楽園のカンヴァス

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楽園のカンヴァスの評価:

4.43/5点 レビュー 506件。 S ランク

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平均点4.43pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全993件 601〜620 31/50ページ
No.393
(5pt)

ルソーの絵の魅力をピカソが見出す。

ピカソ 1881年うまれ。
ルソー 1844年うまれ。

税関史 ルソーの 絵の持つ魅力をはじめて 見出したのは ピカソだった。
その代表作が 『夢』 1910年の作。その年に ルソーは 66歳で 没する。

うまい絵ではない。
しかし、何かが引っ掛かり、何かが新しいものがある。
1908年にピカソ(27歳)とルソー(64歳)とであうが、
ピカソは その前から ルソーの絵を評価していた。

ルソーの女神 ヤトヴィカ。
ティムブラウンは、アメリカ現代美術館の
アシスタントキュレーターだった。
そして、伝説のコレクター バイラーによってスイスに招待された。
ティムブラウンは、トムブラウンのアシスタントをしていた。
本来ならば トムブラウンを招待するはずなのだが
間違えて 招待されたと思ったが、招待に応じた。

ある絵を鑑定してほしい と言うことだったが
それは、ティムブラウンだけでなく 早川織絵も招待されていた。
鑑定する絵は ルソーの『夢のあと』と言われるものだった。

バイラーから 7つの章になった 本を読むを
毎日 1章づつ よむことで 『夢のあと』の真贋の判定をすることだった。
実際には 『夢』があり ただ 手の形が違うのだった。
ルソーが 60歳を超えている感じはなく、40歳から50歳くらいの 年齢のようだ。
ヤトヴィカに 心ときめかす。
ヤトヴィカは ルソーから絵をおくられるが
うまい絵でもなく、骨董品屋に売りつけるのだが。安い値段でしか うれない。

ルソーとピカソが 接点となるが、
夢のあと の 下の絵 が ピカソの絵ではないかと いわれた。
ヤトヴィカの夫は、徐々に ルソーの絵を評価し始める。
はたして 夢のあとは ルソーの書いたものか?
本当に 下絵に ピカソの絵があるのか?
そして 読まされている 本は 一体誰が書いたものか?

ティムブラウンと早川織絵の織りなす物語。
早川織絵が ステキな女性に 描かれている。

絵を 謎といていく 筆力は 並大抵ではない。
楽園のカンヴァス Amazon書評・レビュー: 楽園のカンヴァスより
4103317515
No.392
(4pt)

アンリ・ルソーの「夢」を題材にしたコレクターの秘蔵作品の真贋をミステリアスに読み解く物語。

MoMAのキュレーター・アシスタントのティム・ブラウンと新進気鋭の研究者早川織絵が、伝説のコレクターであるコンラート・バイラーの秘匿所蔵品であるアンリ・ルソーの「夢をみた」の真贋を、関係する一冊の本を交互に読んで鑑定・講評する物語。著者の美術に関する造詣の深さが小説全体に行きわたり、著者の物語世界についつい引き込まれてしまいます。文章は上手く、読み応え十分、長年に亘り実業(ビジネス)の世界に生きて来たのに、ここまで文章を読ませるのかと、今まで原田マハなる著者を知らなかった自分を残念に感じました。ただ、ラストパートの謎解きは仕込み過ぎていて、素直に読み解けない印象も残ります。読者が合点が行くようにとの親切心からと思いますが、謎解きは少なく、読者の想像に多く残す様な深みのある終わり方をしても良かったのではと感じました。ますますの活躍が期待され、注目して行きたい作家だと感じます。
楽園のカンヴァス (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 楽園のカンヴァス (新潮文庫)より
4101259615
No.391
(4pt)

