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(短編集)
廃墟に乞う
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廃墟に乞うの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.58pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全17件 1~17 1/1ページ
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休職中の刑事が、依頼を受けて事件解決の糸口を探る物語。 短編であるが、展開と構成の上手さが光る。特にタイトル となっている□廃墟に乞う.と□復帰する朝.が人間の切なさ と悲哀を感じた作品で心に残った。 本作で第142回直木賞受賞となったそうだが、彼の警察小説 より初期の「ベルリン飛行指令」「エトロフ発緊急電」 「ストックホルムの密使」の第二次世界大戦3部作の方が 圧倒的な迫力とドラマ性の面白さが抜群でこの時期に受賞 すべきであったと心底思う。 本作品は、卒が無く纏めた感が強い。 | ||||
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佐々木譲さんの本です。 短編小説集ですね。「オージー好みの村」「廃墟に乞う」「兄の想い」「消えた娘」「博労沢の殺人」「復帰する朝」の六編がおさめられています。 主人公は仙道孝司で、休職中の北海道警の刑事です。 その刑事が、ひょんなことから、犯罪捜査の手伝いをする、という話です。 とはいっても、休職中で、精神科の医師の診断を受けなければならないため、あまりディープに表立って動くわけにはいかないし、 警察手帳があるわけでなし、捜査といっても、私立探偵に毛が生えた程度のことしかできないのですが、 仙道の捜査能力は高くて、なんとなーく解決するような、しないような、というような結末の話でした。 文章が安定感があり、読みやすくて、さらっと読み終えれます。 また、事件も人情味的な風合があって、なかなか一筋縄ではいかないというか、 北海道の現在の経済状態というか、心象風景を描いているような事件ばかりですね。 ちなみに、仙道がどういう理由で休職になったのか、なかなか気になるわけですが、最終話の「復帰する朝」で語られます。 主人公の謎というか、影みたいなものも、巧く描かれていて、読者を飽きさせません。 職人技のような、巧さを感じる小説ですが、 ただ、まったく心に残らないところが、難点といえば難点ですが、 とはいえ、大衆小説なので、そんな必要はないです。 時間潰しには良い小説だと思いました。 | ||||
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事件でPTSDを患った休職中の刑事が、北海道のあちらこちらで発生した事件の解決に一役かうという連作短編集。 ご当地感満載で嬉しい限りなのだが、ミステリとしてはどうにもワクワクに欠ける。そもそも、休職中でありながら、事件に関与していくという事がありなのだろうか。それを気にしだすと、主人公の善意のモチベーションがつくりものっぽく見えてしまうのだ。 自己を再生する物語ならば、その過程にもっと力強さが欲しい。 読みやすさは流石だが、文芸作品として記憶に残るかというとそうではなかったかな。【直木賞】 | ||||
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佐々木譲の直木賞受賞作。オール讀物に2007から2009年にかけて掲載された北海道を舞台にした連作短編集。文藝春秋社で2009年に刊行され直木賞を受賞した。もっと以前に受賞してしかるべきだった。 「北海道の地方都市を描き分ける」という意図で書かれており、道警を病気休職中の仙道刑事が事件を解決していく。面白い試みだが、やはり佐々木譲の真骨頂は長編だと思う。 | ||||
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佐々木譲の歴史三部作などが、史実と小説をうまく織り込んでおり、一気読みをしていました。最近は警察小説メインに書いているということで、まずは直木賞のこの作品からと思い、読み始めました。短編集なので、電車の中で読むには手頃だと思います。ただ、今までの歴史小説と違い、どうしても心に残らなかったです。 殺人など、色々な事情があってのことでしょうが、その背景を知ったからといって、この世の中や人の性などはあまり分からないのではと思いました。個人的には、佐々木譲を読むなら、歴史小説モノを強くオススメします。この世界の成り立ちや当時の時代背景など、心に残るものが多い思います。決して、この作品が悪いわけではないのですが、個人的にはそもそも警察小説がそれほど好きでないということが分かりました。 | ||||
