(短編集)

十二人の手紙

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評判

十二人の手紙の評価:

4.12/5点 レビュー 59件。 A ランク

Amazon書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点4.12pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全290件 241〜260 13/15ページ
No.50
(5pt)

井上ひさしの小説の醍醐味

井上ひさし作品はどれを読んでも損はないが、とりわけ、『十二人の手紙』(井上ひさし著、中公文庫)は小説の醍醐味を味わわせてくれる。

キャバレーに勤める元・修道女の身も心もボロボロの手紙。上京し、就職した小さな会社の社長の毒牙にかかった少女から弟らへの手紙。家出し、演劇スクールに通い、新人公演の主役を射止めた女性から高校の恩師への手紙。人妻に突然送られてきた、25年前に夫と同期だった男からの手紙。鞍馬山中で仕事に励む初老の画家への留守宅の妻からの驚くべき手紙。ペンフレンドを求める若き女性に寄せられた恐るべき手紙など、12人の手紙だけで構成されたこの書簡集には、悲しみと笑いが詰まっているが、さらにエピローグでこれらの登場人物たちが一堂に会するという、いかにも井上らしい趣向が凝らされている。
十二人の手紙 (中公文庫) Amazon書評・レビュー: 十二人の手紙 (中公文庫)より
4122051037
No.49
(5pt)

井上ひさしの小説の醍醐味

井上ひさし作品はどれを読んでも損はないが、とりわけ、『十二人の手紙』(井上ひさし著、中公文庫)は小説の醍醐味を味わわせてくれる。

キャバレーに勤める元・修道女の身も心もボロボロの手紙。上京し、就職した小さな会社の社長の毒牙にかかった少女から弟らへの手紙。家出し、演劇スクールに通い、新人公演の主役を射止めた女性から高校の恩師への手紙。人妻に突然送られてきた、25年前に夫と同期だった男からの手紙。鞍馬山中で仕事に励む初老の画家への留守宅の妻からの驚くべき手紙。ペンフレンドを求める若き女性に寄せられた恐るべき手紙など、12人の手紙だけで構成されたこの書簡集には、悲しみと笑いが詰まっているが、さらにエピローグでこれらの登場人物たちが一堂に会するという、いかにも井上らしい趣向が凝らされている。
十二人の手紙 (中公文庫) Amazon書評・レビュー: 十二人の手紙 (中公文庫)より
4122007216
No.48
(5pt)

悲哀な人生を背負った十二人・・。

著者・井上ひさし氏の、「十二人の手紙」というタイトル
に目を惹かれた。十二人の手紙によって、ストーリーが
展開する少し変わった、短編集なのである。

昭和という高度経済成長期のまっただ中でありながら、
著者・井上ひさし氏の視点は、悲哀な人生を背負う人たち、
にスポットライトが当てられているのだ。
どちらかといえば社会の底辺に追いやられながらも、何とか
精一杯生きようとする、社会的弱者なのだ。

「赤い手」は、役所に届ける「申請書」や「届け出書」の
記述だけなのだが、その単純な書類の記載内容だけで、
その悲しい生涯が、読者脳裏に焼き付けられてしまうのだ。

そして、最後の「人質」では・・・。
本書の最後には、思いがけぬ仕掛けがあったのだ。

今の日本では、こんな生活はあるのだろうか?昭和という
時代が、懐かしく思える一冊である。
十二人の手紙 (1980年) (中公文庫) Amazon書評・レビュー: 十二人の手紙 (1980年) (中公文庫)より
B000J899LE
No.47
(5pt)

悲哀な人生を背負った十二人・・。

著者・井上ひさし氏の、「十二人の手紙」というタイトル
に目を惹かれた。十二人の手紙によって、ストーリーが
展開する少し変わった、短編集なのである。

昭和という高度経済成長期のまっただ中でありながら、
著者・井上ひさし氏の視点は、悲哀な人生を背負う人たち、
にスポットライトが当てられているのだ。
どちらかといえば社会の底辺に追いやられながらも、何とか
精一杯生きようとする、社会的弱者なのだ。

「赤い手」は、役所に届ける「申請書」や「届け出書」の
記述だけなのだが、その単純な書類の記載内容だけで、
その悲しい生涯が、読者脳裏に焼き付けられてしまうのだ。

そして、最後の「人質」では・・・。
本書の最後には、思いがけぬ仕掛けがあったのだ。

今の日本では、こんな生活はあるのだろうか?昭和という
時代が、懐かしく思える一冊である。
十二人の手紙 (1978年) Amazon書評・レビュー: 十二人の手紙 (1978年)より
B000J8OJFK
No.46
(5pt)