アンリ・ルソーの「夢」を題材にしたコレクターの秘蔵作品の真贋をミステリアスに読み解く物語。

MoMAのキュレーター・アシスタントのティム・ブラウンと新進気鋭の研究者早川織絵が、伝説のコレクターであるコンラート・バイラーの秘匿所蔵品であるアンリ・ルソーの「夢をみた」の真贋を、関係する一冊の本を交互に読んで鑑定・講評する物語。著者の美術に関する造詣の深さが小説全体に行きわたり、著者の物語世界についつい引き込まれてしまいます。文章は上手く、読み応え十分、長年に亘り実業(ビジネス)の世界に生きて来たのに、ここまで文章を読ませるのかと、今まで原田マハなる著者を知らなかった自分を残念に感じました。ただ、ラストパートの謎解きは仕込み過ぎていて、素直に読み解けない印象も残ります。読者が合点が行くようにとの親切心からと思いますが、謎解きは少なく、読者の想像に多く残す様な深みのある終わり方をしても良かったのではと感じました。ますますの活躍が期待され、注目して行きたい作家だと感じます。
楽園のカンヴァス Amazon書評・レビュー: 楽園のカンヴァスより
4103317515
No.390
(3pt)

なんかちぐはぐな感じが・・・・・・

美術を題材にした小説というが珍しく、興味を持ちました。
作中作の事実なのか創作なのかあいまいな世界観は魅力的でしたし、
二人のキュレーターの、ルソーの絵画の真贋批評対決
というストーリーにも興味を持ちました。

しかしながら。
その対決の結果が、、、これいったいなんなんですか。
全員情に流されて、内輪で解決という感じでした。
恋に溺れて、作品とは真摯に向き合っていません。
なんか、大ぶろしきを広げておきながら、シメがあまりにチープな印象。
ダブルワークを最後の大オチに持ってきた方がよかったのでは??
楽園のカンヴァス (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 楽園のカンヴァス (新潮文庫)より
4101259615
No.389
(3pt)

なんかちぐはぐな感じが・・・・・・

美術を題材にした小説というが珍しく、興味を持ちました。
作中作の事実なのか創作なのかあいまいな世界観は魅力的でしたし、
二人のキュレーターの、ルソーの絵画の真贋批評対決
というストーリーにも興味を持ちました。

しかしながら。
その対決の結果が、、、これいったいなんなんですか。
全員情に流されて、内輪で解決という感じでした。
恋に溺れて、作品とは真摯に向き合っていません。
なんか、大ぶろしきを広げておきながら、シメがあまりにチープな印象。
ダブルワークを最後の大オチに持ってきた方がよかったのでは??
楽園のカンヴァス Amazon書評・レビュー: 楽園のカンヴァスより
4103317515
No.388
(3pt)

なんかちぐはぎな感じが・・・・・・

美術を題材にした小説というが珍しく、興味を持ちました。
作中作の事実なのか創作なのかあいまいな世界観は魅力的でしたし、
二人のキュレーターの、ルソーの絵画の真贋批評対決
というストーリーにも興味を持ちました。

しかしながら。
その対決の結果が、、、これいったいなんなんですか。
全員情に流されて、内輪で解決という感じでした。
恋に溺れて、作品とは真摯に向き合っていません。
なんか、大ぶろしきを広げておきながら、シメがあまりにチープな印象。
ダブルワークを最後の大オチに持ってきた方がよかったのでは??
楽園のカンヴァス (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 楽園のカンヴァス (新潮文庫)より
4101259615
No.387
(5pt)

すばらしい作品

ルソーが大好きになった。芸術への愛情にあふれた,心が温かくなる作品だ。お薦めします。
楽園のカンヴァス (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 楽園のカンヴァス (新潮文庫)より
4101259615
No.386
(3pt)

なんかちぐはぎな感じが・・・・・・

美術を題材にした小説というが珍しく、興味を持ちました。
作中作の事実なのか創作なのかあいまいな世界観は魅力的でしたし、
二人のキュレーターの、ルソーの絵画の真贋批評対決
というストーリーにも興味を持ちました。

しかしながら。
その対決の結果が、、、これいったいなんなんですか。
全員情に流されて、内輪で解決という感じでした。
恋に溺れて、作品とは真摯に向き合っていません。
なんか、大ぶろしきを広げておきながら、シメがあまりにチープな印象。
ダブルワークを最後の大オチに持ってきた方がよかったのでは??
楽園のカンヴァス Amazon書評・レビュー: 楽園のカンヴァスより
4103317515
No.385
(5pt)

すばらしい作品

ルソーが大好きになった。芸術への愛情にあふれた,心が温かくなる作品だ。お薦めします。
楽園のカンヴァス Amazon書評・レビュー: 楽園のカンヴァスより
4103317515
No.384
(5pt)

