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心に雹の降りしきる
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心に雹の降りしきるの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.06pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全18件 1~18 1/1ページ
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特になし | ||||
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主人公は職務に不熱心であるばかりか不正を働くろくでもない刑事という設定です。それがここまで真剣に事件解決に打ち込むというのは矛盾を感じて楽しむことができませんでした。 事件そのものもダラダラと続く割には盛り上がりも驚きもなく、解決した後も読んで疲れたという徒労感しか残りませんでした。 レビューの評価は総じて高いのできっと小説として完成度は高いのでしょう。ただ私にはあいませんでした。 | ||||
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話の結末は単純です。登場人物を多くして混乱させますが、途中で気付いてしまいました。 | ||||
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どんな小説でも、ひとりの人間からすべては始まる。その人間は語られるにせよ、隠されるにせよ、一つの人生を持ち、今この瞬間を生きている。本作では都築寅太郎という刑事が、その役を割り当てられる。続いて彼に関わる者たちの人生、そしてさらにもっと多くの人々の人生が小説と言う世界の中に存在を展開してゆく。ヒーローがヒーローらしく映画のように格好良く、人々の思い描くピーク値ばかりで構成された理想の人間であればあるほど、書く方も、読む側も、さぞかし楽しく、心地よい物語を楽しんでゆけるに違いない。 しかし、腐って捨てられた人生の、その後始末も自分でつけ切らずに、くすぶった日々を過ごす、とても褒められた存在ではない主人公であることを最初のページから示してくるこの作品に立ち会うとき、読者はどう思うだろう。誰もが戸惑いを覚えるほど、感情移入できにくい主人公を提示されて、あなたどう感じるだろう? 思うに、作者は、どれだけ書きにくいことを書いているのだろう、ということだ。そんなマイナスな感情で何枚ものページをめくらねばならぬ立場の読者から見ても、この作品を書く側の立場は相当のストレスだろうと想像せざるを得ない。 なのに、なぜこのような小説があるのだろうか? このままではきっと終わらないだろう。彼は、この小説の中で立ち直らねばならないだろう。どうやって這い上がってゆくことができるのだろうか。それとも、ある種のノワールのように悲劇のドラマの中で救いなき結末を迎える宿命にあるのだろうか? ぼくらはいろいろなことを考えるほど、面食らうのだ。こんなマイナスからスタートする主人公は、実にやり切れない。自分を嘲笑し、悪意を自ら悪意をしか向けないデカダンな刑事なんて、ただひたすら生きにくいだけなのだから。 香納諒一作品には、既に人生から大敗を宣言されたような同種の主人公が登用されることが、実は決して珍しくない。なぜこのような負からのスタートを主人公に負わせているのかは、香納作品に親しんだ方ならわかっている。新しい読者にも読み進むうちにきっとわかって頂ける。香納ハードボイルドとは、実は事件や悪党たちをいぶし出しつつ、自分を救い出すための極度に狭い路を発見してゆく、苦しくも熱い旅程表なのである。謎解きミステリだけで終わらせてはなるまい、と意図された作者の意地によって固くこねられた、一筋縄では行かない一つ一つの謎と闘いのそれぞれの里程標。それが香納ミステリの醍醐味なのである。 幾重にも用意された人間関係。そのいずれにも、容赦ない愛憎・損得・強弱を生み出し、複雑に絡まり合った美と醜のドラマを紡ぎ出してゆく精緻な創作へのこだわり。本書は、香納作品中でも秀逸のミステリとして評価も高く、心を熱くさせるページに満ちている。 本書でも、醜いエゴに満ちた刑事の一人称による捨て鉢な描写が読者の心に罅割れを起こそうとするが、彼の捨ててきた過去の重みや、現在の自己嫌悪によって覆われていること、しかし真実は彼の弱さのうちに覆い隠されていることがどこか見て取れる。重要な点である。ある母子との出会いによって、また彼の捜査上に生じた犠牲者の死と悲しみによって、都築寅太郎というはみ出しデカの芯の部分は、犯罪への闘志、そして正義や情愛への復権の気迫を表面に浮上させてゆく。