悲哀な人生を背負った十二人・・。

著者・井上ひさし氏の、「十二人の手紙」というタイトル
に目を惹かれた。十二人の手紙によって、ストーリーが
展開する少し変わった、短編集なのである。

昭和という高度経済成長期のまっただ中でありながら、
著者・井上ひさし氏の視点は、悲哀な人生を背負う人たち、
にスポットライトが当てられているのだ。
どちらかといえば社会の底辺に追いやられながらも、何とか
精一杯生きようとする、社会的弱者なのだ。

「赤い手」は、役所に届ける「申請書」や「届け出書」の
記述だけなのだが、その単純な書類の記載内容だけで、
その悲しい生涯が、読者脳裏に焼き付けられてしまうのだ。

そして、最後の「人質」では・・・。
本書の最後には、思いがけぬ仕掛けがあったのだ。

今の日本では、こんな生活はあるのだろうか?昭和という
時代が、懐かしく思える一冊である。
十二人の手紙 Amazon書評・レビュー: 十二人の手紙より
4120008045
No.45
(5pt)

悲哀な人生を背負った十二人・・。

著者・井上ひさし氏の、「十二人の手紙」というタイトル
に目を惹かれた。十二人の手紙によって、ストーリーが
展開する少し変わった、短編集なのである。

昭和という高度経済成長期のまっただ中でありながら、
著者・井上ひさし氏の視点は、悲哀な人生を背負う人たち、
にスポットライトが当てられているのだ。
どちらかといえば社会の底辺に追いやられながらも、何とか
精一杯生きようとする、社会的弱者なのだ。

「赤い手」は、役所に届ける「申請書」や「届け出書」の
記述だけなのだが、その単純な書類の記載内容だけで、
その悲しい生涯が、読者脳裏に焼き付けられてしまうのだ。

そして、最後の「人質」では・・・。
本書の最後には、思いがけぬ仕掛けがあったのだ。

今の日本では、こんな生活はあるのだろうか?昭和という
時代が、懐かしく思える一冊である。
十二人の手紙 (中公文庫) Amazon書評・レビュー: 十二人の手紙 (中公文庫)より
4122051037
No.44
(5pt)

悲哀な人生を背負った十二人・・。

著者・井上ひさし氏の、「十二人の手紙」というタイトル
に目を惹かれた。十二人の手紙によって、ストーリーが
展開する少し変わった、短編集なのである。

昭和という高度経済成長期のまっただ中でありながら、
著者・井上ひさし氏の視点は、悲哀な人生を背負う人たち、
にスポットライトが当てられているのだ。
どちらかといえば社会の底辺に追いやられながらも、何とか
精一杯生きようとする、社会的弱者なのだ。

「赤い手」は、役所に届ける「申請書」や「届け出書」の
記述だけなのだが、その単純な書類の記載内容だけで、
その悲しい生涯が、読者脳裏に焼き付けられてしまうのだ。

そして、最後の「人質」では・・・。
本書の最後には、思いがけぬ仕掛けがあったのだ。

今の日本では、こんな生活はあるのだろうか?昭和という
時代が、懐かしく思える一冊である。
十二人の手紙 (中公文庫) Amazon書評・レビュー: 十二人の手紙 (中公文庫)より
4122007216
No.43
(3pt)

染み入るように

じんわりと、染み込んでくる。何とも言えない。小泉今日子さんが新聞に推薦図書として載せていたので購入しました。
十二人の手紙 (1980年) (中公文庫) Amazon書評・レビュー: 十二人の手紙 (1980年) (中公文庫)より
B000J899LE
No.42
(3pt)

染み入るように

じんわりと、染み込んでくる。何とも言えない。小泉今日子さんが新聞に推薦図書として載せていたので購入しました。
十二人の手紙 (1978年) Amazon書評・レビュー: 十二人の手紙 (1978年)より
B000J8OJFK
No.41
(3pt)

染み入るように

じんわりと、染み込んでくる。何とも言えない。小泉今日子さんが新聞に推薦図書として載せていたので購入しました。
十二人の手紙 Amazon書評・レビュー: 十二人の手紙より
4120008045
No.40
(3pt)

染み入るように

じんわりと、染み込んでくる。何とも言えない。小泉今日子さんが新聞に推薦図書として載せていたので購入しました。
十二人の手紙 (中公文庫) Amazon書評・レビュー: 十二人の手紙 (中公文庫)より
4122051037
No.39
(3pt)

