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(短編集)
前巷説百物語
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前巷説百物語の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.58pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全33件 1~20 1/2ページ
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おもしろい。非常におもしろい。 とにかく読めばわかる。後~の方も購入しました。読みます。 | ||||
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第1作の前日譚といった位置付けで、又市が双六(すごろく)売りから御行へと設えが変わるきっかけとなるエピソード「旧鼠」を中心とした6編の物語。第3作までストーリー・テラーだった山岡 百介の登場は一瞬、又市のサポート役、事触れの治平も登場しませんが、其の分、アニメ版から原作へと逆輸入!?された長耳の仲蔵が相当に活躍します。第1作から第3作に比べ仕掛けの粗が目立つのと、又市が窮地に追い込まれる事が多いのが前日譚ならではのような。本作の締めくくりは、いつもの少し物哀しい雰囲気ではなく、不思議な爽やかさが漂います。 | ||||
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機械的に購入 | ||||
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京極夏彦のファンなので購入しました。作品は満足です。品物も値段も手頃でした。 | ||||
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理不尽な目困った目、弱り目祟り目悲しい目、出た目の数だけ損をうる、それが憂き世の倣いごと。出た目の数だけ金を取り、損を埋めるが裏の顔―。物貸しを商売にする根岸町の損料商“ゑんま屋”に流れ着いた若き小悪党・小股潜りの又市。口は悪いがお人好し、直ぐに熱くなる青二才の双六売りが、御行装束に身を包み、闇の世界に身を投ずるまでの物語。 | ||||
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若々しい又市の物語。 前編までの本編での又市とは違い、「小股潜り」の通り名ににあった又市のストーリーでした。本編でちりばめられていた過去の出来事が明らかになってきます。 又市が、以下にできるだけ人を死なせず、あちらもこちらも立ててことを治める考えに至ったかが描かれています。 最期の「窮鼠」がlこのシリーズにおいてはにわたって一番押さえておきたいポイントにはなるのでしょうが、ちょっとラストが強引な気もしました。おもしろかったけど。 このシリーズほんと遅ればせの参加となりましたが、後一冊、西巷説百物語で終わりかと思うと寂しいですね。 | ||||
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商品も状態良く、早くてよかったです。 また、利用したいと思います。 | ||||
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「粋」です。巷説シリーズは西以外みな読んだけれど、これが一番好き。妖怪仕掛けは雑だし、「うっそーそれでいいのう?」とツッコミたくなるけど又市さんと損料屋の一味(?)がいい味出してる。又さんはやたらと青臭いと言われているが、私はこの又さんが大好きだ。なんだかんだで彼はこの若い頃の「青臭さ」を信念として貫いている気がするし。だから魅力的なんだ、又さんは。後半で恐ろしいあの黒幕が忍び寄り、物語はクライマックスに。そして「小股潜りの御行の又市」が生まれるわけですが。切ない...。しかし、考えてみるとわりとあっけなくこの黒幕ってあれされたよなあなんて。まあこれはまた別のお話!いやあ、江戸時代って素敵ですねぃ。時代小説はどちらかといえば嫌いですが、巷説は読みやすい。士農工商から外れた人たちが生き生き描かれているのも好きです。京極作品が好きならぜひお試しあれ。 | ||||
