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秀吉の枷
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秀吉の枷の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.93pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全61件 41~60 3/4ページ
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前作では、信長の遺体消失の謎を軸に、太田牛一という記録者の視点から本能寺の変のからくりを解き明かした。着想の斬新さとドラマ仕立ての巧みさには堪能させられたものだ。それと比較すると、続編とはいえスケールは落ちる。そうはいっても上巻は、専制化し神格化への傾斜を隠さない信長への恐怖や長く抑圧されていた敵意から、主殺しの計略に踏み込んでいく秀吉の心理が史実との間の破綻もなく組み立てられている。さすがと思わせる内容だ。しかし、下巻は、老耄期に入った権力者の孤独と悲惨を浮き彫りにしてはいるものの、晩年の愚行や狂気、例えば秀次一族の誅滅の謎解きなどが小ぶりだ。秀次事件に連座して一族滅亡する川並衆・前野将右衛門に秀吉謀臣の役を振ったところは面白いが、歴史の脇役に光を当てた成功度でいうと前作の太田牛一に遠く及ばなかった。(史書の改ざんをしたたかに仕組み強制する権力の簒奪者秀吉、それに面従腹背で抵抗する史実の記録者・牛一という前作の構図は、エピソードの一つとしても鮮やかだった。) | ||||
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織田信長の本能寺の変の真相に迫る。 これをテーマに豊臣秀吉の視点から描かれているのが特徴といったところでしょうか? 歴史好きの貴方なら素直に楽しめる内容になっていると思います。 | ||||
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同書上巻の流れを受けてイザ下巻へと突入。 本能寺の変のあと、秀吉は着々と天下統一の手を打っていったのだが… その背後にはあの時の負い目(ココは貴方が想像してください。上巻を読まれればわかることと思います。)がちらほらと頭をもたげてくる。それが秀吉の人生にずっと付きまとってくる… そして、そのことがいろいろな意思決定に重大な影響を及ぼしていく。 下巻まで読み終えて、ふと「因果応報」という言葉がどこからともなく湧き上がってきました。 読み応えのある力作です。 3部作(信長・秀吉)の最終章の予定である明智光秀編を早く読みたい、そう思わせられる本でした。 著者の技量に感謝ですね。 | ||||
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信長の残忍さ、秀吉の苦悩がよく分かり、面白さはあったが、作品が小説の体をなしているかといえば、疑問もある。その点は加藤氏の「信長に学ぶ処世の法則」を読むと事情が見えてくる。「棺」「枷」「法則」を合わせて読むと全体像がはっきりとして、著者の意図するところが見えてくる。 経営者のなかには「おれは信長タイプだ」などという人がいる。軽薄さだけが浮き上がって見えるようになった。 | ||||
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前作「信長の棺」は歴史ミステリーという興味から読んだが、「秀吉の枷」はなぜ読み続けているのだろうか。ミステリーとはいえないのに。「信長」を読んでいなければ、面白みも半減するだろう。前作では秀吉嫌いのトーンが流れていたが、今作品では信長の非情さ、狂気がすごい。 | ||||
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前半部分は、強烈にワンマンな社長に仕える叩上げサラリーマンとして の秀吉の屈折した心情を描き、後半部分は本能寺の変から死ぬまでの秀 吉の行動についての謎解き、とりわけ彼の行動の「枷」となったものは 何かについて語っている。屈折した心情は良く書けてたと思う。多分実 体験等が豊富だと思うので。ただし、枷の部分は、単に書き方の問題か もしれないが謎解きとしての説得力は弱いと思う。秀吉の哀しみや憐れ さを感じさせるという点では大いに役立ったとは思うが。 末端はともかく、ある程度社長の近くに位置するような幹部社員ともなれ ば社長のネガティブな側面がイヤでも目に付くもの。この作品は秀吉視 点なので、信長はどちらかというと否定的な描き方になっている。 総じて言うと、戦後の信長もの・秀吉もののベースを作っている坂口安 吾+司馬遼太郎路線を覆すほどのものではないという評価。 | ||||
