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悪貨
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悪貨の評価:
| 書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.35pt | ||||||||
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全23件 21~23 2/2ページ
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| 本書で初めて島田雅彦さんの小説を読んだ人は、巧みでスケールの大きなエンタメ作家だと思うことだろう。出所不明の偽札がそれを手にした市井の人々の運命を次々に狂わせていくのと並行して、「銭洗い弁天」なるマネーロンダリング組織のリーダーのもとで潜入操作に挑む女性警察官(本書のヒロイン)の活躍ぶりを描いていくかと思いきや、他方で「彼岸コミューン」という地域通貨の実験を行うカルト教団の存在が浮上し、あるいは偽札鑑定のプロという魅力的なキャラクターが登場してくる。そして次第に、本書の主人公である、巨額の資金を操る謎めいた男の顔が徐々に見えてくる、しかも彼とヒロインとの恋愛関係が進行しつつ…と、前半は非常にスリリングかつミステリアスで楽しすぎ、一挙に読んだ。後半になると、展開が急転すると同時に物語が主人公の歩みのみに収斂していき、話的にも先が読めてくるだけに興はややそがれたが、それでも結末まで引き込む力は衰えなかった。とても面白い。 主人公とヒロインの恋愛感情がメロウすぎてどうもスカスカな感じがする、物凄いやり手のはずの主人公の行動が、後半になるとかなり頭悪く思えてしまう、など、色々とツッコミどころはある。だが、国家を転覆させるほどの大量の偽札の流入に大混乱するニッポンの醜態を鮮やかに描きつつ、様々な登場人物たちの思惑や計略や理想や葛藤や挫折を記述していく手腕はお見事である。島田氏が新たな才能を見せ付けた傑作といってよいだろう。 | ||||
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| この本の栞は「零円」と書かれた1万円札と同じくらいの大きさの「偽札」。今回は偽札に纏わる、それを作り闇に流す者とそれを捕まえる者の、ちょっと変わった恋愛ものだ。最近、とみに普通の恋愛小説は読む気が失せているが、こういうちょっとない恋愛ストーリーは読みたい。それに最近の著者の作品では、『彗星の住人』〜『エトロフの恋』三部作以来の読みやすい作品だった。 また恋愛小説であると同時に、『海辺のカフカ』のような「父殺し」も少々テーマに入れている。また他にも今の世相を反映させたような、お金の動き、中国の台頭、「円天」を思わせるような、特殊な貨幣価値(1アガペー=10円)などを盛り込んだ、人の価値観を問い直すような内容となっている。 「結局、人が最後に頼るのは・・・呪力だ」と思う者、「世界は矛盾に満ちているが、今や自分もその矛盾の一部になってしまった」と感じる者、みな、最後には本能に従って生きる道を選ぶ。だから恋愛ストーリーとしては、精神的にはハッピーエンディングなのだが、それだけで終われるほど簡単ではなく、罪には罰が用意されている。 1つだけとてもツボに入った表現があった。それは「アメリカ西海岸の公園内にある日本庭園とでもいうべきちぐはぐな感じがついて回った」という個所。これは多分、サンフランシスコのある公園内の日本庭園のことだと思うのだが、これを読んで、その昔、ここの中の橋の弓なりっぷりが、あり得ないほど極端だったのを見て、大笑いした記憶が蘇ってきた。 | ||||
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| 文章も、構成もしっかりしているし、 主題も「通貨への疑心」という「今どき」のテーマ で、一気に読んでしまいました。 ただ、島田さんの「エンターテイメント」って こういうもので良いのでしょう「的」なご自身にとって 余技を見せる作品になってしまっていて 読後は、物足りなさを感じました。 | ||||
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