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半日でサクサクと読める位に面白いのだけど、「感激、感動の連作小説集」と謳う程とは思わなかったな。 心的外傷療養のため休職中の警察捜査員が、自分でガシガシとホシを挙げていくというのではなく、傍から協力するにとどまらざるを得ないという主人公の設定にある種の「距離感」があるのだけど、経緯や真相のすべてがすべて叙述されないという描写上にも「距離感」が見られ、これが不思議と心地良かった。 | ||||
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帯に「感激、感動の連作小説集」とあるが、正直期待外れ。直木賞受賞作の「廃墟に乞う」も何か薄っぺらい印象が消えない。すべての短編が 北海道警で現在休職中の刑事仙道孝司が主役で、彼に関係のある人間がある事件の捜査や情報を非公式に依頼するという連作だ。著者 らしい簡潔な文体でハードボイルド的な雰囲気は好きだが、感激、感動とは言い過ぎ。その中でも、ある程度ストーリーがしっかりして、またちょっと 唸らせる結末を用意しているのが「復帰する朝」。妹が殺人事件の容疑者として疑われていることを案じた姉が仙道に捜査を依頼するという筋 だが、これはなかなか面白い。だが、「オージー好みの村」などはレベルに達していない作品と言わざるをえないのでは。 | ||||
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PTSDで休職中の北海道警の刑事がかかわる6つの短編集・・・・ とても主人公はPTSDを患ってるようには微塵も感じさせないが・・・ しかし読み物としてはよくできています 短編なので旅先の空いた時間などにも読みやすいいでしょう・・・ でも直木賞としてして刑事ものとしてはどうかな??? 事件も単純で比較的、先が読みやすい展開のものですが、楽しく読めることは間違いないと思います | ||||
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すっかりにわかに佐々木ファン。 笑う警官、警察庁から来た男、巡査の休日、夜にその名を呼べば、 警官の紋章なんかを読んだ後、直木賞を取ったのがこの作品ということで 読みました。 作品は、連作短編集。 「オージー好みの村」、「廃墟に乞う」、「兄の想い」、「消えた娘」、 「博労沢の殺人」、「復帰する朝」の六篇で構成されています。 舞台は当然北海道。PTSD、休職中の北海道警察の敏腕刑事仙道が、休職 中にも関わらず、六つの事件に御呼ばれします。そして謎解き。 連作集ということで、あるつながりをもって語られるその高まりを期待 しましたが、うーん。 最後の復帰する朝と言う作品が、なんとなくそんな匂いがするなあと 思っていたらこの展開って言うんで、面白かったですが、その他は.... 巡査の休日がちょっとはずれ気味だったので、この作品にかける期待は 大きかったのですが、かなり残念。 これで直木賞ですか?やっぱりそこに至る作品群の全体としての評価なん でしょうねえ。 私的には60点。復帰する朝がなかったら40点。復帰する朝だけだったら 75点。仙道刑事である必要性が感じられないのが惜しい。 | ||||
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実力のある書き手で、読んでいて安心でした。 でも 直木賞のほかの作品は、もっと深く、 そしてまたしばらく次の本を読みたくなくなるような 余韻があるものなのですが、それがない。 ドラマで見た「警官の血」はなかなかおもしろかったので その作者だと知って、驚きました。プロットはこっちの方が 良かった。 表現者としてはベテランですけど、新しい世界観を見せてくれる 感じではありませんでした。 北海道には一回しか行ったことないけど、 大好きな人にはオマージュっぽくて、感動的なのかな。 | ||||
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直木賞ということで楽しみにして読みました。 短編集と言うことですが、それぞれの話が 「え、これで終わり?」という感じで 終結します。その後は読者の想像に お任せして余韻を楽しませてくれる演出なのかと 思ってましたが、全編それっぽいので 物足りなさと言いましょうか、 他のレビューにも有りましたとおり 掘り下げが足りないと言いましょうか・・・。 北海道が舞台なのでなじみのある地名も 出てきましたが、別に北海道でなくても いいかな、と。ニセコの話は新宿とかの方が 緊迫感が在るかもしれませんし・・・。 人種間の(オージーと日本人)もありきたりでした。 タイトルの廃墟に乞うは悲哀があってそれなりです。 ですが何度も読み返そうとは思えませんでした。 やはり帯のタイトルで選ぶより好きな作家の作品を選んだ方が 良いのかな? | ||||