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「信長の棺」に続き、早々と発表された第二弾。新聞で 見かけた著者へのインタビューでは次回作の、明智光秀 を主人公にした作品を含めて、三部作の構想だそうな。 この著者の手法を推測するに、まず登場人物の動静を 細大漏らさず調べ上げ、その上で、それら人物の互いの 行動の間に、「何か見落としていること」、「隠されて いることはないか」と、眼光鋭く検証し、大胆な仮説を 立てる。 とりわけ、「桶狭間」のような「奇跡的」とされる事件 については大いに懐疑的で、「大事というものは、計算 し尽くして、必然的に成就されるものである」、という 信念を作品から感じるのは、うがち過ぎか。 また、秀吉が「自分は信長より人望、智略ともに勝る」 と自負した時、殺意を抱いた、という見方だが、「上司 と自分の力量を比較する」という習性は、企業人なら誰 しも同感できるところで、著者のサラリーマンとしての キャリアも作品に反映されているようだ。 意外だったのは、竹中半兵衛が高評価されている点で、 これは小和田哲男・著「軍師・参謀」の評価とは異にし ている。ほかに作中、「半兵衛がいう通り、信長を備中 に誘い出して毛利に始末させれば良かった」、という くだりは、新鮮だった。 「秀吉の出自」、「信長の殺害プラン」、「桶狭間の 襲撃方法」など、突拍子もないアイデアの連発ながら、 「小説」と割り切って、下巻に読み進むとしましょう。 | ||||
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ワンマン経営者(信長)に対する社員の処し方・・・そんな視点で読んでみると、とても身につまされます。特に下巻まで読み進むと、余計に悲哀に満ちてきますね。 もちろん歴史好きからすれば突っ込みたくなるところもあるのでしょうが、著者が、きちんと歴史を研究され、時間をかけて作品を組み上げられていることが実感でき、読んでいて好感が持てました。内容的には、斬新な解釈といったところまでは行きませんが、著者なりの秀吉像が生き生きと描かれており、歴史小説として高い評価を与えても良いのではないでしょうか。次回作は、光秀の立場で書いてくれると面白いかも。 | ||||
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下巻は、淀に乗っ取られた豊臣家が話の主題です。 秀吉が本能寺に仕掛けたことが、まわりまわって、淀の乗っ取りとなって、秀吉の首を絞めたんでしょうね。 胸を張れないことをしてしまうと、そのしっぺ返しが。。。 いい教訓を表現した作品です。 | ||||
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下巻は本能寺の変以降の秀吉の心の変遷を描き続けております。一つの行動はその解釈によって,その意味が大きく変わってきます。作者は秀吉の事跡の中で,彼らしくない愚かな行動とされている「関白秀次と一族の抹殺」および「朝鮮出兵」をも新しい解釈で描いております。 さらに,秀吉は秀次を買っており,天皇家から自分の後継者を選び,秀次にその補佐役をさせるという,ビジョンを持っていたとの解釈には驚かされました。ただ,このような大きな題材を下巻だけで描き切るには無理があります。 どうしても,説明不足となるために説得力が無く,そんな見方もできるのかと重みがありません。かえって表現が淡々としているだけに,茶々(淀君)がまるで疫病神のように秀吉のビジョンを破壊し,それに振り回される秀吉の姿が哀れさのみが印象に残ってしまいました。 下巻をもっと長い作品として,新しい秀吉像を描いたならば,もっと楽しめたと思います。 | ||||
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前作「信長の棺」は本能寺の変の謎を太田牛一が追いつめるミステリーでした。本作品はその後編に位置づけられており,黒幕であった秀吉がなぜ信長を死に追いやったのかについて,彼を主人公にして解き明かしていきます。 資料を丹念に集め,筋道をつけて描写していく作風は前作から変わっておりません。しかし,暗闇の中に潜む巨大な力に向き合う太田牛一を描いた前作に比べると,謎を解かれる秀吉が主人公になったためか,力強さに欠けているように感じられました。 ケアレスミスが文中に見受けられることも原因かもしれません。「信長の棺」と合わせて読むと楽しめますが,本作品だけでは淡々として物足りなさを感じました。 | ||||