自分をばかり見つめて来た、それまでの投げやりな日々が、人の不幸と出会い、それを憎むことで化学変化を起こし、いつしか誰かのために自己犠牲をも非としない苦闘の道を選択せざるを得なくなってゆく。 事件と捜査とが、このダーティ・ヒーローの本来の仕事であるならば、いくつもの救いの選択肢はその渦中に見つけ出せるはずである。同時に、絶望への近道も、どこにも陥穽のように暗い口を開けて待っており、そこに失墜してゆく愚かな生き様は、多くの事件の裏側にいつも皮肉な切り口を見せつけてくる。人間は基本的に強くも弱くもなり得る。人間は、その生き方の選択で、堕ちもすれば、救い出されもする。そんな岐路に満ちた物語の迷宮のなか、主人公の救いの可能性に、読者もともに立ち会ってみては如何だろうか? 本書は迷路のようないくつもの謎を解きつつ、主人公の捨て身の闘いとその先に見えるものを味わって、捨て難いカタルシスを生み出してゆくという、いかにもこの作者らしいヒューマンな傑作なのである。 主人公のみならず、感情移入したくなる魅力的な男女が実は何人も登場する。この一冊を通じて、こうしたキャラクターにも、是非出会って頂きたい。主人公の一人語りの救いのなさに、そして彼の人生の逆転劇にも、期待して頂きたい。本書は主人公への応援劇であるとともに、全読者へのエールともなる一冊であることを請け合いたい。そういう本はそうはないと思うので。 | ||||
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時間つぶしに読むのでつまらなくなければokです、星4ッです。 | ||||
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あらすじもぐいぐい読ませるくらいに面白かったのですが、なにより主人公の設定が絶妙。本当は優しいのに、荒んだ気持ちもせめぎあっていて、だからといって悪にもなりきれずという、とてもリアルで人間らしい主人公の葛藤が丁寧に描かれていました。 | ||||
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昼行燈のさぼりの主人公、良くあるアウトローの刑事モノ。 そう思って読んでいると、どんどん主人公が事件に引き込まれていくのと同じように自分もこの物語に引き込まれました。 特に私は管理職でもあるので、上司の小池が、とても渋く映りました。 部下を信頼し、心配し、いつも味方。それでいて偉そうでなく、恩着せがましくなく。 最後も綺麗に伏線を回収し、スッキリ読めました。 面白かったです。 | ||||
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アマゾンで買った本のみレビューしています。物語・作り話が好きなので小説しか読みません。リアリテイー等は関係ありません。事実と違うなどと言ってる人がいますが、なぜ事実じゃないと知っているのでしょうか?学者が書いているから?不思議で仕方がありません。物語では信長は本能寺で死ななくてもいいのです。面白いか面白くないかのみが判断基準です。それではよろしくお願いします。 | ||||
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とても丁寧に書かれていて読みやすいです。 最近では珍しいザ・ハードボイルドって感じです。 雰囲気は原遼さんに似ているでしょうか。 | ||||
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ハードボイルドは、自分には向いてないと思って倦厭していましたが(女読者のため)、たまたま、この本のあらすじが目に留まり、気になって手に取りました。いや~ハードボイルドって、面白いんですね。この作品でそれを教えてくれた加納氏に感謝です。 7年前に行方不明になったきりの少女。ある日、少女の遺留品が見つかったが、その手がかりを掴んだ調査員が死体で見つかる・・・。 この作品の良さは2点あり、1つは、上記にある出だしの部分にある、行方不明となった少女の謎です。色々な人物達の企みや思惑がからみあい、しかし、やはりこの少女の謎が、本書のメインです。この作品はホードボイルド小説と分類されていますが、純粋にミステリーとしても楽しめます。 2つ目は、主人公の人物描写です。お金にも女にも仕事にもだらしない悪徳警官、こんな男が主人公なんて。と思いきや、物語が進むにつれて、彼の心の内側が見えてくるようになります。悪徳と見せておく顔の裏側に、誰よりも悪を憎む慈しみがある・・・。 美しいラストでした。とても良い本です。 | ||||
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本作の主人公は格好悪い。それが格好いい。がんばれ、がんばれ!そう思いながら読んでしまう。香納諒一さんは刑事物、ハードボイルドミステリー作家として高い評価を受ける方ですが、それでもまだまだ過小評価な気がします。さらにもっと大勢に読まれて欲しい。 | ||||
