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(短編集)

書物狩人



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【この小説が収録されている参考書籍】
書物狩人 (講談社ノベルス)
書物狩人 (講談社文庫)

書物狩人の評価: 4.42/5点 レビュー 12件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.42pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全12件 1~12 1/1ページ
No.12:
(4pt)

良い本です

学生時代に一度読んで以来ずっと内容が心に残っていた1冊。久方ぶりに読み返してやはり良いものだと思いました。
書物狩人 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:書物狩人 (講談社ノベルス)より
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No.11:
(4pt)

『書物狩人』という生き方

全四話,どの話も五つのパートで構成されていて,事の起こりから問題の書物の入手,
そしてそこに隠された秘密が語られる終盤に,主人公の美意識が覗く選択や意趣返しと,
変則的な話もありましたが流れによどみがなく,交えられる史実にも違和感がありません.

また,『書物狩人』の説明については最低限に,あとは物語の中で自然に伝えられていき,
それは職業のようですが,「命よりも本のほうが」という彼の言葉からは生き方のようにも.

一方,軸は書物が抱える深い歴史や,翻弄される人間たちに置かれているのでしょうが,
依頼を受けてから書物の入手までが,どの話もいささかスムーズに進みすぎるように映り,
もう少しそこまでの攻防であったり,主人公が追い込まれる姿も見てみたかったところです.
書物狩人 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:書物狩人 (講談社ノベルス)より
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No.10:
(4pt)

「ビブリア」ではサザエさん的ご近所で、「書物狩人」ではゴルゴ13的に世界を股にかけて繰り広げる書籍蘊蓄ドラマ。

最近気になっていることに、書籍そのものを巡る物語が、特に日本でヒットしているなと言うこと。それも2系統あって、SFファンタジー系と蘊蓄系。前者 は「戦う司書(山形石雄)」(人間が死ぬと、その魂は『本』になる」という世界を舞台にした作品)と「図書館戦争(有川浩)」(不適切とされたあらゆる創 作物は、その執行機関である良化特務機関による取り締まりを受けることとなるという世界を舞台にした作品)に代表されます。どちらもアニメ化映画化されて ますのでラノベファン以外にも御馴染なのでは。
 そして後者はメガネ巨乳の栞子さまでおなじみの「ビブリア古書堂の事件手帖(三上延)」、そして本書「書物狩人」シリーズです。これらは書物特に古書に 関する蘊蓄=エピソードが中心で、それにまつわる事件を、「ビブリア」ではサザエさん的ご近所での物語として、「書物狩人」ではゴルゴ13的に世界を股に かけて繰り広げるといった趣向です。

 「書物狩人」では主流の歴史からスピンアウトしてしまった事件に光を当てて、古書がその謎を解くカギとなっているといった設定になった「歴史ミステ リー」的側面を併せ持っています。その事件の質によっては一冊の書物が一国を、企業をも滅ぼしかねない影響力を有し、それを巡る書物狩人の活躍を描く小説 となります。本書におさめられているのは短編4作です。

○教科書に準拠して
 ケネディ暗殺の秘密を秘めた歴史の教科書物語。真の狙撃者は勿論オズ割る度でなく、今まさに息を引き取ろうとしている浦世界のボス。彼が書物狩人に接触する目的は・・・。この話だけはベタ過ぎて今イチでした。

○神々は争う
 闇に葬られた聖書の第五福音書、これが世に出るとバチカンの面目丸潰れなので、あせった枢機卿が書物狩人に相談を持ちかけます。

○Nの悲喜劇
 読書下であったナポレオンが最後に読んだ本には、彼のの毛髪がはさまれていました。この本と彼の毛髪を巡る謎に書物狩人が絡んできます。

○実用的な古書
 中国の古書がイギリスで発見されますが、これには中国の国益を左右する新事実が記載されています。戦後帝国中野学校の暗躍と、日中台湾の思惑を交えた虚偽の彩に書物狩人が介入します。