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前作に引き続き、戦国時代のことが好きな人にはとても面白いと思います。 信長が生きているときに既に、秀吉は自分自身で信長を超えつつあるんじゃないかと認識し始めていたという設定が生々しくて物語を面白くさせてるんじゃないかと思いました。 楽しみはあとにとっておくということで、下巻はもう少しあとに読むことにします。 | ||||
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いきなり、竹中半兵衛の死から始まる“秀吉物”というのも新鮮だが、 中国攻めから本能寺、信長没後の目くるめく勢力変遷、各大名がしのぎを削る 駆け引きが面白い。 秀吉と二人の軍師、半兵衛と黒田如水との関係も、意識してだろうが、 劉備とホウ統、孔明を彷彿とさせる。 全体として品よく仕上がっている。 上巻は、大阪城を建設し、天下取りを確かなものにするあたりで終わるが、 信長が死してなお秀吉に大きな影を落としていく様が見事に描かれている。 このとき秀吉48歳。“人生五十年”の時代では、既に老境。 跡継ぎのいないあせりも宜なるかな。 この辺の心理描写は、著者の年齢もあろうが、身につまされるほど、うまい。 下巻の、更なる展開に期待。 | ||||
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作者は、「勝者に悲哀を 敗者に美学を」という考え方で、作品を書いていると「あとがき」で述べている。確かに、下巻は子供の出来ない秀吉が、後継作りに必死になっている様は、ある意味滑稽でもあり、天下人としての権力者の「悲哀」が感じられる。 しかし、上巻が「信長の棺」の裏表のような本で非常に興味深かったのに対し、下巻は「秀吉をめぐる女たち」とでもタイトルをつけた方がいいほど、秀吉の周りの女たちの描写ばかりである。秀吉の権力者の悲哀を書くのであれば、思い切って、枚数を倍にして単独の作品にしても良かったのではないかと思う。 「信長の棺」からの一貫した面白い歴史に対する見解なだけに、もっとしっかりと書いても良かったのにと残念に思った。 | ||||
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前作「信長の棺」と表裏一体の作品で、この上巻だけでも成立する作品になっている。ただ、それだけに「信長の棺」を読んでいないと、面白さも半減といったところだろう。 前作が、太田牛一という信長びいきの作家の目で書かれたのに対し、本作は秀吉のサイドから見たらどうなるかということで書かれている。しかし、そういった視点の違いだけなく、前作がミステリーとしての面白さで信長の死体の行方という謎を追ったのに対し、本作は秀吉という人間を通して信長と比較しながらTOP(天下人)のあり方、苦悩などを描いている。ところが、本能寺の変前夜の状況から、秀吉の天下取りまで、かなりの駆け足で書かれており、やや描写不足の感がしなくもない。下巻まで通して読んだ時、そうしたところが払拭されることを期待したい。 | ||||
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「信長の棺」は「信長公記」の著者を主人公にしたことと本能寺の変の意外な真相(=大胆な解釈)とが相まって、とても新鮮に読めました。いっぽうこちらは秀吉が主人公なので新鮮な視点というのはありませんが、前作を踏襲する大胆な解釈は更に緻密さを増しています。「棺」を推理小説の本編とするならば「枷」は長いエピローグですね。そこでは私たちの良く知る歴史上のひとつひとつのエピソードが、「真相」によって解釈がどう変わるのかを楽しみながら読むことができます。それが辻褄合わせではないなかなかの説得力があるのですが、その理由は2つです。史料を渉猟して事績を時系列でつぶさに拾い、それに推理を加えるという手法をとっていること。人物の健康状態がやたら詳しく叙述されているので、病気に影響されたとみられる心理や行動がリアルに感じられること。戦国時代の話などはみんなもうよ〜く知り尽くしている素材にもかかわらず、料理の仕方によってはまだまだ楽しめるということですね。 | ||||
