初めてのドライブで交通事故に合い、死んだ「健太くん」に死を自覚させて、なんとかして成仏させようと願う「橋本さん」。行き残ったはずの母親に会いたい「健太くん」・・・。 家族の物語、親子の物語、父親と「僕」、「僕」と息子、「橋本さん」と「健太くん」、夫婦の物語・・・。重松清がこれまでの作品の中で描いてきたテーマに通じるストーリーが展開する。大人のメルヘンと片付けるのは簡単。だがここに書かれたテーマは普遍的なものだ。 家族を抱えるひと、これから家庭を築く人、子どもがいるひと、これから子どもを設けるひと・・・ぜひ読んで欲しい。 家庭をもつ男なら自分の中にも、「僕」にどこか通じるところを見つけられると思う。父親への複雑な思い、妻への思い、子どもへの思い・・・。センチメンタルになるかもしれない。重松清は涙腺のツボを上手に押していくから・・・。ただ著者は決して甘い結末は用意しない。ラストも余韻深い・・。読むべし! | ||||
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リストラ、妻の不倫、息子の非行・・・。年頃の子供とそれを考える大人がすごくリアルに表現されてる。 何が嫌いときかれるとわからないが何かが嫌い。無性に腹が立つ。 小学6年生の複雑な気持ちと、それを自分と照らし合わせて考える親の気持ち。 つらつらそんなことがかかれているが、読んでいるうちに衝撃が走る物語。 | ||||
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私は、この本を読み終えてから好きになった。 最初は重く、哀しく、そしてつらい内容ばかりで、 あまり好きになれなかった。 しかし、読み進めていくうちに、どんどん物語の中に 引き込まれていき、涙が止まらなくなった。 余命幾ばくもない父親や、いじめに耐える息子、 そして、家庭崩壊から逃げ出すために不倫を続ける妻… 1人1人の登場人物がリアルに生きていて、 非常に共感できたからだ。 そして、決して解決はしていないけれど、 絶望のどん底から一筋の光が見えてきた中で、物語は終結する。 それまで、なにかを考える暇もないほど、 物語にのめり込んでいた。最後の1行を読み、本を閉じた瞬間この本を本当に好きになった。 それほどまでに、読後感は最高だった。 | ||||
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~最初はとっつきにくかった、「生死』の話しがネガティブな表現で書かれていて、心の病んでいるときにはつらいなぁと思った読み初めだった。ところがどうだろう、『流星ワゴン』が走り始めたらもう止まらなくなっていた。.......細かい事はあえて書きませんが。~~ 家庭崩壊の現実から逃避していた主人公が、とある親子に出会い、ドライブが始まり、同い年の『父親』の出会いから現実に立ち向かおうと徐々に心が動いていく。バックトゥザフューチャーのようなタイムトラベルではないし、居酒屋幽霊のような幽霊が後押しするというのでもない、あくまでも「自分」が、「抗えない現実」に向かっていく。その心の動きが絶妙で~~ある。同い年の父親との葛藤がなんとも面白い、拒絶してきた父親が心の隙間に入り込んで行く様は読んでいてついつい感情移入してしまう。~~ 読後、同い年の『父親』にあって、話してみたいと思った。やはり同い年でも父親は父親なんだと感じるのだろうか?いま目の前にいる倍の歳の父親は、自分の歳に何を考えていたのだろうか。家族愛というものがなんなのか、家族というコミィニティとはどうあるべきなのか考えさせられ、泣かされるそんな本です。~ | ||||
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毎日毎日、似たような日々を無感動に過ごしていると、自分にも周りにも気が向かなくなっちゃうね。 本当は隣の席のあなたが、今日少し元気なさそうだった。とか、そんなことにも目が向かなくなっちゃう。 もっと、何て言うか、そのときに気が付いたら掛けられる言葉や行動があったはずだね。 あ~、同じ日は二度とない。後からでも遅くない。気が付けたことに気が付いたとき、もう遅いなんて言葉は捨てて、ダメならダメでも優しくなりたい。分かりたい。ごめんねって言いたい。 今日一日、明日一日、好きになるために読んだらいいと思う。 | ||||
