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雷電本紀
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雷電本紀の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.48pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全25件 21~25 2/2ページ
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雷電の張り手一閃に瞬きちりばめられた心洗われる小話の数々。悪い人間と良い人間の対比からではなくてあくまで魅力ある人々を丁寧に描ききることで読者の感動をよぶ。紙面から筋や汗が飛び出てきそうな相撲の描写、男たちの揺るぎない理念を帯びた台詞、雷電に熱狂する民衆の蠢き、そして徹底的な資料収集と卓越した歴史観、それらが融合して抜きん出た重みのある物語となっている。飯嶋和一 最高である。 | ||||
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読み始めはデスね。おどろおどろしいカンジが漂ってて。平安時代に飢饉の時は平安京にも死体が転がってた、とかそんな雰囲気(どんな例えやねん…)で、その最初のシーンを通り過ぎた瞬間「…エ」ですよ。(…お相撲さん)そうなの、相撲の人の話だったの←知らずに読み始めた。(うおー、なんか遠い世界の話だぜ…)と早速くじけそうになりながらも、読み始めた本は最後まで!が信条なので。…で、頑張って読み始めたんだけど。それがけっこう面白いのね。雷電と主人公の会話の掛け合いが心和むようなカンジだったり、一揆のシーンなんかは追い詰められた人の心理とかが恐かったし切なかったしで。父とのお別れのシーンはちょっと泣いた。きゅんとした。全体的には面白かったんだ。だがしかし。「えええっ!?」と驚くぐらい場面展開がすごい。ほんの数行しか空いてないのにもう何年も経ってるの。何年も経ってて状況説明が無く始まる感が強い。あと、説明が足りてないかなー…。作家の人は、頭の中に設定があるのでいいんだけど。読む側としては(いきなりそんな名前だされても誰の事やねん…)とか。歴史小説としては登場人物の情感が豊かでそれはとてもいいんだけど。たまにそれをスッ飛ばす感あり(笑)なのでビミョーにどっちつかず。アタシ的にはもそっと人物に重きを置いてもらっても良かったかな~。会話部分とかけっこうホロリとくるんで。でもそうするとページ足りない(笑)最後はけっこう無理矢理収めた感があるんだけど…。どうかな、あんなもんなのかな…。歴史小説OKの人は読んでも面白いかもね。個人的にはけっこう面白かったので他の本も読んでみようかなー、とは思ったけど。 | ||||
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伝説の相撲人、雷電の半生を描いた大傑作!飯嶋作品に共通するのは、権力への抵抗。抑圧者と被抑圧者の相克。だけど、それは一揆などにみる闘争ではなく、人が人であろうとするために、限られた生を懸命に生き、その生き様を見せつけるという手法によって、権力への抵抗を見事に描き出している。『始祖鳥記』の主人公、鳥人・幸吉の半生を描きたかった飯嶋は、どうしても江戸という時代をリアルに描くことができず、苦悩していた。そして、江戸の世界観をリアルに描くべく、緻密な研究を重ねた。その過程で、実験的に書き上げられたという本作品だが、緻密な時代考証には頭が下がります。我感嘆!忘れてしまった何かを取り戻したければ、読むべし!雷電の生き様は、魂を熱く揺さぶられます。 | ||||
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著者の『神無き月十番目の夜』を読んだとき、同書が自分の今年のベストに間違いないと思った。そしてもっとこの著者の作品を読みたくて購入したのが本書である。とはいえ背表紙解説を読んだ時点では、自分が本書を楽しめるかどうか、正直いって半信半疑だった。しかしいざ手にとってみると驚いたことに、2ページ目をめくった時には、すでにそんな思いを持っていたことすら頭から消え去っていた。雷電だけでなくもう一人の主役ともいうべき鍵屋助五郎をはじめ、その番頭麻吉、後半から登場する千田川関らの登場人物たちもとびきり魅力的。本書が『伝記』ではなく『小説』だということは百も承知の上で、気が付くと純粋な伝記として捕えている、そう信じたいと願っている自分がいる。読んでいる間中、感動という言葉だけでは表現しきれない気持ちが沸いていた。それはまるで、自分がその場にいて全てを目で見、耳で聞き、肌で感じているような錯覚を覚えるほど強烈な感覚だった。雷電本人の記録や時代背景の資料、現地への数度の取材を基に、足掛け6年の歳月を費やして出版されたという本書。そこに描かれた人、町、時代、スケール、何をとっても今年の、いや、過去のベストに挙げたい作品である。一ページ目の焼け野原のシーンですでに惹きつけられたが、最後の最後、ラスト一行がまた心にしみた。できることなら、いつまでも読み終えたくないくらいだった。 | ||||
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史上最強と言われる力士雷電。生涯にわずか10敗という彼がなぜ横綱ではなく大関なのか。長い間の疑問だったが、本書を読んでおぼろげながらわかったような気がする。時代は天明年間、浅間山の大噴火とそれに続く凶作によって貧窮のどん底にあった信州から、彗星のごとく現れた雷電。伝説の彼方にあった雷電が、生身の人間として、生き生きと描かれる。当時の大横綱谷風、小野川などの力士たち、雷電のよき理解者、鍵屋助五郎をはじめとする人間たちがまた魅力的だ。今とは違う当時の相撲事情もよくわかる。最後の釣鐘をめぐるエピソードが興味深い。著者の人間に対する深い洞察とやさしい眼差し、権力に対する反骨精神が窺える。これは寡作家である著者の変わらないスタンスである。 | ||||
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