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前作「信長の棺」でいくつか謎に終わった秀吉や前野将右衛門の行動が解明される。面白かったのは、 1、信長びいきの太田牛一の視点から描かれた前作とは異なる信長の人物像と織田軍団が描かれていた。前作の印象があったので、読者として意表をつかれた。 2、危うい構造を抱えながら天下統一を目前にした信長に対して、羽柴秀吉が情熱をかけてこれに立ち向かう姿が描かれている。これも、冷酷な野心家という一面を見せながらも、天下国家、そして天皇なども真摯に考えつつ行動した者として描かれており、前作とは異なる人物像に描かれていているような印象を受けた。 3、前作では意味深な登場だったが端役に終わった竹中半兵衛が重要な役回りを演じている。 自分としては、半兵衛と秀吉の対談、いろいろな意味で土壇場にあった秀吉が安国寺恵瓊と対談するくだりなどは引き込まれた。筋としては、忍び(将右衛門や小六)がインターネットを使うがごとくリアルタイムに的確な情報をもってくるところ(しかもそうでなければ本書のストーリーは成り立たない)に個人的に違和感を感じたが、時代小説としてはそれもよいのかなと思う。ちょっと残念だったのは黒田官兵衛。重要な役どころを持っているかのようにもったいぶって描写されているのだが、結局前ふりとは関係なくフェードアウトしてしまう感が残った。 いずれにしろ、内容紹介にある「まったく新しい秀吉」がいるまではいかなかったが、信長と秀吉の光と影が、前作とあわせて堪能できた。 | ||||
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上巻が羽柴秀吉の話、下巻が豊臣秀吉の話、となろうか。当然、利休・秀次・朝鮮と、重苦しい話題が続出する後半のほうが小説として描写するのは難しい。利休にしても秀次にしても新説を書くのは至難の業である(本書で新説が垣間見えたかというとそうでもない)。そうであっても、何とか面白くしないといけないのだが、上巻ほど面白くはなかった。上巻で活躍した多くの者たちはこの巻ではほとんど姿を見せない。前野将右衛門が最後のほうで出てきて、お、何かしてくれるか、と思いきや、2時間ドラマの結末の「事件の解説」みたいなことをする。事件の解説とかよりも、制御を失って変な方向に向かっていた時代に人々がどのように立ち向かっていったかという登場人物の行動・苦悩・駆け引きといったものを描写してほしかった。秀吉自身のそういう姿は描かれているのだが、まわりの武将は本多忠勝も立花宗茂も堀秀政も中途半端な役回りしか与えられていない。登場人物の絡みを重厚感のあるように描くか、それでなければ秀吉の内面の描写に絞れば、もっとよい作品になったのではないかと思う。唯一いきいきと描かれていたのが淀殿で、下巻は彼女の独壇場という感がした。桃山時代のオトコは政治的にこんなに弱かった、というところなのだろうか(司馬遼太郎さんの「豊臣家の人々」を連想させる)。 最後に、閨のシーンが下巻にだけ集中的に登場することについて。「信長の棺」と同様と言えばそれまでだが、上巻の続きで読んでいる読者は期待していないので、下巻にだけ集中的にこういうシーンを登場させるのは好ましくなかった(時代小説は読者層に未成年者も多かろうに)。 | ||||
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上下巻あわせて一気に読みました。 「信長の棺」を別の面から読み解くストーリー展開は、ただ納得の一言。 非常に面白く読むことができました。 作者の次回作も楽しめそうです。 ただ、前作もそうですが、セリフなど、やや説明的過ぎるのが難点。 | ||||
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「信長の棺」がかなり良かったので(小生的には星5つ)、期待はかなり高く、出版日当日に購入しました。 が、この本は、秀吉の気持ちや淀殿の気持ちの奥深くには入り込めていない感じがします。 前の土牛の突き抜けるような気持ちが感じられないのです。 もちろん、いろいろ調べて書いてあり「歴史ミステリー」と名乗っているのは間違いないとは思いますが。 次回作に期待したいです。 | ||||
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