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又市の優しさが好きで、このシリーズを読んでます。 人の複雑な、簡単な気持ちでは落ちない気持ちの 落としどころが面白いです。 人が人を裁くのに「死」を望まない又市 仕置き人のように明快ではないけど、こんな終わり方 が現代でもあったら…って思う作品です。 | ||||
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この作品は巷説シリーズとしては重要な位置を占めていますが 残念なことに、ちょっと他のシリーズとは毛色が違いますので 読みやすさ、と言う観点では他の作品よりは 劣ってしまうのでご注意ください。 しかしながら一方で、 この作品はある人物のまだ「青い」時代を 堪能できる貴重な作品です。 他のシリーズでは落ち着いた感じを受ける 「あの人」の激しさの面を見られるのです。 きっと想像できないでしょう。 本当にべらんめえ口調炸裂なのですから。 作品としてはすべてが重要としてもいいでしょう。 だけれども、彼の大切な人を奪われてしまう 最後の作品はまさに重要な作品。 それがある人が「ある人」であるゆえんとなってのですから。 違和感のある感じは否めませんでしたが 巷説シリーズのファンは必読の1冊となるでしょう。 | ||||
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巷説・続巷説・後巷説と読んで、4冊目の巷説シリーズ。 又市が御行姿になるまでのいきさつがわかります。 全3冊までは、又市の仕掛けのすごさだとか、又市本人の 世間の色々なことを超越して達観している感じがすごく 格好良かったですが、前巷説の中の又市は20過ぎくらいの 若者なんで、まだまだ駆け出しです。 周りの大人たちに「青臭い」「餓鬼」「ひよっこ」と言われ、 又市自身も初めて迎える局面に悩み、考え、怖れ、わめき、 そして結局自分の未熟さを痛感して終わるのです。 でも6話の中でだんだん彼が成長していくのがよくわかります。 なんといっても威勢が良い又さんが、本当に格好いいし、 ある意味瑞々しくて可愛らしいです。 これまでの3冊は百介さんが見たり感じたりしたことという 形式で書かれていたので、客観的に「又市がこうした」 「又市がこう思っているように見えた」みたいに、 又市の本当に気持ちは語られることのなかったですが、 これはダイレクトに気持ちが書かれていて、感情移入しやすいです。 そして、ラストが本当に素晴らしい。 御行姿になった又市、カッコ良すぎ! | ||||
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わたしが、巷説百物語に出会ったのは、お恥ずかしながらマンガからでした。買ったその店以外、置いている本屋を見たことがないので、もはや運命ではないかと思います(笑)。 全4巻を読み、すっかり又市さんに惚れ込んでしまいました。 本屋でこの本を見つけ、彼の昔話とわかって真っ直ぐレジへ。 一気に読んでしまいました。 内容は皆様がお書きのとおり、又市さんの少し若い頃のエピソード集です。 巻末に向かって、次第に追い詰められていく様子に、ハラハラしました。 マンガの1シーンに、治平が又市と出会った時の話をしているのですが、あれはいつ頃の話かと考えてしまいました。 又市さんはあの時代に、人が死ぬのを嫌いますが、京極堂シリーズを読んで、京極堂が全く同じことを言っていて、巷説から入ったわたしには、京極堂と又市さんが被って見えました。 京極堂シリーズファンの方にも、せひ読んで戴きたいです。 | ||||
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本書には、又一とおぎんの過去がある。 もっとも、おぎんの登場は「旧鼠」だけではあるが、又一との出会いがある。 そして、又市と小右衛門との出会いがある。 出会いがあれば、別れもある。 本書でも、又市とさまざまな仲間との別れがある。 特に、「旧鼠」での山崎との別れは、哀しい。 実に哀しいものだ。 この別れは、又市が御行となるために必要だったのだろう。 しかし、あまりにも唐突だった。 又市のまわりには、いつも良い人物たちが集まる。 そして、テンポの良い、切れのある会話が飛び交う。 これが、非常に心地よい。 だから、本書は著者の京極堂シリーズと比べて、とても良いリズムで読み進めることができる。 その分、残りのページが減っていくのが、つらく寂しい。 こういう思いをする作品は、そう多くはない。 ただし、本書を読む前に、「巷説〜」、「続巷説〜」、「後巷説〜」は、ぜひ読んでおいて欲しい。 特に「続巷説〜」とは、かなり密な繋がりがある。 | ||||