書物狩人の活躍する舞台は世界中に広がり、扱う本はいかにも秘本らしいのがぞろぞろ出てきて、道具立ては凄いのですが、トリックがちゃっちいのが御愛嬌です。世界秘史とその虚偽の蘊蓄を単純に楽しんでください。塩味は好きです。
書物狩人 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:書物狩人 (講談社ノベルス)より
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No.9:
(5pt)

ひょっとするとそんな本もあったかも、というリアリティの匙加減が絶妙

2016年、小説の部の初読了本は……これ! 歴史的大事件の秘密に関わり、現代政治をも揺るがしてしまう奇書珍本を追いかける『書籍狩人』シリーズ開幕編。 某ビブリア古書堂とも似たような印象ですが、書かれたのはこちらが先、書物のためなら何でもやるよという主人公の達観ぶりもこちらが上を行っているのであります。 いずれも架空の書籍を扱いながら、ひょっとするとそんな本もあったかも、というリアリティの匙加減が絶妙。 収録作中ではナポレオン毒殺説をダシにして意外な真相が待っている3話、日中スパイの化かしあいの4話の、ひと筋縄ではいかない展開がよくできています。
書物狩人 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:書物狩人 (講談社ノベルス)より
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No.8:
(5pt)

結構、本気で考えます。

実際読むと漫画の原作のような気がしますが?
終話に近ずくと自分の思っていた結果と違うそこに魅かれて今、続刊を読んでいます。
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No.7:
(5pt)

美意識に惚れた

著者のことは何も知らずに、題名のみで購入しました。

感想は、書物狩人、もといル・シャスールの美意識に惚れてしまいました。

目標の本をあらゆる手段を用いて入手する書物狩人。
そのなかでも、No.1といわれるル・シャスール。
No.1の名に恥じぬような明晰な頭脳、手腕、そして胆力。

確かにありがちな主人公万能型の小説といってしまえばそうなるかもしれません。

でも、私はル・シャスールの美意識に惚れました。

各国の言語の「狩人」という言葉に合わせて呼び名を変えるのが通例なのに、
「響きが気に入っておりますので」と理由で「ル・シャスール」と呼ばれるのを好む主人公。

また、仕事に関しても、彼の美意識が時折垣間見えます。

もしかして彼の風貌に関しても、彼なりの美意識があってのことなのか、
それとも他の伏線なのか・・・、想像が膨らみ、続編を楽しみに待っているところです。
書物狩人 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:書物狩人 (講談社ノベルス)より
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No.6:
(4pt)

赤城 毅という作家を知らなかったが…

6月に帰国した際、たまたま書店で赤城 毅の「書物幻戯」を買った。 作家の名前で購入したわけではなく、書肆関連の本が好きなことから本の題名で手にしたのだ。ホテルの部屋で鼾を立てる女房を横にして、一晩で読了した。翌日、同書店で「書物輪舞」、「書物法廷」を買い込みカナダへ帰国し、これもあっという間に読了。そしてAmazonから「書物狩人」を送ってもらった。現在は次のシリーズを心待ちにしている。

ヨーロッパの歴史の舞台にした稀覯本をめぐるスリリングな話の展開は歴史の勉強にもなって楽しめる。そして驚くべきは、これらの本の執筆に当たって参照または引用したという文献の内容である。ドイツに滞在した軍事史研究家だけあり、ドイツ語の原典も入っており、一つの面白い本をものにするにはこれだけの文献を読まなければならないのか、と感心した次第。

カルガリー在住 長尾 征男
書物狩人 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:書物狩人 (講談社ノベルス)より
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No.5:
(4pt)