染み入るように

じんわりと、染み込んでくる。何とも言えない。小泉今日子さんが新聞に推薦図書として載せていたので購入しました。
十二人の手紙 (中公文庫) Amazon書評・レビュー: 十二人の手紙 (中公文庫)より
4122007216
No.38
(5pt)

手紙にしたためた言葉の力を思わないではいられない見事な短編集

読売新聞の書評欄(2010年8月9日)で女優の小泉今日子が「最近、久しぶりに読み返してみて、やはり名作だと再確認できた」と「私のイチオシ文庫」に選んでいました。
 二十数年来、KYON2が面白いと言った本で、ハズレがあったためしはありません。彼女の言葉を読んで、これは手にしないわけにはいきません。
 そして今回もまた、彼女の書を読む力に間違いがないことが「再確認」できた思いがしています。

 書簡ないし公文書の類い、つまり誰かが誰かにあてた文書で紡ぎあげた13の短編を集めた一冊です。「十二人の手紙」とありながら13の短編がある理由については実際にこの本を手にすれば分かります。確かに12人が、というより正確には縁づいた12組の人々の手紙によって紡がれる物語が詰まった一冊です。

 ここに掲げられた書簡があぶりだす物語の妖しさと不気味さに悪寒を覚える読書でした。
 ほとんどの短編は、便りの書き手が「信頼できない語り手(unreliable narrator)」であることが最後に明らかになります。そのとき、登場人物たちに対する私の<信頼>がいかに無邪気なものであったかを思い知り、そしてその私の信頼が大きく裏切られたことの衝撃の強さに色を失うのです。

 そう、まさに人と人との間にこの信頼というものを生み、育み、つなぎとめんと努める思いがこの手紙には込められています。ですがその思いが、つなぎとめんがためのいじきたない嘘に堕していることがあります。そこに私は言葉というものが持つ偽ることの力をまざまざと見せつけられ、怖気づいてしまうのです。

 それでもわずかにいくつかの短編は、嘘は嘘でも、微苦笑をもって読まざるをえない方便の嘘が散りばめられた作品があります。(『ペンフレンド』『鍵』)
 その嘘が人と人との間に温もりを生む手ごたえを感じないではいられません。

 言葉が偽り以外の何かを生む力がまだあることをどこかに思い、安堵の念も抱く作品群です。
十二人の手紙 (1980年) (中公文庫) Amazon書評・レビュー: 十二人の手紙 (1980年) (中公文庫)より
B000J899LE
No.37
(5pt)

手紙にしたためた言葉の力を思わないではいられない見事な短編集

読売新聞の書評欄(2010年8月9日)で女優の小泉今日子が「最近、久しぶりに読み返してみて、やはり名作だと再確認できた」と「私のイチオシ文庫」に選んでいました。
 二十数年来、KYON2が面白いと言った本で、ハズレがあったためしはありません。彼女の言葉を読んで、これは手にしないわけにはいきません。
 そして今回もまた、彼女の書を読む力に間違いがないことが「再確認」できた思いがしています。

 書簡ないし公文書の類い、つまり誰かが誰かにあてた文書で紡ぎあげた13の短編を集めた一冊です。「十二人の手紙」とありながら13の短編がある理由については実際にこの本を手にすれば分かります。確かに12人が、というより正確には縁づいた12組の人々の手紙によって紡がれる物語が詰まった一冊です。

 ここに掲げられた書簡があぶりだす物語の妖しさと不気味さに悪寒を覚える読書でした。
 ほとんどの短編は、便りの書き手が「信頼できない語り手(unreliable narrator)」であることが最後に明らかになります。そのとき、登場人物たちに対する私の<信頼>がいかに無邪気なものであったかを思い知り、そしてその私の信頼が大きく裏切られたことの衝撃の強さに色を失うのです。

 そう、まさに人と人との間にこの信頼というものを生み、育み、つなぎとめんと努める思いがこの手紙には込められています。ですがその思いが、つなぎとめんがためのいじきたない嘘に堕していることがあります。そこに私は言葉というものが持つ偽ることの力をまざまざと見せつけられ、怖気づいてしまうのです。

 それでもわずかにいくつかの短編は、嘘は嘘でも、微苦笑をもって読まざるをえない方便の嘘が散りばめられた作品があります。(『ペンフレンド』『鍵』)
 その嘘が人と人との間に温もりを生む手ごたえを感じないではいられません。