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主人公の警察官県警捜査一課の都筑がすごく情けなくて最初はなんじゃこれ? だったんですが、読み進めるうちに都筑がなかなかいい奴に思えてきて、 最後なんか妙に魅力的になっているし(笑) とにかくノンストップでがんがん読める、しかも読後感よしのなかなか当たりの 小説でした。 この方の小説は初めてだったんですが、他のも読んでみたくなりました。 | ||||
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「幻の女」と「贄の夜会」と、いくつかの短編しか読んでいない悪い読者だが、香納諒一は書ける作家だと思う。 僅かな描写で人物像が映像的に浮び上り、自然に小説世界に入り込んでいける。細かく書いても人物像が立上らない小説が多いなかで、これは先天的な素質かも知れない。更にプロットの良さが噛みあうと、本書のような読み応えのある作品が出来上る。 冒頭から小悪党っぽいデカが主人公なので、イヤな感じがしたが、段々とそれが魅力のある人物像に変貌してくる。仄かな恋愛感情を持たせる女性が登場し、秘かに応援したくなるのだが、「心に雹の降りしきる」というタイトルなので、先行きが不安になる。 後半部に入り、暴力描写が増えてくるが、ヒヤヒヤものである。 スイッチを押し、警棒を伸ばした。上等だ。来い、相手になってやる。どんな状況でも、ホシとサシでやり合う覚悟を持つやつだけがデカでいられる―--。こういった文章は好きである。 そして、畳み掛けるような展開は読む者に希望と焦燥感を交互に与え、まさに読書の醍醐味を堪能させてくれる。心憎い作家だ。 | ||||
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評価が高いので読んでみました。 ことあるごとに、自分はやる気のないダメな刑事だとくり返す主人公が、 肉体的にも精神的にもボロボロになりながら事件を追うという物語。 主人公が自己否定に饒舌になればなるほど、 そこからはなんともいいがたい哀切がしみだしてくる。 でもつまららない。 展開もありきたりだし、 悪徳になりきれない警官というのも中途半端。 本当に退屈な作品でした。 | ||||
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贄の夜会がすっごくよかったので、それから香納 諒一さん作品を愛読してましたが ここ最近は、良かったけど物足りなさを感じてました 今回は、KSPシリーズからさらに哀愁や切なさ感が昇華して極まった感じが私の感想 (※KSPとは全然違います 主人公に熱いものがないのでそれが前半心配ではありましたが...) 是非、続きが読みたいところ このままだとちょっともったいない脇役が...数人ほど ちなみに個人的には 香納 諒一・贄の夜会 野沢尚・リミット、魔笛 今野敏・同期、隠蔽捜査 道尾 秀介・球体の蛇 福井 晴敏・川の深さは この辺りが私の好みですのでこれに合う方は楽しめるかと...? | ||||
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著者の作品としては、久々の傑作ではないでしょうか。ただ、特段、舞台となる地方を仮名にする必要もないような・・・。続編を期待します。 | ||||
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今まで読んだ警察小説の主人公のなかで、たぶん一番ダメな警官かな・・・。 私生活での挫折を引きずり、人間くさくて、ハラハラさせられます。 乱闘シーンもかっこ良くいかず、結構やられて痛そう! でもその不器用さを応援しながら最後まで一気に読まされました。 エピローグでようやくほっとでき、「おもしろかった〜」と思いました。 | ||||
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そろそろ警察小説も出尽くしたかなあと、最近どれを読んでも、私の心が満足することはなかった しかし、今作は新しい! 主人公の生き方が危なっかしくて、読んでいるものをハラハラさせる。 格闘シーンも ちょっと大丈夫? 死んだら嫌だよ〜 頑張れ! と応援したくなるような臨場感…というより焦燥感かな? 妙に人間臭いハードボイルドでした まあ、読んでください。 絶対読んで良かったと思える一作 今までの香納諒一とは違うよ | ||||
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