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妻は不倫、中学受験に失敗した息子は登校拒否から家庭内暴力に走った崩壊した家庭を抱え、リストラで失業中の38歳の主人公「僕」。全て失い生きる望みを無くした深夜、駅前のベンチに座った僕の前にワインレッドの旧型のオデッセイが止まる。そこには数年前に交通事故で亡くなった親子が乗っており、僕を自分にとってたいせつな場所に連れて行く。やがてそのワゴン車には、故郷で死に瀕しているはずの父親が僕と同じ38歳の姿で同乗してくる・・・。奇妙な道行・・・。どこで「僕」は人生を誤ったのか、いくつもの枝分かれした人生の選択の道をどうして選んできたのか・・・。ワゴンは時空を遡る。「僕」が遭遇した人生の岐路、妻の不貞や子どもの受験とにどう対処してきたのかを追体験していく。初めてのドライブで交通事故に合い、逝かせてしまった8歳の息子に死を自覚させて、なんとかして成仏させようとするワゴンの運転手「橋本さん」と、子どもの「健太くん」が織り成すサイドストーリーもまたよい。家族の物語、親子の物語、父親と「僕」、「僕」と息子、「橋本さん」と「健太くん」、夫婦の物語・・・。重松清がこれまでの作品の中で描いてきたテーマに通じるストーリーが展開する。大人のメルヘンと片付けるのは簡単だ。だが、ここに書かれたテーマは普遍的なものだ。家族を抱えるひと、これから家庭を築く人、こどもがいるひと、これからこどもをもうけるひと・・・ぜひ読んで欲しい。家庭をもつ男なら自分の中にも、「僕」にどこか通じるところを見つけられると思う。父親への複雑な思い、妻への思い、子どもへの思い・・・。センチメンタルになるかもしれない。重松清は涙腺のツボを上手に押していくから・・・。ただ著者は決して甘い結末は用意しない。ラストも余韻深い・・。読むべし! | ||||
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これからどうなるかを知らないからこそ、 人は未来に希望がもてる。毎日の出来事は、ほとんどがルーティーンの繰り返しで、 自分の生活を俯瞰するようにして眺めてみれば、 その退屈さに、平凡さに気付かないはずがない。 だけども、私たちは、「明日になればかわるかもしれない」 という希望をもって、生きていくことができる。この本の登場人物のように、 人生の分岐点といえる時間にいけるとしても、 果たして私は、上手に行動することができるだろうか。 不安だ。 そんな勇気が、自分にそなわっているかどうか。 『流星ワゴン』を読み終わる前までは、そう思っていた。 しかし、読了後、「きっと、できるさ」という、 強い気持ちになれた気がした。作品を通して、一貫しているのは、父と子の問題で、 私も自分の父の身長を追い越したとき、複雑な気持ち(といっても意味がわからないかもしれないが)になった。 言語化することが難しい、「なんか嫌な感じ」ってやつだ。あんまり、色々書くと、 これから読もうという人に、いらぬ先入観を与えるかもしれない。 よって、このくらいにしておきます。とにかく、おもしろい本だ。 と同時に、あったかい本でもある。 | ||||
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著者にはどことなく胡散臭さを感じていた。「エイジ」と、「ビタミンF」を読んで、ふふん、っておもってた。まぁそれはそれとしておいておきます。 あのときああしていれば、あんなことしなければよかった、なんてのは、よくおもうもので、はずかしくなったり、くやしくなったりしょっちゅうだけど、やっちまったもんはしょうがないと必死でいいきかせている。しょうがないで片付くうちはたいしたことじゃあないのかもしれない。この話では、やっちまうにあたって大切な、別れ道ともいえるような場面に戻っていくのだ、もう一度。どうなるかは分かっているので、同じ過ちはすまいと、過去を、ひいては現実を変えようと試行錯誤する。 僕は、この先なにがおきるか知っていることをきたないとおもう。!いんちきだ。口ではそういっておきながら、やはり、あの時ああしていればの妄想にふける。どうしようもない、ふとした瞬間にチクリと胸を刺す。忘れようと思って忘れられるものではなくて、それこそおりあいをつけてやっていかなくちゃいけない。あるいは時がたてば笑い飛ばせるかもしれないし、何にも変わらない、もっとひどくなるかもしれない。事実は変えられない。それがおこってしまうといんちきだから。うけいれるっきゃない。 はぁ、ことばがたりない。恥をかき捨て紋切ります。いたくてせつなくてむねをうつ。いまをたいせつに。 | ||||