ヤドヴィガとルソーの情熱の本です

アンリルソーの世界に連れて行ってもらいました。本物「楽園」をNYのMoMAで
見たくなりました。読み終わってもまだ余韻が残ります。
楽園のカンヴァス (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 楽園のカンヴァス (新潮文庫)より
4101259615
No.383
(5pt)

ヤドヴィガとルソーの情熱の本です

アンリルソーの世界に連れて行ってもらいました。本物「楽園」をNYのMoMAで
見たくなりました。読み終わってもまだ余韻が残ります。
楽園のカンヴァス Amazon書評・レビュー: 楽園のカンヴァスより
4103317515
No.382
(5pt)

ルソーの絵がみたくなった

ルソーには全く興味がありませんでした。
でも「ジヴェルニーの食卓」を読んで、画家の人生とか
周りの人とのかかわりとかフィクションの部分があるにしても
とても興味をそそられてとても楽しめたので、
同じように絵画をテーマとしているこちらの作品も読んでみることに。

こちらは絵画の背景や画家のことだけではなく
キュレーターの経験がある著者でなければ書けないような仕事の話とか
ミステリーの要素もあって
一気に読んでしまう面白さでした。
もちろん絵画についてのあれこれもあって
早速ルソーの絵がみたくなりました。
楽園のカンヴァス (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 楽園のカンヴァス (新潮文庫)より
4101259615
No.381
(5pt)

ルソーの絵がみたくなった

ルソーには全く興味がありませんでした。
でも「ジヴェルニーの食卓」を読んで、画家の人生とか
周りの人とのかかわりとかフィクションの部分があるにしても
とても興味をそそられてとても楽しめたので、
同じように絵画をテーマとしているこちらの作品も読んでみることに。

こちらは絵画の背景や画家のことだけではなく
キュレーターの経験がある著者でなければ書けないような仕事の話とか
ミステリーの要素もあって
一気に読んでしまう面白さでした。
もちろん絵画についてのあれこれもあって
早速ルソーの絵がみたくなりました。
楽園のカンヴァス Amazon書評・レビュー: 楽園のカンヴァスより
4103317515
No.380
(3pt)

評価されているので、きっと良い作品なのだろうと思います

作中作の別の物語が長かったです。「楽園のカンヴァス」という物語なのか、作中作の物語なのか、どちらを書きたかったのかよくわからないくらい長かったです。
ルソーの大作の真贋の判定を競う二人の専門家の戦いが「楽園のカンヴァス」の骨子です。作中作の物語として、ルソーについての別の物語が展開する入れ子構造です。
作者がルソーについて詳しくてルソーを愛していることは伝わりました。作中作を切り出して、素直にルソーを主人公にした小説にすればよかったのに、と思ったくらいでした。
真贋の判定が、単に「物語を読むだけ」というのも、引っかかりました。
絵の具やキャンバスを調べてからにすれば? 真贋を判定する絵そのものは大して見ないで決めるの? そもそも、その作中作の物語が絵と密接なかかわりがあるという客観的な証拠がないとダメなんじゃないの? 手がかりが本物かどうかは気にしないの? キュレーターの仕事ってそんなんでいいの??
などと、頭の中を疑問符がかけめぐって、登場人物の涙にも人物関係にも全然入りこめませんでした。
美術モノは、絵画修復家やオークション会社やFBI捜査官や贋作者などの優れたノンフィクションを読むほうが、ずっとどきどきできますね。現実に起きた事件があまりにもスリリングなので、フィクションがついていけないのかもしれません。
でも「楽園のカンヴァス」は評価が高い作品なので、単に私の趣味の問題だと思います。
楽園のカンヴァス (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 楽園のカンヴァス (新潮文庫)より
4101259615
No.379
(3pt)

