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(短編集)
氷平線
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氷平線の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.46pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全48件 41~48 3/3ページ
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この作者の他の小説を読んでいないのですが、出てくる人たちはみな中年以上です。 私も中年なので、さもありなんとばかりに読み進めてしまいました。 描かれている性もむしろ特別なこともなく。時代精神? デスパレートな女たち、日本の東北で営まれている日常と思えばこのようなものになるのでしょう。 地域の目や、偏見といったものも人生というより日常として描かれています。 | ||||
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氷平線が、何を意味するのか? そこに生きる人々の、心理と壮大な風景を想像するだけで、背筋に寒気を感じたのは私だけでしょうか? | ||||
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地元出身(ちょっと広範囲ですが)で大注目の桜木紫乃さん、 品切れ状態だったのですが、ようやくご近所の本屋さんで入手することができました。 乾いた文体で描かれる人生(人性?)の悲しさ、たくましさ、 期待に違わず非常に面白く読ませて頂きました。 性に対してふっきれたような凛とした女性の生き方、 かっこよくて、清々しさすら感じられて・・・ ただ・・・・ それぞれの話の中心人物となる女性は 状況や年齢が異なったとしても、どれを読んでも同じタイプ??? ある意味単調です。 違う生き方、違う性のあり方の人間も描くことができたら もっと面白い小説になるのにな〜と、勝手に思い描いていました。 北の大地の情景、美しく描かれていて素晴らしいです。 | ||||
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(ネタばれ注意!!) 6編からなる短編集。今、私が最も気になる作家 桜木紫乃 の第一作品集である。 『起終点駅』でもレビューしたとおり、桜木紫乃の良さは、まず、そのシャープで研ぎ澄まされた文章表現にある。この作品においても、(デビュー作にもかかわらず)何気ない風景描写にも作者の想いが宿り、また、巧みな心理描写が立体的で実在感のある人物象を生み出している。短編でありながら、いずれも北の大地の匂いが、登場人物の息遣いがしっかり感じられる。 また、(男が主人公に仕立てられてはいても)彼女の作品の軸を成すのは、すべて女性だ。 そして皆(程度の差こそあれ)やるせなくあるいは理不尽な重荷を背負っているが、その重荷を時に未練なく捨て去り、あるいはしっかりと包み込み、はたまた逍遥と受け入れ想いを遂げる…いずれ凛とした靱さを持ち合わせている。 6編の中では、第1編の『雪虫』と表題作の『氷平線』が秀逸だ。 主人公達郎の営む酪農家に売られてきたフィリピーナの嫁マリーと達郎の幼馴染/恋人で既婚者の四季子。 酪農の地に縛りつけられるやるせなさを四季子との逢瀬に逃げ込む達郎に対して、現状を受入れ、したたかに生きていくマリーと四季子の靱さ。 「雪虫」の舞うラストシーン。マリーと共に生きる決意をした達郎の想いが明日への希望をつなぐ、悲しみと希望が交錯する傑作だ。 漁師町から抜け出す為に必死の思いで勉強に励み、東大に合格し財務官僚となった誠一郎は、税務署長として10年振りに故郷に戻る。そこでかつて肌を合わせた友江と再会するが…。 流氷の押し寄せるオホーツクの海で、友江の下した決断が、限りなく切なく哀しい『氷平線』 この第1作品集の後、『風葬』『凍原』『硝子の葦』と良作を生み出し、『ラブレス』が直木賞候補となった桜木紫乃。今後の受賞に期待しつつ、読み重ねていきたい。 | ||||
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たまたま新聞に桜木さんの記事が載っていて、北海道出身ということもあり気になったので初めて(作品を)読みました。 文学的なことは他の方にお任せして、全く別の視点で感想を書きます。 レビューとしてはまるで参考にはならないかもしれませんが(汗 著者は釧路出身で、それ相当の取材もしているとは思います。しかし、、 酪農を取り巻く状況、背景、設定などがあまりにも古い。古すぎる(笑 第1話の「雪虫」の発表が02年で、状況はそれより少し前の設定かも。 それにしても時代が違いすぎます。 失礼な言い方をするのなら、酪農に偏見があるのでは?とも思ってしまいます^^; 正直、今どきの農村、酪農の地域って、これほど「閉鎖的」ではありません。 まわりが皆、自分ちの冷蔵庫の中身まで知ってるとか、 誰と誰が付き合ってる、昔付き合ってたのは周知の事実、とか。。 都会で近所付き合いが減ったり、町内会に入りたがらないのと一緒で、 農家同士の付き合いも希薄になっています。 (もちろん農業に関する会合や寄り合いが無いわけではない) むしろプライベートでは都市部の人と変わりありません。 その家のおじいちゃんやおばあちゃんがいつの間にか(知らないうちに)入院してたとか、 施設に入ったとか、そんなことが普通にあるんです。 そのくらい、他人の家のことに無関心になりつつあります。 農家の人間が先生を食い物にしてる(笑)とか、都会からきたお嫁さんを遠巻きに見てるとか。 セダンの車で買い物に行くとか(笑)、納屋で密通してるとか。 フィリピン人のお嫁さんを300万で買ってくるとか。 ほとんどの人はそんな設定をいちいち気にもしてないかもしれませんが、 あまりにも現実とかけ離れているので、 「北海道の農家って、農村ってこうなんだぁ」と勘違いされるのが怖いです(笑 合ってる部分もありますが、少なくともほとんどが25年は昔の話です。 もしかするとこういう事情や状況が残ってるとしても、ごくごく一部の地域だと思います。 少なくとも私の周りでは聞いたことがありませんね。 でもそういう設定が話を面白くしているのも事実でしょう。 だから違う作品も読むつもりですが。 あくまでも「フィクション」です。 | ||||
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北海道を舞台にした珠玉の六編。いずれの作品に登場する女性は皆、健気であり、強さを感じる。寒く、暗い冬、都会の華やかさとは隔絶された寂しさの漂う北の地で、男という存在に翻弄されながらも懸命に生きる女性の姿に感動を覚える。 『誰もいない夜に咲く』も非常に良かったが、デビュー作であるこの作品集もまた素晴らしい。 | ||||
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・雪虫(オール読物新人賞受賞作) ・霧繭 ・夏の稜線 ・海に帰る ・水の棺 ・氷平線 の六作を収録。 むき出しの人間関係と性、それに翻弄されながらもやり過ごし生きる女たちの姿は、切なかったり、悲しかったり、強かったり、清々しかった。 性描写を含めた全体の表現はくど過ぎず、雪景色を眺めるような淡さ。 一作一時間程度で読めるため、一篇ずつ読むもよし、一気に読むもよし。 全ての作品で貫かれている訳ではないが、ヒロインの心情の描写が少ないことが、読者を切なくさせるのだろうか。 | ||||
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<男女の性をまったく新しい筆致で描く”新官能派”>という帯のコピーにひかれて手に取った。 確かに”官能”は描かれている。が、官能が描かれているからこそ際立ったのが、茨木のり子さんの詩集『椅りかからず」を彷彿とさせる主人公の女性たちの”椅りかからぬ”姿勢である。 男の欲望を諾として受け入れ組み敷かれてはいるが、竹のようにしなやかに立ち上がり、椅りかからない。 柳眉を逆立て声高にジェンダーを振りかざす訳ではないが、椅りかからない。 『女性の品格』が売れている。しかし本当の品格はこの本をよんで身につけるテクニックではない。 『椅りかからず』に生きる姿勢こそ品格に通じるのではないか。 官能から始まった本で思いがけずそう感じた。 | ||||
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