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春から夏、やがて冬
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春から夏、やがて冬の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.67pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全30件 21~30 2/2ページ
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「葉桜の季節に君を想うということ」から歌野小説を読み始め、発表作を一通り読んでからの今作。 ”「葉桜の季節に〜」を超える衝撃!”という帯でしたがはっきりいってしまうとそこまでの衝撃はありませんでした。 もちろん叙述トリックのものとそうでないものを比べることは間違っているのですが、良い意味でも悪い意味でも、 「あの衝撃をもう一度味わいたい」という方は肩すかしを食らってしまうでしょう。 不可解な事件が起こる訳でも、難解なトリックが出てくる訳でもありません。 この作品はある無念を抱えた男がある女性に救われるストーリーです。 救われ方はそれぞれ、そしてそこに至るには季節とともに変化していく心情の変化があった。 どんでん返し、ではありませんが切ない衝撃が情景とともに心に残る、良い小説だと思います。 推理小説というミステリーではなく、一般小説に近いミステリーとして読んで見てください。 読んだ後には、「きっとあの人は〜」と思いに耽ってしまうと思います。 | ||||
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ラスト5ページで世界が反転するほどには私うぶじゃなかった(笑) 『葉桜の季節に君を想うということ』のオチにやられちゃった身としては、 もっともっとすごいオチを期待してしまったんだけど、 あれと比べたら酷でしょうな。。。 まあ、その分だけやりきれなさとかむなしさにどっぷりと浸かることができたかしら? 不幸の連鎖に微かに振り掛けられた救いってのがラスト5ページなのかもしれないけどね。 それで救われるのかどうかはまた別の話だな。 | ||||
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主人公の苦悩や絶望、諦念の描写がすばらしい。 感情移入してしまい、まるで自分のことのようにそれらを感じる事ができる。 ミステリとして読んでしまうと、冗長だと思われるかもしれないが、 これはミステリではなく、心理描写に重きを置いた小説なのだと評価すべきだろう。 他の著書に、類似した結末を見ていたため、私は本書の結末も実は途中から予想ができた。 救われないのか、救われるのか、そのラインを第三者ですら見極めることが難しい結末で、 心の琴線を震わされた。 しかし、それまで浅はかな行動しかとれなかった登場人物が、まるで人が変わったように 論理的で穴のない手段を実行したことが腑に落ちない。それを簡単に信用した登場人物も、 少しく現実性に欠ける。 未読の方には少々ネタバレになるため詳述はしまないが、換言して表現すれば、 良い方向に捉えるならば、多少余韻を残す形で物語を終わらせることが作者の狙いだったのかもしれない。 一読者が言葉にするのも大変おこがましいですが、結末をもう一段深く追求してほしい作品だった。 ですが、これが名作であることには変わりないと思う。 | ||||
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娘を事故で亡くし、そのショックで妻にも先立たれたスーパーの保安責任の男の絶望と救済を描いた物語。 物語全体的に絶望感が漂っているのだが、それでも全体的に暗い印象はなく非常に読みやすかったし、まさかの展開が待ち受けていたので最後まで楽しめた。 あまり書くとネタばれになってしまうので触れられないが、最後まで心に悲しさが残る結末だった。 | ||||
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本書は、ミステリー作家で、 『葉桜の季節に君を想うということ』で知られる著者による長編小説。 家族を失い、スーパーで保安員として働く男と、 彼が補導した万引犯の少女を描きます。 愛する娘を失った悲しみと、 時効が成立したことへの絶望、 当初は、『捕まえた側』と『捕まえられた側』 という立場に隔てられていた二人次第に心を通わせる姿 などどの場面も印象的でしたが、 とりわけ印象的だったのは、 後半の急展開とそれが醸し出す読後の余韻です。 赦しと償うをめぐる繊細な心理描写と、 著者ならではのストーリーが見事に融合した本書 著者やミステリーのファンに限らず、 多くの方にオススメしたい著作です。 | ||||