評価されているので、きっと良い作品なのだろうと思います

作中作の別の物語が長かったです。「楽園のカンヴァス」という物語なのか、作中作の物語なのか、どちらを書きたかったのかよくわからないくらい長かったです。
ルソーの大作の真贋の判定を競う二人の専門家の戦いが「楽園のカンヴァス」の骨子です。作中作の物語として、ルソーについての別の物語が展開する入れ子構造です。
作者がルソーについて詳しくてルソーを愛していることは伝わりました。作中作を切り出して、素直にルソーを主人公にした小説にすればよかったのに、と思ったくらいでした。
真贋の判定が、単に「物語を読むだけ」というのも、引っかかりました。
絵の具やキャンバスを調べてからにすれば? 真贋を判定する絵そのものは大して見ないで決めるの? そもそも、その作中作の物語が絵と密接なかかわりがあるという客観的な証拠がないとダメなんじゃないの? 手がかりが本物かどうかは気にしないの? キュレーターの仕事ってそんなんでいいの??
などと、頭の中を疑問符がかけめぐって、登場人物の涙にも人物関係にも全然入りこめませんでした。
美術モノは、絵画修復家やオークション会社やFBI捜査官や贋作者などの優れたノンフィクションを読むほうが、ずっとどきどきできますね。現実に起きた事件があまりにもスリリングなので、フィクションがついていけないのかもしれません。
でも「楽園のカンヴァス」は評価が高い作品なので、単に私の趣味の問題だと思います。
楽園のカンヴァス Amazon書評・レビュー: 楽園のカンヴァスより
4103317515
No.378
(2pt)

画家アンリ・ルソーの芸術性が掘り下げられておらず、ミステリーとしても微妙

フランス素朴派の画家アンリ・ルソー(1844 - 1910)の傑作《夢》に酷似した作品に秘められた画家の想いと、それを読み解こうとする研究者たちの想いを描いた物語。

本作を読んでいて思い出したのは、ノンフィクション『印象派はこうして世界を征服した』の作者フィリップ・フックによる小説『灰の中の名画』。本書と『灰の中の名画』に共通するのは、あるはずがない美術品が存在したという疑惑が浮上する点、両作者が美術の世界に席を置いていたために業界内のちょっとした内幕が書かれている点です(原田はいくつかの美術館に勤務していたようだし、フックは美術オークション会社のディレクターを勤めていた)。そして残念ながら、がっかりした読後感も一緒でした。

歴史上あるはずがないモノが存在する、という歴史ミステリーはむずかしい。肝心のモノが小説世界の外、すなわち現実には存在しない(とされている)がゆえに、フィクション内リアリティを担保するため、オチがあるていど見えてしまうからです。
考えられるオチなんて、たとえば、結局モノは存在しなかった、存在するが公にはならなかった、または存在の正否が曖昧なまま終わる、といったくらいでしょう。だからこそ歴史ミステリーはハードルが高くなり、緊張感を保ったまま結末まで引っ張る推進力が必要とされるはず。

本書のばあい、そのハードルがさらに上げられています。物語は現在(2000年)と過去(1983年)というふたつの時間軸で構成されており、物語は現在軸から始まります。物語の序盤で主要な登場人物の現状を明らかにしてしまっているため、あるていど読み進めれば、過去軸の結末はなんとなく察しがついてしまいます。
しかしながら作者が自らに課したハードルを効果的に利用していたか、あるいは、それをものともしない筆力で描かれていたかと言えば、否定的な答えをせざるをえません。

くわえて作中で鍵となる「謎の古書」にも伏線をはっておきながら、回収の仕方は中途半端。とってつけたような家族愛まで挿入しているのもあざとい。
おまけに、主人公格の世界的なルソー研究者ふたりは、ルソーが技術不足の「素人画家」として不当に評価されていると散々グチってきておきながら、いざルソー作品を目の前にして批評合戦をすれば、感情まかせで支離滅裂なことを言う始末。世評が芳しくないのはお前ら研究者がそのありさまだからだろ、と思わず突っ込みたくなります(そのことにより皮肉にも、ルソーの芸術性を客観的なことばで語ることのむずかしさが、意図しないかたちで裏づけられてはいますが)。

文章のリズムも近視眼的で全体的なバランスを欠いているし、比喩がなく散文的で、作者の文体にも最後までなじめませんでした。
楽園のカンヴァス (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 楽園のカンヴァス (新潮文庫)より
4101259615
No.377
(2pt)

画家アンリ・ルソーの芸術性が掘り下げられておらず、ミステリーとしても微妙

フランス素朴派の画家アンリ・ルソー(1844 - 1910)の傑作《夢》に酷似した作品に秘められた画家の想いと、それを読み解こうとする研究者たちの想いを描いた物語。