 言葉が偽り以外の何かを生む力がまだあることをどこかに思い、安堵の念も抱く作品群です。
十二人の手紙 (1978年) Amazon書評・レビュー: 十二人の手紙 (1978年)より
B000J8OJFK
No.36
(5pt)

手紙にしたためた言葉の力を思わないではいられない見事な短編集

読売新聞の書評欄(2010年8月9日)で女優の小泉今日子が「最近、久しぶりに読み返してみて、やはり名作だと再確認できた」と「私のイチオシ文庫」に選んでいました。
 二十数年来、KYON2が面白いと言った本で、ハズレがあったためしはありません。彼女の言葉を読んで、これは手にしないわけにはいきません。
 そして今回もまた、彼女の書を読む力に間違いがないことが「再確認」できた思いがしています。

 書簡ないし公文書の類い、つまり誰かが誰かにあてた文書で紡ぎあげた13の短編を集めた一冊です。「十二人の手紙」とありながら13の短編がある理由については実際にこの本を手にすれば分かります。確かに12人が、というより正確には縁づいた12組の人々の手紙によって紡がれる物語が詰まった一冊です。

 ここに掲げられた書簡があぶりだす物語の妖しさと不気味さに悪寒を覚える読書でした。
 ほとんどの短編は、便りの書き手が「信頼できない語り手(unreliable narrator)」であることが最後に明らかになります。そのとき、登場人物たちに対する私の<信頼>がいかに無邪気なものであったかを思い知り、そしてその私の信頼が大きく裏切られたことの衝撃の強さに色を失うのです。

 そう、まさに人と人との間にこの信頼というものを生み、育み、つなぎとめんと努める思いがこの手紙には込められています。ですがその思いが、つなぎとめんがためのいじきたない嘘に堕していることがあります。そこに私は言葉というものが持つ偽ることの力をまざまざと見せつけられ、怖気づいてしまうのです。

 それでもわずかにいくつかの短編は、嘘は嘘でも、微苦笑をもって読まざるをえない方便の嘘が散りばめられた作品があります。(『ペンフレンド』『鍵』)
 その嘘が人と人との間に温もりを生む手ごたえを感じないではいられません。

 言葉が偽り以外の何かを生む力がまだあることをどこかに思い、安堵の念も抱く作品群です。
十二人の手紙 Amazon書評・レビュー: 十二人の手紙より
4120008045
No.35
(5pt)

手紙にしたためた言葉の力を思わないではいられない見事な短編集

読売新聞の書評欄(2010年8月9日)で女優の小泉今日子が「最近、久しぶりに読み返してみて、やはり名作だと再確認できた」と「私のイチオシ文庫」に選んでいました。
 二十数年来、KYON2が面白いと言った本で、ハズレがあったためしはありません。彼女の言葉を読んで、これは手にしないわけにはいきません。
 そして今回もまた、彼女の書を読む力に間違いがないことが「再確認」できた思いがしています。

 書簡ないし公文書の類い、つまり誰かが誰かにあてた文書で紡ぎあげた13の短編を集めた一冊です。「十二人の手紙」とありながら13の短編がある理由については実際にこの本を手にすれば分かります。確かに12人が、というより正確には縁づいた12組の人々の手紙によって紡がれる物語が詰まった一冊です。

 ここに掲げられた書簡があぶりだす物語の妖しさと不気味さに悪寒を覚える読書でした。
 ほとんどの短編は、便りの書き手が「信頼できない語り手(unreliable narrator)」であることが最後に明らかになります。そのとき、登場人物たちに対する私の<信頼>がいかに無邪気なものであったかを思い知り、そしてその私の信頼が大きく裏切られたことの衝撃の強さに色を失うのです。

 そう、まさに人と人との間にこの信頼というものを生み、育み、つなぎとめんと努める思いがこの手紙には込められています。ですがその思いが、つなぎとめんがためのいじきたない嘘に堕していることがあります。そこに私は言葉というものが持つ偽ることの力をまざまざと見せつけられ、怖気づいてしまうのです。

 それでもわずかにいくつかの短編は、嘘は嘘でも、微苦笑をもって読まざるをえない方便の嘘が散りばめられた作品があります。(『ペンフレンド』『鍵』)
 その嘘が人と人との間に温もりを生む手ごたえを感じないではいられません。

 言葉が偽り以外の何かを生む力がまだあることをどこかに思い、安堵の念も抱く作品群です。
十二人の手紙 (中公文庫) Amazon書評・レビュー: 十二人の手紙 (中公文庫)より
4122051037
No.34
(5pt)