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スーパーの保安責任者の男と万引犯の女の出会い。 ひき逃げされて死亡した娘の姿を万引き犯に重ねてしまったことで、二人の微妙な関係が始まる。。。。 「葉桜の季節に君を想うということ」の驚愕のオチも見事だったけど、本作も「ええっ?」となること間違いなし。 ただしねえ、最近のドラマの「相棒」のように、ストーリー展開はよいけれど、後味が、、、 湊かなえ女史にも当てはまることだけど、救われないエンディングなので、読んだ後の満足感がいまいち。 ま、これはこれぞれの好みがあるけど、、、 万引き犯だった 末永ますみ が、どのような心境でメールを打ったのか。それを考えると胸が痛む。 問題作であることは確実。 とてもストレートでスピーディーな話の展開だし、主人公の平田にも好感が持てる。対比を考えているのか、逆に周りにはイヤな奴が沢山。姪とのエピソードは必要だったのかという疑問はある。 よかれと思った愚者の善意の行為が不幸な連鎖を生み、、、ああ、切ない。 | ||||
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ネタバレになってしまうかもしれませんが。確かに、ラストで逆転劇があります。でも、そのあとのさらに逆転、みたいなのは余計だったかなと思いました。びっくりさせるためにこれでもか、のような、無理矢理の感がありました。 | ||||
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強烈な代表作を持つ作家が新作を発表すると、 販促コピーに必ず問題が発生する。 今作も典型的な失敗を犯した。 「葉桜」「最後5ページで・・・」。 書いてはいけない。書いてほしくなかった・・・。 安易なお化け屋敷のつもりか! 情報を開示し、身構えて読ませることで、今作の 読中感・読後感は半減、いや80%減してしまった。 「葉桜」で受けた衝撃というか、騙され感は確かに 素晴らしかったが、販促のために強要するイメージの 植え付けには辟易した。 作品そのものを素直に、何の事前情報をも持たずに 読みたかった。 内容はというと、絶望感・寂寥感、そしてこの、 本質的な救済になりえるのかといった終盤は唸らされる。 平田の境遇、小瀬木の独白には、こじつけ感も否めないのだが、 どちらに転んでもまっ暗闇の今作の世界、皮肉、 人物像の描き方等、先入観がなければ及第点であるのは確実。 出版社の方々、クソコピーのせいで、作品そのものの 評価を落としかねないことを肝に銘じて、今後は 出版してもらいたいことを切に願う。 小説・ミステリー好きの立場から、苦言を呈する。 作品そのもののレベルは高いのだから・・。 | ||||
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新聞の書評を参考に読みました。 私の様な50の坂を登った者にとっては、 知っている、聞いた事がある話でした。 最後迄、淡々とすぐに読了しました。 純文学世代は化石なのか。 若い方にとっては新鮮且つ、斬新な お話だと思います。 | ||||
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「ラスト5ページで世界が反転する!」 これが帯の表の謳い文句。確かにその通りの内容だが、少しミスリーディング。 この謳い文句だと、たとえば『絶望ノート』のような『葉桜』路線の作品を どうしても想像してしまう。実際は、その下に添えられた 「……“絶望”と“救済”のミステリー」の方が本書の内容を良く現している。 もっとも、本書から“救済”を読み取れるかも、本書が”ミステリー”なのかも微妙だが。 「歌野晶午」というと(最近は「密室作陣ゲーム」シリーズの印象も強いが) 「葉桜」の印象があまりに鮮烈なため冒頭のような煽り文句になったのであろうが、 実際は、「世界の終わり……』の路線に近い。 自分が無意識のうちに確固たるものと信じていた世界が崩壊していく物語。 本書ではラストでの「世界の反転」も、主人公の悲劇性を高めているだけなのである (したがって、『葉桜』や『絶望ノート』のような「ダマされる快感」とは無縁です。念の為)。 私事だが、自分も高校生の娘と妻がいるので大変身につまされた。 この路線を「ミステリー」と呼べるのか分からないし、ミステリーである必要もないと思うが、 私のようなものでも“救済”を読み取れる物語であれば五つ星。 | ||||
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