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後悔の念を、元気の素にできる方法ってあるのだろうか?過去を振り返って一つ一つ見つめ直すことによって、後ろ向きの体が前向きになるのだろうか?重松清の作品はいつも読後に元気が湧いてくる…が、それはほんの少しだけだ。でもそのほんの少しの本物の元気の素が今の僕たちに必要なのだろう。ここにでてくる登場人物のもつそれぞれの悩みや苦しみは決して他者と交わることなく、うちに秘められたままである。それでも淡々と元気なふりして日常を過ごしていく人間が描かれている。その内部の苦しみを、汲み取ることができたのは流星ワゴンに乗ってから、つまり2回目からなのだ。そのリアリティが元気の素のすくなさの所以であり、本物の所以でもある。 パチンコをしていた息子から、やっと胸の苦し!みの一部を聞き出せたのも、親父(チュウサン)が、息子に生きてほしいと叫んだときも、あぁでもこれは2回目の話なのだ、一度目では見過ごしてきた感情なのだと思うと切なくなる。親子の感情のすれ違い,流星ワゴンに乗れない私達はどのように対処していけばいいのだろうか。まぁこの本自体がその乗り物なのだが…。 | ||||
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家族や大切な人たちは、いつも小さなサインを出してくれている。その奥の本当の気持ちをほんの少しの言葉と行動に示している。僕たちはそれを見逃しがちだ。いつもと違う、と違和感を持てたとしても、それを何でもない事のように思ってしまう。主人公の永田はそんな小さなサインを見逃してきた。性格による所が大部分だと思うが、時にはわざと見逃した時もあっただろう。気づいた時には家庭は崩壊していた。もし、僕たちがあの時にそのサインに気づいていたら、どうできただろう。今は変わっていただろうか?変わらなかっただろうか?現実に過去をやり直すことはできないけど、今自分の大切な人が出しているサインを気づくことは出来るかもしれない、いや気づこうと努力することはできる。本当の気持!ちは言葉や行動のもっと奥にある。それに気づき、行動する事の大切さ。正しいか間違いかはきっと誰にも分からない。でも誠意を持って前に進む事。そんな事を改めて、再認識させられたとってもいい本です。主人公が過去と立ち向かう時、どんな行動を取ったのか、あなたの心で確かめてみてください。 | ||||
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人生を失敗した男が過去にさかのぼり、未来をかえようとする話なのですが・・・。読後の感想は、この世に奇跡や救いはないということ。やはりしっかりと現実を受け止めて強く生きていくしかない。ラストもしっかりと書かれており、とても気持ちの良い作品でした。 | ||||
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おそらく、普段読書をしない人もこれは一気に読んでしまうでしょう。どんどんページをめくってしまいました。考えさせられる作品とも言えますが、そういった硬いことを抜きにしても久々にいい余韻を残して読破しました。小学生の子供がいる人は尚一層お勧めです。 | ||||
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『本の雑誌』の年間ベストテンで1位にランクされていたのが、この作品。往復の通勤時間を読書に当てていたもの、続きが読みたくて読みたくて仕方がなかった。昼休みにまで夢中になって頁をめくった本も久しぶりだ。重松清は『ビタミンF』でブレイクした感があったが、この作品は著者の代表作となるのではないだろうか。家族小説を書かせたら今のところこの人の右に出る者はいないようだ。「人生をもう一度やりなおせたら」…タイムスリップものに共通しているテーマも、著者の手にかかると奇想天外なストーリーではなくなってくる。リストラになった主人公にひきこもりの息子、そして妻の不倫、崩壊した家族の典型的なケースを描きながらも、逆境から生まれるほんとうの優しさをさりげなく描く。何気!なく言ってしまったほんのひと言が、心を傷つけ、家族の絆を解いていく。もし、あの時こう言えば…そんなことを気づかせてくれる作品なのだ。 久しぶりに優しい気持ちになれるような本に出会えた。父親の役割とは何だろう。子供と自分、妻と自分、親と自分、じっくりと考えてみたくなった。 | ||||
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