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(短編集)
前巷説百物語
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前巷説百物語の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.58pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全33件 21~33 2/2ページ
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それぞれの話を解決するときに なるべく人死にが出ないように... と、悪いとされてる人間だって、周りの人にしてみれば大事なんだと それを言いつのっている割には、話が進んで行くにしたがって 命が軽く扱われている感があるのは何故なんだろう。 | ||||
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「巷説百物語」シリーズの登場人物たち―なかんずく,「又一」―の過去を解き明かす物語です。 シリーズ中での又一は,酸いも甘いも知っている苦労人というイメージですが,本作で語られる彼は,まだ威勢の良い駆け出しです。 ‘仕かけ’も,又一が主導権を握っている場面は少ないこともあり,やや精緻さに欠けます(もちろんこれは,作品構成上の狙いでしょうが)。 また本作では,かなり「人死に」が出てきます。これも,のちの又一の性格や仕かけのやり口を理解する上での必要な構成といえます。 本作品は,一連のシリーズを読んでいるほうが楽しめるのは確かです。しかし,本作品を最初に読んだとしても,シリーズと矛盾しないよう,うまく構成されています。 一連のシリーズと同一平面で評価するのは難しいですが,キャラクターの性格に深みを与えるものとして,また小説自体としても楽しめます。 なお,「後巷説百物語」でシリーズ的に一応区切りがついていると思われるので,新作品が出るとすれば,外伝的あるいはサイドストーリー的な構成になるのでしょうか。本作で初登場しかつシリーズ中で語られていないキャラクターもいるので,是非,続きを期待したいところです。 | ||||
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御行姿になる前の、小股くぐり時代の又一編。「とにかく命に釣り合うものなんざネェんだ」っていう又一の青臭さが意外です。妖怪仕掛けがやや単純なのも、京極堂の計算づくです。 「続巷説…」でつづられた祇右衛門が、更に深く掘り下げて描かれます。御灯の小右衛門もまた、いきいきと現役で登場。うれしい驚きの、二倍楽しい企画。おぎんや又一の出所が知れます。 又一の心に深い傷を残すいきさつが描かれ、ボリュームに見合った手ごたえと感動がありました。 | ||||
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直木賞をとった「巷説百物語」シリーズの又八を主人公にした本編の前の時期の話を書いた作品です。 小さな事件を一つ一つ解決していく短編ですが、最終的に大きな事件を解決するといった構成になっています。 全体としては、ある種の悪が、善意から発して大きな悪意に結び付き構造的な巨悪になってしまうという、一般社会ではありがちな組織とか人間社会の在り方をテーマにしています。 そういった組織とか人間の生臭い事件が頻発しているような今という時代を描いてるともいえます。 そういった事象をエンターテイメントとして小説化し、それを小説の中で構造的に解体していこうという姿勢や読ませる技術はさすがです。 | ||||
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シリーズ第一作「巷説百物語」に比べればレベルダウンは否めない。仕掛けが稚拙で話の展開も今ひとつである。謎解きに進むための説明が多すぎる。 しかし、前3作で円熟期に達していた又市の若いころの活躍譚とすれば、最初からハイレベルの仕掛けをするのはおかしい。シリーズ全体の構成を考えて、涙を呑んでレベルを落としていると考えたい。それを示唆する箇所もある。ただ単に読み物として面白い話にするのなら、又市の師匠となる人物を登場させ、その人物を中心に描いてもよかったはずである。この作品はあくまで、前3作のファンに向けた作品であり、この3作を読んでいることが前提である。この作品を単独で読むのは涙を呑んでレベルを落とした著者の意図に反すると思う。 また、作品の底流では、手段として報復が有効なのかどうか、宗教が人にどうかかわっているのかなど、9.11以来再検討されている現代的テーマをモチーフにしているように思われ興味深かった。その意味で説明過多なのも已むを得ないと考える。 シリーズものは矛盾がないように話の制約も多くなる。著者の苦労に頭の下がる思いだが、あくまでエンターテイメントであるということを考え、申し訳ないが星は4つにした。 | ||||
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前3作を読んだ方なら、間違いなく【買い】です! 今までにないぐらいに、登場人物に感情移入できますし、 全京極作品の中でも1番かも!? 青臭い又市・・・カッコ良すぎ♪ 代金2000円と、少々値は張りますが、 読み終わったあとも、手放さずに持っていたくなりますので、 一生もんと思えば、安い買い物ではないでしょうか。 | ||||