本作を読んでいて思い出したのは、ノンフィクション『印象派はこうして世界を征服した』の作者フィリップ・フックによる小説『灰の中の名画』。本書と『灰の中の名画』に共通するのは、あるはずがない美術品が存在したという疑惑が浮上する点、両作者が美術の世界に席を置いていたために業界内のちょっとした内幕が書かれている点です(原田はいくつかの美術館に勤務していたようだし、フックは美術オークション会社のディレクターを勤めていた)。そして残念ながら、がっかりした読後感も一緒でした。

歴史上あるはずがないモノが存在する、という歴史ミステリーはむずかしい。肝心のモノが小説世界の外、すなわち現実には存在しない(とされている)がゆえに、フィクション内リアリティを担保するため、オチがあるていど見えてしまうからです。
考えられるオチなんて、たとえば、結局モノは存在しなかった、存在するが公にはならなかった、または存在の正否が曖昧なまま終わる、といったくらいでしょう。だからこそ歴史ミステリーはハードルが高くなり、緊張感を保ったまま結末まで引っ張る推進力が必要とされるはず。

本書のばあい、そのハードルがさらに上げられています。物語は現在(2000年)と過去(1983年)というふたつの時間軸で構成されており、物語は現在軸から始まります。物語の序盤で主要な登場人物の現状を明らかにしてしまっているため、あるていど読み進めれば、過去軸の結末はなんとなく察しがついてしまいます。
しかしながら作者が自らに課したハードルを効果的に利用していたか、あるいは、それをものともしない筆力で描かれていたかと言えば、否定的な答えをせざるをえません。

くわえて作中で鍵となる「謎の古書」にも伏線をはっておきながら、回収の仕方は中途半端。とってつけたような家族愛まで挿入しているのもあざとい。
おまけに、主人公格の世界的なルソー研究者ふたりは、ルソーが技術不足の「素人画家」として不当に評価されていると散々グチってきておきながら、いざルソー作品を目の前にして批評合戦をすれば、感情まかせで支離滅裂なことを言う始末。世評が芳しくないのはお前ら研究者がそのありさまだからだろ、と思わず突っ込みたくなります(そのことにより皮肉にも、ルソーの芸術性を客観的なことばで語ることのむずかしさが、意図しないかたちで裏づけられてはいますが)。

文章のリズムも近視眼的で全体的なバランスを欠いているし、比喩がなく散文的で、作者の文体にも最後までなじめませんでした。
楽園のカンヴァス Amazon書評・レビュー: 楽園のカンヴァスより
4103317515
No.376
(2pt)

画家アンリ・ルソーの芸術観が掘り下げられておらず、ミステリーとしても微妙

フランス素朴派の画家アンリ・ルソー(1844 - 1910)の傑作《夢》に酷似した作品に秘められた画家の想いと、それを読み解こうとする研究者たちの想いを描いた物語。

本作を読んでいて思い出したのは、ノンフィクション『印象派はこうして世界を征服した』の作者フィリップ・フックによる小説『灰の中の名画』。本書と『灰の中の名画』に共通するのは、あるはずがない美術品が存在したという疑惑が浮上する点、両作者が美術の世界に席を置いていたために業界内のちょっとした内幕が書かれている点です(原田はいくつかの美術館に勤務していたようだし、フックは美術オークション会社のディレクターを勤めていた)。そして残念ながら、がっかりした読後感も一緒でした。

歴史上あるはずがないモノが存在する、という歴史ミステリーはむずかしい。肝心のモノが小説世界の外、すなわち現実には存在しない(とされている)がゆえに、フィクション内リアリティを担保するため、オチがある程度見えてしまうからです。
考えられるオチなんて、たとえば、結局モノは存在しなかった、存在するが公にはならなかった、または存在の正否が曖昧なまま終わる、といったくらいでしょう。だからこそ歴史ミステリーはハードルが高くなり、緊張感を保ったまま結末まで引っ張る推進力が必要とされるはず。

