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(短編集)
支那扇の女
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支那扇の女の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.60pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全7件 1~7 1/1ページ
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表題作の感想のみ。 美奈子の夫で八木夏彦の従兄弟にあたる朝井照三が、ほとんど事件の発端から終盤まで、疑惑だらけの胡散臭さを発散しているw こうなると読者としては、一体どんな大技で朝井の逆転無罪に持っていくのかが興味の中心というものである。 それに対する回答は、なるほどそー来たかと感心したが、なぜだか全体としてイマイチ面白くなかったw あまり分析もしていないが、真犯人の影が薄いと云うのが理由だろうか……。 犯人の動機や心情は、もっと深堀ができるような設定だと思うのだが、せっかく中篇にサイズを膨らませたにも関わらず、そちらの方向には向かわず、多門修まで駆り出して、派手な捕物展開にしていた……。決して悪くはないものの、幾許か物足りなくもあったのが正直なところ。 中島河太郎の解説によれば、半ばくらいまでは元の短篇の面影を残しているらしいが、動機も犯人も違っているとのこと。 そ、それは読んでみたい……w ところで、本作において美奈子と義母や小夜子との仲は、特に悪いわけではないが、親密ではなかったという意味の文が何度か出てきたが、「あの晩は美奈子さんが寝室まで抱いていったそうですよ」(P.134) どうしてなかなか世話しているのでは? | ||||
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高級住宅街のお屋敷で、二人の女性が薪割りで惨殺され、その現場から走り出してきた女が、警官の制止を振り切って、鉄道自殺をはかろうとした。自殺未遂をはかった女性は、『支那扇の女』と題された絵画に描かれた毒殺魔の女と血縁にあり、その肖像画と自分が容貌もそっくりなことから、自分はその恐ろしい殺人者の生まれ変わりではないかという強迫観念にとらわれ、夢遊病を発症していた。惨劇を目の当たりにしたとき、女は自分が病気の発作を起こしている間に犯した殺人に違いないという恐怖から、発作的に自殺をはかったのであったが…。 凄惨でショッキングな発端から、夢遊病や生まれ変わりというミステリアスで神秘的な設定で、前半すぐにストーリーに引き込まれるが、中盤が、事情聴取や捜査陣の議論に終始して、やや平板な印象を受ける。ただ、二百ページ弱という分量から、ひどく退屈に陥ってしまう前に、派手な銃撃戦の大捕物から犯人逮捕、そして意外な真相の発覚へと、終盤一気に読み終えてしまえる。文章も分量も読みやすい作品だが、中盤の展開にもうひと工夫あったら、さらに面白い作品になっていたのではないかと思う。 併録されている『女の決闘』は、自国に帰国するイギリス人夫婦のお別れパーティーで、女性が毒殺されかけるが、居合わせた金田一耕助の機転で一命を取りとめる。しかし、その後同じ出席者を集めて再び開かれたパーティーで、今度は殺されかけた女性の夫が、同じ毒薬で殺害される…という内容。かなり危うい綱渡り的な犯行だし、謎を解く最も重大なポイントが、帰国したイギリス人へ金田一が問い合わせた手紙の返信で明らかになるといったところも、「そんな重大なことに気づいていたなら、帰国する前に証言しとけよ」と、突っ込みたくなったり、やや無理を感じるところの多い作品だった。 | ||||
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横溝氏には短編を長編化した作品が、かなりあるが、『支那扇の女』も、その中の一つ。 長編化作品の中では、比較的読み易くまとまっているように思う。 横溝ファンには、楽しい読書時間を提供してくれるだろう。 | ||||
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短編を長編化する作業を氏は良く行います。謎やトリックにはそれにふさわしい物語がないと推理小説として成立しません。大長編にはそれにふさわしい大きな謎が欲しいのはもちろんですがですが、逆に短編に押し込めすぎて消化不良を起こすのもよくあれません。 「壺中美人」や「扉の影の女」はピタリのスケールで改稿された作品だと思いますが、本作は長編化しなくてもよかったのではないかと思います。 そもそもヒロインが「毒婦」の生まれ変わりかもしれないと推理する読者はいません。作中に「昔の事件」が出てくる作品は事情が重層化されて、話のスケールが大きくなりますが、本作はそれほど大きな話ではありません。動的なシーンが冒頭ととクライマックスにあるのですが、それ以外は至って平板な展開で、読者を引き込むような魅力が乏しいのではないかと思われます。真犯人といい、これは短編向きの話だったと思います。 | ||||
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横溝さんの作品はかなり読んだのですが、正直「夢遊病」が話の軸になるものが多過ぎるような気がしました。 「夜歩く」はそれらの中で唯一の傑作だと個人的に思うのですが、これはどうでしょう。それなりに楽しんで読めましたが。 むしろ、横溝さんが頻繁に小説のネタにしている「夢遊病」に何かしら時代的な背景があったのか、それとも個人的に印象的な 体験があったのか、とかソッチの方が気になります。恐らく、組み込み易いプロットなのでしょうが。 | ||||
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もともと『横溝正史長編全集11 支那扇の女』として出たもの。 「支那扇の女」と「女の決闘」の2篇が収められている。 「支那扇の女」は、同名の短篇を改作したもの。犯人などが変更されており、良心的な仕事だ。真相も意外だし。しかし、いろいろと不自然な点があり、なんだかスッキリしない読後感だ。 「女の決闘」もプロットに工夫があり、水準作となっている。しかし、短くまとめ過ぎなのでは? こちらも改作の余地があると思う。 全体としては、悪くはないのだが、不満が残る。 なお、1975年に角川文庫として出た『支那扇の女』と同内容。 | ||||
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「支那扇の女」と「女の決闘」の2篇が収められている。 「支那扇の女」は、同名の短篇を改作したもの。犯人などが変更されており、良心的な仕事だ。真相も意外だし。しかし、いろいろと不自然な点があり、なんだかスッキリしない読後感だ。 「女の決闘」もプロットに工夫があり、水準作となっている。しかし、短くまとめ過ぎなのでは? こちらも改作の余地があると思う。 全体としては、悪くはないのだが、不満が残る。 | ||||
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