手紙にしたためた言葉の力を思わないではいられない見事な短編集

読売新聞の書評欄(2010年8月9日)で女優の小泉今日子が「最近、久しぶりに読み返してみて、やはり名作だと再確認できた」と「私のイチオシ文庫」に選んでいました。
 二十数年来、KYON2が面白いと言った本で、ハズレがあったためしはありません。彼女の言葉を読んで、これは手にしないわけにはいきません。
 そして今回もまた、彼女の書を読む力に間違いがないことが「再確認」できた思いがしています。

 書簡ないし公文書の類い、つまり誰かが誰かにあてた文書で紡ぎあげた13の短編を集めた一冊です。「十二人の手紙」とありながら13の短編がある理由については実際にこの本を手にすれば分かります。確かに12人が、というより正確には縁づいた12組の人々の手紙によって紡がれる物語が詰まった一冊です。

 ここに掲げられた書簡があぶりだす物語の妖しさと不気味さに悪寒を覚える読書でした。
 ほとんどの短編は、便りの書き手が「信頼できない語り手(unreliable narrator)」であることが最後に明らかになります。そのとき、登場人物たちに対する私の<信頼>がいかに無邪気なものであったかを思い知り、そしてその私の信頼が大きく裏切られたことの衝撃の強さに色を失うのです。

 そう、まさに人と人との間にこの信頼というものを生み、育み、つなぎとめんと努める思いがこの手紙には込められています。ですがその思いが、つなぎとめんがためのいじきたない嘘に堕していることがあります。そこに私は言葉というものが持つ偽ることの力をまざまざと見せつけられ、怖気づいてしまうのです。

 それでもわずかにいくつかの短編は、嘘は嘘でも、微苦笑をもって読まざるをえない方便の嘘が散りばめられた作品があります。(『ペンフレンド』『鍵』)
 その嘘が人と人との間に温もりを生む手ごたえを感じないではいられません。

 言葉が偽り以外の何かを生む力がまだあることをどこかに思い、安堵の念も抱く作品群です。
十二人の手紙 (中公文庫) Amazon書評・レビュー: 十二人の手紙 (中公文庫)より
4122007216
No.33
(5pt)

30年以上色あせない小説

井上ひさしが亡くなったと聞いて、最初に思い出したのはこの本。再読したいと探してみると2009年に中公文庫から新装版が出ている。単行本の出版が 1978年だから30年以上読者に支持されていることになる。
 題名の通り手紙で綴られた短編集なのだが、それぞれに様々な趣向が凝らしておりそれだけでも十分楽しめる。だが、本書の面白いところは、それぞれの短編が少しずつリンクし、エピローグで昇華する長編小説にもなっているところ。このようなスタイルは最近でもよくあるが、30年以上前に書かれた本書は今でも全く色あせていない。
十二人の手紙 (1980年) (中公文庫) Amazon書評・レビュー: 十二人の手紙 (1980年) (中公文庫)より
B000J899LE
No.32
(5pt)

30年以上色あせない小説

井上ひさしが亡くなったと聞いて、最初に思い出したのはこの本。再読したいと探してみると2009年に中公文庫から新装版が出ている。単行本の出版が 1978年だから30年以上読者に支持されていることになる。
 題名の通り手紙で綴られた短編集なのだが、それぞれに様々な趣向が凝らしておりそれだけでも十分楽しめる。だが、本書の面白いところは、それぞれの短編が少しずつリンクし、エピローグで昇華する長編小説にもなっているところ。このようなスタイルは最近でもよくあるが、30年以上前に書かれた本書は今でも全く色あせていない。
十二人の手紙 (1978年) Amazon書評・レビュー: 十二人の手紙 (1978年)より
B000J8OJFK
No.31
(5pt)

30年以上色あせない小説

井上ひさしが亡くなったと聞いて、最初に思い出したのはこの本。再読したいと探してみると2009年に中公文庫から新装版が出ている。単行本の出版が 1978年だから30年以上読者に支持されていることになる。
 題名の通り手紙で綴られた短編集なのだが、それぞれに様々な趣向が凝らしておりそれだけでも十分楽しめる。だが、本書の面白いところは、それぞれの短編が少しずつリンクし、エピローグで昇華する長編小説にもなっているところ。このようなスタイルは最近でもよくあるが、30年以上前に書かれた本書は今でも全く色あせていない。
十二人の手紙 Amazon書評・レビュー: 十二人の手紙より
4120008045