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「巷説百物語」のシリーズ第4弾だそうで。 タイトルに「前」ってついてたんで、シリーズ第1弾かと勝手に勘違いして読み始めました^^; その前に「巷説百物語」を読んでいたので、「まあ、巷説百物語とあんまり変わらないのかな〜」位な印象だったのですが、読み進めるほどに引き込まれ、最後は涙を堪えるのが大変でした。 又市のルーツ、御行になる前の話でしたが、あまりに切なく心が痛くなりました。 登場するキャラクターもとても魅力的。私もこの仲間に加わりたいと思ってしまうほど、のめり込みました。続編がとても楽しみになる一冊だと思います。 | ||||
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先に出版された3つの巷説百物語の仕掛け人である 又一の若かりし頃のお話し。 なぜ、御行になったのか。 人死にをどうしても飲み込めないまだ青い又。 足掻く。足がく。あがく。 あちらを立てればこちらが立たず。 こちらを立てればあちらが立たず。 理不尽を理不尽として認めない。 だけれでも口先八丁でまだ、世の中をひっくり返せない又。 だが、そんな又だから、 裏にも表にもなりきれない、幽世と現世を行き来する又の 成長期を記した作品。 巷説百物語に始まり、「続」、「後」と続いて 終わったかに見えたが、今作を読むことで、 さらに又市が心に刻む闇と影を見れる。 否。 この物語を知らずして後の、巷説百物語は無い。 又が、一人。背負おう物はあまりに切ない。重い。 誰もが白黒つけられない物を彼一人で白黒つけようとする。 今までの巷説百物語を読んだ人には「あぁ、だから又市は・・・」 これから巷説百物語を読み人には「又市って奴ァよゥ・・・・・」 どちらにしろ、 本書をまず手にして読むが良いと思う。順番は関係ない。 初めて本書に手を出す人は、 この一冊で完結する物語とせず、この後の物語も必ず読み切って欲しい。 一人の。男の。御行が。世を謀る。 その真の意味を知って欲しい。 | ||||
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江戸時代末期から明治初期を舞台にした『巷説百物語』3部作の、更に前の時系列を描いた作品。 依頼人を取り巻く状況や土地に関わりのある妖怪を実在するかのように仕立てて、物事を解決する『仕掛け仕事』。 仕掛け仕事の後には、巷に噂(巷説)が残るばかり。 本巻は、後にその仕掛け仕事のプロとなる又市の、まだ駆け出しの頃の物語。 本巻に収められた6篇は、又市が青臭い若造ということもあり、人情時代劇の様相すら呈している。 無論、ただの人情物で終わらないのが京極流。 6編の最終章において、あなたはそれを実感するだろう。 3部作既読なら、又市の青臭さをはじめ、前作までとの差異を込みで楽しんでいただけることだろう。 また、同シリーズを未読の方は、ここから読み始めるのもアリだ。 | ||||
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「巷説百物語」シリーズ第4弾。 第1弾の『巷説百物語』よりもずっと前、主人公の又市がまだ御行になる前の話。 又市がまだ若いっていうこともあって、『巷説〜』や『続巷説〜』なんかに比べると仕掛けがショボいし、その点を楽しみにしている人には前作までと比べて面白さは落ちるかもしれない。 が、今作は当時の江戸の街の雰囲気や、武士とそれ以外の階級との慣習の違い等が前面に押し出されていて、シリーズ中最も「江戸」の雰囲気をよく感じ取れる内容でリアル。 また、一つの一つの仕掛けはイマイチでもやはりラストに向けて話が加速するところは面白過ぎてしょうがない。 これまでの作品と比べて何度も出てくる良い感じのキャラが多く、感情移入もしやすい。 この話が『後巷説〜』まで繋がっていくと考えると凄い話だと素直に思う・・・ 仕掛けにあんまり期待さえしなければ間違いなく楽しめるはず。 読み始めは「前作までの方が面白いかも・・・」と思ったが、一番好きかも(笑) | ||||
