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青い虚空
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青い虚空の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.50pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全5件 1~5 1/1ページ
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題名の「青い虚空」とはサイバー空間の事。サイバー空間中の殺人ゲームを現実世界で再現しようとするクラッカー<フェイト>と、受刑中でありながら警察に協力して<フェイト>に立ち向かう青年ハッカー(サイバー空間上では<フェイト>の旧友)とのハッキング合戦を中心に描いたサスペンス。ライム・シリーズとは別物である。「青い虚空」と言う名称はWindowsのいわゆる"blue screen"を想起させ、登場人物達の喪失感を図らずも巧みに表現していて皮肉を感じた。 作者がインターネットやセキュリティに関して非常に詳しく事前調査している事は良く伝わって来る。しかし、作品中でそれらの仕組み・用語等の説明に費やしている分量が多く、物語進行のテンポが悪い。その上、ライム・シリーズに見られる様な物語全体を貫く作者(犯人)の独創的アイデアに乏しく、骨格の弱さを感じた。<フェイト>の相棒<ショーン>の正体を除けば、これと言った謎もなく、求心力が感じられなかった。ただ単に、様々なハッキングの手口を読者に紹介したと言った風である。<フェイト>の犯行計画をもっと練るべきではなかったのか。ITに関する記述も、余りに初歩的な部分とAIに期待し過ぎている部分とが混在しておりバランスが悪い。 青年ハッカーや刑事達の家族も描き込む事で、仮想世界と現実世界との対比を強調する狙いもあったと思うが、この辺も付け焼き刃の感じがした。600頁超の大部を読ませる筆力は作者ならではと思うが、中途半端な読後感しか抱けなかった。 | ||||
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敵は最凶のハッカー。追跡する側も収監中のハッカー。裏の裏を欠く展開に相変わらずのディーヴァー節を堪能しました。 少し心配なのは、ハッカーがすべてがすべてこういうサイコばかりと思われてしまうところかな?まあ近い部分はあるようには思うけど。すごく「今」を捉えた作品なんだと思うけど、このジャンルを扱ってしまうとすごく陳腐化が早いとも思う。コーンウェルの「検死官」シリーズも今読むとプッって部分はあるから。そこにあえてチャレンジして「今」は成功してる。 | ||||
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敵は最凶のハッカー。追跡する側も収監中のハッカー。裏の裏を欠く展開に相変わらずのディーヴァー節を堪能しました。 少し心配なのは、ハッカーがすべてがすべてこういうサイコばかりと思われてしまうところかな?まあ近い部分はあるようには思うけど。 すごく「今」を捉えた作品なんだと思うけど、このジャンルを扱ってしまうとすごく陳腐化が早いとも思う。コーンウェルの「検死官」シリーズも今読むとプッって部分はあるから。そこにあえてチャレンジして「今」は成功してる。 | ||||
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ディーバーの新作は前作 Empty Chair までの作品とちょっと違っている。コンピュータの世界,なかでもサブカルチャーとしてのコンピュータの世界に起こる犯罪を捜査するというものである。前作までもリンカーン・ライムの捜査にはコンピュータが出てくるが,単にコンピュータの働きが描かれているというだけだ。 今回の作品では,コンピュータと人間が作る世界が舞台である。非常に危険な道を選んだ。前作までの,科学捜査の世界はおそらく読者のほとんどには未知の世界であり,多少の誇張やまちがいや省略があったとしても,読者はそれに気づかない。今度はちがう。コンピュータの世界に通暁した,または描かれていることをよく理解できる読者が多いからである。細部のまちがいなどどうでもよいではないか,という考えもあるかもしれないが,しかし,小説という表現形式は「要するにこうだ」ではなく,具体的に言葉で細部を表現し,その積み重ねにより作者の世界を組み立てて行くものである。読者が細部に不信をいだけば小説そのものの世界も崩れていく。 例をあげると,Simon & Shuster版ハードカバーの69頁に,被害者のIBMクローンのパソコンを主人公が調べる場面がある。パソコン本体のハードディスクに影響を与えないようにフロッピーディスクからMS-DOSを起動するが,起動すると「白いC:プロンプトが黒い画面に現れた」と記す。フロッピーディスクから起動すれば普通はA:プロンプトが現れる。もちろん設定でC:プロンプトにもできるが,ハードディスクに影響を与えないように起動するためには避けるべき設定である。 そのほか,おかしい箇所がかなり見られる。重要なのは,上にあげたような疑問が,わたしのようなプログラムを書いたこともないような素人パソコンユーザにも指摘できるということである。ひょっとしたら玄人が読むと噴飯ものの描写ばかりなのかもしれない。 | ||||
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前作Empty Chairまで快調に飛ばしていたディーヴァーであるが、本作は読んでいる間、いくども「?」と感じさせる。天才ハッカーであり連続殺人犯を服役中の元ハッカーが警察の要請で追うというストリー。まず違和感を覚えるのが、なぜ作者はインターネットをその舞台に設定したのかということ。作者は仔細にインターネット、そしてハッキングについて解説しているが、多くの読者には馴染みが薄い世界だろうし、読者を選ぶ結果になっているのではないか。また、作者のコンフィンダンサーから続く、連続殺人犯がいてそれを追う主人公グループ、そしてその中にいる意外な裏切り者という「お約束」の展開が本作品にもあてはまり、途中から興味が主人公グループの誰が裏切り者なのかという方向に向いてしまうこと。後半、犯人がシステムにハッキングし逃走する場面でこれは作者が映画化を見据えて書いたのではないかと推測してしまう。つまり文章ではあまり迫ってこないコンピュータ犯罪も映像化には向いているかもしれないからだ。ネットを使って犯罪を犯す犯人を同じくネットを使って追うというアイデアは面白いのだが。 | ||||
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