書物と云う美酒

本書を読みながら、ショーン・コネリーが演じていたころの一連の007の映画を思い出していた。
 まさに上質のエンターティンメントである。どちらにも泥臭さが一切ない。映画には、様式化された荒唐無稽さがあった。この作品には、ひょっとしたら、と考えさせる論理性がある。
 とはいえ、扱われている問題は、決して軽いものではない。例えば、ローマンカトリックの正統性の問題はヨーロッパの歴史と深くかかわり、様々な場面で議論されてきた。ヨーロッパ諸国の間に、普段は顔を出さないが、時として気になってくる問題があるのも事実である。中国にも当然歴史の闇がある。清の乾隆帝が作らせた『四庫全書』とは結局のところ何であったのか? 興味深い記述がある。昭和天皇の戦争責任にしても、また然り。さらに、それぞれの問題の触手は、思わぬところまで伸び、時として摩訶不思議な形でつながっている。
 書物は、様々な問題が孕まれた容器であり、いかなる問題も入れられぬものはない。一冊の書物を軸として、この世界の歴史を背負った問題群をブレンドし、一篇の美酒として取り出す作者の手並みの、何と鮮やかなことか。書物の愛好家すべてに、ぜひ、この『書物狩人』と云う美酒を味わってほしい。
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No.4:
(5pt)

続編期待

初めて読む作家だが書名に惹かれて思わず買ってしまった。読んでみたら、これがまたすごく面白い。虚実とりまじえて、歴史と書物が絡んですごく、自分好み。ナポレオンの本好きの話は、古川日出男の名作『アラビアの夜の種族』でも使われていたけど、ヨーロッパ、中国、日本の近現代史をうまく題材にしている。

それに加えて、登場人物が魅力的。主人公のル・シャスールだけじゃなく、彼を助ける女性、レディ・Bもいい。

続編が読みたい。それにほかの作品も読んでみよう。
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No.3:
(5pt)

発想がおもしろい!

書物を極秘に手に入れる仕事という発想が面白かったです。
続きが楽しみです。
続きが出たら読みたいです。
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No.2:
(3pt)

次も読みたい。

古本好きにはたまらない内容なのかと思いきや当初の思惑からは逸れてしまったが、なかなか興味深い内容だった。『書物狩人』とは世間に出れば大事になりかねない秘密をはらんだ本を、合法非合法問わず、あらゆる手段を用いて入手する本の世界の究極的存在なのだそうである。だから、只の本好き、本の虫などではなく、時には命を危険に晒すこともあったりするのだ。というわけで、ここに描かれる本の話は例えばジョン・ダニング「死の蔵書」で披露される古本の書誌学的な内容とは少し違ってくる。ここには、スティーヴン・キング「呪われた町」の初版本がいくらになるかなんて話は出てこない。本書の中に登場する稀覯本をめぐるミステリーで暴かれるのは、いわゆる歴史の暗部というやつだ。誰もが知っている歴史の常識が快く、豪快に覆されてしまう。こういうの大好き。高橋克彦「総門谷」や「竜の柩」もそうだったが、 こういった歴史の新解釈というのが、ぼくは殊更好きなのである。そこには伝奇的な匂いも感じられる。だから、内容的には本書はあの「インディ・ジョーンズの冒険」と同系色なのである。ここに紹介される四つの物語には、それぞれ一冊の本が登場する。一応ミステリなので詳細は書かないでおくが、みなとても興味深い。作者のあとがきによれば『物語を構成する要素はほとんどが事実』だということで、う〜ん、まだまだこんなに知らない事があったのかと驚くばかりだった。不満もあるが、次がでれば、また読んでしまうと思う。

書物狩人 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:書物狩人 (講談社ノベルス)より
4061824872
No.1:
(5pt)

静かなる自信

すべてはフィクションなのに、地に足の着いた、リアリティを感じられる要素がそこかしこに詰め込まれている。著者は初めて自分のホームで作品を書いたのかもしれない。著者のほかの作品のように、エンターテイメント性を高めようとして生じる上滑りした感覚は感じられない。

 石版や粘土板、パピルスの時代から存在する、記録を残したい、誰かに伝えたいという人類の欲望は、本という形を持って我々のそばにいる。その記録は、幾星霜の月日を飛び越え、普通ならば知りようも無い過去の出来事を教えてくれる。
 同時に、本はただ楽しみを与えてくれるツールでもある。そんな本に魅了され、命に代えても手に入れようという人物がいたとしても、ボクは不思議には思わない。それは、本を置くスペースが無くて、文字通り泣く泣く手放したことがある人間には共感してもらえるはずだ。

 この作品は、そんな本に取り付かれた人間の物語。
書物狩人 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:書物狩人 (講談社ノベルス)より
4061824872

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