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巷説百物語の最終巻。時代順としては4冊でもっとも早く、又市の修業時代、ということになる。 6編の中編は、いずれも構成・表現ともにほぼ瑕瑾のない見事な出来映えであると思う。作者らしい(しかし私の嫌いな)、独特の「逆説止め」文がまだわずかに残っているけれど、初期作品に比べて見違えるように腕を上げている。毎度施される仕掛け自体は現実には確実性に乏しいと思われるため、リアリティーを求める立場からは難癖のつけようもあるけれど、人物の造形がきちんと描かれているから、フィクションと割り切れば何の問題もない。 ただ私は、又市の過度のヒューマニズムに違和感を覚えた。私は、「この世に存在すべきでない命」は間違いなくある、と思っている。問題は誰が裁き、誰をそう認定するか、ということであり、人として他人を裁く資格をもつ絶対者などいない、という点である。この二点は分けて考えられるべきであるが、死刑の論議ではこの点がいつも混同されているし、又市の理屈も同様である。裁く「人」など居ようがないから、やむを得ず「法」という別のシステムが作られているのだ。私刑と死刑との違いはここにある。確かに又市らの行為は私刑に属するから、又市の直感はある意味で正しいのであるが、「誰も死んではならない」という無際限の生命尊重は時代にも現実にもそぐわない。 こののち8年の潜伏を経て、又市は一党の頭目として小説の表舞台に再登場する。最初に書かれた「巷説百物語」に続く、ということになる。制作順に読むのがよいか、時代順に読むのがよいか。文章の仕上がりから考えると、たぶん前者であろう。 | ||||
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「巷説百物語」シリーズ中の仕掛け人、小股潜りの又市の若き日々を描いた作品。 冒頭の「寝肥」は又市が仕掛け人稼業("損料屋"と言う概念が面白い)に入るキッカケとなった事件。「どすこい」を思わせる軽いノリと又市が他人の仕掛けの観察者となる趣向で楽しませてくれるが、又市の漆黒の闇の過去を期待していた読者には肩透かしのスタート。「周防大蟇」は又市が仕掛け人としての手腕を初めて見せた作品。仲間の元公儀鳥見役の山崎がイイ味を出している。武家の"しきたり"を初めとする社会の縛りに対する怒りを通り越した諦観の念が渋い。この二作を読むと作者が「草枕」の人生観・文体を意識している事が窺える。「二口女」は継子ものの体裁を借りた"逢魔が刻"もの。「血の繋がりよりも縁」と言う又市の言葉がヤケに胸に染みる。全編を通じ、堂庵のトボケた学者ぶりがオカシイし重宝だ。「かみなり」では損料屋のピンチに準レギュラーの"御燈の小右衛門"が救いの手を差し出す。又市と小右衛門の出逢いである。「山地乳」は江戸の裏社会で化け物と呼ばれる祗右衛門との死闘と又市の出自を絡ませて描いて、本作で一番の構成力を誇る。「旧鼠」は冒頭で後の又市のお札売りと「御行奉為--」の謂れが出て来て可笑しいが、本筋は既刊のシリーズでも登場する不死身の祗右衛門との闘いである。おぎんも登場させるサービスぶりだが、宿縁の深さと実体のないモノを退治する難しさを痛感した又市は、遂に闇の世界に入る事を決心する。「御行奉為--」。 これまでのシリーズの特徴であった妖異性・異界性は薄れ、仕掛けも見劣りがする。代りに、"青臭い"と呼ばれながらも人情と非道の狭間で漂う又市の姿が印象的。漱石流"非人情"の世界を思わせる京極版「草枕」。 | ||||
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作者が時代の雰囲気を醸し出すことを疎かにしているとは思えない。 しかし巷説シリーズを読んでいていつも気になるのが、「又市殿」「お甲殿」 などという武士(浪人も含め)の言葉遣い。また「○○藩士・何某と申す」 のような江戸時代にはあまり使用されていない「藩」の多用や陪臣の妻を「奥方」 と呼ぶこと等々。もちろん江戸時代の言葉で全部を書くわけではないが、「藩士」 であれば「○○家 家来」とした方が「江戸時代らしい」のではないか。 これまでは「まぁ仕方がないんだろうな」と思っていたが、本書巻末の参考文献の 中に三田村鳶魚の名前を見つけて違和感が強まった。三田村翁が口を酸っぱくして 指摘し続けてきたことであるから。巷説シリーズも京極堂シリーズも「言葉」が 命だと思うのだが。別の作品では徳川をトクセンと読ませるなどの三田村翁風の拘りを 見せているだけに不可解。 | ||||
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