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直木賞かと言われると・・・という作品です。 とある休職中の警察官の短編集なのですが、休職中ゆえ捜査権がないので、 どちらかというと探偵っぽく事件の真相にアプローチしていきます。 一編一編の完成度も高く、基本的に短編集って好きではないのですが、この作品は良かったです。 直木賞というのはいったん忘れて、一つの文庫本として手に取られては如何でしょうか。 | ||||
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直木賞受賞で著者を知り,本作を手に取った. サスペンス小説なのかと思い読み始めたが,短編の事件がつらつらと並び, 何のドラマチックな山もなくそのまま終了. 正直拍子抜けしてしまった.直木賞って..... というのが正直な感想, 直木賞の作品は多々読んできたが,その中でも低いランクと評価する. 期待しすぎた私が悪いのか... | ||||
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佐々木は、昔冒険小説がうまかったが、近頃の警察を題材にした小説もなかなか。ただ、短編よりもやはり長編のほうがいい。もっと前に直木賞を取ってもおかしくはなかった。 | ||||
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全般的に暗い話が多いです。行方不明の娘を捜す、殺人の容疑をかけられた身内を救ってほしい、数年前の事件と同じ容疑者の事件ではないか・・・。休職中の刑事に頼むのは無理では?と思えるような事件が次々と起こりますが、主人公の仙道は淡々とこなしていく印象です。直木賞受賞作ですが、恐らく賞の主催者である文藝春秋だからこその受賞との感も否めません。警官の血の方が受賞作に相応しいと勝手に思ってしまいますが、受賞作品はやはり短編で落ち着いた作品が好まれるのでしょうか? | ||||
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非常に渋い連作短編小説でした。 道警の敏腕刑事だった仙道は、ある事件で深い心の傷を負ってしまう。PTSDを癒すため、休職中の仙道のもとに、さまざまな事件が持ち込まれる。 休職中の刑事という設定が、仙道の行動に大きく制約を課しているのですが、このあたりがまた、読みどころとなっているのです。情報を得ようと現地の警察署へ足を運ぶのですが、そこで興味津々に病気のことを聞かれたり、同情をこめた目でみられたり。当然のことながら「休職中の部外者が、なんで首を突っ込んでくるんだ」とあからさまに不快感をしめされることもあります。 相談を持ち込む人たちは、皆、警察の捜査に疑問を持ったり、おざなりな対応に不満をもったりしています。組織の力で解決できなかった事件を、仙道が快刀乱麻のごとく解決できるはずもないのですが、このあたりも、うまくバランスをとっています。さりげなく仙道の言葉をきっかけに事件が方向を変えていく、ヒントが解決の端緒となる、など、佐々木小説のリアリティを保って書かれているところは、感心します。 しかし、私にはちょっと渋すぎました。どうも、こういうトレンチコートに哀愁の後姿が似合う作品は苦手意識が強くて。 またミステリを期待して読んだことも肩すかしでした。刑事が主人公の普通の小説としてお読みください。そうすれば表題作などは、なかなかの感動の秀作です。(いつになったら真犯人がでてくるんだろうと、トンチンカンなことを考えて最後にガックリしたのは秘密です) また全体に暗いトーンでしたね。事件も暗いし、終わり方も暗い。最後に仙道自身が立ち直り始めた兆しが見え、そこは救いになりました。 | ||||
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ラブホテルで40代の女性が殺害された。ある事件で心に傷を負い休職中の仙道は、 13年前に担当した娼婦殺害事件に手口が似ていることに気づく。「そのときの被疑者 古川幸男は出所しているのか?」仙道は、古川の故郷を訪ねることにしたのだが・・・。 表題作を含む6編を収録。直木賞受賞作品。 主人公は、休職中の警察官。事件に対し何の権限もないまま、依頼人の懇願により、 真相究明に乗り出す。限られた時間、限られた事柄から、彼は事件の裏に隠された真実に 迫っていく。そして、その真実にからみついたさまざまな人間たちの愛憎や悲哀も知ることに なる・・・。どの話も読み手の心に深く入り込んでくる。特に印象深かったのは、表題作の 「廃墟に乞う」だ。登場人物たちの胸の中に抱えるもの、何気ないしぐさの中に隠された 心の闇などを、作者はていねいに、そして深く描いている。派手さや強いインパクトはないが、 いぶし銀のような渋い魅力を持つ、味わいのある作品だと思う。 | ||||
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