しかしながら本書のばあい、そのハードルがさらに上げられています。物語は現在(2000年)と過去(1983年)というふたつの時間軸で構成されているうえ、現在軸から始まるからです。物語の序盤で登場人物の現状を明らかにしてしまっているため、あるていど読み進めれば、過去軸の結末はなんとなく察しがついてしまいます。そして作者が自らに課したハードルを効果的に利用していたか、あるいは、それをものともしない筆力で描かれていたかと言えば、否定的な答えをせざるをえません。

くわえて作中で鍵となる「謎の古書」にも伏線をはっておきながら、回収の仕方は中途半端。とってつけたような家族愛まで挿入しているのもあざとい。
おまけに、主人公格の世界的なルソー研究者ふたりは、ルソーは技術不足の「素人画家」として不当に評価されていると散々グチってきておきながら、いざルソー作品を目の前にして批評合戦をすれば、感情まかせで支離滅裂なことを言う。世評が悪いのはお前ら研究者がそのありさまだからだろ、と思わず突っ込みたくなります。

文章のリズムも近視眼的で全体的なバランスを欠いているし、比喩がなく散文的で、作者の文体にも最後までなじめませんでした。
楽園のカンヴァス (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 楽園のカンヴァス (新潮文庫)より
4101259615
No.375
(2pt)

画家アンリ・ルソーの芸術観が掘り下げられておらず、ミステリーとしても微妙

フランス素朴派の画家アンリ・ルソー(1844 - 1910)の傑作《夢》に酷似した作品に秘められた画家の想いと、それを読み解こうとする研究者たちの想いを描いた物語。

本作を読んでいて思い出したのは、ノンフィクション『印象派はこうして世界を征服した』の作者フィリップ・フックによる小説『灰の中の名画』。本書と『灰の中の名画』に共通するのは、あるはずがない美術品が存在したという疑惑が浮上する点、両作者が美術の世界に席を置いていたために業界内のちょっとした内幕が書かれている点です(原田はいくつかの美術館に勤務していたようだし、フックは美術オークション会社のディレクターを勤めていた)。そして残念ながら、がっかりした読後感も一緒でした。

歴史上あるはずがないモノが存在する、という歴史ミステリーはむずかしい。肝心のモノが小説世界の外、すなわち現実には存在しない(とされている)がゆえに、フィクション内リアリティを担保するため、オチがある程度見えてしまうからです。
考えられるオチなんて、たとえば、結局モノは存在しなかった、存在するが公にはならなかった、または存在の正否が曖昧なまま終わる、といったくらいでしょう。だからこそ歴史ミステリーはハードルが高くなり、緊張感を保ったまま結末まで引っ張る推進力が必要とされるはず。

しかしながら本書のばあい、そのハードルがさらに上げられています。物語は現在(2000年)と過去(1983年)というふたつの時間軸で構成されているうえ、現在軸から始まるからです。物語の序盤で登場人物の現状を明らかにしてしまっているため、あるていど読み進めれば、過去軸の結末はなんとなく察しがついてしまいます。そして作者が自らに課したハードルを効果的に利用していたか、あるいは、それをものともしない筆力で描かれていたかと言えば、否定的な答えをせざるをえません。

くわえて作中で鍵となる「謎の古書」にも伏線をはっておきながら、回収の仕方は中途半端。とってつけたような家族愛まで挿入しているのもあざとい。
おまけに、主人公格の世界的なルソー研究者ふたりは、ルソーは技術不足の「素人画家」として不当に評価されていると散々グチってきておきながら、いざルソー作品を目の前にして批評合戦をすれば、感情まかせで支離滅裂なことを言う。世評が悪いのはお前ら研究者がそのありさまだからだろ、と思わず突っ込みたくなります。

文章のリズムも近視眼的で全体的なバランスを欠いているし、比喩がなく散文的で、作者の文体にも最後までなじめませんでした。
楽園のカンヴァス Amazon書評・レビュー: 楽園のカンヴァスより
4103317515
No.374
(4pt)

『夢』

荒削りの部分もあるけれど、おもしろかったのですぐに読み終わってしまいました。美術館の学芸員ってどんな仕事なのかなっていつも思っていましたが、トップ・キュレーターというのはすごい専門職なんだなと再認識しました。お勧めします。
楽園のカンヴァス (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 楽園のカンヴァス (新潮文庫)より
4101259615