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最近流行のビギニングものですが、この本は楽しいです。 又市の若かりし頃が扱われています。二十歳前後で、青臭いと言われながら、お甲の「ゑんま屋」の下働きとして、「小股潜り」の別称で口先三寸で活躍をします。 中でも、稻荷坂の祇右衛門との闘いになる「かみなり」「山地乳」「旧鼠」が、緊迫感があり、それでいて人情味もあって素晴らしいです。 それぞれに挿入されている南町同心志方兵吾の視点への変化が、効果的に使われています。 ちょっと理屈ぽくなる久瀬棠庵と又市のやり取りも面白いと思います。 「御行奉為」。表稼業から裏稼業の世界へ。 | ||||
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双六売りの又一が「御行の又一」になるまでの成長譚(全6話)。 最初の2〜3話を読むうちは、 本シリーズファンなら分かるであろう独特の洒落た語り口と、 人の好い奉行所同心&十手の万三が 道化役としてオチに絡んでいくお得意の構図に満足はするものの、 事件も仕掛けも小さすぎて 内心“これはもしかして失敗したかな?”と。 でも、それは早計にすぎました。 まだまだ青臭い若造だった又一が、 例の“祗右衛門”の悲劇的なからくりに足を突っ込み、 様々な知恵者、業師らとの出会い、そして別れを通して ご政道と闇社会の狭間にある自らの立ち位置を徐々に見極め、 ついに腹を括って 「御行奉為―おんぎょうしたてまつる―」 と言い放つ瞬間は、万感せまるものがあります。 後半になるに従いドラマチックな展開になりますので、 期待を失わず読み進めましょう。 ただし、前のシリーズ3作は読んでおかれた方が良いでしょう。 星は気持ちとしては5つなのですが 同氏の他の作品と比較した場合においての、4つです。 ん?「嗤う伊右衛門」はこの後の話になると思いますが… その割りに又一さんは、まだまだ甘いなあ。 | ||||
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前3作を読んで結構たつので、ちょっとはいりにくかったのですが、やっぱり面白かった!「前巷説百物語」という事で、登場人物は知らない人がほとんどでした。しかし、読み進むうちに、引き込まれ、こうやって御行の又市になったのかとわかる作品でした。流石、京極先生、面白かったです。読了後、また前の作品を読み反したくなる事間違い無し! | ||||
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シリーズの中では、又市が若くてまだ表渡世にいたときの、 いわゆる「エピソード1」になるような作品。 仕掛けのメンバーも違っていて、それだけに仕掛けの内容も荒々しく荒唐無稽な感じもあり。 ただ、雰囲気は異なっても、「必殺仕事人」系のすきっとする感は変わらず。 とはいえ、最後の物語は又市の人生を変えることとなった出来事だけあって、 シリーズの中でもやはり圧巻な展開。 シリーズファンには欠かせない作品かと。 | ||||
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又市さんの若き日のお話でした。 まだ後の狂言回しの役を振られる百介とは出会っていませんし、(わずかにすれ違う?)時間軸としては後になるのですが、これまでの作品に出てくる主要人物はほとんど活躍しません。相変わらず京極さんの作品らしい重厚な筆運びですが、又市さんが若いせいか、なんとなく「さわやか?」な読後感があります。話自体は結構悲惨だったりするのですが。 読む側にも、これで「お終い」でなく、ここから「始まり」という気持ちがあるからでしょうか。 本シリーズお好きな方は裏切られることはないと思います。 | ||||
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京極夏彦の【巷説百物語】シリーズ第4弾。取り上げる時代としては最も古い。主人公は又市で、彼が20歳くらいの時から物語は始まる。当時より「小股潜り」の二つ名で呼ばれた又市だったが、後と比べてまだまだ経験は浅く、言うことも青くさい。稼業は双六(すごろく)売りで、御行の扮装もしていない。小悪党の彼がいかにして闇の世界の住人となっていくか、その過程を追った作品である。 あくまで又市中心の話であり、後のシリーズ作品に登場する面々はちらっと顔を見せる程度。収められた6つの中編のうち、圧巻は「旧鼠」。運命を変える大事件に遭遇した又市が下す決断は、シリーズファンなら見届けておきたい。 | ||||
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百介――と出逢う前の、若き又市の物語です。 という訳でお馴染みのメンバーは当初あまり出てきません。 まあ、人形のような顔をした少女や、うろうろしている妙な若旦那が居たりもします。 いつものように角川MOOK『怪』連載作品の単行本化でありまして、これまたいつもの如く単行本書下ろしの一編が加えられてます。 又市、若いだけに一層威勢が良いです。瑞々しいとでもいうか。 で、例えば百介視点のように狂言廻し的な視座はそれほど前面に出てきませんで、基本的に又市がメインとして動くというのが特徴的でしょうか。 それでその書き下ろしが、多分最大の読みどころ。『巷説』シリーズ中で度々語られてきた(筈)事件の顛末です。 実にアクティブというか、大破局〈カタストロフィ〉というか、シリーズ中でも屈指の暴威が中篇並の分量で。ちょっと暗め? そしてこれから十年後(らしい)、百介は、山中の小屋で又市と出逢います。 | ||||
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